番号 99J-001  送信日 99/12/01  差出人 船橋 隆久
件名 色がついたり消えたり

 船橋です。
 6月に淑徳高校で行われた「科教協実験広場」で井階先生が紹介された「色の変化が繰り返される振動反応(かがく実験出前講座)」を試してみました。この実験は、3つの無色透明な液体を順に混ぜていき、ガラス棒でかき混ぜていると、やがて黄色→青色→無色の順(約3秒間隔)に色の変化が数分間周期的におこるというものです。反応の様子としてはこうした色の変化と同時に、無色の気体と紫色の煙(ヨウ素と思われるにおい)が発生します。神秘的でおもしろい実験ですが、反応式など説明の部分がありませんでした。自分なりに考えてはみましたがよく分かりません。参考になるアドバイスをいただければ幸いです。使用した薬品,準備,方法は次の通りです。
----------------------------------------
【薬品】
濃硫酸,マロン酸,ヨウ素酸カリウム,30%過酸化水素水,硫酸マンガン(U),可溶性デンプン
【準備】
(A液);水100mlに30%過酸化水素水40mlを加えて溶かします.
(B液);水100mlにかき混ぜながらヨウ素酸カリウム4.3gを溶かし、さらに濃硫酸0.5mlを加えてかき混ぜます.
(C液);熱水50mlに可溶性デンプン0.2gを溶かし、これに水を加えて全体を500mlにします.さらに、マロン酸7.8gと硫酸マンガン(U)1.7gを加えて溶かします.
【方法】
@ビーカーにA液を50ml入れて、かき混ぜながらB液を50ml加えます.
A@のビーカーに続けてC液を50mlかき混ぜながら加えます.
Bかき混ぜていると数秒後に、黄色・青色・無色の順に色が変わり始めます.溶液の色はだんだん濃く着色するようになり、振動周期も遅くなりますが、最後は黒褐色となって反応が終わります.
----------------------------------------
実験操作等は上記の通りです。



番号 99J-002  送信日 99/12/04  差出人 戸田 亜昭
件名 物理サークルの案内とEHC結晶模型作り

 次回の物理サークルは次のように行います。手ぶらでもいいから気楽に参加して下さい。
日時:1999年12月11日(土)13:00〜
場所:名古屋市立若宮商業高校物理実験室
 私が今準備しているものは次のものです。
1.アンパンマンのブランコ
 足のふにゃふにゃと柔らかいアンパンマンの人形を見つけたので、ブランコのこぎ方を身体でつかむ模型を作ったので紹介したいと思います。井階さんがのびた君のブランコを紹介してくれたので真似したいと思っていましたが、モーターをどのようにして手に入れたらよいか分かりません。そこで,モーターなしのブランコモデルに挑戦することになりました。作ってみると本物のブランコをこぐときのように,うまくタイミングを合わせてこがないとうまくいきません。身体でブランコの原理を会得できるなあと気に入っています。

2.放射性核種一覧表
 少し古いがE.Fermiの核物理学の付録に付いていたGE社製放射性核種の一覧表をお見せします。放射線の種類や半減期などのデータが一覧になっているものです。原爆製造過程で明らかになったデータだと思われます。臨界事故のとき質量数24のNa半減期が気になり調べました。原子番号103より上のものはついていませんが,参考になると思い,老眼用に拡大しました。
 また,ある人には{あなたの臨界事故のメールはつまらない。林ひろさんのが優れているので読みなさい}と忠告を受けましたが,どこが至らないのか教えていただきたいと思います。今回私なりに本校で授業に使ったつたない教材も提出しようと思っています。忌憚のないご意見を頂けたらありがたいと思います。
 先ずはそれぞれが1歩を踏み出して生徒に働きかけるのが大切だと思います。振り返ってみると一部の先生はきちんと広島長崎を位置付け系統的に取り組んでおられますが,多くの先生はセンター入試の前に慌てて原子核のところを表面的に教えてきただけです。臨界事故の一連の動きを見れば私たち国民に原子核関係の教育をきちんと出来ていなかったことが歴然としているように思います。科学技術庁も事故発生のとき機敏に対処できなかったではありませんか。事故の状況が住民に知らされていないことが決定的です。教育の立場からすれば原子核関係に付いては科教協で長い間スローガンになっている「全ての国民に自然科学的な学力を」ということが実現できていないことの結果でもあるのではないでしょうか。
 今後私たちはどのような原子力関係の教育をしていくべきか,皆さんの意見を伺いたいと思います。私は臨界事故でこのような話をした,このようなプリントを配った,職場でこのような学習会を行った等となんでも持ち寄って欲しいと思います。

