番号 99G-001  送信日 99/09/01  差出人 林 正幸
件名 銅板のエッチング

 こんにちは、林です。
 顔がままます腫れてきて、始業式というのに学校に行けません。病院では、もっと強い抗生物質を出しましょう、点滴は朝夕2回やりますとなってしまいました。どうやら3週間前の歯の治療を機会に侵入してきた「ばい菌」と戦い切れずに、ここ数日は「白旗」を上げてしまったようです。
 勝野さん、エッチングの反応は次のようです。
    Cu ―→ Cu2+ + 2e-
    2e- + 2Fe3+ ―→ Fe2+
銅より鉄の方がイオン化傾向が大きいのにどうして銅がイオン化するのかという誤解がありますが、銅と2価の鉄イオンの酸化還元電位は次のように
    Cu ―→ Cu2+ + 2e-    −0.345V
    Fe2+ ―→ Fe3+ + e-    −0.771V
銅の方が高くて、理屈にかなっているわけです。
 そこであなたのメールですが
<引用>
  エッチング作業で塩化第二鉄の溶液の中に銅板を浸している
  とき,ときどき基板を持ち上げて,空気中に出すとエッチングが
  早くできるような気がします。
<以上>
やはり「ものに触れていると真実が見える」のだと思いました。2価の鉄イオンは空気に触れて容易に3価の鉄イオンに酸化されます。
   4Fe2+ + 4H+ + O2 ―→ 4Fe3+ + 2H2O
つまり3価の鉄イオンが再生されるのです。ちなみに塩化鉄(V)の水溶液は加水分解で酸性になっています。
 そして「エネルギーとは何か」についてのコメントをありがとう。もうすぐ授業プリント「物質とエネルギー」ができるので、ホームページに掲載したら知らせます。
 ではまた。



番号 99G-002  送信日 99/09/02  差出人 田中 英二
件名 エッチングご苦労様でした

 勝野先生エッチング本当にご苦労様でした。もしあれから少し変更がありましたら、最終のプリント基板パタンがいただきたいです。FAXかメールでよろしくお願います。
 林先生のエッチングの化学、大変勉強になりました。それから、林先生のホバークラフトへの意見ありがとうございました。遠心式モーターの仕事率と圧力との関係が山梨大会の夜の会で問題になっていました。メールでは絵が描けないので、大変表現しにくいのですが、あの式で問題があるとすれば(1)式ですが、(仕事率の式)あの3式で、ホバークラフトの定性的なことは一応説明出来るように思うのですがどうでしょうか。もう少し考えてみたいとは思いますが、・・・
 ものはできたがどうも理屈がわからない。林、飯田の両先生がいっていたので、一つの問題提起だと思って考えていただけるとうれしいです。林ひろ、飯田両先生というホバークラフトの専門家がこれに参加していただけないのが多少寂しいですね。林ひろさんも、Eメールくらいそろそろやるべきですね(これは余分)。もう少し、考えをまとめてみます。では、
 追伸
 バンデグラフを学校祭のクラス企画で作り始めました。まだ完成には程遠いのですが、作ってもうまく動くのかがよくわかりません。どこがキーポイントなのかがあのバンデグラフはわかりにくいのです。試行錯誤しかないのに違いありませんが、短時間に仕上げなくてはならない



番号 99G-003  送信日 99/09/04  差出人 林 正幸
件名 「物質とエネルギー」を掲載しました

 こんにちは、林です。
 感染症の方はかなり手ごわく、ついに今週は夏休みの延長になってしまいました。朝夕2回ずつ点滴に通い、医者に来週に持ち越すかもと言われましたが、幸い今日土曜の朝で点滴は終了となりました。もうしばらく抗生物質をのみ続ける必要はあります。実は明日日曜は息子の結納の日だったのです。滑り込み、セーフ!です。
 そんな中で家である程度仕事をすることはできたので、授業プリント「物質とエネルギー」を完成させ、昨日ホームページに掲載しました。化学の立場からはエネルギーをどう教えたいのか、という思いで作文しましたので、時間を見付けて覗いてみてください。
 ではまた。



番号 99G-004  送信日 99/09/04  差出人 田中 英二
件名 林先生、直ってよかったですね

 こんばんは田中です。
 今バンデグラフをつくっていますがなかなかむずかしいです。特に、機械的な部分が難しいです。たとえば、プーリーを回すとか、プーリーがないから作るとか、ベルトを掛けるところの軸が空回りしないようにするとかそういうところは大変難しいです。あとのところは何とかなりそうで、後は時間との勝負です。なんとか間に合わせて、クラス企画成功させたいと思っています。皆さんの学校ではどんな進行状況でしょうか。もう2週間ありません。頑張ってみます。



番号 99G-005  送信日 99/09/05  差出人 船橋 隆久
件名 情報科への対応をどうするか

 船橋です。
 林先生、夏休みが4日ほど延長になってしまったようですが、回復して本当によかったですね。「健康」と「頑張りすぎ」にはくれぐれも気を付けてください。
 3日ほど前に開かれた理科の教科会で、新設の予定になっている「情報科」に理科としても協力してもらいたい旨の話がでました。現在商業科が「ワープロ」としてNECのパソコン45台(5年ほど前に購入しWin3.1で動かしている)を使用しています。今後必修科目となるとパソコン、教員の両方が不足することもあって、理科に依頼があったものと思われます。私は十数年パソコンと関わってきましたが、それはあくまで趣味的な領域のものであり、教育となると全く別の話になります。個人的には一宮EHCの経験を生かし計測等に利用してきましたが、教科全体としては全く経験してこなかった分野であり、「2単位の情報教育」の指導に本当に対応できる自信はありません。インターネット等の利用で「情
 そんなわけで、個人的には情報科に積極的に関わりをもつ気になれませんが、みなさんの職場ではどんな状況ですか。何か参考になる「情報」や、先生方のご意見があればお知らせ下さい。
 ではまた。



