Attitude Indicator


姿勢指示器です
この計器は 飛行機独特の 計器の1つでしょう
昔 ○菱の某4駆に 同じような 物がついていましたが
あれとは 全く違います
外見は似ていますが 某4駆についていたのを 飛行機に付けたら みんな墜落です     

姿勢指示器は 普通 AI とか ADIとか 言います
基本的には 人工の仮想水平線と 飛行機の関係を示します
どの AIでも 中心が 自分の飛行機です
それと 仮想水平線の 関係で 自分の 姿勢を判断するのです

中身は 大体ジャイロです
動力は 電気や 空気のサクションが 多いようです
昔は 純粋に 姿勢だけを表示していましたが
最近では 統合化されて
他の 色々な 情報が表示されます

また 昔のAIは それ自身の中に ジャイロが組み込まれていましたが
今は ほとんど表示機能だけになって
飛行機に搭載されている INSなどの 情報から
姿勢などを 表示するようになっています

それでは AIの使い方です
飛行機は 雲の中では 自分の姿勢は 絶対に分かりません
頼りは このAIだけです

使い方の基本は
水平線と 飛行機のシンボルを 重ねると
水平直線飛行が 出来ます

しかし 本当は ちょっとちがいます

飛行機は速度によって 水平飛行出来る 姿勢が違います
低速だと より 機首上げに
高速だと より 機首下げになります

そこで 先ず 水平線と 飛行機を ぴったり重ねます
そして 高度計や 昇降計を見て 上昇か降下かを 見極めます
仮に 上昇しているなら
飛行機のシンボルを 水平線の ちょっと下に 保持します
ここで 重要なのは 保持して待つことです

水平線の下に 飛行機を持っていったからといっても
計器に その変化が 表示されるには ちょっと時間が必要です
多分 5秒ぐらいでしょう
でも 人間は この時間 待てないんです
どうしても さらに 機首を下げてしまいます

そうすると 今度 高度計や昇降計が 指示するときには
膨大な 修正量となってしまいます

+100feetの高度を修正しようとしても
その結果 ー300feetとなります
これを 修正しようと 同じ動作をすると
今度は +500feetとなって
どんどん 発散していきます

AIには バンク角も 表示されます
バンクの修正は ヘディングの動きで修正します
これには HSIが 必要です(参照HSI)

戦闘機のAIの場合 ピッチ方向も バンク方向も 360度 動きます
ですから AIだけでも アクロバット可能です
ただし 構造上 ピッチ+−90度付近は ちょっと 誤差が出ますが
まあ 垂直に 降下や上昇を 長く続ける人は いませんので
それほど 大きな問題では ありませんがね!


AIの下に ボールとニードルと呼ばれる 表示器があります
昔は 別の計器でしたが
最近の AIには ほとんど この ボールとニードルが ついています

先ず この ボールです
単純な 構造の 計器です
何の動力も 必要ありません
左右が 上に曲がった ガラス管の中に 油とボールが 入っています
これは 飛行機に かかる 横方向の 荷重を 表示します
飛行機が 右に滑れば ボールが右に
左に滑れば ボールは左に 行きます

(この文章を読んで 浦田君という人から クレームが来ました
 彼が 言うには
  1. 飛行機の滑りとは ラダーを踏んだ方じゃないかと
  2. だから 右に滑ると ボールは 左じゃないのか
  3. 右ラダーを踏んだときには ボールは 左 よって表現が逆!
  4. おまえはそれでも ぱいろとか!
参考:浦田君は 某社の某機種の整備係
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右ラダーを踏みます
飛行機は 右に機首を振ります
でも飛行機は 元のままのコースを飛びます
この時に ボールは 左に飛びます

パイロットから見ると 飛行機は左から風を受けて
軌跡は左に行っているように観察されます
だから 左に滑ってる って 言います

その滑りの修正には ボールのある方の ラダーを踏めばいいのです
わかったかな 浦田君!
君は 学問でしか 飛行機を知らない!
物理的に 第3者的に 飛行機を見るから
違う座標系で 飛行機を見てしまうのです
実際に 飛行機に乗っているつもりで
現象を 理解しなくては 良い整備員には なれませんよ!ってか?
(400年に一度の 閏年を記念して 個人名で 記載しました)

もし 万が一 こんな浦田君と おつきあいしてみたいな という方が
おられましたら 私にご連絡下さい
なんとかしましょう! 参考

ラダーで ボールをセンターに持って行けば
飛行機の滑りは 修正されます
時々 このボールを β計だと 言う人がいますが
正確には Ny計です
まあ 同じ様な物ですがね・・・

次に ニードルです
これは ニードル 針 ですが
針では ありません
昔は 針でしたが 現在 AIについている物は
ただの 横に動く マークだけです

ニードルは 飛行機の左右の変針を示します
右に 機首が向くと 右に
左に 機首が向くと 左に ニードルが 動きます
ですから 僅かにバンクを取って 飛行していると
だんだん ヘディングが 変化しますので
HSIで 機首変更を 確認する前に
機首の 変更が分かります

おー昔は 高度計と ボールと このニードルで 雲の中を飛んだそうです
ほとんど 神業
私には 絶対に出来ません
いかに 昔のパイロットの 技量が優れていたかが 分かります

飛行機にとって 自分の姿勢は
一番 パイロットにとって 必要な情報です
ですから 姿勢指示器は 壊れたり 嘘をいったりしては いけません
そのために 普通の戦闘機は 姿勢指示器が 2つ装備されています
これらは 全く独立していて
作動原理や 情報源が 異なるように 作っています

パイロットは なんか変だな と 感じた瞬間に
別の 姿勢指示器を見る 癖がついているのです

また そのほかの計器も 自分姿勢の判定に重要です
姿勢指示器が 水平飛行を指示していても
パワーもいじらないのに 速度が増えていれば
多分 降下しているのだし
ヘディングが 変化すれば 多分バンクを取っているのです


パイロットに重要なことは

あらゆる計器を見て 総合的に 自分の状況を 判断し続ける事なのです