3.虫除け網戸と回折格子をつなぐ細かい金網を発見
 1cmに35本のスリットのある細かい金網を見つけました。仮説実験授業では100倍の顕微鏡をいきなり教えるより顕微鏡の世界と日常目で確認できる世界をつなぐ30倍の顕微鏡を主張されています。衣服の布が細い糸で織られていることやカラー印刷も三原色(黒色も入れれば4色になるが)の点点で印刷されていることも頑張れば目で確認できる範囲のことを大きく見えるようにしてくれるので納得できて,大切だと思います。これと同じようなことが回折格子についてもあるのではないでしょうか。1cmに900本ものスリットがあるといわれてもピンと来ません。ところが、この細かい1pに35本のスリットを30倍の顕微鏡で数えることが出来ます。あまりむらもありません。もう1段階細かいモアレグリッドという1pに200本のスリットの引いてある格子もあります。網戸越しの街灯を見ると街頭の灯が十字に広がって見えることとつなぎ,ここに紹介した細かい金網とモアレグリッドでスムーズに回折格子、Laue斑点まで一挙に納得できるのではないでしょうか。この中でモアレグリッドがなかなか手に入りにくいですが,最近の画像ソフトで等間隔の線を引いた物を写真に取り好きな間隔の スリットがフィルムに映せると思います。一度挑戦をしたいと思っています。マクロとミクロをつないでいく道筋が出来てきたように思うが,いかがでしょうか。ご意見をいただきたいと思います。

EHC会員の皆さんへ
 2000年2月26日(土)に予定が変更された結晶模型の製作(ドライアイス)について講師の山田さんから少し費用などを教えてもらいましたので,報告します。
材料費:2000円〜3000円
道具類:(貸し出すこともできる)
 組み立て台:2000円
 スチロールカッター:700円
 穴定規:500円
 ホットボンド
 道具類を購入するようにするか,貸してもらうかどちらがいいでしょうか。工作教室が終わってからも自分でもっと続けて結晶模型を作るかどうかで決まると思いますが,ご希望をいただきたいと思います。,煩雑にならないように私は事務局としてどちらかに統一した方がいいと思いますが、希望を両方とも生かすことも出来ます。皆さんの意見を参考に事務局で検討したいと思います。
 なお事務局で検討すべき課題があれば事務局のメンバーまでご連絡下さい。



番号 99J-003  送信日 99/12/06  差出人 岡田 晴彦
件名 冬の理科教育研究会のお知らせ

2000年記念(ミレニアム企画) 
第11回冬の理科教育論研究会のお知らせ (盛口襄氏の実験と講演もあります)
主催 科学教育研究協議会愛知支部
話題  改めて科学教育の「なにのため・なにを」を問う
日時  2000年1月8日(土) 午後3時から1月9日(日)午前11時30分まで
日程  第1日目(8日)第一部  3時00分から5時00分  盛口氏の実験と講演
                    5時00分から6時00分  質疑応答
                     第二部  7時30分から9時30分   話題をレポート(数名)
                                            質疑応答
              ナイター  9時30分から  盛口氏とレポーターと共にフリーに語り合う
     第2日目(9日)第三部  9時00分から11時30分  話題をレポート(数名)
                                      質疑応答
場所  料理旅館「金翠荘」 名古屋市千種区千種1−28−14   tel 052−731−8156
費用  全日程参加    11,000円
     夕食まで参加(泊・朝食なし) 5,000円
     参加のみ(食事・泊なし) 1,000円
申込  1999年12月31日までに、岡田晴彦までお申込ください。



番号 99J-004  送信日 99/12/06  差出人 林 正幸
件名 「原さんを囲む会」が近づいてきました

 こんばんは、林です。
 4日(土)は次男の結婚式でした。「およばれ」なら気軽ですが、自分の息子の結婚式となるとそうは行きません。媒酌は妹夫婦に頼んだので比較的気楽でしたが、受付にお礼を言い、息子の職場の上司や仲間そして新婦の家族や親戚などにあいさつしてまわり、最後に両親への花束贈呈や参列者への挨拶・お礼があり、せっかくのご馳走も半分食べるのがやっとでした。(家内もウエディングケーキを食べそこなったと嘆いていました。)
 しかし同時に、息子たちを祝福してくれる人たちに感謝の気持が高まり、なにやら胸に迫るものがありました。そして息子が「私たちが皆さんと共にあることを改めて感じました。」と挨拶したとき、親として満たされた気分になりました。
 さて話は変わって、すでに案内のように「原さんを囲む会」が近づいて来ました。
    12月18日(土) 16:30〜21:00
    場所:一宮駅から歩いて5分のすし屋「桂寿司」の二階
    会費:7000円(飲み代を含む)
 現在申込みを浮けているのは本人を含め次の7名です。
    原 弘良
    林 正幸
    林 ひろたか
    飯田 洋治
    船橋 隆久
    川田 秀雄
    鈴木 久
まだ余裕があります。予約の都合もありますので、参加希望の方は早めに林(まさ)まで連絡してください。



番号 99J-005  送信日 99/12/08  差出人 勝野 恒光
件名 レーザーポインターを生徒実験に

 勝野です。
 干渉,回折などの生徒実験にレーザーポインターを使うとずいぶん実験しやすいと思うのですが,次の2つの点で生徒実験に使うだけの数をととのえるのに踏み切れないでいます。
1 理科器具として売られているレーザポインターは高価なこと
2 事故が心配なこと。故意に目に当てるとか,故意でなくとも思わぬことが起こったりするとか心配があること
みなさんはどのように思いますか。意見を聞かせて下さい。出力を調整する事が出来ればいいのですが,その方法はないでしょうか。



