番号 11B-001  送信日 11/02/04  差出人 川田 秀雄
件名 大学入試センターの回答

皆様
川田です。節分も過ぎ、一気に春らしくなって来ました。いかが過ごしでしょうか。
さて、センター試験の翌日に送った質問状(その後2度送る)に対して、ようやく返事が来ました。
添付ファイルの文書A4版1ページです。何故、2週間以上かかったか不思議です。お読みいただければ幸いです。
いろいろ述べていますが、入試センターは全面的に私の言い分を受け入れています。採点からの除外は無理にしても、物理の内容としては100%満足です。変圧器の問題のときよりスッキリした回答です。

 問題文の山谷は変位ではなく、「圧力変化の山谷」。干渉についても変位ではなく「圧力変化の重ね合わせを想像して干渉条件」を考える、としています。
 しかし、問題文の「波の山谷」を「圧力変化の山谷」と誰が理解するでしょう。断りが必要です。

 私としては、後に続く子ども達の誤解をなくすため、過去問には、せめて問題文に「圧力変化の山谷」または「疎の線」「密の線」と但し書きを追加すべきだと考えます。そのことを入試センターに要求していきたいと考えています。
皆さんのご意見をお待ちしています。



番号 11B-002  送信日 11/02/06  差出人 川田 秀雄
件名 センター回答に対する再質問

皆様
 川田です。飯田さんのメール始めて読みました。飯田さんの予想通りの答でした。偶然なのか意図的なのか逃げ道が用意されていた感じです。しかし教育的ではありません。
 私の予想に反して、入試センターも音波の干渉を「変位の重ね合わせ」ではなく「音圧の干渉」で考えていますので、この点に関しては「議論」にはなりません。
 問題は「波の山谷」といえば「変位の山谷」をさすのが常識的な捉え方です。センターは「音圧の山谷」と受験者が理解する、としていますが果たして本当か、と言う問題が残ります。その意味では、明らかな「問題の不備」といわざるを得ません。
 入試センターに添付の質問状を送ります。多分これが最後かと。

 これを機会に、教科書・問題集・試験等で音波の干渉を「音圧(疎密)で考える」習慣が定着すれば本望です。この運動をいろんな面から進めていきたいと考えています。
ではまた。



番号 11B-003  送信日 11/02/12  差出人 原 弘良
件名 ガリレオが教室にやってきたら−2、近代科学の原点と理科教育

 村山教授が、ガリレオ業績の背景にあった「ガリレオの信念」から、
再認識した、研究の原点:「考える自由・表現する自由」は、
科学研究に留まらない「普遍的真理」、人類の願望であると、考えます。
 換言すれば、世界中の、おとなや子どもにとっての願いです。

 この願望による行動が、人類史潮流の変革エネルギーとしてはたらき、
人類の先輩たちから今にいたる世界中の人々が、追求している
「人間の尊厳」保障の必須基盤であると、私は信じています。
 それは、18歳で労災事故遭遇で覚醒した私自身の「人間の尊厳」が、
教職への転向力となった体験から認識した故の、「私の信念」です。

 当然、科学教育も社会機能の重要な一翼を担っているが故に、
目の前の生徒の人格形成に対する責務と、彼らがその後に担う未来社会
に対する重責をも負っている自覚が、私にも在りました。
 同時に、敗戦の幼少時14年に及ぶ赤貧・飢餓生活にあっても私を支え
た「科学する・学ぶ魅力」の体験を、一生の仕事として、生徒に伝承し
共有できる「理科の先生」は、大きな喜びと誇りに、毎日がワクワクでした。

 回顧すれば、子どもの私が、「科学に夢中、学問を畏敬した時代背景」は、
腹はペコペコだったが、研究の原点:「考える自由・表現する自由」が満ちて
いたから、ナイフ「肥後の守」・ローソク1本で、多種多様な科学工作あそびに
熱中していました。兄が中卒で就職してくれたので、私はアルバイトしながら
愛工へ進学できました。だから、愛工時代は、「火薬製造・ロケットづくり」
「実機・グライダークラブ創設」など、青春謳歌時代を満喫できたのです。

