Contrail

青い空に白い飛行機雲
子供の頃に、あこがれた風景です
まさか自分で引くとは思ってませんでした

高度35000feet上昇中
ゆっくり右旋回
ふと振り向くと
今まで飛行軌跡がくっきりと見えます

エンジン付近を見ると
どんどん雲を発生しています
機上でみる飛行機雲は生きているようです

エンジンから出た後
翼から発生する渦に巻き込まれ
2つの対象な「の」の字を描いて
後ろに流れていきます

そして光線の加減によっては
虹色に輝いたりもします

はるか下の海面上にもくっきりと
飛行機雲の影が真っ直ぐに延びています
その先端に自機の影が、虹に包まれて直進します

これがContrail飛行機雲です

しかし、戦闘機にとっては、そんなロマンティックな物ではありません
Contrailは、敵なのです

通常戦闘機どうしが対進した場合
お互いの目視確認は10NM程度です
しかしContrailを引いてしまった場合は
敵から100NM以上で発見されてしまいます
これですでに勝負は決まります

それ故、いかにContrailを引かずに巡航するかが
パイロットの関心事になります

多くの気象情報が入手出来る現代でも
正確なContrail高度は、分かりません
当日飛んでみないと分からないのです

戦闘機は通常2機で飛行します
お互いのサポートのためです
そしてお互いの任務の中には
同僚機のContrailの有無のレポートも入ります

「One Conning」これが
勝利への一言です