番号 99J-006  送信日 99/12/11  差出人 林 正幸
件名 比例計算の指導

 こんにちは、林です。
 先週は実質的に休みが無かったので、インターネットの方の仕事が随分たまっていました。それを整理して、どうやら今から自分のメールが書けます。
 比例計算については以前にも書きましたが、もうすこし見えてきたようなので、まとめておきたいと思います。比例概念は微分積分にもつながる重要な概念ですが、そして理科教師にとっては当たり前に感じるものですが、多くの生徒には理科の学習で最大の壁になっています。高校数学では「意外」にも比例概念を教えていません。それは小学校の比例関係から中学校の正比例の関係式までに教えられます。それがなかなか習得されていないわけです。どうしたら良いのでしょうか。

 比例概念を正比例の関係式から3つに分けてみました。
    (1)y = kX
    (2)y/x = k = y'/x’
    (3)x= y/k

 ひとつは(2)の関係式で、いわゆる比例関係です。時速4km/hで進む人を考えます。1時間に4km進むので、2時間では8kmである。それなら3時間では何km進むか、という問に
    1[h]:3[h] = 4[km]:x[km]
という比例式を立て(ふつう単位は付けませんが)
    内項の積は外項の積に等しいという「公式」から
      x = 12[km]
と答えます。ここで重要なのは小学校では比は単位を揃えて取っている点です。要するに正確に言うと
    x/x’= y/y’
という関係式を使うのです。これは多くの生徒が習得している唯一の比例概念です。
 しかし私たちが高校で教えたいのは(2)の関係式そのものです。そのために分からせるべきは
(a)単位が異なる2つの量の比が一定になっている
(b)その比は割合ないし倍率の意味で分数で表される
(c)分母分子を入れ替えた逆比も同じように使える
の3点です。
いずれも十分に納得させ、よく練習させる必要がありそうです。速度ができるようになったら密度でも平気であるとは行かないのが比例計算です。それぞれに蓄積していって、それがかなりの量になったときにはじめて、応用が利くようになり「単位を見れば分かる」と言えるようになります。
例題 マグネシウム1gを燃焼させると、酸化マグネシウムは何gできるか。また必要な
   酸素は標準状態で何[l]か。(原子量:O=16 Mg=24.3  答は少数2位で)
    まず反応式を書くと
    ( 2Mg + O2 ―→ 2MgO )
    Mg(2)個から MgO が(2)個できることが分かる。
    したがって Mg (1)molから MgO が(1)molできる。
    Mg 1molは(24.3)gであり、
    MgO 1molは(40.3)gであるので
    Mg(24.3)gから MgO が(40.3)gできる。
    当然に反応する Mg の量が大きくなれば
    生成する MgO の量もそれに(比例)して大きくなるので、
    Mg のグラム数と MgO のグラム数の比は(一定)で
    ( 24.3[g]/40.3[g] )になる。
    だから Mg 1gから MgO がx[g]できるとすると
    次の関係式が成り立つ。
    ( 24.3[g]/40.3[g]=1/x )
      x=1.658・・・
                         答 1.66g

 ふたつは(1)の関係式で、いわゆる「当たり量」です。1時間当たりに4km進むから、3時間では、という問に
    4×3 = 12[km]
と掛け算で答えるものです。これはこれでよく訓練しないと習得できない概念です。みっつ目と混同して掛けたらよいのか、割ったらよいのか、となります。私は高校時代に近所の中学生を教えて、ほとほと「分からないんだなあ」と実感した経験があります。とくに公式主義で頭を鍛えずに答を出させることが横行していますので、事態は深刻と言えます。1個5円のものを3個買うときに
    5×3 = 15[円]
払うというのは慣れていますが、それと同じだと言って簡単に理解できるものではなさそうです。
 私も生徒が分からないとひとつ目の比例関係に逃げて教えますが、当たり量はそれはそれとして高校でも引き続き訓練すべき重要な概念です。物理などで公式を使っていかにも難しい問題が解けているように見えても、砂上の楼閣になっていることが多いと思います。
 これと関連して、当たり量そのもの求めることがあります。たとえばモル濃度を教えるとき、私は
    溶液1[l]当たりに溶質が何mol溶けているかの数値
として、モル濃度は次の公式で計算できる
    モル濃度 = 溶質の物質量[mol]/溶液の体積[l]
とは教えないように、そういう覚え方は避けるように生徒に言います。そしてたとえば2mol/lは溶液1[l]に溶質2molが溶けているという表現と、溶質2molが溶液1[l]に溶けているという表現の両方を用いるようにします。これはひとつ目の計算にとっても効果があると思います。

 みっつは(3)の関係式で、もっとも考えにくい概念です。20kmの距離を時速4km/hで進むと何時間かかるかという問に
    20/4 = 5[h]
と割り算で答えるものです。これは比例概念が習得できていない高校生には遠いゴールです。私としては、未知数を使う方程式は中学校でかなり訓練されているので、ひとつ目の比例関係に逃げて切り抜けてしまうことが多くなります。