 考えてみれば、おとな世界の干渉が無くて、「子ども本来の世界に遊び
学んだ、育ちの時」を生き、学校学力競争世界から外れて生きたが故に、
「何が価値在ることか?」を、洞察できる貴重な体験をしていたのです。
 一方では、金持ち家庭で学校学力が優良だった男子6名は、
「進学ヤリ高校」へ進み、大学受験潮流に乗って行きました。
   幼少年期の私の体験が、
「ヒトの子どもの本質:好奇心旺盛・学び大好き・友だち大好き!」の確信
基盤となり、教育実践する過程で、その正当性が、生徒の事実によって
証明され続けた独自の「原実践」。その結果として、「本来の教育」が続いて、
「落ちこぼし生徒、皆無」で退職する安堵を得ました。

 「原実践」の背景には、最初に赴任した養護学校で、
重度障害の子どもたちを公教育から排除するという信じ難い、
戦前・敗戦後の文部行政の本質を知った事実があります。生徒・父母たち
と、この事実を共有認識した重い経験を持つ私は、「学習指導要領」に
束縛されない教育理念により、「ヒトの子どもの本質」を追究しました。
 私なりの、「価値ある教育内容」「教育効果の高い理念と方法」等を、
目の前の生徒による事実評価・検証に依拠して、試行錯誤の教育実践
に取り組み、生徒自身が「自己肯定と人間の尊厳を実感する教室」への
挑戦を、定年退職まで続けたのです。

   私の理科担任・学級担任としての仕事の流儀は、以下でした。

1、教師は、主体者である生徒のサポーターに徹するが、一義の仕事。
2、居心地のいい授業・学級環境が、生徒の発達に必須要件であり、
 自己肯定・自信の伸長に直結するとの認識が、教師に必須。
3、教科担任・学級担任、両方に共通の仕事として、
 生徒たちとの初対面時に、「生徒が受けた教育」のリセット授業。
                  「人間の本質は、何か?」
                  「学びの本質は、何か?」
                  「学校学力の正体、その光と影」
                  「自己肯定と、無二の自己尊厳」
4、居心地のいい授業・学級環境づくりには、ガリレイの信念と重なる
 「考える自由」と「表現する自由」ならびに「人間の尊厳」が必須基盤
 であるという認識で、仕事の計画・内容・展開に創意工夫しました。

*理科授業では、20数年以上にわたり、以下(1〜3)のように実施。 
 1、「教えるに値する、学ぶに値する、
        科学リテラシー内容の精選と展開(手づくりプリント教材)」
 2、「1週間で、生徒の自治的授業規律確立(私語無し授業態度)と、
     1ヶ月で、自発・自律学習(予習済み授業参加)習慣の確立。
 3、「身近な科学レポート」への挑戦の呼びかけ、連鎖反応的参加増。
      なぜ?どうして?自然科学に関する何でも、OK!レポの勧め。
       テーマ、方法、形式など自由! 提出の義務も期限も無い。
 4、・授業は、4人1班。開始5分間以内に、班長主導の予習確認学習。 
   ・実験・観察授業レポート(約10テーマ/年)では、
    班4人同一データでも、その「考察」「表現・結論」は、個人独自で
    ある事が、研究では必須!を指導。(真似の疑いは、4人再レポ)
 5、相方と協議・「3年間の自主編成・理科カリキュラム」を6年間実施。
   ・ねらいは、「科学する、学び・研究のたのしさを、徹底的に体験させる」
   ・履修は、生・化・物・地・4分野の基礎知識・研究の要諦・レポート
    作成の要諦など「科学リテラシー」を、1学年〜3学年6月まで授業。
   ・3学年の6月〜卒業まで
   「個人別研究テーマ・課題研究の7ヶ月」と、研究発表会・卒論提出。
  (詳細は、「授業づくりで変える高校の教室・4、理科」川勝編著、明石書店)

