番号 10L-001 送信日 10/12/04 差出人 伊藤 亮吉
件名 愛知理科の会 11月例会の報告
愛知理科の会例会の報告
11月27日(土)13:30〜 於:林ラボ
参加者:林、長瀬、深谷、鈴木、伊藤、園原、杉山
理科の会の内容を知っていただくために簡単な報告をすることにしました。思
い込みや間違いがあるかもしれませんがご容赦ください。
次回は年が明けて2月27日(日)林ラボ、13:30からです。
鈴木さんの授業をビデオで撮影してもらえそうなので、授業を見ながら色々検討
したいと思います。
《11月例会の内容》
みんなが集まる前のプレ話題 伊藤から
PHとは:水泳指導の時にPHを調べて記録します。「[6.4]ぐらいになってい
ればいい。」ぐらいの認識です。でも時々「多い方か少ない方かどっちが酸性?」
と話題になることがあります。「そういえば=ーlog[?]だったなあ。」とは思っ
たのですがいい加減では納得できません。そこで疑問に思ったことを林先生に聞
きました。
MOLと水溶液の薄め方:塩酸を使うときに水で薄めますが、マニュアルには
「500mlのビーカーに水を250ml入れ、そこえ塩酸を○○入れ、最後に
水で500mlになるように調整します。」とあります。そのままやればいいの
ですが、他の先生に聞かれたとき困るのでこれも林先生に確かめました。
なんでも困ったときの林先生です。
1 鈴木
【楽しい授業英語版の紹介】
「楽しい授業」の英語版ができていて広く普及しているとのことでした。話題
は思わぬ方向へ
planet earth→地球 ※惑星地球が正しいのかな。
日本語って結構曖昧な表現が多いことから、「テストの時選択式でなく、文章
表現させようとすると子どもの意図と表現されている内容のとらえ方が違うこと
がある。」と話題が膨らみました。一人一人の回答を丁寧に読む時間がないので
選択式になってしまうのではないか、それで評価としてはどうなのか、などと論
議が深まりました。
2 林(正)
【焦げ進む線香の火種】
半紙の隅っこに線香を近づけます。すると線香の火種が乗り移ってジワーーと
進んでいきます。ここでのポイントは
ア 燃え広がらない。
イ 炎がでない。
ウ 決まったコースがあるように進む。
ことです。
仕掛けは、硝酸カリウムが塗ってあることでした。爪楊枝の反対側を使って2
cmぐらいずつコースを書いていくのがこつだそうです。
ア 温度が低いので燃え広がらない。(紙の発火点以下ということかな)
イ 酸素が硝酸カリウムによって提供されているからその部分だけ燃え続ける。
3 伊藤
【鉄砲串鉄砲(名前募集中)】
小学生の頃、竹と鉄砲串と輪ゴムとダイコンを使って鉄砲を作りました。その
おもしろさが忘れられなかったのですが、竹がなかなか手に入りませんでした。
そこでふっと思いついたのがトイレットペーパーの芯です。作ってみたらとって
もよく飛びました。40年来の執念が実った瞬間です。
4 深谷
【子どもと自然学会に関わって】
子どもと自然学会に関わっているそうです。来年の大会が5月21日(土)2
2日(日)に名古屋で行われます。
5 鈴木
【作用反作用を目で見る】
偏光板を貼っためがねを使って作用反作用を目で見る装置です。「物体が物に
力を及ぼすと押されている方だけでなく、押している方も変形する」ことが目で
観察できました。結構感動でした。
6 鈴木
【水圧で縮むカップ麺のカップ】
カップ麺のカップを深い海に沈めるとカップが縮みます。展示品や写真ではよ
く見ますが科学館が貸し出しをしているそうです。実物を持ってきてくれました。
ただ、「縮んでも戻るんじゃない?」という素朴な疑問が残ります。
ア 水圧で繊維も縮む。
イ 中の気体も縮むが、繊維が縮むと気体が抜ける。
ウ 繊維が固まる。
こんな理由で圧力がなくなっても縮んだままではないか、との結論になりました。
7 鈴木
【圧力】
紙コップを伏せた形で9個並べ、その上に段ボールの板を置きます。すると人
が乗ってもつぶれません。人間の体重をいくつかのコップに分散することによっ
て紙コップが人間の体重を支えることができます。力の分散と集中=圧力を体感
する実験です。今まで卵や剣山でおこなってきた実験を紙コップでやってみたも
のです。
今回は9個を正方形に並べましたが積み重ねたらどうなるだろう?圧力との関
係は?紙コップの構造上の問題は?などいくつかの質問が出ました。
8 鈴木
【色々な紹介】
・ スッポンの甲羅 脊椎とあばら骨の関係が見えました。
・ 猿の出産の写真 胎盤やへその緒が衝撃でした。
・ レントゲン写真 最近はデジタル画像でフイルムは少なくなったそうです。
・ 地球と宇宙に関するパンフレット
※ 忙しい!忙しい!と言いながらいつもたくさんの材料を提供してくださる鈴
木さんに脱帽です。
9 園原
【首振りドラゴン】
最近はよく見かけるようになった首振りドラゴンです。今回はカラーでした。
どうして凹んだドラゴンが立体に見えるのか?どうしていつも自分の方を向いて