 最後に公式もときに利用するという話です。生徒は前に学習した比例概念をあいまいなままに次のものを学習することになるのが現実です。たとえばモル濃度では物質量が使いこなせる必要があります。しかしいちいち復習していては混乱するばかりです。こんなときに前のものは公式を利用して計算させ、本題の比例概念の形成を図ります。
問1 次の計算をせよ。
(1)略
(2)0.5mol/lのショ糖水溶液を250ml作りたい。ショ糖を何g
準備すればよいか。(C12H22O11=342)  
 (2)水溶液を1[l]=1000ml作るにはショ糖が0.5mol必要
    250mlでは
      1000[ml]/0.5[mol] = 250/x
        x=0.125[mol]必要
    ショ糖0.125molは
      0.125×342=42.75[g]
                    答 42.75g
参考:物質量[mol]の復習をしておこう。
   ・物質量が等しいとは、「物質をつくる粒子」の個数が等しいことである。
   ・物質量は、質量[g]を分子量(式量)で割って求められる(n=w/M)。
   ・質量は、物質量に分子量(式量)を掛けて求められる(w=nM)。

 いずれにして比例概念は習得に手間がかかるものと心得て、一段ずつていねいに教えていく必要があると考えます。
 ではまた。



番号 99J-007  送信日 99/12/15  差出人 飯田 洋治
件名 林さんの比例計算について

林さんのいわれるとおり、比例計算については悩むところです。
私は次のように、林さんの例(1)y = kXに、必ず単位をつけて、これをあくまで貫くように指導していますがご意見をください。
    
林さんの問題例より
問1 4[km/h]で進む人は3時間では何km進むか
4[km/h]×3[h] = 12[km] ( v × t = x )

問2 マグネシウム1[g]を燃焼させると、酸化マグネシウムは何[g]できるか。
(原子量:O=16 Mg=24.3  答は少数2位で)
    2Mg  +  O2 ―→   2MgO 
    1[g]              x[g]
────────  = ─────────
   24.3[g/mol]        40.3[g/mol]   … 基準量
                    x=1.66
上の式の左辺はマグネシウム1[g]は(1/24.3)[mol]ということを表している。

問3 1個5円のものを3個買うとき支払うお金は
    5[円/個]×3[個] = 15[円]

問4 20[km]の距離を時速4[km/h]で進むと何時間かかるか
     4[km/h]×x=20[km]
            x=5[h]
   20/4というわり算を指導せず、林さんのいう(1)式をまず徹底する。

問5 モル濃度 : 溶液1[l]当たりに溶質が何[mol]溶けているか
   モル濃度[mol/l]×溶液の体積[l]=溶質の物質量[mol]
0.5[mol/l]のショ糖水溶液を250[ml]作りたい。ショ糖を何[g]準備すればよいか。(C12H22O11=342)  
必要なショ糖のモル数
0.5mol/l×(250/1000)l=0.125mol
0.125mol×342g/mol=42.75g

問6 質量は、物質量に分子量(式量)を掛けて求められる(w=nM)。
分子量の数値だけの[g]数の質量を持ってくると、その中には1[mol]の分子が含まれている。 分子量をMとすると、M[g/mol]
物質の質量w[g]は
     n[mol]×M[g/mol]=w[g] … @
 「物質量は、質量[g]を分子量(式量)で割って求められる(n=w/M)」という教え方はしなくてもいいのではないでしょうか。 単位をつけて @式に習熟すれば、n=w/M は @式の計算で求まるものだからです。

 林さんは高校で教えたいのは(2)の関係式そのものだといっておられますが、その意味がよくわかりません。



番号 99J-008  送信日 99/12/16  差出人 林 正幸
件名 比例概念の形成について

 こんにちは、林です。
 飯田さん、応答ありがとう。
 始めに
<引用>
 林さんは高校で教えたいのは(2)の関係式そのものだといっておられますが、その意味がよくわかりません。
<以上>
については
    x/x’= y/y’
でなく、質が異なる2つの量に関する比の値を使う
    (2)y/x = k = y'/x’
という関係式を習得させたいという意味です。
 さて
<引用>
私は次のように、林さんの例(1)y = kxに、必ず単位をつけて、これをあくまで貫くように指導していますがご意見をください。
<以上>
について私は、単位から計算法を気付かせるやり方は公式を使うのと同じことであると考えます。つまり答は出せても、これでは比例概念は育たないと思います。単位に注意させて「当たり量」であることなどに目を向けさせるのは賛成ですが、単位とは別にどのように計算すればよいかを考えられるようにする必要があります。それができるようになってから単位演算の意味も教えたいのです。
 ではまた。


