A.E.B.

Approach End Barrier Arrestment


今回は
フックでの着陸です

普通の戦闘機にはフックが付いています
大きさや 作動要領は様々ですが
目的は同じで
航空祭の時にかっこよく飛ぶための物です

しかし、他にも使い道があるのです
では、戦闘機乗りのみなさんにだけお教えしましょう


フックは空母に降りる時に使用するとお考えの方が多いようですので
陸上飛行場で 使用する場合をご説明いたします

戦闘機の着陸システムに異常がある場合もしくはその疑いのあるときには
AEB着陸が推奨されます

たとえば、ブレーキアウト ステアリングアウト などです

また滑走路が滑りやすい時や
横風があまりにも強いとき
滑走路が全長使用不能の時などにも使われます

フック着陸の最大の特徴は
飛行機を傷つけることなく
短い距離で停止させることが出来ることです

またこの際には、アプローチ側のワイヤーを使用します
軍用飛行場には、通常滑走路数カ所にワイヤーが張られています
このワイヤーは、滑走路表面から数十センチの所に
ゴムパッドによって保持されています

ワイヤーにドーナツ型のゴムを50cm程度の間隔で通してあり
特にほかの離着陸には支障が無いようになってます

本当は普通の飛行機にはかなり影響がある
特に軽飛行機などがまともにこれを踏むと 飛行機が壊れるかも知れません
ですから
サンデーパイロットの方で 緊急に軍用飛行場に着陸する際には
このバリヤーを越えてから接地した方が無難です
T−4やセンタータンク付きT−2やF−2でも同じです

さて何らかの原因でAEBを決心したならば
管制塔に告げます
これはワイヤーが通常は 外されている飛行場もあるからです
多分外されていても、15分もあれば 張ってもらえるでしょう

そしたらなるべく身軽にします
爆弾のアーミングを外して 爆発しないようにして
その辺に落とします
できれば下の安全を確認しましょう

ミサイルは適当に発射してしまいます

次に燃料です
燃料を投棄出来る飛行機は、適当に捨てます
出来ない飛行機はS/BおろしてA/Bでも焚けば
燃料は数分で無くなります

これで大夫軽くなるはずです

間違っても爆弾やミサイルを持ったまま降りてはいけません
クラッシュしたときに 爆発しちゃうかも知れません

身軽になったら
ちょっと長めのFINALを作るように計画します
ギアー、フラップを下ろします
フックも下ろします
F−1はだめですよ!
空中でフック下ろしては、下ろすとこわれちゃうから・・・・

この3点セットを下ろしたら
滑走路の出来るだけ手前を狙います
フレアーする飛行機は
オーバーランを狙います

最低でもバリヤー手前300feetには接地しましょう
接地直後のHITはHITの可能性が少なくなります
なぜならフックは接地後数回跳ねるからです
運が悪いとちょうど跳ねたときに
フックをまたいでHIT失敗になります

FINALで暇があるので
出来れば燃料タンクの圧力を抜いておくのもいいでしょう
これも焼け死なないための手段です

またショルダーハーネスはロックしましょう
通常戦闘機にはエアーバッグ付いていませんから
そのままだと頭をハンドルにぶつけちゃいます

アプローチは普通でOK
接地近くになると
「シャラシャラ」と音がします
これはフックが滑走路を走る音です

接地は滑走路中央よりもちょっと風上がいいです
中央はセンターラインライトが埋められていて
フックが跳ねる可能性があるので
中央は避けて
どちらかと言えば風上側が将来を考えるといいでしょう

接地と同時にIDLEにします
すでにIDLEになっていれば いいです
そして、ノーズを直ぐに下ろします

ノーズが上がったままHITすると
前脚を破壊して、痛い目に遭います

この際ブレーキやドラッグシュートをどうするかは
状況によりますが
できれば出来るだけ減速してHITしたほうがいいので
使った方がいいでしょう
ただしブレーキはHIT直前に離しましょう
さもないとフラットします

またドラッグシュートはすぐに切り離せるようにしておかなないと
何らかの理由でゴーアラウンドする場合に障害になります

HITはケーブルほぼ中央
直角にHITします
曲がってHITすると
フックやワイヤーが壊れて
瞬時にオフランもしくは機体破壊となります

軽いショックでHITが分かります
そんないすごい衝撃ではありません
「ふーん こんなもんか」てな感じです

またこの際スロットルに力が入って
パワーが出てしまうことがあるので
死にたくなければ意識してIDLEを保持しましょう

HITしてからがたいへんです
止まりそうになると
ケーブルの種類によって違いますが
急激に後ろに引き戻されます

このときむやみにブレーキを踏んでいると
わんちゃんのちんちんの姿勢になって
飛行機をこわしてしてしまいます

離しているとすごい勢いで引き戻されます
だから適度なブレーキが必要です
その量はセンスの問題でしょう

また引き戻されるときは
後進ですので
ステアリングやディファレンシャルブレーキは
逆操作です

背面飛行時のエルロンと同じです・・・・?

だからだましだまし使うのがいいでしょう
一気に使うと激しく逆方向に行く可能性があります

この逆走も数メーターで終わります
運が良ければ この逆走でワイヤーがフックから外れて
フックアップすればバリヤーから解放されます

こうなれば自走でランプに帰れますが
できれば地上員の指示に従った方がいいでしょう
飛行機やワイヤーがどうなってるかはっきり分からないので

これでAEBば無事終了ですが
日頃の行いが悪いと
HIT失敗する事もあります

次に失敗したときの手順です
HITしなければ
「すーーっ」とバリヤーを通過するでしょう
バリヤーを過ぎて1500feet行ってもショックが無いときには
HITしなかったと思って下さい

理由はいろいろありますが
その時理由を考えてる暇はありません
多分日頃の行いが悪かったのでしょう

そこで瞬時に次ぎどうするかを考えます
本当は着陸前に決めているのですが・・・

もし飛行機が安定して走っていて
中央付近や 滑走路エンドにさらにワイヤーがあるならば
再度HITを試します
普通はこうするでしょう

しかし飛行機がやばかったり
止まれそうもなかったら
ゴーアラウンドが最良の策です
パワーをMILやA/Bまで進めて
シュートを切り離し
S/Bをしまいましょう

あせることなく 通常離陸をすればいいのです
無事にエアーボーンできれば
地上からミスヒットの理由が知らされるでしょう

それが絶望的なものであるなら
このHPのEjectionを参考にして下さい

また再度HIT可能なら
このページの最初からやりなしましょう

しかし、燃料をすでに捨てているんで
長い時間飛べないことを 思い出して下さい!

運が悪いと、燃料のことを思い出した瞬間に
エンジンの火が消えます・・・・・・