番号 10J-001  送信日 10/10/04  差出人 岡田 晴彦
件名 演示用pHメーターについて

田中さんと船橋さんにご尽力いただき、pHメーターの実験ができるようになりました。

理科業者の販売しているpHメーターは小型で、教室や講義室で40人くらいの生徒全員に見せることは不可能です。
田中さんと船橋さんに製作していただいたpHメーターはノートパソコンを使用して、40名の生徒に見せることが出来ました。画期的なpHメーターです。
このpHメーターを9月に使用した実験の授業は、化学Uの演習での酢酸の希釈(酢酸を10倍に薄めるとpHが0.5増える)だけです。
今後、11月〜12月に、化学Tの酸・塩基で、強酸や強塩基の希釈の実験(塩酸を10倍に薄めるとpHが1増える。水酸化ナトリウム水溶液を10倍に薄めるとpHが1減る)と中和滴定の滴定曲線(塩酸を水酸化ナトリウムで中和と酢酸を水酸化ナトリウムで中和)と塩の水溶液の性質(塩化アンモニウムや酢酸ナトリウムなどの水溶液のpH)を演示用pHメーターで見せながら説明する授業をします。
来年の科教協大会で発表する予定ですが、その前に愛知でもどこかで発表できればと考えています。



番号 10J-002  送信日 10/10/05  差出人 林 正幸
件名 MOLの会の通信案

こんにちは、林まさです。
 10月3日に開いたMOLの会の通信案です。訂正・追加などありましたら、知らせてください。とくに藤井さん、反応機構など、そして船橋さん、本の名前など、良かったでしょうか。
 次回は
    1月23日(日) 13:00〜17:00 名古屋市立北高校化学室
です。今回は女性の参加がゼロでした。次回はよろしくお願いします。
 ではまた。


<通信案>
                                  10.10
                               事務局 林 正幸

   MOLの会通信10−10号

 今回は岡田、田中(英)、田畑、林まさ、藤井、船橋、堀の7名が参加しました。新しい
仲間1名を含みます。
 実験後の交流の中で、今春に正式採用された藤井さんから、やっと授業に2つの生徒実
験を取り入れたという話がありました。ひとつは硫黄の同素体(ゴム状硫黄など)です。
もうひとつは、炭酸水素ナトリウムを蒸発皿に入れて加熱し、炭酸ナトリウムになったと
きの質量減少を計って、化学量論を確認するものです。幸い0.01g精度のデジタルてん
びんが実験机の数だけあったからです。さらに実験できるようにがんばってください。ま
た科学部の指導(PETロケット)も話題になりました。
 また田畑さんからは、不要薬品や廃液などの処理をどうしたものかと質問がありました。
皆さん困っている問題ですが、個別に検討して行きましょう。そして硫酸銅については、
量にも依りますが、薄めて流しているという紹介がありました。一般に重金属イオンは廃
液を貯めているのですが、その先がはっきりしていないのが現状です。本来は県や市の積
極的対応が望まれるのですが・・・。
 そして堀さんと、私(林)が圧気発火器の紹介をする約束をしていたのですが、その名
前を書いた箱の中身が違っていて(10セット作ったのは確か!)実現できませんでした。
元祖の飯田さんから情報を得て伝えるつもりです。田畑さんの希望もあり、近いうちにサ
ークルでも取り上げましょう。
 最後に、延び延びになっているNOM(飲む)の会を
    12月11日(土) 17:00〜
に設定しました。会場は追って連絡します。

参考:96年7月以降の「MOLの会通信」は、すべて私(林)のホームページで閲覧で
きます。
     http://www.water.sannet.ne.jp/masasuma/masa/shwmenu.htm#MTS

アセトアニリド(林まさ ら)
 この合成実験は何人かが手掛けていますが、話題になったついでに、林方式(その場で
一部改良)を紹介することになりました。
 100mLビーカーに水50mLを採り、アニリン2mLと無水酢酸2.4mLを加えて、
ガラス棒でかき混ぜると白色固体のアセトアニリドが生成する(これで終わりにすること
もできる)。これを精製分離するために、加熱して全体を溶解し、70mLの水に注ぐと
再結晶し、さらに水道水あるいは氷水(収量が上がる)で冷やす。ろ過するときれいなう
ろこ状(板状)の結晶が得られる。
 これはアミドに関する取り上げやすい実験です。化学Uではナイロン−6の合成もあり
ます。
 アセトアニリドは解熱剤ですが、現在は溶血などの副作用のため使われていないとのこ
とです。
 ちなみに麻薬取締法により麻薬原料(モルヒネと反応させるとヘロインになる)のひと
つに指定されたため、無水酢酸が試薬として入手しにくくなっていることも話題になりま
した。

