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「サケの網上げに行かないか?」。3日前に遺跡発掘で一緒に仕事をさせていただいている福岡さんの誘いで、なんと漁業を体験することになりました。漁船に乗って秋サケ定置網を上げに行くのだそうです。何もかも生まれて初めての体験となる私はいろいろな不安を抱きつつも「何事も体験が大事」とばかりに、この網上げを楽しみにしていたのでした。

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日時   平成11年10月2日(土)
場所   古平漁港より沖合3q付近
時間   朝5時出港−6時帰港

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サケの定置網漁は朝早くから行われました。この日は朝4時起きで眠い目をこすりながら福岡さん宅へ向かいました。さらに車で余市の町を抜け、積丹半島1週道路・国道229号線を北上。景勝奇岩の海岸線をひた走り、崩落事故のあった豊浜トンネルを抜けると古平町に入ります。古平港までは約20分の道のりでした。

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今回お世話になった古平漁港所属・第三稲荷丸。ボートのような船にエンジンが後部についた小型漁船です。乗組員はぼくと福岡さんを含めて8名。この日は低気圧が近づいてきており、日中は大雨の予報が出ていました。海が荒れていないか心配でした。

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古平漁港を出て約20分ほどで定置網が仕掛けてあるポイントに着く。やはり低気圧が近づいているせいか、外海に出ると波がうねりを上げている。小型漁船・稲荷丸は船頭さんの巧みな誘導技術で、うまく波をよけながら進んでいく。しかし、大きな波を越えると時折しぶきが降りかかる。雨具を着ているので安心だが、ここでもうひとつの心配事が浮上してきた。そう、それは「船酔い」だ。船は大型のカーフェリーしか乗ったことのないぼくにとって、小型漁船は未知の世界。体が上下に揺すられるほどの振動がある。あらかじめ事前に酔い止め薬を服用したおかげで、なんとかポイントまではたどりつくことができた。しかし、ちょっと気持ち悪い・・・。
いざ漁が始まり定置網を引き寄せる作業が始まった。船員一列に並び、ズレないように均等に網をたぐりよせていく。なるほど、だんだんとサケを囲うようにして追いつめていくわけだ。そして、半径50メートルにわたって仕掛けられた網はたぐりよせることによって、わずか50センチほどの小さないけすに早変わりした。それが上の写真の状態である。獲物がものすごい勢いでバシャバシャと必死の抵抗をしている。

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そして、本日のメインイベントの始まりだ。50センチのいけすに追いやられたサケの一群は、漁師さんのタモによって一網打尽に船の上にすくわれてしまった。船上では打ち上げられたサケが跳ね上がっている。これが漁業というものか。威勢のいい声が飛び交い、緊張感が一気に漂ってきた。船上はまさに戦場と化していた。最も緊張感が華やかでスリルのある5分間であった。ぼくも網を引かせてもらったがサケの重みでものすごく重い。網を引きながら他の船員さんがタモでサケをすくうという連係プレーで、船上にサケが山のように打ち上げられた。

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一網打尽にしてすくい上げたサケを、帰りの船中で選別します。オス、メス、大小、ホッチャレ(川に遡上する直前のサケ。魚体に模様ができて緑っぽくなるサケのこと。味はイマイチ)かアキアジ(ホッチャレではないサケのことで、魚体は銀色に輝いている。味はもちろん最高)かを手際よく区別していました。

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どうですか、この大きな秋サケ。すごく重くて力があります。大漁の漁船の中はみな笑顔が絶えませんでした。

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サケの選別も終わり、後は漁港へ帰るのみ。戦いを終えた自称「サケの神様」はおいしそうにタバコをふかしていました。これが一仕事終えた漁師の顔です。たくましそうです。そして、後ろの水色の合羽を着ている人が船頭さん。左手一本で舵取りをします。このような天候の日でも出漁できるのは、長年の経験あってのことなのでしょう。