いるよように見えるのか?など検討しました。いずれにしても平面の網膜で受け
た情報を脳が立体として構成していく不思議さを感じる素材です。もっとも、
「見えると思う人には見え、見えないと思う人には見えない」のかもしれません。
10 その他
番号 10L-002 送信日 10/12/13 差出人 林 正幸
件名 環境勉強会の通信案
こんにちは、林まさです。
12月11日(土)に「環境問題を勉強する会」を開きました。通信案を作りましたので、追加・訂正などありましたら、知らせてください。
なお次回は
3月12日(土) 13:30〜16:30 「林ラボ」
です。
ではまた。
<通信案>
10.12
事務局 林 正幸
環境問題通信10−5号
今回は伊賀、岩田、加藤、林まさの4名でした。2人が新しい仲間です。加藤さんは小
麦アレルギーに対して、米粉によるおいしいパンづくりに取り組んでいるそうです。
生物多様性条約COP10(林まさ)
生物多様性条約第10回締約国会議が名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催され、
白鳥公園などには100を越えるブースがテントを連ねました。それを訪ねてまわったと
ころ、8kgに近い資料が手に入りました(全部もらえばその3倍くらいはあったと思い
ます)。それを見てもらいましたが、さまざまな情報が含まれており、美しい画像もたく
さんあります。希望があれば、これからも見せることができます。
関連して会議が終わった翌日の中日新聞の記事4つを紹介しました。
・名古屋議定書を採択(生物資源の利益配分) 愛知ターゲットも合意
・対立打開 "荒技”決める COP10議長案
・「泡瀬干潟」埋め立て再開見通し COP10議長国 光と影
・社説 地球・生きもの 生き残る
生物資源の利益配分をめぐっては、先進国と発展途上国の根深い対立があります。途上
国は植民地時代からの配分を求めています。ひどい略奪があったからでしょう。伊賀さん
によると、真珠、香辛料、コーヒーやココア、ゴム、ランのような観賞用植物、そして人
間そのものを奴隷として・・・。これに対して生物資源の利益配分を行う多国間資金援助
メカニズムに日本が率先して貢献するとして、とりあえず名古屋議定書を採択することが
できました。決裂かという状況下、日本政府の必死の提案は高く評価されました。
「愛知ターゲット」は、2020年までの短期目標として生物多様性の損失を食い止め、
効果的な緊急行動を行うというものです。地球上の陸域の17%、海域の10%を自然保
護区にするという目標が含まれます。
記事に出てくる「SATOYAMA(里山)イニシアティブ」は、日本の伝統的な里山
(二次的自然)をひとつのモデルとした、人間の福利と生物の多様性の両方を高められる
持続可能な自然資源の利用を目指す取り組みで、環境省と国連大学によって推進されてい
ます。
また生物多様性の損失を科学的に検証する学識者のグループ「生物多様性を分析・評価
する国際組織(IPBES)」の設立を目指すことになりました。
新聞記事は同時に、成果を上げた日本政府が、その裏では多くの希少生物が生息する沖
縄本島の泡瀬干潟の再開に動き出していることを伝えています。
伊賀さんから、生物多様性は授業で取り上げにくいのではという疑問が出ました。確か
に個々の種を守る活動が目に付き、それだけでは生物多様性の意味が分かりません。そし
て具体的に何をしたらよいのかも明解ではありません。しかしだからこそ生物多様性とは
どういうことかを生態学的に教えることが求められるように思います。そして私たちは何
をしたらよいのか、これにはまさに多様な取り組みがあり、試行錯誤もあるでしょう。行
動を起こさないと始まりません。「愛は言葉ではない。愛は行動である」とはマータイさ
んの訴えです。
「クマともりとひと」(林まさ)
著者は日本熊森協会会長の森山まり子さん、合同出版から出ています。科教協兵庫大会
で著者の講演を聴き、本を購入しました。
兵庫県尼崎市の中学校の理科教師であった森山さんは、92年に1枚の新聞記事に出会
う。それはある女子生徒の自主勉強帳の中にあった。 エサがなく人里に下りてきたツキノ
ワグマが、有害獣として射殺された。 彼女の作文と記事を「理科だより」に載せて授業で
配ると、生徒たちは一心に読みはじめた。「むごすぎる・・・」「助けてやろうや」
生徒たちに問いつめられて県の林務課に電話をすると、「クマ守れ?! そんなもん、
聞いたことないわ」という返事であった。宮沢著「ツキノワグマ日記」を読むと、クマは
やさしくてかしこい動物で、むやみにひとを襲うことはない。生徒に「正しいと思うこと
があったら、たった一人でも、声を上げるんだよ」と言ってきた森山さんは、声を上げる
決心をし、同僚の理科教師と「野生ツキノワグマを守る会」をつくった。
ところが生徒たちも自分たちでいくつもの組織をつくり、図書館などから本を持ち寄り、
