2 3.ジャリ穴の外人
 
 娘が生まれてから仕事のあとや休日は釣りに行けなくなったので昼休みに信濃川のジャリ穴に釣りに行っている。
 片道車で10分ぐらい、昼飯を食べるのに10分くらいなので60分の昼休みで正味釣りが出来るのは30分くらいか。
 それでも、そこそこは釣れてる。
 ジャリ穴は小場所なのでせっかちな俺は30分有れば十分廻ってしまうしね。
 昼は人が居ないからスレてないっていうメリットも有る。

 でも、この時間帯、ここに来るのは非常に濃い奴ばかりのようだ。
 その中でも特に怪しいのがイギリス人のディビッド(仮称)だ。
 実は何度か話はしたけど名前は聞いてない。
 でも、イギリス人だからディビットで良いかな?イギリスには結構多い名前だし(オイオイ)

 始めて彼を見たのは雨上がりの日で、やたら、へらとコイの餌釣りが多い状況だった。
 その中に海用のグラス振りだし竿で釣ってる奴がいた。
 邪魔にならないよう10m位離れて釣ることにした。
 俺は岸と平行に投げてカバーを釣るスタイルだけど、海用餌竿使ってるような初心者の人は沖ばかり投げるの人が多いからこれくらい離れてれば投げる場所がかぶらないだろうと思ったのだ。
 しかし、彼も俺と同じスタイルで横のマコモのカバーにルアーを投げて来た。
 「まともな場所釣るなあ」と思いつつ、結局ポイントが重なるので移動することにした。
 ところが、彼がよってきて

「Oh!スピナーベイト!一緒ネ、釣れマスか?」

 と声をかけてきたのだ。

 この段階で彼が外人だったのに気がついた。
 どうりでガタイが良いわけだ。

 この後、バイブのスレでヘラブナを釣ったので記念写真のシャッターを押してあげた。
 その後、少し話をしてみた。
 なんでも、イギリスの人で日本に来て2年目ということ。

「イギリスではブラックバスはナッシング・・・難しい魚。先週ワンフィッシュ。ここはN0.1釣れるデス」

 だそうだ。
 イギリスってフライでトラウトの国かと思ってたけどそうでもないんだな。(偏見です)

(注)バスはイギリスにも生息しています


 それから、何週間か経って・・・その間、新潟でもW−CUPが行われ、ベッカムが来てたりしたけどそれとは関係無く・・・何度かジャリ穴で彼を見かけた。

 一度は、フライで釣ってたこともあった。
 流石はイギリス人、フライが様になってた。
 その上、イギリス人らしくウエットフライのシルバーマーチブラウンとかロイヤルコーチマンなんかを使ってた。

 俺が

「It's a beautiful flies! 」

 とコメントすると、照れて

「きれいなフライ、釣れマセン。テキトーなフライ、よく釣れマス。」

 だと。
 確かにね(笑)

 さらに、

「これで岐阜県でアマゴ?釣ったヨ、でもここのバスは難しいネ」

 かなり、日本に来てアクティブに釣りまわっているようです。
 しかし、その彼が何故にこんなマイナーなところに出没してるんだろう?
 やはり謎の外人である。
 でも、バス釣りは国境を超えると言うことか?



 さて、最近、さらに忙しくなって昼休みでさえ釣りに行けなくなってきた。
 今でもディビット(仮称)は釣ってるのだろうか。
 情報求む!

 
 

●使用タックル
ロッド:SHIMANO Scorpion 1602R4
リール:SHIMANO Scorpion 1500
ライン:SUNLINE  Machinegun Cast 20lb
ルアー:ノリーズクリスタルS

2002/10/11