番号 99G-006  送信日 99/09/07  差出人 勝野 恒光
件名 塩基とは何

 こんばんは
 今,1年生の生物を担当しています。ATPの構造でアデニン(塩基)とリボース(糖)にリン酸が3つつながったものだということですが,1年生のこの時期の生徒に,塩基が何かをどのように話したらいいのかわからなくなってしまいました。そもそも,塩基とは何かについて自分自身十分にわかっていないことにも気がつきました。今までやっていなかった科目を担当するといろんなことが出てきます。参考になることがありましたら,教えて下さい。



番号 99G-007  送信日 99/09/08  差出人 林 正幸
件名 4つの「塩基」について

 こんばんは、林です。
 酸・塩基についてはいくつかの定義があります。高校の第1段階はアレニウスの定義です。
  酸:水に溶けて水素イオンを生じる物質
  塩基:水に溶けて水酸化物イオンを生じる物質
だから中和は、すべて水素イオンと水酸化物イオンから水ができる反応になります。溶解度が小さい酸や塩基も、少しは電離するということで統一的に扱います。
 私はできるだけ触れないようにしていますが、続いて出てくるのがブレンステッドの定義です。
  酸:反応で水素イオンを相手に与える物質
  塩基:反応で水素イオンを相手から受け取る物質
これに依ると、酸塩基反応は水素イオンのやり取りとなります。
 問題のDNAの中の4種の塩基ですが、いずれもアミンの仲間ですので、その最もシンプルなアンモニアで代用して説明してみます。
 アレニウスの定義では次の反応から塩基です。
    NH3 + H2O ―→ NH4 + + OH-
そしてブレンステッドの定義では次の反応から塩基です。
    NH3 + H+ ―→ NH4 +
参考:アミンはアンモニアの水素がいくつか炭化水素基で置換された構造をしています。
 さて4つの塩基ですが、これは塩基として特徴づけるより、アミンとしてとらえた方がそのはたらきが理解しやすいと思います。
(1)どの塩基もN−H結合をデオキシリボース(これは糖類)のOーHと脱水縮合させて連結する。(この反応は高校では扱いません。)
(2)どの塩基もその窒素原子部分と相手塩基のN−Hの水素原子の間で水素結合を形成して、DNAが2本鎖になる。もうすこし正確に言うと、アデニン以外は窒素原子の隣にC=O結合(カルボニル基)を持ち、その意味でアミドでもある(タンパク質もアミドである)。そしてこの酸素原子も相手塩基のN−Hの水素原子の間で水素結合を形成する。
 構造式抜きの説明で分かりにくいでしょうが、この内容はタンパク質以上に高校のレベルを越えています。高校生にDNAを化学的に理解させるのは避けた方がよいと思います。もっと初歩的に興味がわく話として展開してはどうでしょうか。
 ではまた。



番号 99G-008  送信日 99/09/09  差出人 田中 英二
件名 バンデグラフが何とかできました

 昨日の雷雨の時、何とか手回しのバンデグラフの形ができあがって、上の球の部分は乗せずに試運転をしました。その時は、ネオン管が光っただけでした。今日は会議が続き、生徒に指示だけをして、なかなか見にゆけませんでした。ところがいってみると、バチバチ放電してるではありませんか。今日は、昨日に比べると湿度がかなり低くなったせいかと思っています。今のところ2万ボルト程度です。湿度の影響は大きい。
工夫したところ、
(1)ゴムベルトを掛けるローラーは、上も下もフィルムケースですが、上のフィルムケースにアルミテープを貼って表面を金属にした。
(2)上のゴムにメッシュの細かい金網を直接接触させて電荷を吸い取った。この吸い取るという表現は少し問題があると思いますが。
(3)下のローラーのところでも同じように電荷を吸い取る。
まだもう少し、工夫する必要がありそうですが、今作っていて大事だと思うのは、上と下のローラーのところで、ゴムベルトから電荷をどう移動させるか、ゴムベルトとその金属との接触方法のところです。もう少し、いい値が出せたら、また報告します。



番号 99G-009  送信日 99/09/10  差出人 戸田 亜昭
件名 物理サークル案内他

 私は皆さんより少しテンポが送れているようですね。皆さんが学校祭などで頑張っておられますが,私は夏休みの話題から始まり,いろいろな問題がたまってしまいました。まとめてかきましたのでよろしく。
 田中さん,勝野さん
EHCサークルのアナログメーターご苦労様でした。私も8月20日頃材料を山田さんからもらい,夏休み中になんとか半田付けを終わることが出来ました。電源部分は表示部をつながない状態ならば規定の電圧が出ていたので間違っていないと思います。次回会うときに表示部分の最大最小電圧での調整をやっていただきたいと思います。お願いします。