*学級づくりでは。  (理科担任と同時に、学級担任の先生も多いでしょうから)
     やはり、ガリレイと関連して、生徒の「自由な活動・自由な表現」が必須。

 1、生徒の自由を確実に保障するために、
   学級自治活動を徹底し、学級担任の19年間「全員進級の達成」。
 2、具体的指導内容。  全校統一の係り活動に、
   学級自治活動のための、組織と係り活動を、日常化した。
 ・退学等の原因を実状調査の結果、
    不本意入学の止むを得ないで入学している事例がほとんどであり、
    学校帰属意識低下による学業不振、1学期4科目以上赤点大半。
    しかし、「退学したくて入学した生徒は、皆無!」に光明あり!
 ・学級独自に、「学習委員会」「学校行事委員会」「広報委員会」
  「週番委員会」「学級運営委員会」を設立し、日常の学級自治活動を担当。
 「学習委員会」:定期テスト2週間前から、主要科目・互選講師で活動。
 「広報委員会」:学級新聞・40号ほど、テーマ文集7集ほど発刊、団結の要。
 「学校行事委員会」:体育祭・文化祭・合唱大会など、「優勝!」合言葉に。
 「学級運営委員会」:級長を議長に、全組織長が「全員進級達成!」に働く。
 「週番委員会」:5人1班で、居心地のいい学級のための、日直週番活動。
 ・「1人1役以上役職担当によって、
  全員で網目構造の学級組織を構成・活動する。  その結果として、生徒は、
  ひとりは、みんなのために。みんなは、ひとりのために。」を、日常体感する。

 「考える自由」と「表現する自由」ならびに「人間の尊厳」の3点が、
私の生育歴から形成された人格・価値観・教育観ですが、 しかし、 これは私個人の

特殊性ではなく、私の出会った生徒たち一人ひとりの事実から判明した、
「本来の学校教育の普遍性」であって、当たり前の必須基盤でもあると、
ガリレオ番組から確認することができて、今、スッキリしています。
 一方では、高度成長経済界に即応する多様な人材供給源として、、
教育行政権力による中等教育の多様化路線が強化され、父母・教職員の多数も、
「仕方ない事態」とあきらめたり、競争教育を是認する事態になっています。
      しかし、「本来、友だちと学びあう、喜びの学校」が、
「不登校の子どもが10万人以上10年以上続く、学校の現実!の本質は、何か?」
についても、  ガリレオ番組の村上教授が、「なぜ、ガリレオの背景の旅だったのか?」
その教唆するものは、とても大きく意義あるものでした。



番号 11B-004  送信日 11/02/15  差出人 林 正幸
件名 ブザーテスター

こんにちは、林まさです。
 アルケミストの会のメーリングリストに、次のように「ブザーテスター」のことを書きました。参考にしてください。
 ではまた。

<引用>
 さて電球テスターは、分かりやすく簡便な道具です。これは酢酸のような弱酸の水溶液では少しだけ点くというのが優れていました。
 ところが皆さんご承知のように、電球の製造は中止されました。LED電球は、予想通り、70V以下になると、突然光らなくなります。デジタル的です。これでは強電解質がどうかのテストはできますが、酢酸ではうまく行きません。豆電球もLED化してしまうように思えます。
 そこで何かアナログ的な変化をするものはないかと考え、始めスピーカーを思い付きました。電源を100Vにすると大変なので、±9V(006P)、オペアンプ(2つ組み込まれた082)、そして圧電スピーカで構成してみました。ところが水道水でも音が出てしまいます。
 次に、手元にあった小さい電子ブザーを使ってみました。6V(単3電池4つ)に、ブザーと電極(と言っても銅線2本)を直列につなだけです。これで酢酸の場合には小さい音が出ました。これなら誰でも簡単に作れます。ただし1.5Vの電子ブザーではうまく行きません。問題はこの6Vの電子ブザーがこれからも安定して入
手できるかです。
<以上>



番号 11B-005  送信日 11/02/16  差出人 林 正幸
件名 再び「ブザーテスター」

こんにちは、林まさです。
 田中さん、昔作った「風呂ブザー」は、感度調節をして、水道水と純水を区別できたり、弱電解質と強電解質の水溶液を区別できたりしました。前のメールにも書いた(引用した)ように、「電球テスター」は調節無しで、強電解質、酢酸のような弱電解質(酸でない弱電解質は無理)、そして水道水を、電球の明るさ(点かないも
含め)で識別できます。これはアナログの良さです。(加えて回路が簡単で、高校生にもすぐ理解ができます。)その代わりになるものをと考えて「ブザーテスター」を作ってみたのです。
 感度を上げると酢酸水溶液も電導性があることが分かるテスターも悪くはないのですが、授業の導入に使えるような素朴なテスターもほしいわけです。化学では「電球テスター」は、よく普及した実験道具です。
 ちなみに、私としては水溶液の電導性に関しては、導電率計を使って踏み込むことも考えています。
 ではまた。