DMAP触媒によるエステル合成(林まさ)
 太い試験管(φ30mm)にエタノール3.1mLを採り、ジメチルアミノピリジン(D
MAP)0.1gを溶かす。これに無水酢酸5mLを加えると発熱して沸とうするほどにな
る(反応速度が大きい 沸とうしない程度に少しずつ加えた方がよい)。これを冷却した
後に大量の水を加えると、酢酸エチル層ができる。ちなみにオイルレッドを加えると、酢
酸エチルは油性なので着色する。
 よりていねいには、炭酸水素ナトリウム5gを加えて副生する酢酸を中和する。
 藤井さんによると、始めはピリジン自身が触媒に使われたが液体で扱いにくく、固体で
より塩基性を高めたDMAPが使われるようになったとのことです。また反応機構は、触
媒のピリジン窒素が無水酢酸のカルボニル基炭素を攻撃して酢酸イオンが離れ、触媒が離
れてできるアセチルカチオンの炭素にエタノール酸素が攻撃し、続いて水素イオンが離れ
ます。
      CH3       CH3
      |         |
  PN + C=O ―→ PN+―C=O + AcO−
      |        ↑
    AcO        ↓
                CH3
                |
            PN + C+=O
  (PN:ピリジン型窒素、孤立電子対をもつ  Ac:CH3CO―)
そしてこの反応に酢酸を酸触媒として使う提案については後日に試してみました。エタノ
ール3.1mLに無水酢酸5mLを加え、これに酢酸3mLを加えても温度の上昇はありま
せんでした。そこで数分沸点近くに加熱し、冷却してから大量の水を加えても上層は分離
せず、酢酸エチルの臭いもしませんでした(やり方の問題があるのでしょうか?)。
 この反応は酢酸エステル合成全般に使えるそうです。私は酢酸n−ブチルも合成してみ
ましたが、さらに機会を見ていくつか試してみたいです。
 なおアセトアニリドもそうでしたが、酢酸エチルの合成実験に関して交流する機会を設
けるとお互いに勉強になると感じました。

ヒートパイプ(林まさ)
 今年の科教協大会で購入した、直径6mm長さ215mmの銅製ヒートパイプと、それ
と同型の銅のパイプ。それぞれの端をつまんで熱湯に浸けると、ヒートパイプは数秒で持
てないほど熱くなる。銅のパイプは、金属の中でも熱を伝えやすいはずなのに、1分経っ
てもほとんど温度が上がらない。
 このヒートパイプには減圧下で少量の水が入っている。下で加熱されて発生した水蒸気
が、上昇して上で冷却されて凝縮し、そのとき蒸発熱を放出する。そして少量の水が流れ
落ちやすいように、内壁には溝が刻まれている。一般に熱媒体には水の他に揮発性液体が
使われる。
 インターネットで調べたところ、ヒートパイプは地面に突き刺して永久凍土を保存する
のに利用されている。気温が地中より下がると地中の熱を大気に放出し、気温が高いとき
は熱の移動は起こらない(熱の移動は一方向)。また毛細管を組み込むと水平でもはたら
き、コンピュータのCPUの冷却などにも利用されている。

いたずらインク(船橋)
 科教協大会で山本さんが報告した「いたずらインク」をつくってみた。チモールフタレ
イン0.1gをエタノール100mLに溶かし、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液8滴
を加えて青色にする。これを白色のシャツなどに掛けると、あら不思議、しばらくすると
青色が消えてしまう。チモールフタレインは指示薬であり、空気中の二酸化炭素で水溶液
が酸性化すると色が消えるのである。
 授業中に寝ている生徒がいると、このインクを掛けてやる。驚くが、エタノールの蒸発
熱でひんやりして気持がよいらしい。
 これを応用したのり「消えいろPIT N」(とんぼ)がある。
 同じ原理で赤色インクをつくってみた。1%フェノールフタレイン溶液20mLにエタ
ノール25mLと水45mLを加え、やはり1mol/L水酸化ナトリウム水溶液8滴を加
える。赤色になったシャツの染みがしだいに消えていく。