私の2学期最初の授業
 夏休み中,飯田さんが作ったという胴なし人間に私も挑戦し完成をさせることが出来ました。飯田さんはセロテープを使って組み立てておられたが,私なりに工夫をし,何度でも簡単に組み立てと解体が出来るように金具を作り書類のとじ紐で縛るようにしました。また、底に張った壁紙と左右の壁の内側の壁紙を工夫し鏡の存在が飯田さんよりさらに分かりにくく出来たと思います。
 2学期の最初の授業ではこの装置を教室に持ちこみました。中には「教室の前の方まで出ていって見たいがいいですか」と私が説明にのってくれる生徒も現れ,成功しました。物理の授業も化学の授業もすべてこのマジックで授業を始めました。実物は物理サークルでご覧下さい。学校祭で忙しいと思いますが,その学校祭で頑張ったものも皆さんに紹介していただけるとありがたいと思います。

次回の物理サークル
期日 : 9月25日(土)13時〜17時まで
場所 : 名古屋市立若宮商業高校

「そろった運動をバラバラに」の実験装置の注文
「生き生き物理わくわく実験」の中に飯田さんが書いた「そろった運動をバラバラに」は弾性衝突非弾性衝突のイメージを膨らますたいへんいいモデルですが、皆さんからの注文はまだほとんどありません。ぜんぶで最低10個注文がなければ生産は中止します。注文の期限迫っていますのでご入用の方は至急申し込みをしてください。
材料 : 10ミリ程度のロの字型断面のスチールのパイプで枠を溶接
費用 : 3500円(枠組み用)+1400円(φ3ミリ穴あけ88個)バネと重りをそろえるとさらにプラスとなる。
締切 : 9月25日(土)物理サークルその後も10個まとめて注文があれば作ってもらえそうです。船橋さん方式で完成度が高く,弾性衝突と非弾性衝突の区別がしっかり出来ればその方が安く出来るかもしれません。皆さんも安くいい性能のものを考えて見ましょう。

Maryland大学物理演示実験設備の日本語への翻訳の許可
Maryland大学のRichard E. Bergさんより大学の許可が下り正式の契約書を送ってくれました。非商業目的,非営利目的に限るとの条件で契約しました。皆さんも興味を持った項目について翻訳し協力してください。
 このときに合わせ,私もホームページを始めようと思っています。ついでに英語版も一緒に作ろうと考えています。構成上もどのようにしたらいいのか。いろいろ迷うところがあります。その方も注意するところを教えてください。
 ホームページのhtmlファイルをプロバイダーに送るとき、フォルダーなどファイルの構成はどのようにしたらいいのでしょうか。今後修正していく時楽に出来る方がいいと思います。一つのファイルにしておくと修正のときプロバイダーに送るのにたいへんだと思いますがいかがでしょうか。



番号 99G-010  送信日 99/09/10  差出人 久保田 英慈
件名 RE:物理サークル案内他

こんにちは。
> 次回の物理サークル
> 期日 : 9月25日(土)13時〜17時まで
> 場所 : 名古屋市立若宮商業高校
 いきたいのですが、いつものように第4土曜日は出勤です。
 実は1学期にオーストラリアへいった時に生徒がブーメランを購入しようとしました。ところが、在庫がないため、その場では断ったのですが、後日、日本に送ってきました。まだいくつかあり、みなさんにもお譲りすることができます。送料等手数料込みで\1,000でお譲りで来ます。
 ブーメランは木製でアボリジニが実際に使ったものと同じものです。ブーメランにはカンガルーをしとめる戻ってこないタイプの大形のものと、鳥を網に誘き寄せるもどってくるタイプのものがあるそうです。オーストラリアのお土産やで購入すると装飾がだいぶ施された価格の高いものが多いのですが、このブーメランは実際に飛び、傾きをきちっとすればしっかり戻ってきます。全て右利き用です。左利きようが欲しければ、頼むことができます。
 もし、物理サークル参加者でこのブーメランが欲しいという方がおれば、土曜日、出勤後に名古屋に駆け付けたいと思いますが、そうでなければ、ちょっとしんどいので御無礼しようかと思っていました。どうでしょうか。

> ホームページのhtmlファイルをプロバイダーに送るとき、フォルダーなどファイルの
> 構成はどのようにしたらいいのでしょうか。今後修正していく時楽に出来る方がいい
> と思います。一つのファイルにしておくと修正のときプロバイダーに送るのにたいへ
> んだと思いますがいかがでしょうか。

 基本的にHD内の整理と同じ感覚でかまわないと思います。FTPソフトで後で操作することもできます。ただリンクの問題があるので、ある程度ファイル構成を考えておいた方が得策です。私はテーマごとにわけ、さらにそれぞれのテーマフォルダに画像フォルダを設け、画像をその中に放り込みます。画像だけは別個にしておいた方がいいでしょう。この画像がけっこう厄介なのですが...。
 それでは。