番号 11B-006  送信日 11/02/16  差出人 原 弘良
件名 ガリレオが教室へ:川勝教授と授業ノート 完結

 ガリレオの旅で、村山教授が再認識した近代科学の原点:「考える自由」
「表現する自由」は、ここ愛知から、理科教育運動として提起され、野火の
如く全国の教室に、じわじわと拡がり続けている様です。その内容は、
 「学ぶ生徒側からの教育の原点」と、言うべきものだと考えています。

 1970年代半ばに、「物理サークル」が、生徒たちに楽しく物理の本質を
教える教育内容と方法の実験を、教師集団として研究・実践を進める過程で、
物理教育の自主編成を進める現・名城大・川勝教授(当時、高校教諭)の
提起でした。
 その内容は、生徒が授業記録を、輪番制でリレーする「授業ノート」実践。
(詳細は、「授業づくりで変える、、」155頁、川勝論文「授業ノートをつくろう」)

 ちなみに、この本づくりに参加した・奥村さん・成島さん・原の3人全員が、
授業毎に、授業記録者の生徒や飛び入り参加の生徒たちとの「交換ノート」
をやっていた!  3人の出会いは「偶然」だが、「授業記録」は必須だな。

   当時から、「学ぶ生徒側からの授業観点」と
「教える教師側からの授業観点」は、車の必須両輪と考えていた私には、
新鮮で魅力があり、すぐに「授業記録」実践を始めて、退職までの約25年間を、
実践に不可欠な宝物・価値在るデータ集として、試行錯誤必然の実践方向を
判断する際の指針的存在でした。 その実践結果としての、「生徒の授業評価」
は高く、「教育は、科学だ!芸術だ!」と、毎日の授業を生徒と楽しみました。

     これで、「ガリレオが教室へやって来たら、、」 完結です。  ありがとう。



番号 11B-007  送信日 11/02/18  差出人 林 正幸
件名 村山著「宇宙は何でできているか」

こんにちは、林です。
 幻冬舎新書の「宇宙は何でできているのか〜素粒子物理学で解く宇宙の謎」を読みました。著者は東京大学数物連携宇宙研究機構(IPMU)のリーダーの村山 斉さんです。この本がすばらしいのは、読みやすいことです。高校生にも勧めたい1冊です。この本は市民向けの講座がベースになっています。
 私としては、ひとつには素粒子研究の歴史とこれからの課題が概観できてよかったです。私は折に触れてこの種の解説書を読んできました。その内容はどんどん変わってきてよく分からない感じでした。それがすっきりしました。
 もうひとつは、不確定性原理の解釈に関してです。かつて「シュレーディンガーの猫」を読んだとき、泡立つような空間のイメージがぼんやりとできました。そのイメージを確認したいと思っていました。それがこの本でかなり明確になりました。短い時間なら、無からエネルギーがつまり粒子が生成し、またうたかたのように消え
ていく。寿命が短い粒子ほど大きなエネルギーを持つ・・・。
 また暗黒物質の存在は、「すべての物質は原子からできている」という表現に注釈を付ける必要が生まれてきました。そこまで行かなくても、宇宙全体では原子からできている物質よりもニュートリノの方が多いのです。従来の化学の枠を越えて教える必要があります。
 そして「あとがき」の次の文も気に入りました。
「『こんなこと調べて一体何の役に立つんだ?』」と疑問に思われる方もいると思います。(中略)いつもこのように答えています。『日本を豊かにするためです』と。『豊か』という言葉には、経済的な意味もありますが、心、精神、文化の豊かさも含んでいます。人生の半分近くを外国で暮らした私から見ると、日本はこうした広
い意味での『豊かさ』をとても大事にする国です。これからもそうあってほしいですね。」
 ではまた。



番号 11B-008  送信日 11/02/19  差出人 岡田 高明
件名 次回名古屋EHC「超音波送受信器」

 梅のつぼみがほころびかけ春の訪れを告げていますが、
  みなさんお元気ですか?
   次回の名古屋EHCの企画は「超音波送受信器の製作」です。
  講師の船橋先生から装置の説明をして頂きました。