勉強を始めた。そして県北部の町役場に次々に電話を掛けた。ところが「わしらとクマと
どっちが大事なんや」とさんざんだった。しかし生徒たちは、赤ちゃんグマ「太郎」を育
てた東山さんの話に、自分たちはヘンじゃないことを確信する。そして引き取られた和歌
山城公園まで「太郎」に会いに行き、そこで「太郎」がまもなく処分されることを知る。
そこで和歌山県庁を訪ね「太郎を殺さないでやってほしい」と訴えた。係官は取り合って
くれなかったが、ニュースで大きく報道された。生徒たちは、みんなで声を上げていけば、
だんだん世の中を変えていけるのではないかと思いはじめた。
理科教師で「絶滅寸前 兵庫県野生ツキノワグマ 捕獲禁止 緊急要請」という署名を
作った。尼崎市の中学校の理科教師のほぼ全員が賛同してくれた。ところが生徒たちの動
きはもっとすばらしかった。連日どんどん署名を集めてくる。「先生、これクマだけの問
題とちがう。・・いまの自然破壊見てたら、ぼくら寿命まで生き残られへんてはっきりわ
かるねん」「自然も資源もみんな、自分たちの世代で使いはたして、ぼくらになんにも置
いとこうとしてくれへんな」
PTA会長を含めて生徒たちと署名を林務課に持っていった。「兵庫県のツキノワグマ
が絶滅寸前です。ぼくらの時代に残してください」「絶滅の恐れなどまったくありませ
ん」そして「兵庫県の人工林、ストップしてください」「なにをバカなことをいい出すん
だ。兵庫県はこれからどんどんスギやヒノキを植えていきます」
こうした中で、授業で生徒たちの目がキラキラと輝いて来た。国語も社会も理科も英語
も、それまで意味がなかった勉強が、いっぺんに意味のあるものへと変わったようだった。
校長先生も「今後、環境問題がとくに大事になってきます。かんばりなさい」と応援して
くれた。
ついに東京霞ヶ関にある環境庁に直訴することになった。係官は理解は示したが、率直
に「ここにはそんなことをする力はまったくありません。皆さんでがんばってくださ
い。」と言われた。そこで県知事に会うことにした。意外にも知事は賛同し予算も付いた
が、行政の対応はお役所仕事だった。そこに全国植樹祭が回ってきた。知事に訴えると植
樹は広葉樹中心になり、先例になった。天皇陛下にも手紙を書いた。それが新聞に載ると、
その後の動きの速かったこと、環境庁長官が「兵庫県ツキノワグマ、絶滅の恐れにつき、
狩猟禁止令を発令します」と発表した。生徒たちが国を動かしたのである。
その後森山さんは全国奥地の聞き取り調査をしてまわった。自然の森がミネラルをたっ
ぷりふくんだ滋養豊かな水をつくる。この水で農業すれば農作物がよく育つ。この水が海
に流れ込めば、海そうやプランクトンが育ち、魚介類がふえ、ゆたかな漁場になる。もし
日本の奥山を、いまのように行き過ぎた開発と人工林で荒らしたまま放っておけば、かつ
て森を失った文明がすべてたどったように、・・日本文明が滅びてしまう。そして森は植
物だけで成り立っているのではない! 植物と動物とが両方がそろわないと森は森になら
ない。
森山さんは大実践自然保護団体をつくろうと決心をし、97年に「日本熊森協会」を立
ち上げた。そして一人の公務員が、自然を守ることにすべてをかけたなら、どこまでやれ
るのか、壮大な実験をしてみようと思い、03年に教職を辞した。
私にとってこれは、現代の学校教育の現場において「こんなことがあり得るのだろう
か」という、驚きと感動の物語です。
関連して鈴木(久)さんから、出席できないけど新聞記事を紹介してほしいとの連絡が
ありました。
「なぜクマは町に出る?」というテーマの、京都の「北山の自然と文化を守る会」のシ
ンポジウムが開かれました。それによると長年続いた里山の荒廃に加えて、近年では温暖
化にともなう森林生態系の変化があると指摘しています。「京都の山に入ると、クマのえ
さのドングリを実らせるコナラが4割も立ち枯れている。ナラ枯れ被害は南方系の昆虫の
大量発生がもたらしたもの・・・」また春から秋にかけての高温障害と暖冬による積雪量
の減少も植生を変化させている。ブナが実をつくらず、雪に覆われなくなったチシマザサ
の葉が2月の夜間放射冷却によって凍結枯死する。クマの異常出没は、温暖化への警告で
ある。
ちなみに1月9日の愛知科教協の理科教育論研究会(10:00〜 名古屋市教育館)
では、森山さんの講演を予定しています。
番号 10L-003 送信日 10/12/14 差出人 原 弘良
件名 Re:環境勉強会の通信案:「生物多様性の授業化」
林(まさ)さん、勉強会参加のみなさん。 原です。
いつも「通信案」を見ながら、勝手に「仮想参加」して楽しんでいます。
勉強会に実参加すれば最高なんですが、永年の体調不安定で自粛中です。
「わが身に引き寄せて、科学する生徒像」を夢見て、「物・化・生・地の各分野」
の授業プラン・自主教材・生徒の学習集団に留意・工夫を、試行錯誤していた
のが、現職中でした。
各分野の授業の最初の授業で、「この分野学習終了時、賢くなった自分像」を