番号 99G-011  送信日 99/09/11  差出人 船橋 隆久
件名 DNAから学びました

 船橋です。
 今年の夏は残暑が厳しいですね。真夏の8月よりこれからが本格的な食中毒のシーズンになるそうです。3年前堺市の小学校で病原性大腸菌O157による集団食中毒が発生しました。その裁判で、きのう堺市に「4500万円の支払い」を命じる判決がありました。
 その大腸菌ですが、一晩で数千万倍の数に増殖するパワーはどこからくるのでしょうか。私たちほ乳類にはとてもまねができませんよね。1ヶ月ほど前、NHKの番組で「不老不死の薬」について扱っていました。録画する事を忘れたので一部不確かな記憶で申し訳ありませんが、その中にDNAに関する興味深い内容がありました。
 それは「大腸菌の増殖力」と「動物の死」は「DNAの形」にその秘密があるというのです。DNAというと「らせん構造」と思っていましたが、大腸菌では「環状」になっているそうです。動物のDNAのようにらせん状になっていると、そのDNAには当然両端があることになります。その両端では常に「破壊」と「再生」の両方が行われているそうです。しかし、年齢とともにDNA両端の破壊の方が速く進行し、「老化」という現象があらわれやがて「死」を迎えることになるというのです。一方大腸菌のDNAは環状ですから両端といったものはありません。そのため両端の破壊による「老化」という現象もおこらないで、どんどんコピーという増殖を繰り返すそうです。
 「不老不死」という立場では大腸菌に軍配があがりますが、進化という立場から「鎖状のDNA」と「環状のDNA」を比較すると、「鎖状のDNA」に軍配があがります。それは鎖状になっていることにより2本のDNAが接近しやすい状況が生まれ、そこで一部が交換され進化のきっかけになるのではというのです。大腸菌のような「環状のDNA」ではこうした状況は生まれにくく、永遠に進化しないことになります。
 つまり、我々人類の祖先は「死」という代償を払って「進化」という生き方を選択したのですから、今さらDNAに書き込まれたプログラムは変更できません。つまり、人間「死」からは絶対にのがれられないのに、最近アメリカの企業が「不老不死の薬を開発した」との情報が流れ、その会社の株価が急騰して売買停止になったそうです。その後、誤報と分かって落ち着いたそうですが、「不老不死の薬」はやはり太古からの人類の夢なのかもしれませんね。
 ではまた。



番号 99G-012  送信日 99/09/15  差出人 林 正幸
件名 浸透の実験

 こんにちは、林です。
 せっかくの休日がにわか台風の影響で雨降りですね。そして残暑が厳しくて生徒もしんどそうです。私自身の体調はどうやらもどってきました。
 生徒にやらせられる浸透の実験に改めて挑戦していました。この種の実験はいろいろ手がけてきたのですが、いまひとつ納得がいかないままになっていました。業者に作らせた半透膜の容器でさえ、液漏れしてくることがありました。
 今回は内ふた式のフィルムケース(フジフィルム)を使うことにしました。内ふたをカッターで丸くくりぬき、切り開いて水に浸したセルロースチューブを貼りつけるのです。つまりケースと内ふたの間に挟んで押し込むのです。これで糸で縛るよりはるかに簡単確実に半透膜の容器が作れます。もちろんフィルムケースの底の方は切り取っておきます。あとは1mol/lショ糖水溶液を注いでガラス管付きのゴムせんをしっかりはめ、ビーカーの水に漬けます。このときセルロースチューブの部分に空気がたまらないように全体を一度斜めにします。
 これでだいだいうまく行きますが、数分待っても水溶液の上昇が見られないときは、半透膜の容器を作り直します。このやり方は手間がかからないのでやり直しもあまり苦になりません。これで時間内に水面が2、3cm上昇します。時間さえおけば、ガラス管から水溶液があふれ出します。
 まだ授業には投入していないので、最終的にうまくいくかどうかの確認はできてい ませんが、期待をして実験プリントを作りました。
 ではまた。



番号 99G-013  送信日 99/09/20  差出人 船橋 隆久
件名 鈴木先生のURL

 船橋です。
 鈴木先生がホームページを開設されました。以下のようなメールが届きましたので紹介します。開設に当たっては、誰もが経験する苦労話があるようです。またの機会に紹介してもらうと嬉しいですね。
[紹介開始]
 本日はモルの会ご苦労さまでした。
 化学や物理とは全く関係ありませんが、小生が作製しましたホームページURL
 を連絡させていただきます。
 15〜17年前に遡りますが、前任校で、合宿中に亡くなられて、公務災害と認定
 された書道科の先生の事件がありました。この事件以来、愛知働くもののいのち
 と健康を守る運動に携わってきました。その運動の内容を紹介したHPです。
 愛知働くもののいのちと健康を守るセンターのHPURL
       【http://member.nifty.ne.jp/aichihatarakumono/
 今後ともよろしくお願い申し上げます。
[紹介終了]

戸田先生
 昨日「モルの会」で紹介していただいた「ポリカミラーを使った3D」さっそく作ってみました。いつもは私の作ったものに全く関心を示さない中3の娘が、「キャー!チョーきれい!ステキ!」とはじめて感動の声をあげてくれました。これで少しは理科に関心をもってくれるとありがたいのですが・・・・。25日の物理サークル楽しみにしています。