『インバーターIC「4069」を使って発振させる従来型の
 「超音波送受信器」は、電源に使用している乾電池の電圧変化の
 影響をもろに受け、発信周波数が時として±50HZ程度ずれる
 ことがありました。そのため、実験ごとに半固定抵抗を回して
 調整する煩わしさがありました。
  今回製作する「PIC_PWMを使った超音波送受信器」は、PICマイコン
(12F683)を使って発振器側は40000Hz、受信機側は 39370Hzの周波数を
 正確に作ります。そのため今までのような煩わしい調整は全く必要が
 なくなり、うなりとして取り出し630Hzを使った ドップラー効果
 の実験が手がるにできるようになりました。昨年10月に作った「H8
 周波数計」とセットで使えば、ドップラー効果による音の変化を、
 数値の変化としてもとらえることができます。』


日時   2011年5月14日(土)9:30〜17:00

テーマ  超音波送信器、 スピーカ付き超音波受信器、 
        H8接続用超音波受信器
       ※H8接続用超音波受信器は来年「PIC_周波数計の製作」をする
        予定です。そのためH8のない人もセットで購入してもらいます。

講師   船橋隆久先生

会場   名古屋市立菊里高校物理実験室(2F)

費用   3000円

準備   電子工作道具一式
スタンド付き電動ドリル( あれば)、
H8UMCS+周波数計カード(あれば)



番号 11B-009  送信日 11/02/26  差出人 林 熙崇
件名 バンデグラフの測定

いきいき編集会議の場所でバンデグラフ静電発電機の動作記事に関して疑問が生じ、測定が始まりました。その
ときは、はっきりしなかったのですが、杉本さんの考えが革命的でした。[上で発電して、電荷を下に送っているので
ないか?」私は反論しましたがそのときの測定値は私の論理に合致してないところがあり、きちんと測定することに
しました。上部ローラを絶縁材を介していましたが手持ちで支えていたので、はっきりしませんでした。そこでアクリル
の筒の替りに、塩ビのアングル4本で支える構造にして、上下ベルト間でも自由に測定用のネオン管を挿入できる
構造にし、ネオン管の片方は、交流電源のアース側を基準に取りました。
 今まで私の思っていたバンデグラフの動作は、「下のローラとベルト間で静電気を発生させて電荷分離した電荷を、ベルトに乗せて引き離すことで高電圧にして、上の空洞導体にチャージする。」というものでした。測定した結果を総合すると、「ちと違うのではないか?」ということです。率直に言うと[40年間自分が思っていたいたバンデグラフの発電原理は間違っていた。」ということです。
 動作原理は今まで考えていたことと逆で,@空洞導体内の上部ローラに静電気を発させます。(ゴムベルト
と塩ビパイプローラではマイナスでした)A空洞導体内部の電場は0にならないといけません。そうなるように、ローラのマイナス電荷を打ち消すために空洞導体内側からプラス電荷が流れ出し、ブラシでベルトに放電して電荷を渡します。Bベルトは電荷が乗っかったまま下に運ばれて下部ブラシを通してアースに放電します。Cプラス電荷を失っただけ空洞導体外表面はマイナスに帯電します。Dベルトは連続的に回転していますから、上部ブラシにプラス電荷が流れ込み、下部ブラシで放電して電荷を逃がすという回路が出来上がります。(この回路が出来上がることが高電圧バンデグラフの要のように思えます)Eベルトの動作が続くと空洞導体の外表面はマイナスの電荷がどんどん溜まりアースとの電位差はどんどん高くなります。F空洞導体とアース間の電位差はリーク電圧で決まります。つまり空洞導体の高さがアースから高いほどリーク電圧が高くなります。(乾いた日に実験していると、1mのアクリル管の沿って1m長の稲光が飛びました。少し怖くなりました。)
あらためて討論、議論の大切さと異なった発想の意見の重要さを痛感しました。編集会議は偉大です。
実験結果は添付ファイルのようです