 CQ出版の「レーザー光空間通信にチャレンジ」中の「光ワイヤレスマイクを作ろう」
の装置を製作してみた。受信側はヘッドホーンで聴く。
 授業中うるさい生徒がいると、ヘッドホーンを付けさせ、他の生徒に聞こえないように
小さい声で注意をする。このように工夫するとしばらくは効果があるが、数ヶ月もすると
慣れてきて新しい方式を考え出さねばならなくなる・・・。

超音波によるドップラー効果(船橋)
 前回の周波数メーターの続きです。超音波は波長が短いので、音源の速度があまり大き
くなくても精密な周波数メーターがあれば、ドップラー効果も検出しやすい。
 40000Hzの超音波受信器をH8UMCMに搭載した周波数メーターにつなぎ、同
じ超音波の発信器を積んだおもちゃの電車(これは25年ほど前にEHCで製作したも
の)を前後に走らせて、周波数の変化を計測すると、近づくときは周波数が増え、遠ざか
るときは減った。この電車の速度では±40Hzほどになった。ちなみに超音波は聞こえ
ないので、うなりを利用して可聴音化する変換器(バット・ディテクター)を加えると、
耳でも周波数の変化が確認できる。
 音源が運動する場合の周波数の変化量Δfは次の式で計算できる。
    Δf = uf/(V−u) ≒ uf/V ( V>>u なので)
      (f:元の周波数 V:音速 u:音源の速度)
 次に電車の発信器を止めて反射板を取り付け、40000Hzの超音波をそれに発射し
て返ってくる超音波の周波数を計測する。この場合は変化量が2倍になる。それは、反射
板を鏡と考えるとそれでできる像が音源になるので、速度が2倍になるからである。実際
の周波数の増減は±90Hzほどになった。
 この後は電車の速度も計測して、ドップラー効果の関係式を検証していきたいとのこと
です。このようなことが次々にできるのは、ひとつにはEHCで製作したH8UMCM、
つまりH8マイコンを搭載した汎用計測制御システムが、何でもできる強力装置であるた
めです。
 実は前日のEHCで、精密な周波数メーターを製作講習したのです(船橋さんは設計者
なので製作済みでした)。そしてEHCではそのうち、超音波に関わる以上の装置を製作
する計画です。

pHメーターを使う演示実験(岡田)
 田中さんが設計し、船橋さんが代行製作した、パソコンに大型表示できるpHメーター
(これはPICマイコンを搭載したタイプ)を入手した岡田さん、いくつかの演示実験に
活用しようとしています。
(1)問題集の「酢酸を10倍にうすめると、pHはもとの値からいくら変化するか。
(Ka=2.5×105 log5=0.70)」の答は
  酢酸の濃度を c[mol/L]とすると
    CH3COOH ←→ CH3COO− + H+
     ほぼcmol   [H+]mol [H+]mol(水溶液1Lを考える)
  化学平衡の法則(質量作用の法則)から
    [H+] = √(cKa)    (1)
  したがって
    pH = −log[H+] = −0.5logcKa
  c に 10−1cを代入すると
    pH = −0.5log(10−1cKa) = 0.5−0.5logcKa
  つまりpHは0.5だけ大きくなる。
となる。
 また1mol/L酢酸のpHは式(1)より
    pH = −0.5log(1×2.5×105) = 2.3
となる。
 したがって
    1mol/L酢酸     pH 2.3
    0.1             2.8
    0.01            3.2
    0.001           3.8
である。
 実際に溶液を調整してpHを計測すると、どれもピッタリの数値になった。計算問題も
このように実際に一致することを確認すると、生徒は演習をする意味が納得できる。
(2)1mol/Lの塩酸や水酸化ナトリウム水溶液を、10倍希釈していくとpHが1ず
つ変化することを、演示できる。
(3)滴定曲線も、計測に基づいてグラフを描けば実感が湧く。たとえば0.1mol/L
塩酸を10倍に薄めた水溶液のpHは理論通り2.0であった。これをビュレットを使って
0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。2,4,6,8,9,9.2,9.4
・・・9.9,10,10.1・・・mL加えたときのpHを計測する。10mLを挟んで
pHが大きく変化し、きれいなグラフになった。
 ちなみに水酸化ナトリウムの試薬純度はかなり悪いので、事前に滴定して調整しておく
とよい。
 他にも塩(炭酸水素ナトリウム、塩化アンモニウム、酢酸ナトリウムなど)の加水分解
に使おうと考えている。ちなみに生徒は塩の水溶液の液性がなかなか判らない。ひとつの
原因は、塩の化学式から元の酸と塩基を引き出せないためであろう。中和の反応式と同じ
ように、加水分解の反応式も演習するとよい。

