1.新潟バス問題について
新潟ではバスのリリースを禁止する内水面漁場調整委員会指示が1999年12月に出された。
俺はこの指示の問題点を地元の新潟日報に投書し、その後、同紙上でインタビューを受け、また、Basserの吉田幸二さんのコーナーでも取り上げていただいた。
今後も俺はこの問題に取り組んでいくつもりだ。
以下に俺の主張した文章を掲載する。
(新潟日報投書内容)
県内水面漁場管理委員会は12月28日からブラックバスの再放流を禁止するそうです。
違反者は1年以下の懲役、または五十万円以下の罰金という大変重い処分を受けることになるそうです。
私は数年前からバスフィッシングを楽しんでいますが、バスの愛すべき性格を知るようになった今ではとてもバス達を殺すことはできません。
バスをやめる気もありませんから、これから私は犯罪者になるのでしょう。
バスは現在、小中学生に最も人気のある魚ですが、その子達も釣ったバスを殺さなければいけないのでしょうか。
害魚だという理由さえあれば排除してよいという考え方は、人と少し違う等些細な理由がいじめのきっかけになる子供たちの心の荒廃を助長する思想につながる気がします。
バスはTVゲームの仮想空間に閉じこもっている少年たちを自然の中に連れ出し、生命とのふれあいを実感させてくれる数少ないきっかけとなっています。
バスによる生態系への影響は無いとはいえないと思いますが、これを釣ることは関係が無いはずです。
罪も無い生き物を殺すことが合法で殺せない人が犯罪者という今回の措置には疑問が残ります。
(Basser投書内容)
以前、新潟のバス再放流禁止の記事を送った山崎です。
WBSのホームページの『罵詈雑言』で、新潟のバス事情を取り上げて戴きありがたく思います。
新潟のこの件についてのその後の動きですが、1月5日の私の投稿に関する本間内水面漁場管理委員会会長のコメントを以下に載せます。
県内水面漁場管理委員会会長 本間 義治
五日付「ブラックパス禁止に疑問」にお答えします。外来魚のうち、強い魚食性と繁殖力を有しているオオクチバス、コクチパス、ブルーギルは、外敵がいない日本では生態系
に大きな影響を与えることから、内水面漁業調整規則により移殖が禁止されています。
しかし、違法な移殖が行われた結果、現在、オオクチバスについては県内の多くの河川や湖沼で生息が確認されており、昨年行われた奥只見湖における県の調査では、捕獲された魚
の70%までがオオクチパスで占められるに至っております。
このまま推移しますと、多くの河川や湖沼で在来の淡水魚や希少生物が減少し、特に閉鎖的な湖沼での被害は甚大です。
当季員会では県からの要請を受け、これら外来魚の取り扱いについて検討した結果、遊漁者の皆さんには、釣った外来魚を再放流(リリース)しないようご協力をお願いすることにしました。
再放流された一匹のメス魚から、生涯に数万匹の稚魚が産まれ、それらが希少生物を含む在来の淡水魚を食べてしまうことから、河川、湖沼の生態系に一層の影響を与えること
となります。
多様な生物が共存する河川、湖沼を二十一世紀に残していくため「再放流の禁止」にご理解とご協力をお願いします。
この文面を素直に読むと『お願い』ならば、リリースに関しては釣り人の裁量ということになりますが・・・。
恐らく、あまりに筋の通らない話だったのを指摘したので、軟化せざるを得なかったのだと思います。
先日、親しくしている新潟県内のある漁協の漁労長と話したのですが、新潟県内の各漁協の会議では、バスを漁業権魚種に認定する要望が大半を占めているそうです。
理由としては、一般的にバサーのマナーは良くないが、本格的にやっている人に問題のある人は少なく、気まぐれでやってるような人が悪いので、バス釣りの敷居を高くして、
真面目なバサーだけに制限しようとする為だそうです。これは同じバサーとして、恥ずかしいことでもあります。
また、もう一つの理由はやはり青少年層には、今迄入漁料の中心を占めてたアユ、コイ、フナなどの釣りが不人気で、いずれ入漁料収入が望めなくなるのでは? という状況を打
開することが迫られている為だそうです。
本来ですと、入漁料は漁業法で資源の保護増産の為に、利用しなければなりませんが、他魚種のようにバスを放流することには、漁協も県庁も難色を示しているそうです。
しかし、リリース中心のバスの場合、多分放流の必要は無いので、生息環境の整備(アシやその他の植物群落の整備)やバスの餌となる小魚類や甲殻類などの在来魚種の放流に、
入漁料を回すことで、釣り場の環境を守り、食害の影響も少なくなる、という意見もあるそうです。
このように漁協では、バスに対して前向きに取り組んでいたのですが、県庁と本間教授が暴走したというのが内情のようです。
ところで、今回のリリース禁止を正式に伝える新潟県広報も、先の漁労長のとこで見せて貰いましたが、新聞報道では省かれたところがありました。
それはリリースは禁止するが、『公的な機関が調査・試験目的で放流することは、この限りではない』という下りでした。以前、同じ新潟の岩佐君(実は彼とは友人です)の情
報にあった、不妊バスの放流実験を考慮しているのかも知れません。
不妊バスで生息数を減らそうという理屈は、多分、ウリミバエなどの駆除を参考にしたのだと思いますが、この場合は、
●不妊の成虫を放しても、これはほとんど餌をとらないので被害が少ない。
●ライフサイクルが短く、短期間で効果があがる。
●繁殖は一生のうち一度であり、失敗してもそのまま死んでいく。
という生物だから有効だったはずです。バスの場合、どれもあてはまらないので、完璧な不妊体が出来てたとしても、効果はあまり無いはずなのですが・・・
それに不妊体は染色体の倍数体やF1などで、簡単に作れるはずですから、有効な手段であれば、すでに実施されてると思います。
それとも、何か秘策があるのでしょうか。
新潟の場合、バスの生息拡大は他の都道府県同様、バサーのゲリラ放流によるとしか報道されていませんが、漁業関係者の話ではどうも違うようです。
新潟県のほとんどの湖沼は近年、県によりヘラブナの放流が行われています。
今回のリリース禁止のきっかけとなった奥只見湖も然りです。
さて、このヘラブナですが、琵琶湖で網により捕獲されます。琵琶湖にはバスが生息していますので、必然的にバスも混じるようです。
実際、放流に携わった漁協の人も、混じっているのを確認しているそうです。
しかし、多くの稚魚からバスを分離していると、稚魚が弱るため気にせず、そのまま放流してるとのことでした。
件の漁労長は、
「県の内水面は、自分らのミスを絶対公表しないからなぁ、フェアじゃないよ」。とまで言っていました。
バサーのゲリラ放流が皆無、
とは言いませんが、この辺のところは・・・。
長い文章になってしまいましたが、新潟のバス事情を、誰かに知って欲しくて、つい書いてしまいました。
おそらく、新潟で起こったことは、飛び火して全国に広がる可能性があります。
しかし、道理に適わない行政からの押しつけを、そのまま鵜呑みにしてしまうと、バスがあまりにも可哀想です。
私が投稿した新聞を読んだ知り合いも、「今回の措置は筋が通らない」と皆が言ってくれます。
今後、どうなるかわかりませんが、やれるだけやってみるつもりです。