番号 99J-009  送信日 99/12/18  差出人 船橋 隆久
件名 「モルの会」から「物理サークル」へ

 船橋です。
 日曜日「12/12」に「モルの会」が行われました。詳細は林先生のホームページの中にある「モルの会通信」
http://www.zzz.or.jp/masasuma/index.htm
を覗いてもらうこととして、その中のひとつ、「科教協ニュース 11月号」に載っていた「不思議な水中逆さコップ(横浜物理サークル)」が話題になりました。
−−(引用開始)−−
 底に穴をあけたプラスチックコップ(比重は水とほぼ同じ)と水槽を
用意します。空気が漏れないように穴を指でふさぎながら、コップを
逆さにふせて水槽の底に立てます。さて、ここで手を離したらコップ
はどうなるでしょう。
 (途中略)
 結果は穴から空気が漏れつつ、コップは底にはりついたままです。
水が下の隙間から入り込み、コップをほぼ満たし、泡が出なくなると
コップはおもむろに浮かんできます。
 (途中略)
 これは表面張力による圧力差で説明できます。
−−(引用終了)−−

 私は、フルーツゼリーが入っていた小さいプラスチック容器に4.5mmの穴をあけて試してみましたが、結果は同じでした。容器中の空気がほぼなくなると、クラゲのようにフワフワと浮いてきてユーモラスです。科教協ニュースでは、こうした現象を「表面張力による圧力差」として説明していますが、よく理解できませんでした。
「空気が出ていっても水が入りにくいので、コップの中が減圧になり、吸盤のように水槽の底にすいついているのでは?」
「いやいや、もし減圧になっているのだったら空気は穴から漏れないで、逆に水が入り込むはずだ」
「コップの中には空気が一杯入っているわけだから、どうやってその浮力に打ち勝っているの?」
「ポコポコと不連続的にもれる空気が、微妙に影響しているような気がするけど・・・」
「これは、単純には説明できないかも・・・」
などなど、いろいろ意見が出ましたがすっきりしません。そこで勝手に「物理サークル」への宿題ということになりました。よろしくお願いします



番号 99J-010  送信日 99/12/24  差出人 林 正幸
件名 楽しく有意義な集い

 林です。
 この前の日曜日は新婚の次男たちが我が家を来訪しました。さすがに幸せそうで、親としてはひと安心です。私はこの日もサークル(EHC)に出かけましたが、家内は掃除とご馳走づくりに奔走していました。
 そのもう一日前の土曜日が「原さんを囲む会」でした。寿司屋の2階で4時半から始めて、9時半まで楽しく盛り上がり、そして有意義で勉強になった会合でした。
 授業ビデオは生徒たちが自主的に課題研究に取り組む様がよく見て取れました。もちろんそれは1、2年生の通常の授業で培われたものの開花であって、形式だけまね ても似て非なるものになってしまいます。
 彼はこの日のために数センチに及ぶプリント資料を準備してくれたのですが、私をもっとも得心させたのは20年前の「授業ノート」でした。それから、彼が毎時間のように人間と人生について語り続けていることが分かりました。彼は生い立ちの中でそして何度か生死をさまよう縁で、それを学び取っているのです。それが次第に生徒を解放していくのでしょう。
 それともうひとつ、彼は「基礎・基本」を徹底して分からせるようにします。よく「化学式」を原子価から納得する例を出します。それが生徒を勇気づけていくのでしょう。
 彼は「一人ひとりの生徒が活動できるように仕掛けていくのだ。」と言います。それどころか「すべての人間には学習欲がある。突き放せばよい。生徒たちを信じて待ってやることが大切だ。」と言うのです。しかしそれには重要な前提があるのです。考えてみれば当然です。そしてこの前提こそが難しいのです。
 しかし「難しい」で終わっては意味がありません。「大人ども・教師が子ども・生徒をロボットと勘違いしている。」 学習奴隷になるように洗脳しています。たいへんなストレスを掛けています。そして思うようにならなくて、あるいは「予想外」の反逆に嘆いています。そうではない。原さんの実践が提起しているのは、生徒を解放し勇気づけることの、言い換えると自立させ「友だちがスゴく、私も科学者だい!」と確信させることの重要性を教師が認識して、そのために自分ができることを模索することでしょう。教師にとっても「あんたはあんた、自分は自分」なのです。彼から盗めるものは盗みつつ、現実と理想の狭間で、自分ができることを探し、整理してみたいと思いました。
 ではまた。