番号 99G-014  送信日 99/09/23  差出人 船橋 隆久
件名 FileVisor4添付のViewer

 船橋です。
 99F-011([akkn 59] Vectorの利用)で紹介した「ArtViewer」など画像閲覧ソフトがない場合でも、インターネットエクスプローラなどブラウザソフトで画像を見ることもできます。しかし、起動に時間がかかったり、画像編集ができないなどとても満足できません。そこでファイル管理ツールとしてよく知られている「FileVisor4」(これもシェアウェアで有料)に添付されているViewerを利用してみてはいかがでしょうか。このViewerは@色解像度の変更A色調の変化Bサイズの変更C回転 など簡単な画像処理できます。しかし、「FileVisor4」がインストールされていても、次のような設定を行わないとこのViewerは起動しないことが分かりました。
【設定方法】
@Win98を起動し「マイコンピュータ」をクリック
A表示(V)に続いてフォルダオプション(O)をクリック
Bファイルタイプをクリック
C「登録されているファイルタイプ(T)」の中から「JPEGイメージ」を選択し削除(R)する.
このとき[ファイルタイプの詳細]が
・拡張子:      JPEG
・内容の種類:   image/pjpeg
・アプリケーション: IEXPLORE
となっていることを確認する。なお、アプリケーションのIEXPLOREが別のソフト名になっていることもある.
【設定終了】
 以上の設定が終了したら「FileVisor4」を起動し、JPGファイルを選択すると自動的にViewerが起動します。「FileVisor4」がもしインストールされていたら、一度試してみてはいかがですか。なお、「FileVisor3」のユーザーシリアルナンバーを取得していても、「FileVisor4」にこのユーザーシリアルナンバーを打ち込むと、システムが停止するなど重大な事態が発生するので十分に注意しましょう。
ではまた。 


番号 99G-015  送信日 99/09/23  差出人 戸田 亜昭
件名 近藤先生も物理サークルへ

 大同工業大学の近藤先生が実験道具を作り、皆さんにぜひ見せたいとの連絡が入りました。皆さん,都合をつけて参加をして下さい。皆さんも疑問に思うことや学校祭での取り組みなど何か話題を持って参加してください。ただの参加でも結構です。気軽にのぞいてみましょう。

愛知物理サークルの案内
日時:9月25日(土)13時〜
場所:名古屋市立若宮商業高校物理実験室

私は,次のものを用意しています。
1.子どもたちの非合理志向には楽しい科学教育を
2.牛乳パックで作るカメラ 生徒の感想は何を教えてくれるか?
3.迷宮の箱(ラビリンスボックスlabyrinth box)
4.両口のヘビ 楽しい摩擦教材
5.ひずみ絵(円筒の鏡による反射)
6.胴なし人間 私の工夫したところ



番号 99G-016  送信日 99/09/24  差出人 林 正幸
件名 MOLの会の報告


 こんばんは、林です。
 生徒には不評でしたが、台風は無事通り過ぎました。
 さて、9月19日(日)に開いたMOLの会の「通信」ができましたので、皆さんに紹介します。
 ではまた。
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                                   99.9
                               事務局 林 正幸
   MOlの会通信99−9

 参加者は岡田、鈴木とし、戸田、富田、林まさ、船橋の6名でした。今回は事務局が忘れていて、例会の案内を含む「通信」が前日にやっと届いた次第で、予定が立たなかった人がいるかもしれません。会場校の鈴木さんには冷たいお茶を準備していただき、ありがとうございました。なお例会では、仲間にはなかなかまわって来なかった「いきいき物理わくわく実験2」も入手できました。また船橋さんが印刷した「愛科教ネット」のメーリングリストは分厚くて、話題の源泉になりました。さらに合同教研で紹介する実験・教材もリストアップできました。

1.エタノールロケットその後(岡田)
 2年ほど前に紹介されたこのロケットは、そのときは「不発」が多かった。今回1.5[l]PETボトルに、愛知の「水ロケット」の技術を使って水道のジョイントをノズルとして着けたところ、確実に成功するようになった。
 エタノール1mlで壁面を濡らしてから空気を4atm(ゲージ圧)くらいまで入れ、水ロケットを発射する要領で空気を噴射すると白色の「雲」ができる。続いてノズルにチャッカマンの炎を近づけると、点火して廊下を10mほど走る。
 このやり方ではメタノールでも成功した。しかしノズルを外すと途端にうまくいかない。どうもびんの口が大きいので、燃料の雲が撹乱されるようであり、ときに燃焼がめらめらとびんの中に広がることもある。燃焼熱による膨張が確実に噴射につながるようにするのがポイントのようである。なおプラスチックのノズルはすこしずつ焦げていく。

2.シャルルの実験(岡田)
 船橋式「ボイルの実験」にシャルルの実験を加えたいと、50mlガラス製注射器を使ってみた。室温(29℃だった)で40mlの空気を吸い込んでゴムせんをはめて封じる。次に1[l]ビーカーに60℃の湯をつくり、これに浸けると43mlになった。次に氷水(3℃だった)に浸けると35mlになった。これをグラフにして体積0の温度を求めるとだいたい−220℃である。
 注射器はすり合わせがよいので、グリースは塗らず水が染みないようにする。ビーカーの大きさから50mlが限界である。
 たまたま林(まさ)が授業プリント「気体の性質」を資料として持って来ていたので、そこに載っている林式「シャルルの実験」も話題になった。意外にもこれはサークルで紹介してなかったようで、次回に実験して見せることになった。
 話が発展して気体の状態方程式に及んだ。林は、シャルル、ボイルに次いで
  「気体の体積は分子数、つまり物質量に正比例する」
を加えている。そして正比例は分子、反比例は分母に書くのが自然の理に適うと教えて
    V = k(nT/p)
を導き、これにアボガドロの法則を加えて気体定数を確定する。また分子運動論的に、圧力が分子数、体積、温度でどのように変化するか、からも状態方程式を再発見するようにしている。
 また富田さんからは、300ml丸底フラスコを使った気体の分子量測定が紹介された。
 さらに戸田さんから、大気圧も分子の衝突から生まれ、その圧力は単位面積上にある分子の重力に一致するので、地球の表面積から大気の質量が
    5.3×1018kg
と計算でき、理科年表の数値と一致するという話があった。

