じ〜の話

Jeremyさんの ご希望で
(尚 この文章kjmjpに昔投稿した物の変更版です)

 じじいの話ではありません。
 またお尻の話でもありません。


 飛行中のの話です。
 現代の戦闘機は、平気で9Gまでかかります。ちょっと前までは7.33Gでした。どうして7.33Gなどという中途半端な数字なのかは分かりません。11Gを1.5で÷と7.33333Gとなりますが、どうして11Gなのか分かりません。

 そんなことはともかく。Gの話です。

 人間は1Gの世界で生きています。それ故それ以外のGがかかると、いろんな現象が発生します。

 まず、+Gについて
   1G:普通の状態

   2G:通常着陸のピッチアウトでかかるG、そこそこ心地いい
   3G:戦闘行動時に変針するときに使う
   4G:軽度のアクロバット時に多用する
   5G:宙返りするときはこのくらいかかる
   6G:ちょっとした空中戦の時には、常にこのぐらいかかる
   7G:パイロットになったことを後悔する
   8G:息ができない
   9G:生きているのが不思議なくらい
  10G:機体が壊れ始める
  12G:永久変形が起こり始める
  15G:羽がもげる 

 マイナスGは、
  −1G:逆立ちをしている状態
−1.5G:おなかの中身が全部出ちゃう感じ
  −2G:目が飛び出る感じ
  −3G:目の前が赤くなる
  −4G:目から血が吹き出る
  −5G:羽がもげる

  参考
   0G:何度もできる 宙返り

こんな感じですが実際はかなりきつい状態です


 ジェットコースターはたぶん最大Gが3.5G位だと思います
エレベータで感じるgの変化は0.01G位の変化です

これに比べると戦闘機のGはとってもすごいんです


Gで問題になるのは、血液です。人間の血液循環システムは1Gで設計されています。
+Gがかかると血液は足の方向に移動し始めます。そこでまずやられるのが目です。
まず白黒画像になり、そしてだんだん視野が狭くなります。
これにも耐えて、更にGを増加させると、真っ暗になります。
これ以上がんばると、意識がなくなります
意識がなくなると飛行機は、コントロールを失い自由飛行に移ります。そこでGが抜けますが意識が戻るまでには数秒かかります。

この数秒は、もし飛行機が空中戦中ならば敵にFOX2を撃たせるのに十分な時間だし、音速近くで降下している飛行機にとっては、地上まで到着するにも十分な時間です


これを防ぐためにGスーツなるものがありますが、耐G能力を1.5G程度高めるだけです、最終的にはパイロット本人の体力や筋力が問題になります

マイナスGは対処のしようがありません、すぐ目から血が吹き出てしまいます。唯一の対処は自分の機動でマイナスGがかからない様にするだけです


空中戦を終えて帰ってくると、へとへとで、体の柔らかい部分(足のももや腕の付け根などは内出血してます。たぶん脳細胞もかなり死んでいます。

だから戦闘機乗りは、奥歯はがたがた、腰は慢性ぎっくり腰、頭はパーになっちゃいます

戦闘機乗りが わけわかんない事を言うのはこのためです !! 頭がぱーなんです!



では実際に Gをかけてみましょう
先ず 15000feetぐらいで 水平飛行します
速度は Mach .9ぐらい たぶん IASは 500ktsぐらいです

そこで A/B着火
加速し始めます
加速を確認したら 水平飛行しながら 右60度バンク
これで 2Gを体験できます
Gスーツにも注気が始まり 心地よい 感覚です
この程度のGならば 10分位は 平気です

この快感に 酔いしれていると
速度が 増してきて 音速を超えそうになります
そこで さらにバンクを深めて Gを かけます

3G位で おーーー戦闘機だ! って感じかな

さらに 4G 
この辺にくると 手が重くなり上がらなくなります
万歳するには かなりの 訓練が必要です
普通の人は この辺が限界でしょう

次に5G これはアクロバット飛行するときに 使うGです
ここまでくると Gスーツで締め付けられる感じが 痛みに変わります
気を抜いていると 目の前が 暗くなっちゃいます
マスクは 下向きに 顔を引っ張り
まぶたを開けているのにも 力が必要です
ここから先は 飛行機の性能上
たぶん降下しながらでないと 速度は保てません
速度が減ると Gがかかりませんので
速度計をよく見ながらの 操作が必要です

ただ単に 引っ張るだけで Gがかかるわけでは無いのです

6G これから先は 本気の体力勝負です
当然 普通の呼吸はできません
小さく強い 呼吸をします これによって ちょっとは耐G性能が上がると言われています
下腹に力を入れて・・・「ふっ! ふっ!」って 息を吐く感じでしょうか 
顔は ほっぺたが下に引っ張られ 馬面になります
また 身体の柔らかい部分の毛細管が 切れるのが分かります
上腕の 下面などは「プチ プチ」言って 露骨に毛細管の限界が分かります

7G〜8G 自分との戦いです
どれだけがんばれるかが 勝敗を分けます
あきらめた方の 背中にミサイルがささります

9Gこれは 訓練された人間の限界でしょう
これ以上は 我慢できません
9Gも たぶん 10秒程度でしょう 我慢できるのは・・

これ以上は 黄泉の国・・・・

でも ベールアウトする時は 瞬時30Gぐらいかかりますので
身体の弱い方は ベールアウトもしない方が 賢明です


空中戦をやって 帰ってくると
体中あざだらけ
何か悪い病気みたいです
ハーネスが食い込んだ 痕
Gスーツでしめられた 痕
柔らかい部分の 内出血の 痕

ホルスタイン状態
ゲートウエイの箱
巨大な蛸と戦った 後の痕
こんな感じ・・・・

そして 極度の疲労・・・


うーん やっぱり 身内には戦闘機乗りには なって欲しくはありませんね〜
なにしろ 乗れば乗るほど おばかになってしまいますから・・・・

G