G meter


この状態は

現在のGが 真ん中の針で +1.1G
一番下が 飛行中の最低Gで −0.4G   
一番上が 飛行中の最高Gで 1.6G
を 示しています
戦闘機には 必ず Gメーターが 装備されています
その上 機動は G基準で 表現します
4g旋回とか 5gループとか 3gプルアップとか 言います
この方が 戦闘機乗りには イメージしやすいのです

最近では HUDに Gが出ます
制限Gと 現在のGが出ます
その上 コンピューターは オーバーGも 監視しています                 

普通の Gメーターは
ー5G〜+10Gまで 表示して
その上 針が3本あって 現在Gと 飛行中の最高Gと 最低Gを 指示します

飛行機の G制限について 考えてみます
通常の最近の戦闘機は −3G〜+9Gが 運用範囲です
これ以上 頑丈な飛行機は 設計可能でしょうが
多分 人間の限界が この辺なのでしょう
−3Gも +9Gも 本当に 限界だと感じます
死んじゃう 1歩手前です
まあ 瞬時ならば もう少し我慢出来ますが
10秒以上となると この辺が限界でしょう

それで多分 設計者も人間が耐えれるであろう Gで
戦闘機を設計しているのだと 思います
必要最小限の 重量にするのが 飛行機ですから
強度を上げると それ以上の比で 重量が増加して
結局 大きなGが出ても 飛行機の性能が劣化してしまうのだと 思います

しかし ここで 嘘が 1つあります
知ってる人は 知っているのですが
あまり 一般的には 知られていない事項です

それは 制限Gが 飛行機の重量と その機動で 変化する事です
9Gまで OKという 設計は
ある 決められた重量以下で 飛行機に均等に荷重をかけた場合なのです
この条件を 逸脱すると 9Gは オーバーGとなって
飛行機は 壊れます

まあ 重量については 残燃料や 外部搭載物を 見れば判断出来ますが
均一の荷重は パイロットには わかりにくい物です

飛行機が ロールしながらの Gの増加は 危険です
右に敵が 見えたからといって
右旋回に入れながら 9Gまで かければ 必ず オーバーGです
旋回を止めて 9Gにすれば OKです

旋回では 外側の翼に よけいに荷重がかかります
その上 その荷重は ねじり力が 加わります
すると 部分的に 9Gを越えてしまいます
飛行機の どこかが 壊れれば 
飛行機全体が 壊れたのと同じです
ですから 旋回しながらの 縦操舵には 細心の注意が必要です

これとは別に 超音速では 荷重制限が 変わる機体もあります
これは 想像以上に 空気の圧縮によって
機体に 荷重がかかっていることを 意味しています

また 音速付近では 制限荷重が変化する事はありませんが
操縦上 オーバーGに注意しなくては行けません
音速を 越すか 越さないかの 状況では
飛行機の 空力中心が 移動しています
この時に 同じ操縦圧を くわえていると
思わぬ時に オーバーGしてしまいます

次に 他の G制限です
飛行機は 9Gでも
搭載物の 制限Gが 先に来る場合が あります
外装燃料タンクや 爆弾や 大型ミサイルなどです

この場合は これらの制限で 一番低い値で 制限されます
その上 発射G制限も 別にありますので
これを守りながら 武器を使わなくては いけないのです

一般に 対空ミサイルは 飛行機と同じ制限Gを持っている場合が 多いようです

OWS
これは コンピューターが 飛行機の荷重を常時監視している システムです
OWSは 現在の自分の重量や 速度などを 取り込んで
各部分の 制限Gを 見ています
そこで 荷重が増加すると
パイロットに オーバーGの 警報を出すように 作られています
先ず 予鈴がなって
それでも パイロットが 荷重を増やすと
「オーバーG!」と 叫びだします

まあ 戦闘機は 1.5倍の強度安全率を 持って作られていますので
オーバーGしたからといっても 瞬時に破壊するわけでは ありません
また 古い設計の飛行機は
強度計算を ミリミリに計算していないので
より 頑丈に作られています
T−33やF−4などでは Gメーター振り切れで 帰って来た飛行機もあります
これらは メーターが振り切れていて 
実際には どのぐらいの Gが かかったのか 分かりませんが
胴体は ねじれているし 翼は しわだらけだし リベットも飛んでいます
でも 破壊されていないのです

しかし 現代の 飛行機は違います
不必要な 強度は そぎ落としてあります
15Gで 確実に 破壊されます
ですから 新型機になればなるほど 正確な強度計算がされていると思って
荷重をかけなくては いけません
ご注意下さい

Gメーターは 単純な 機構です
計器の中に センサーがあります
ですから 取り付ける場合には 必ず 垂直に取り付けなくてはいけません
ちょっとでも 傾いていると 正確な値は示しません

それと 飛行機では 場所によって 荷重が異なります
F−4では 後席のGメーターの 方が 大きな値を示します
ですから F−4に乗る場合は
出来れば 前席に乗るようにしましょう
後席の方が 0.1Gほど きついです

何らかの機会で F−4に乗ることが ありましたら
是非とも 「前席でお願いしま〜す!」っと 言ってみましょう
その方が きつくないです・・・・