3.結晶モデル・今回分(船橋)
 展開型結晶モデルは特許があるようだ。そこで「8分の1」8個を単位格子の箱に詰め込んで、結晶配列を理解する方式を考案した。体心立方、面心立方、そしてダイヤモンドがあり、分かりやすい。
 ちなみにEHCで山田さんに結晶モデル製作の手ほどきを受けるときに、何がよいか相談して
  ・二酸化炭素(ドライアイス)
  ・硫黄(斜方硫黄)
に決めた。

4.弾性・非弾性衝突(船橋)
 安価に弾性・非弾性衝突モデルをつくろうと、「血が出る」努力をした。ステンレスパイプのフレームの代わりに虫かごにドリルで穴を空けた。おもりの代わりにM12ナット2つをビニールテープで包み、ネジ穴には6mmのスプリングワッシャを押し込んだ。バネは岐阜物理サークル仕入れのものを3、4cmに切る。これを力学台車に固定して、非弾性衝突用にはフィルムケースを、弾性衝突用には弱い押しバネを取り付けた(数種のバネを購入して試した)。
 このモデルを壁に衝突させると、「非弾性」では台車はほとんど戻らずおもりがゆらゆらと揺れた。反対に「弾性」では台車が跳ね返って走りおもりはほとんど揺れない。見事である。
 関連して、今年の科教協大会で購入した「肩たたき」が紹介された。弾性球の方で机をたたいても温度は変わらないが、非弾性球では30回たたいて、熱電対温度計で計ると4℃上昇していた。これも優れものである。

5.ビー玉万華鏡(船橋)
 何でも自作してみる船橋さん、ビー玉とポリカミラーで万華鏡。金額的にも生徒実習可能である。なお透明度の高いアクリル球の万華鏡はひときわ鮮やかである。
 ついでに、前回船橋さんに頼んでおいたステンレス製の大型の玉じゃくし、きれいな金属面で凹面鏡と凸面鏡になる。生活用品が教材になるのが面白い。
 関連して戸田さんから、やはり科教協大会で入手した「迷宮の箱」が紹介された。これはポリカミラーを壁にした3D−ボックスで、ミラーの塗料をアクリルカッターで引っかいて落とし、その部分に色セロハンを貼り付けてある。三角の窓からのぞくと幻想的空間が広がる。戸田さんがあっ旋した商品の3D−ボックスも、どんどん進化していく。

6.カルシウムと硫黄の反応(鈴木とし)
 杉山(剛)さんのホームページに紹介されていたのでやってみた。
 試験管に硫黄を薬さじ半分をほど入れ、これに表面を磨いたカルシウム粒いくつかを加えて加熱する。硫黄が融解して間もなく、突然赤橙色のせん光とともに激しい反応が起こる。やや危険で、生徒に見せる前に予備実験が必要である。
 硫黄との反応は、鉄粉、亜鉛粉などもあり、酸化の概念拡張に有効である。

7.フィルムケースを使った浸透実験(林まさ)
 生徒にやらせられる浸透の実験に改めて挑戦した。この種の実験はいろいろ手がけてきたが、いまひとつ納得がいかないままになっていた。業者に作らせた半透膜の容器でさえ、液漏れすることがあった。
 今回は内ふた式のフィルムケース(フジフィルム)を使うことにした。内ふたをカッターで丸くくりぬき、切り開いて水に浸したセルロースチューブを貼りつける。つまりケースと内ふたの間に挟んで押し込むのである。これで糸で縛るよりはるかに簡単確実に半透膜の容器が作れる。もちろんフィルムケースの底の方は切り取っておく。あとは1mol/lショ糖水溶液を注いでガラス管付きのゴムせんをしっかりはめ、ビーカーの水に浸ける。このときセルロースチューブの部分に空気がたまらないように全体を一度斜めにする。
 これでだいだいうまく行くが、数分待っても水溶液の上昇が見られないときは、半透膜の容器を作り直す。このやり方は手間がかからないのでやり直しもあまり苦にならない。時間内に水面が2、3cm上昇する。時間さえおけば、ガラス管から水溶液があふれ出す。
 例会でも2つ実験してみたがいずれも成功して、さっそく利用したいという声があった。

8.授業プリント「溶液の性質」(林まさ)
 今回は一学期分(1〜4章)の改訂版 と、今年の科教協大会レポート「授業プリントを作って」に加えて
    5章 気体の性質
    6章 溶液の性質
を紹介した。
 「溶液の性質」については
(1)モル濃度は何のために教えるかということで、物質が化学的変化を起こす「勢い」がモル濃度に比例していることを導入した。これで、凝固点降下や浸透を理解できるようにした。
(2)質量モル濃度は止めて、パーミリオン濃度を取り上げ、二酸化窒素の環境基準や、カーソンの「沈黙の春」のクリア湖の例や、環境ホルモンに連結した。
(3)コロイド溶液は、コロイド粒子が分散と凝集の戦いの中で成立していることを基本にして、凝析や塩析はその一例と位置づけて展開した。
などと説明した。
 ちなみに、人工透析については患者が作るホームページが参考になった。またコロイド溶液(分散系)が多様である例として、ドラキュラの血の話が出た。これは塩化鉄(V)水溶液に沈降性の炭酸カルシウムを加えたものらしい。