番号 11B-010  送信日 11/02/26  差出人 田中 英二
件名 バンデグラフの測定への疑問

こんにちは、田中です。
このバンデの記事を読んで素朴な疑問が生じましたので林さんに質問します。
(1)疑問は、
@空洞導体内の上部ローラに静電気を発させます。(ゴムベルトと塩ビパイプ
ローラではマイナスでした)
の部分です。これは摩擦電気ですから、ゴムベルトの部分がマイナスなら、塩ビ
パイプはプラスに帯電するわけですね。そうすれば、全体の電荷はプラ スマイ
ナスゼロとなり、このようにはならないのではないですか?つまり上のベルトと
ローラーでマイナスだけプラスだけの電荷ができることがよく分 からない。わ
けです。

(2)それより、下のローラーで発電して、ベルトとローラーに別々の電荷が摩
擦電気でできてたとえば、ベルトは−電荷、ローラーは+電荷になり、 ベルト
の−電荷が上の空洞に運ばれ、導体内部では、電界は存在しないために速やかに
導体表面に−電荷が運ばれるという考えでいいように思います。



番号 11B-011  送信日 11/02/26  差出人 杉本 憲広
件名 Re:バンデグラフの測定

 実に面白い問題ですね。
 私もローラーとベルトとの間の摩擦電気が運ばれ、その摩擦電気が上のケージの中で
放電されて貯まると思っていました。
 その考えが変わったのが、いきわく会議でヒロさんが摩擦電気がベルトの内部にある
摩擦電荷がなぜ表面のチョッパーを通して放電されるのかという疑問を持ってきたとき
です。もっとも、それ以前に、ローラーは最初帯電してベルトと電荷を交換するが、す
ぐ飽和して電荷を交換しなくなってしまうのではないか。なぜ発電し続けるのだろうと
思っていました。
 私の考えはこうです。
 バンデグラフは上と下とにチョッパーがついています。片方が放電でもう片方が集電
です。チョッパーに電荷が近くにあるとその電荷との間に電場ができて電荷が移動しま
す。
 その電荷を飛ばすもととなる電荷ですが、ローラーと考えるべきではないでしょうか
。ローラーとベルトとの間の摩擦電気で両方に電荷が発生しますが、ベルトは面積が広
いです。そしてもう一方のローラーとも接触します。その摩擦電気は2つのローラーと
ベルトの裏面の3つで電荷は保存します。したがって、チョッパーの位置で見たらベル
トの裏の電荷はローラーの電荷と比べたら問題にならないと思われます。
 ローラーとチョッパー間の電場で電荷が移動して、ベルトの表面に電荷が移動し、そ
して、もう一方のチョッパーで電荷は放電されます。バンデグラフは上下対象になって
いて、両方がケージになっています。どちらで電荷を拾ってどちらでそれを捨ててもい
いのではないでしょうか。2つのローラーの帯電の大きさによって決まると思われます

 以上ですが、文献を探せない状況なのでこの考えが正しいのか否かはわかりません。
また、いろいろなタイプのバンデグラフがあるような気がします。
 では。



番号 11B-012  送信日 11/02/26  差出人 林 熙崇
件名 Re:バンデグラフの測定への疑問

下りのゴムベルトの内側を測定した結果はプラスに帯電しています。そして上部ローラ付
近の電荷ですが、ネオン管で測定した限界も感じられます。それはローラとベルト間で分
離帯電するとき、ローラ側は位置が変わらないのに、ベルトの方はどんどん動いていくこ
とです。ローラのマイナス電荷の密度が大きくなり、ベルトの外側からネオン管を近づけた
とき、プラスの電場、マイナスの電場を比較したとき、マイナスの電場の方が圧倒的に大き
くなり、マイナスの電荷を感じるのではないでしょうか?それから下のローラで発電して上に
運ぶということですが、私もそう思っていたので詳しく測定しました。しかし、上向きのベルト
に帯電している電荷は非常に弱く、暗くしてわずかに点灯が確認できるかどうか
のレベルです。バンデグラフに電荷をどんどん溜める量には程遠い電荷の量です。それ
に比べて、下りのベルトの方はネオン管のアース側が赤々と点灯します。電荷の移動量
の差は圧倒的でした。これが最も悩んだ測定結果でした。



番号 11B-013  送信日 11/02/**  差出人 ** **
件名 ***********