A F C S

Automatic Flight Control System

オートパイロットの お話です

戦闘機にもオートパイロットが付いています
きわめて簡単な装置で
民間機のような 多くの機能は持っていません

通常は 姿勢保持モード と 高度保持モードです


姿勢保持モード

このモードは オートパイロットがエンゲイジされたときの
飛行機の姿勢を保持しようとします
また エンゲイジ後 操縦桿を 操作して姿勢を変えれば
その変えられた姿勢を保持しようとします

水平直線飛行で エンゲイジすれば
その姿勢を保持しますので
操縦は 楽になります
しかし 燃料の減少や 風などで 外部の状況が変化しても
姿勢が変わらないので
高度や速度が変化します


高度保持モード

高度保持モードは 姿勢保持モードがエンゲイジされているときに
エンゲイジ可能です
これを入れると 高度を保持しようとします
ですから この状態で エンジンを絞れば 
徐々に 迎え角が上がって 高度を保持しようとします


オーパイの地位

戦闘機でのオートパイロットの 地位はきわめて低いものです
ほとんどのパイロットは あまり使いません

なぜならば 戦闘機が 真っ直ぐ飛ぶ 時間が少ないからです
常に 激しい運動をしている 戦闘機に おとなしく飛ぶ オーパイは 不釣り合いです

また 大体は編隊で飛びますので
オートパイロットを入れると 編隊隊形の維持が難しくなります

リーダーが オートパイロットで飛んでいる 所に
ウイングマンが ノーマルフォーメーションに付こうとすると大変です

オートパイロットは 何らかのセンサーで 機体の動きを感知して
ずれを修正します
そのため ちょっとでも 外れると 直ぐに直します

オートパイロットで 飛行していると
計器は動きませんが 機体の小さな動きは 常にしています
そのため ウイングマンが 付きにくいのです

これれらの理由で 戦闘機はあまりオーパイ使いません

また 戦闘機のオーパイは 直ぐに外れる様になっています
パイロットが操縦桿に 力を加えると オーパーは自動的に外れます

直ぐ外れるといっても
+4g ー1g 程度の 操作は必要です
民間機では このようなGは あまりかけないでしょうが
戦闘機では 何かしようとすれば
直ぐにこのぐらいは かかります

また オートパーロットの オーソリティーも 低く作ってあります
オーソリティーとは オーパイの能力範囲です

通常は オーパイでは 60度バンクまで 言い換えると 2g旋回までです
これ以上バンクをとると オーパイが外れます

理由は あまり オートパイロットに能力を与えると
何らかの故障で オーパイが 暴走した場合に
パイロットが押さえきれなくなるからです

また 戦闘機のオーパイは エンジンに連動していません
エンジンは操縦系統と 独立しています
何があっても エンジンだけは回るようになっています

もし 操縦系統と連動していると
何らかの 故障が操縦系統に発生した場合に
エンジンも止まってします 可能性があるからです

戦闘機は 戦争が本職です
戦争では 弾が飛んできます
何らかの故障は 当たり前です
でからできるだけ 各のシステムは 独立させようと 設計されています


F−2のオートパイロット

F−2には 多くのオートパイロットの機能があります
多くといっても 民間機のイメージとは ちょっと違います

本来 F−2は コンピュータで 飛んでいます
ですから 飛行そのものが オーパイなのです

従来の飛行機は、普通の操縦系統は 機械的に 組み上げられています
その上に コンピュータが 制御する オーパイが 乗っています
ですから 操縦系統と オーパイは 全く違うものでした

しかし F−2では その区別が 明確ではありません
すべて コンピュータが飛ばしているからです

オートパイロットの スイッチを入れなくても
手放し飛行は可能です
水平直線飛行で 手を離せば
かなりの時間 水平直線飛行をします

それは 飛行機が常に床方向に1Gで飛行しようと 努力しているからです
だから背面水平飛行で 手を離すと 1gのスプリットSをします
これは脚が上がってるときで
脚が下がっていると
正常な 水平直線飛行なら 同じですが
背面の場合には 背面水平飛行をします

これは 制御方法が 脚が降りているときと 上がっている時で 違うからです
脚が上がっていれば 床方向に1Gを保とうし
脚が下がっていると ピッチ変化を0にしようとするからです

脚が下がっていると 普通の飛行機の姿勢保持モードと全く同じです

さて F−2のオートパイロットですが
もっとも 面白いのが 姿勢回復モードです

このモードをエンゲージすると
どんな姿勢からでも 水平やや上昇飛行になります
アンコントロールや失速状態では だめですが・・・

ですから 自分でバーティゴだと 思った時に これをエンゲイジすれば
自動的に回復してくれます

ちょっと考えると 便利なようですが
本当は どうなんでしょう
私には ちょっと疑問のあるところです

あと F−2に搭載されている機能は
自動的に ステアーポイントを飛行するモード
示した 針路に向く機能等
民間機に付いている機能があります

ただし ILS等の着陸用の オートパイロット機能はありません
また エンジンには連動していませんので
速度や高度の 制御は オーパイではできません

結局 戦闘機は 長時間 水平飛行しないので
あまり オートパイロットの 世話にはならないのでしょう

強いて 使うのは 長距離フェリーや 移動訓練での NAVだけでしょうか

むかーーし むかーーし
F−104では オーパイ入れて GUN射撃したそうですが
それは 裸の形態では 安定性が悪かったからでしょう


民間機では いかに上手にオートパイロットを使うかが
パイロットマネージメントの重要な部分です

戦闘機もいつかはそうなるかもしれませんが
本来オーパイは いかにパイロットタスクを減らすかを目的に
発展してきたものなのに
今は パイロットロードを増やしています

今では パイロットはオートパイロットに使われ
よけいな苦労をしなくてはいけない時代です

なんか おかしい!
考えながら 正確に使わないと 危険な状況になってします 機材・・・

んんんーーーー なんかへんだ!