9.牛乳パックで作るカメラなど(戸田)
 ものづくりを授業の中心に据えている戸田さん、いつも楽しい「もの」が登場する。今回は「かぶきひも」で折る「両口へび」、これは摩擦教材にしている。そしてすぐに作れるプリント。摩擦は物体の重量で考えがちだが、本当は垂直抗力つまり面と面が押し合う力が関係している。
 また牛乳パックで作るカメラ(トレーシングペーパーに像を結ばせる)のプリントも紹介された。ピンホールとレンズの両方を体験し、焦点距離を計ったり、カメラの絞り、シャッタースピード、フィルム感度(ISO)の意味を教えたり・・・ゆったりと進める。
 なお生徒はカッターでけがをしやすいので、工作に無理がないように工夫する。
 ちなみに「超能力」について「理科教室」に書いた原稿も紹介された。意見・感想を聞きたい。

        次回は
    12月12日(日) 13〜17時
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番号 99G-017  送信日 99/09/25  差出人 岡田 高明
件名 次回のEHCについて

 こんにちは、みなさんお元気ですか、岡田高明です。
 文化祭はおわりましたか?我が勤務校の**高校は9/7・8に文化祭はおわりました。2学期始まって1週間で準備ができるはずがないと以前からこの日程に反対しているのですが何を考えているのか??
 我が科学部も「光」をテーマとしてとりくみました。顧問の私の創造性が乏しいので「物理サークル」「いきいきわくわく物理」のパクリです。ただそのままではインパクトがないのでおおむね大型化を試みました。例えば3D−BOXをTVの入っていた段ボール箱に作ってみたところなかなか迫力がありました。また映写機の原理のストロボ(?)も直径30cmくらいの大きさのをつくりました。田中さんから分けていただいたひずみ絵も挑戦してみました。
 さて次回のEHCのことですが、第1回目の工作完了しましたか?できるだけ完了して臨みましょう。

1.日時10/9(土)10時〜17時
2.場所 名古屋北高3F物理室
3.準備するもの 第1回で配った部品全て
        電気工具セット
        電動ドリル(お持ちの方は持参ください)
        六角ボルト回し(お持ちの方は持参ください)
        デルタルマルチメータ(以前製作した方は持参ください)
4.費用 8000円
5.その他 当日欠席される方は出席者にことづけてください。もしそれが困難な時は事務局岡田まで電話かメール(taka-okatcp-ip.or.jp)にて必ず連絡をください。



番号 99G-018  送信日 99/09/26  差出人 船橋 隆久
件名 弾性球・非弾性球、痛いのは?

 船橋です。
 昨日物理サークルの例会に参加しました。夏休みに苦労して作った「虫かご型ランダム台車」を紹介していたとき、当たり所が悪くて10cmほど虫かごにヒビがはいりました。非弾性側にはフィルムケースを直接虫かごに付けていましたが、これが「衝撃で虫かごにヒビがはいる」原因になっていたようです。押しばねを力学台車に直接付けたように、フィルムケースも台車に直接付ける必要があるようです。虫かごは台車より少し大きいため一部加工する必要がありますが、改良点を見つけることができました。
 ここで、8月の科教協山梨大会で横浜物理サークルから入手した「弾性・非弾性肩たたき棒」を紹介しました。これは金槌のような形をした肩たたき棒の両端に、半分に切断した弾性球と非弾性球を接着したものです。これで30回ほど机をたたき、その後温度を測る(熱電対)と非弾性球側のみ5℃程上昇します。これは非弾性球を構成している分子の乱雑な運動が、エネルギー転化されることによって温度が上昇したことを、ランダム台車を使ってイメージ化することができます。
 議論が白熱したのはその後でした。この肩たたき棒で頭をたたくと、弾性球側と非弾性球側でどちらが「痛い!」と感じると思いますか。ほとんどの先生は「弾性球側」と予測しました。その理由として「運動量の変化を比較してみると、弾性球側が2mv,非弾性球側がmvだから」というものです。しかし実際には非弾性球側のほうが3倍も4倍も痛く感じるのです。「力積で考えても非弾性球のほうが接触時間が大きいから、力Fは小さいはずなのに変だ!」「球のエネルギーから考えたらどうなるの?」「痛みは体の中の破壊と考えたらどうなるの?」「そういえば野球のデッドボールは大きくはね返った方がダメージは小さいね。当たったボールが打者の近くに落ちたときはだいたい骨折だと解説者が言ってたよ」などなど。結局結論がでないままになってしまいました。「弾性球と非弾性球の痛みの違い」をどうやって説明したらいいのでしょうか。教えて下さい。