番号 99J-011  送信日 99/12/24  差出人 船橋 隆久
件名 指南車講習会に参加しました

 船橋です。
 「指南車講習会(12/23)」に参加しました。朝10時に田中先生と名古屋駅で合流。JR快速電車で約1時間。豊橋駅でちょっと早めの昼食をとり、その後**高へ。私は初めての参加でしたが、今回は3回目の企画ということで、すべての部品はすべて工作済み。部品一式が入ったバットを受け取り、部品の確認と工作上の注意があってさっそく組立にはいりました。
 「指南車の心臓部、つまようじを使った4つの歯車作り」が工作のポイントになっていました。左右の車輪の回転に関係なく、指南車の上の人形が常に一定の方向を指し示すように工夫された4つの歯車。試作された完成品のその動きに「いつまで見ててもあきないよ!」と**大学の吉田先生が感激しておられましたが、設計者の石田先生のアイデアには参加者一同脱帽でした。
 講習会終了後、参加者一同完成記念祝賀会へ。迎えのバスを校門で待っていると、突然「からくり人形時計台」から校歌と思われる音楽とともに「からくり人形」の登場。真っ暗な中に7色の光をあびて浮かび上がる色鮮やかな「からくり人形」。幻想的な音楽にあわせて展開される見事な舞いに一同圧倒されてしまいました。高さ6mの舞台に舞うからくり人形も石田先生の設計とのこと。6年前の創立50周年を記念してたてられた「からくり人形時計」は、いまでは**高の名物となっています。
 全員が完成とまではいきませんでしたが、完成祝賀会で全員が自己紹介。愛知県のみならず静岡・岐阜からも参加されており、みんな物作り大好き人間ばかりの集まり。宴会も超盛り上がりで、みんな完成美酒に酔いしれました。
 帰宅したら夜11時を過ぎていましたが、まだ起きていた子供に見せたところ「これはすごい!おもしろい!」と期待通りの感激ぶり。「どうしてこうなるのか?」の質問には答えられなかったので、「冬休みのお父さんの宿題」ということになりました。楽しい1日でした。
 ではまた。



番号 99J-012  送信日 99/12/26  差出人 林 正幸
件名 MOLの会報告

 こんばんは、林です。
 冬休みに入り、いかがお過ごしですか。すこし遅くなりましたが、12月12日に開いたMOLの会の通信を紹介しておきます。
 なお現在、1月8、9日の「理科教育討論合宿」の集約も行っています。
    8日(土)15時から  9日(日)12時まで
    金翠荘(千種区)にて
8日には盛口さんの実験と問題提起もあります。部分参加でも構いません。ご希望の方は至急連絡してください。申込みは
    岡田(晴)、鈴木(久)、林ひろ
ですが、私、林まさでも受け付けます。
 ではまた。
-----------------------------------------------------------------
                                 99.12
                               事務局 林 正幸
   MOlの会通信99−12

 参加者は岡田、河合、鈴木とし、戸田、富田、林まさ、船橋、水野、山本の9名でした。今回も盛りだくさんで、お互いに手短に紹介してもらいましたが、それでも6時をまわってしまいました。

1.パイプ万華鏡など(河合)
 直径10mm長さ1mのアルミパイプを明るい方や色の付いたカレンダーなどに向けてのぞくと、同心円のきれいな世界が広がる。これは内壁が鏡面でいろいろな回数反射した像が重なるためである。そして10mm角のパイプでは四角の世界が広がっていっそう万華鏡的でした。
 他に3つの球面が立体視できる3D−ボックス(南山国際高の勝野さん)や、お金に吸い寄せられる「政治家」などの紙工作(原典は水野著「キリガミ博士の紙工作」)の紹介もありました。

2.上空の飛行機の重さ(河合)
 「飛行機が上空を通ったら重さを感じるか!感じないか!」と生徒に問いかけた。分子の運動で考えると、飛行機の下面に衝突した分子が地上の私たちにぶつかってその重さが伝わる。真空では飛行機は飛べない。空気が支えているはずで、中日優勝のときの星野監督の胴上げと同じだ。
 続いてかごの鳥の問題も考えさせた。法則を使って考える力を育てたい。
 話の中で、ほんとうに重さを感じるか実験しようかという声があがった。電池駆動でmgまで計れる天秤がある。まわりを段ボールで囲って風の影響を避け、皿に段ボールを載せれば「感度」も上がる・・・。問題は重さがどれくらいの範囲に分散しているか。10cm四角つまり0.01m2で数mgが検出できるとして、1km2なら数100kg以上の飛行機が、100km2でも数t以上の飛行機なら検出できる。これは可能性のある実験ですね。
 ついでにこんな問題が出された。25℃における水の蒸気圧は23.756mmHg、ところが窒素を加えて全圧を100atmにすると、水の蒸気圧は25.576mmHgにすこし増える。どうして増えるのだろうか。

3.「手力実験」シリーズ(船橋)
 期末試験後に生徒の目を一瞬でもこちらにくぎ付けにするマジック。「空」の紙コップに2cmほど水を注いで、もうひとつコップを被せて逆さにし、2分する。「さあ、どちらのコップに水が入っているか。」 下のコップには、傾けても水は入っていない。「それでは上にあったコップを君の頭の上で逆さにするよ。」 一瞬生徒が緊張する、しかし大丈夫。吸水ビーズが見えにくいことを利用しています。
 牛乳びんに水をいっぱい入れ、広告の紙の切れ端でフタをして逆さに、そしてそっと紙をとると、なんと水がこぼれない。「フタをしているんだ!」という生徒の声に応えて、「じゃマッチ棒を差し込んでみよう。」 するとマッチ棒はびんの中に浮き上がる。生徒にチャレンジさせると絶対にできない。しかけは透明な塩ビ板でした。参加者はそれをもらいました・・・。
 文献は「先生はマジシャン」です。