PWM制御モーターによる
     ベンハムのこま(田中)
 マイコンのプログラムにPWM(パルス・ワイズ・モジュレーション パルス幅調節)
という手法がある。可変抵抗の電圧に応じて方形波のハイとローの時間比を変化させる。
そしてハイのときのみ電流が流れるように制御すれば、電源電圧を一定に保って電流量
(の平均値)を加減できる。発光ダイオードのように掛ける電圧を一定する必要がある場
合には、その明るさを首尾よく加減できる。
 今回はこの装置(マイコンはPIC わずかに150円)によってモーターの回転速度
を加減し、色々のタイプのベンハムのこまを回してみた。発色は回転速度の影響を大きく
受け、個人差もあるので、実験には有効であった。
 ちなに白と黒の絵柄から、どうして有彩色が見えてくるのか、よく分かっていない。
 そしてEHCでは、来年5月にこれを利用した赤、緑、青色の高輝度発光ダイオードに
よる光の三原色の実験装置を製作する予定です。
<以上>



番号 10J-003  送信日 10/10/10  差出人 林 正幸
件名 圧気発火器

こんにちは、林まさです。
 始めは堀さん、田畑さんへと考えていましたが、同じ手間ですので、皆さんにも伝えます。飯田さんから、最新の圧気発火器の製作法を伝授してもらいましたので、紹介します。
 内径9mm外径15mmのアクリルパイプを40cmくらいに切ります。これに挿入できるステンレスパイプ(たぶん外径8mm)をすこし長めに切ります。1辺が4cmほどの木の角棒を10cmほどに切り穴を空けて、ステンレスパイプを差し込みハンドルとします。直径が5cmほどの大きいゴムせんに穴を空け、6cmほど
に切った木の丸棒(直径8mmくらい)を立てます。直径10mmくらいのゴムせん(0.5号か)にたっぷりワセリンを付け、くり返しパイプに通して内壁に塗ります。
 大きいゴムせんの丸棒にアクリルパイプを差し込み、ワセリンを塗ったゴムせん(細い方を先にする)を2つステンレスパイプで押し込みます。ティッシュの切れ端を底に入れます。もう1つのゴムせんを押し入れ、ステンレスパイプで一気に押し込みます。
 なお発火部分はくり返し使用すると劣化してひびが入り、割れることがあります。安全のために、小さいペットボトルの底を抜き、アクリルパイプに通してカバーするとよいです。
 以上ですが、よければ材料を集めてチャレンジしてください。アクリルパイプは電のこでゆっくりと切ります。ステンレスはパイプカッターを入手してください。
 ではまた。



番号 10J-004  送信日 10/10/14  差出人 林 熙崇
件名 Re:アルコール温度計の中身は

同じようなことをして、僕も破裂させたことがあります。温度を上げても切れた液はくっつきませんでした。逆に温度を下げて-80℃くらいにすると(ドライアイス・エタノール液につけると簡単に下がる)液体が下の液体溜まりにほとんど入っていきます。それで徐々に温度を上げてくっついたこともあるし、バラバラがさらに増幅したこともあります。そして一度切れだした温度計はどういうわけか、きれることが多くなりました。結局捨てる方が多かったように思います。その破裂した温度計の液体ですが、蒸発しにくい油性のような感じがしましたが、僕の破裂させた温度計は灯油の匂いではなかったように思います。後始末が大変でした。