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この方が今回のサケ漁に誘ってくれた福岡さん。元海上自衛隊に所属して戦艦に乗り込み、世界中の海を巡り歩いたそうです。海のことなら何でも知っており、遺跡発掘の仕事の合間にいろいろ貴重な体験話を聞かせてくれます。

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ついに古平港へ帰ってきました。出港した時はまだ真っ暗だったのに、漁を終えるとすでに陽が上っていました。200匹はあろうかという秋サケがコンテナにあふれんばかりに躍っていました。この後、軽トラックにコンテナを積み込み、近くの市場へと出荷されました。約1時間の秋サケ定置網漁はこうして無事に終えることができました。おみやげに秋サケ、オス・メス一匹ずついただきました。稲荷丸のみなさんありがとうございました。

 

あとがきその後の話

秋サケ定置網漁という何もかもが生まれて初めての体験で、これほどワクワクしたことがなかったくらい楽しかった。このような機会を与えてくれた福岡さん、ならびに快く乗船を承諾していただいた稲荷丸の皆さんに感謝したいと思う。今日の出来事を教育の観点から見ると「体験学習」に他ならない。やはり見たり聞いたりすることよりも実際に体験した方がよりいっそう学習効果があることを、このことを通じてよくわかった。ぜひともこの体験を生かしていきたいものだ。
北海道に来てからさまざまな実体験をしているような気がする。それだけ北海道という土地はいろいろなものに満ちあふれて豊かなのだと思う。北海道に移住してきて今ものすごく世界が広がっている。これからも何が起こるかわからないというスリルに満ちあふれた生活をしていきたい。そして体験できることはどんどん果敢に挑戦していきたい。新しいことを知り、視野を広げ、違った物の見方をすることにより、また違った何かが見えてくるはずである。茨城にいた頃の自分とは大きく変わってきているようなそんな気がした一日だった。

さて、古平港を後にした福岡さんとぼくは余市に戻り、福岡さん宅で朝食をごちそうになった。奥さんが数日前に漬けておいたイクラをふんだんに盛り合わせたイクラ丼をごちそうになった。ものすごくおいしかった。そして、奥さんからいくらの醤油漬けの作り方を伝授してもらった。帰ってさっそくメスのサケの解体作業に取りかかる。いや、少し寝たのち出刃包丁を購入してからの作業だった。ぬるめのお湯で筋子を手でほぐしたのち、醤油、酒、みりんを2:1:1の割合でタッパーに入れて漬け込むのだ。一晩寝かせれば立派なイクラの醤油漬けができるそうだ。さきほどつまみ食いしてみたが、プチプチと口の中で弾けており、すでにおいしくできあがっていた。さらに60センチはあろうかというサケの解体作業に取りかかった。3枚におろしたのち、一枚一枚市販されているように切り身にしていった。なんと1匹のサケから15枚の切り身が取れた。
今夜の夕食はサケのぶつ切りをふんだんに使った三平汁を作った。野菜(ダイコン、ジャガイモ、ニンジン、ゴボウ)とサケの切り身、そして昆布だしと塩のみのいたってシンプルな料理だが、これがまたうまい。北海道に来てならではの料理をいろいろな人に伝授してもらい、今そのレパートリーを増やしている最中である。内地から友人が遊びに来たときのおもてなしの一品にもってこいだ。
最後にその模様をダイジェスト版で紹介します。重いページになってしまいましたが、最後までどうぞご覧ください。

 

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福岡さん宅にてぜいたくなイクラ丼の朝食をいただきました 今日の戦利品。1メートルはあろうかという魚体にビックリ 上がオスで下がメスのサケ。メスの腹を裂くと筋子が・・・
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イクラの醤油漬けを作る最中です。新鮮なので輝き満点! サケを3枚におろしたところ。サーモンピンクが鮮やかです 今夜の晩飯は三平汁。塩味が効いてうまいんだなぁ

 

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