林先生、
 昨日の物理サークルで、山岡先生が表面張力に関する面白い実験を紹介されました。それは「細い鉄線(手芸店で扱っているフラワー用ワイヤー はだか線 NO.28)を使って足が4本でたアメンボを作り、それを水面にそーと浮かべます。そこへ台所用洗剤を1滴落とすといきなり沈む」というものです。その沈みかたが大変ユーモラスなので、これは生徒に受けそうです。そこで「アルケのメーリングリスト」にあった岩手の佐藤さんの「アルコールを浸した紙が水面を勢いよく動き出す」実験と、林先生の「表面張力について」のメールを紹介しました。そのなかに「表面(界面)張力というのは、物質の表面が内部に比べて余分のエネルギー(表面自由エネルギー)を持っていることの現れです。」という部分がありましたが、このところをもう少し説明してもらえないだろうかという要請がありました。私も知りたいところでもありますので、よろしくお願いします。



番号 99G-019  送信日 99/09/29  差出人 戸田 亜昭
件名 愛知物理サークル通信他

 過去9年間の活動をまとめた「愛知物理サークル通信」ができあがりました。欲しい方はお近くのサークルのメンバーまで注文して下さい。一冊1000円です。継続は力なりといいますが,改めて読んでみると中身の濃い活動をしてきたのを感じます。一人一人はどこにでもいる毎日の授業で悩んでいる普通の先生たちですが、サークルの仲間は宝です。サークルという集団としてはすばらしいことをやっているのだと思います。それぞれのメンバーが自分の考えで授業の工夫や悩みをサークルに持ってくると,それが他のメンバーの刺激となり,それぞれがまねをしているうちにどんどん発展し,新しい教材が誕生してきます。もっと多くの方がサークルに参加していただきたいと思います。
 私は,今,この中にどんな教材があるかすぐに探し出せるようにその項目の一覧を作っています。最近記憶力が落ちてきたので、コンピュータにまかせられることはコンピュータに覚えておいてもらおうと思って始めました。もっと詳しく知りたいときにすぐ発表者に連絡できるようにe-mailのアドレスもわかるようにしようと思います。貴重なデータベースとして便利に使えるようにご意見を下さい。これは自分のためになるだけでなく,このサークル通信が元でもっと輪が広がるのを期待しています。

久保田さんへ
 早速「そろった運動をバラバラに」(非弾性衝突モデル)の教材をホームページに紹介していただけるとのことありがとうございます。注文数が10個にならないと作ることができません。そのことをきちんと書いておいてください。
 この機会に皆さんもぜひご注文をして下さい。ちょっと考えると高いように思いますが,計算してみて下さい。近くの熔接の工場二つで見積もりを取り安い方にしました。加工賃は1時間3500円で見積もってあるそうです。学校で買ってもらえるように,領収書も出してもらうようにしたいと思います。
  価格:4900円
  力学台車:中村理科製
  材料:ロの字断面でスチール製のパイプを熔接した枠加工
      ばねの取りつけようの穴あけ
その他、岐阜物理サークルの扱っているばねなど柔らかいばねと,ナットなど重りが必要です。
現在の注文数:3個


番号 99G-020  送信日 99/09/29  差出人 林 正幸
件名 表面エネルギーについて

 こんばんは、林です。
 針金アメンボは私も聞いたことがあります。
 さて表面張力と表面エネルギーについてですが、液体の表面が引き合って縮もうとする力が表面張力で、液体の表面を広げるためにはこの表面張力に対して仕事をしてやる必要があります。その結果広がった表面が獲得するのが表面エネルギーです。表面エネルギーは、物質の表面の「粒子」が外側半分だけ引き合う相手を持てないことにより、一種のポテンシャルエネルギーが大きくなった部分です。
 そして表面エネルギーの変化を距離で微分(割り算)してやれば表面張力の数値が得られるというように、逆に見ることもできます。つまり「表面張力は表面エネルギーの現れ」なのです。
 さて表面自由エネルギーという用語を使ったわけですが、私たちの環境は、圧力は一定に保たれ、発熱・吸熱があればやがてそれはまわりと熱エネルギーをやり取りしてそのときの気温に戻りますので、等温等圧系と近似できます。このとき化学的変化はその自由エネルギーが減少する向きに進み、平衡状態は自由エネルギーが極小のところで成立します。自由エネルギーが問題ですので、表面自由エネルギーと書きました。自由エネルギーには、上で説明したエネルギー(厳密にはエンタルピー)項の他にエントロピー項(エントロピー変化に絶対温度を掛けたもの)があります。と言いつつ、私もエントロピー変化はよくわからない点があるので、主としてエネルギー項で考えてしまいます。
 こんなことでよろしいですか。船橋さん、もし視点がずれていたら指摘してくださ い。
 ではまた。


番号 99G-021  送信日 99/09/30  差出人 杉本 憲広
件名 超シンプルファラデイモーター

 こんにちは杉本です。いつも投稿面白く読ませていただいてます。
 先日、物理サークルニュースで読んだ、増子さんのファラデイモーターがやってみたくてごそごそとやっていたら、思いがけずびゅんびゅん回ったので報告します。
 このモーターを知らない人は最新のサークルニュースを見て下さい。ニュースでは、釘に銅線を接触させて釘から電池へと電流を流していましたが、釘の下にくっつけてあるネオジム磁石の側面に導線を接触させ、電流を磁石の側面から流してみて下さい。すごい勢いでびゅんびゅん回ります。もうびっくりです。ただいま飯田さんと遊んでいます。いろいろ試しましたが、一番出回っているネオジム磁石がベストです。
 とりあえず第一報。ではまた。