4.空気の入ったコップが水に浮かない(船橋)
 スチロールコップの底に数mmの穴を空け、逆さにして指で押さえて空気が入った状態で水に沈める。空気が泡となって抜ける間は、コップが浮き上がらない(科教協ニュースより)。ポイントは容器の底とコップのすき間が小さいこと。またフィルムケースのような円筒形ではできない。
 これは結構むずかしい。微妙な力加減になっているようだ。空気が出ていく以上、入り込んだ水の圧力は穴の位置の水圧よりは大きい。しかしコップの外の同じ深さの水圧よりは小さい。しかも空気の流れを無視すれば、入り込んだ水の圧力はパスカルの原理から空気全体に伝わる・・・。別の見方をすると、コップが浮き上がるためにはその下に水が入り込む必要がある。そして入り込んだ水はより軽い空気を押し出す役割を担わされる・・・・・。誰かきちんと解いてくれ!
 またメールで疑問を投げかけていた、そして時間不足で割愛した振動反応のメカニズムに対して、井階さん提供のくわしい資料が届きました。かなり複雑そう・・・。

5.ビー玉結晶モデル(船橋)
 アイデアが尽きない船橋さん、今回はビー玉をガラス接着剤で組み立てた結晶モデル。体心、面心、六方、岩塩型、ダイアモンド・・・。無色透明なビー玉は1個10円程度。イオン結晶では色付きのビー玉も利用している。製作のポイントは木の板に直径4.5mmの穴を空けて位置決めする道具をつくること、穴が大きいとかえって寸法のずれの影響を修正しにくいそうである。ダイヤモンドは小さい単位をさらに貼り合わせると見事なオブジェになる。そしてこれにレーザーを当てるとキラキラと美しい。サークルで作りたいという声も上がりました。
 もうひとつは塩ビ板で箱を作っておいて、生徒にビー玉を詰めさせる方式。単位格子とはまた違って、すべての「粒子」が球である点が分かりやすい。
 ほかに「雪の結晶」のペーパーモデル(「ガリレオ工房2集」より)の紹介もありました。

6.時計反応で反応速度(富田)
 ヨウ化カリウムは過酸化水素と次のように反応してヨウ素を生成する。
    2KI + H2O2 ―→ I2 + 2KOH
このとき一定量のチオ硫酸ナトリウムを加えておくと、できたヨウ素は次の反応で消費される。
    I2 + 2Na2S2O3 ―→ 2NaI + Na2S4O6
そしてこれを越えてヨウ素が生成した途端に発色するようにデンプンを加えておく。ヨウ化カリウムに比べてチオ硫酸ナトリウムが十分に少なければ、ヨウ化カリウムの濃度を変化させたときの発色までの時間の逆数が反応速度になる。
 グラフがきれいな直線になり、反応速度がモル濃度に正比例することが確認できる。温度の影響も調べられるが、高すぎるとヨウ素デンプン反応が阻害される。

7.硫化水素の実験法(岡田)
 硫化水素の悪臭を避ける実験法として、ピペットを利用する。ドラフトで試験管で少量の硫化鉄と塩酸で硫化水素をつくっておく。そして必要になったら乾いたピペットで吸い込んで実験机に運んで反応させる。これで快適に実験ができ、かつ生徒は気体を手玉に取ったという実感が持てる。
 実際には少量の水を入れた試験管にイソジン数滴を加え、これに硫化水素を吹き出し、ゴムせんをして振り混ぜると、ヨウ素の色が消える。
    I2 + H2S ―→ 2HI + S
 もうひとつは試験管に小さじ1杯の亜硫酸水素ナトリウムと希硫酸で二酸化硫黄を発生させ、これもピペットで吸い込んで水が入った試験管に移して、ゴムせんをして振り混ぜる。これに同様にして硫化水素を反応させると白色の硫黄のコロイド溶液ができる。
    SO2 + 2H2S ―→ 2H2O + 3S
 これらは一連の酸化剤と還元剤の反応の一部を構成している。

8.100Vテスター(岡田)
 科教協で紹介された、コードの一部をむき出しにした簡便な電球(40W)テスターを愛用しており、次の4つの演示実験をしている。
(1)イオン性物質の食塩は水に溶かすと電導性を示す。
(2)イオン性物質(塩基を含む)や酸は電解質で、水に溶けて電離する。エタノールの
   ような非電解質と比較する。
(3)酸・塩基の強弱を電球の明るさで調べる。なお、酢酸は水に溶けて始めて電導性を
   示す。
(4)半導体であるケイ素は時間と共に明るくなり、温度が高くなると抵抗が小さくなる
   ことを示す。
 ちなみに、融解したイオン性物質の電導性は、ガラスを使うとよいです。

9.再び「カルシウムと硫黄」(鈴木とし、山本)
 県教研で失敗したこの実験、やはり量をきちんとすることが肝心である。カルシウム0.1gと硫黄0.2gを使うとよい。
 硫黄シリーズということで、硫化亜鉛も実験した。亜鉛粉末6.5gと硫黄3.2gをよく混ぜて山にし、マグネシウムリボンで点火する。蒸発皿が熱で割れてしまったので、アルミ箔で試したらうまくいった。木の板の上にアルミ箔で作った皿を載せればOKです。
 金属と非金属の化合は、気体の塩素の他にはこのように非金属に硫黄を使うのも面白い。誰か、ナトリウムとの反応にチャレンジしませんか。