夢見ることの到達目標を熱く語って、「はじめの学習動機づけ授業」をしてました。
さて、「生物多様性」については、現職中の「生物分野の大黒柱」と
位置づけ授業化を続けていました。
「汝自身を知れ! 生物の一員たる自分は何者か?」と生徒に問いかけ、
生物分野の学習によって、その多くの部分が解明できる助けになり、納得して
自分を客観視できる「学力」になるとの「到達目標・動機づけ授業」からでした。
具体的展開での留意は、
1、多種多様な生物の存在事実を、「意識して見る感性・能力を引き出し、それを
交流しあう授業づくり」でした。
それは、4月の校内巡検からでした。二人一組のスコップ・それぞれの観察記録用紙を
脇に、1)校内植栽プリントによる探索・識別・スケッチをおこない 2)レポート作成・
提出をします。なお、レポート提出期限は1週間以内で、2部以上。ユニーク・レポは
原がプリントして、「こんなレポートも、いいぜ!」と、全クラスに配布・紹介することで、
互いを認め合い学習交流の動機づけとしました。 この効果は、大きかった。
その後、「小便小僧の池の生物」を教材とした。肉眼視可能な生物:フナ・コイ・カエル
ミズカマキリ・アメンボ・ヤゴをはじめ、水中微生物の顕微鏡下観察による観察・同定
(文献として、淡水プランクトン図鑑抜粋プリントを作成・配布)をおこない、上記と同様
レポート学習をさせた。 ここで、「小便小僧の池の生物多様性と食物連鎖の関係図」
を、各自のレポート内容によって、クラス討論学習をもった。
その後、「校内の雑草植生の日照・乾湿の関連性と、土中の生物の探索」などを
自由課題として提示し、活発なレポート提出・発表を奨励したが、毎年1〜2割の生徒が
自発研究レポートを提出した。 それらは、プリント・配布して称えました。
2、「わが身に引き寄せて、科学する生徒像」を夢見た原が、この分野の学習でとても
大切に考えて実施したことがあります。 今でこそはやりの、「食育」かもね。
それは、2週間に1度くらいの頻度で、「夕べの今朝の、自分の食事内容と、その食材の
生物名を列挙し、それら生物や関係する生物を、生産者(植物)・消費者(動物)・分解者に
分類して、おかげさまでの”食物連鎖の関係と、自分のいのちの関係図”の確認学習を
していました。生徒は、結構よろこんで活発でした。
3、 「(食材になっている生物たちの”いのち”を)いっただきます!」と、
近所の子どもたちと続けている「科学クラブの子どもたちの大声」に、
今も、生物多様性の大切が、響き渡っています。
番号 10L-004 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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番号 10L-005 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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番号 10L-006 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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番号 10L-008 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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番号 10L-009 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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番号 10L-010 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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番号 10L-011 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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番号 10L-012 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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番号 10L-013 送信日 10/12/** 差出人 ** **
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