10.シャルルの実験(林まさ)
 前回約束した林流シャルルの実験を紹介しました。外径4mmのガラス管の一端を封じて約37cmに切り、これに自作のピペットで水銀を1cmほど入れて空気を封入する。これと温度計を30cm「もの指し」にビニールテープで固定して、ガラス管の先に外径4.5mmのゴム管を15cmほど着け、バットの底に寝かせる。気柱の長さはグラフ用紙に目盛りやすいようにする。水銀はその都度新しいものを使い、ひとまわり実験が終わったら取り出してガラス管を清浄に保つ。またガラス管の封じた方がもの指しから5.0cmはみ出すようにする。
 沸とうしている湯を注いでかきまわしながら、90℃から10℃刻みに気柱の長さを計測する。そしてグラフに描いて延長すると、さすが実験に慣れた先生たち、この世の最低温度がきっかり−273℃となりました。
 もうひとつ、メタンハイドレートの文献も紹介しました。

11.自由エネルギーの導入について(林まさ)
 化学平衡をルシャトリエの原理でなく、自由エネルギー(化学ポテンシャル)を主役にして教えたい。つまり平衡移動では、自由エネルギーが大きくなった方の物質(系)が反応すると説明したい。これなら考えやすいし、質量作用の法則も無理なく導入できる。
 物質の自由エネルギーは次の式で表される。
    F = F0+RTlnγc
つまり物質が化学的変化をする「勢い」はそのモル濃度が高くなると大きくなる。また温度が上がると大きくなる。
 たとえば凝固点降下において、0℃で氷と水が共存しているとき氷が融解する勢いと水が凝固する勢いがバランスしている。これに食塩を加えるともっぱら水のモル濃度が小さくなり凝固の勢いが小さくなり、氷の融解が起こると説明する。
 そして2種以上の物質が関係する場合は、その反応の勢いがそれぞれのモル濃度の系数乗したものの積に比例(正比例ではない)すると天下り的に教える。
 こんなプランについて意見を求めました。

12.二酸化炭素の溶解度(戸田)
 2つの60mlディスポーザル注射器に、それぞれ水30mlと二酸化炭素30mlを吸い込み、連結して一方に寄せる。他方を外し口をふさいで振り混ぜると、見る見る縮んでおよその溶解度が観察できる。必要なら温度の影響も調べられる。分かりやすい実験でした。

13.回折格子アラカルト(戸田)
 1mmに900本もスリットがある回折格子は通常の感覚を越えている。虫避け網戸で街の明かりが十字に見えるのも回折ではないか。そう考えて、1cmに35本の細かい金網を見つけ、また1cmに200本のモアレグリッドを準備した。これでミクロとマクロをつなぐことができる。しかし本当に回折が起こっているのか。それを通して虹が見えれば回折だろう。指のすき間でそれを見ることもできる。光子は意外に大きいのだ!
 細かい金網にレーザー光を当てると碁盤の目のようなパターンができる。交差した2枚のモアレグリッドではもっと明瞭だ。これは結晶のX線解析に結び付く。
 他に大学時代の物理教科書に載っていたという、壊変反応や半減期を記した全元素の同位体一覧表も紹介されました。
 また「’99青少年のための科学の祭典・名古屋大会」の冊子や愛知物理サークルとの資料もいただきました。

14.第29回高校化学教育セミナー(水野)
 12月11日に行われた東海地区のセミナーの報告。午前の館 糾さんの日本の化学工業を支える「人材育成について」という講演に続いて、山本進一さん(戸山高)の「実験をとおして楽しく学ぶ化学の基礎」という実践報告があった。
 「酢酸ナトリウム三水和物の加熱による変化や、結晶水の定量」「発泡スチロールビーズを用いたイオン結合の模擬実験」「アセチレンの燃焼による化学反応の量的実験」など、参加者も実験を体験できた。
 毎時間実験を中心にした授業で、実験を通して「なぜそうなるか」など考えさせている。授業プリントも紹介されて分かりやすい報告だった。
 東海地区も最後に残されて「化学グランプリ」に取り組むことになった。日本化学会はエリート教育の目玉にしようとしている。皆さんは化学教育をどう考えますか、という提起もありました。

      次回は
   3月11日(土) 13〜17時
--------------------------------------------------------------



番号 99J-013  送信日 99/12/26  差出人 田中 英二
件名 指南車はどうしてあのように動くか

 こんばんは、田中英二です。
12月23日**高校で船橋さん、戸田さん、杉本さんと指南車を作ってきました。何とか完成して、家に持って帰り子どもたちに見せました。家のかみさんも感激してました。その後どうしてこういう動きをするのか3日間考え続けました。その結果、やっと分かりました。中心の作動ギヤーの動きが実に巧妙でその動く原理がわっかたと気は感激しました。そのうちにまとめます。
では