番号 10J-005  送信日 10/10/14  差出人 出口 知子
件名 Re:アルコール温度計の中身は

アルコール温度計の直しですが、昔やったことがありますので、ご参考にしてください。
@最初に温度計の下のアルコール溜りの部分だけを0℃の氷水でよく冷やします。切
れ切れになったアルコールを可能な限り縮めておきます。全体を冷やしては駄目です
よ。
A片方で約50℃お湯を用意し、@の状態にした温度計を、アルコール溜りのなるべく
下の部分だけ、お湯に一気に浸けます。うまくいくと、一気に上昇して、切れ切れに
なった部分が取り込まれます。温度が下がってくる様子を見てください。うまくいけ
ば切れ目がなくなっています。駄目だったら、また0℃の氷水で冷やしてアルコール
を縮めてから、約70℃のお湯で試してください。沸騰したお湯では温度差がありすぎ
て危険なので、最初からはやらない方がいいです。極力、温度ショックを与えるの
は、下部の一部だけにしてください。また、始める前に温度計に傷のないことを確認
してください。ゴーグルかめがねをした方が安全です
ガラスは急に温めると割れますし、液体の入って密封されたガラスを火であぶるのは
大変危険ですよ。
ただ、昔にやっていた方法なので、直らなかったら、すみません。



番号 10J-006  送信日 10/10/15  差出人 林 正幸
件名 Re:アルコール温度計の中身は

こんにちは、林まさです。
 温度計の中身は、ウィキペディアによると、エタノールはあまり使われず、灯油からさらにペンタンの異性体やトルエンに移っているとのことです。
 液切れした温度計の私流の乱暴な直し方は次のようです。考え方は、液切れした部分を蒸気にして下の液柱の部分で凝縮させるというものです。温度計の球と反対の先端の方から液切れ部まで、バーナーで注意深くあぶります(あせらず、短時間ずつ!)。そして切れた液を蒸発させます(色素は残る)。さらに先端部と液切れして
いた部分をときどき加熱します。液柱が離れているなら、液切れしていた部分からさらに液中に向けてもある程度に加熱します(液柱やその付近は加熱しない)。
 どうせアルコール温度計は1,2℃は違っているので(これに比べてデジタル温度計は正確のようです)、割り切ってこんな乱暴な対応をしています。でも危険も伴うと思います。やってみる人は「自己責任」でお願いします。
 ではまた。



番号 10J-007  送信日 10/10/22  差出人 山岡 世司郎
件名 希硫酸と水酸化カルシウムの反応は沈殿反応?

 理科総合Aの中和の分野での話です。

 2価の酸と塩基の中和反応例として、希硫酸と水酸化カルシウムの
反応式があります。


H_2 SO_4 + Ca(OH)_2 → 2 H_2 O + CaSO_4

 硫酸カルシウムは水に不溶だから、これは沈殿を生じる中和反応の例
として使えるなということで、生徒に演示しようと溶液を用意しました。
 念のため予備実験をしておこうと、2液を混ぜてみました。
 あらら、沈殿を生じません。(ぶっつけ本番でやらなくてよかった。 (^^;)
 濃度を変えてやってみましたが、BaSO_4 のように瞬時に白濁することは
ありません。
 ( Ca(OH)_2 は新品を開封しています。硫酸はやや古いですが、BaSO_4 は
すぐできます。)

 なにか理解に間違いがあるかもとネットで調べてみましたがはっきりしません。
(アルケミストの会のページのメールの記録も読みましたが、よくわからな
い・・・・・)

 この反応は、沈殿反応として理解するのは間違いでしょうか。
 反応式のCaSO_4 に下向き矢印はつけないほうがよいのでしょうか。
 林正先生、解答よろしくお願いします。



番号 10J-008  送信日 10/10/23  差出人 林 正幸
件名 Re:希硫酸と水酸化カルシウムの反応は沈殿反応?

こんにちは、林まさです。
 山岡さん、硫酸カルシウムの溶解に関しては、私も異なる目的でですが使おうとしたことがありました。しかし単純に行かないので諦めました。
 そもそも硫酸カルシウムが溶けにくいといっても、他の沈でんと比べると溶けやすく、常温で0.数%は溶けます。化学便覧によると、硫酸カルシウムには2水和物、1/2水和物、無水物の3種があり、20℃における溶解度(質量パーセント濃度)は、順に0.205,0.298,0.72%となっています。ちなみに溶解度は20
〜50℃あたりにピークがあり、温度が高くても低くても小さくなる傾向があり複雑です。なお中和でできる硫酸カルシウムが3種のどれかは、私は知りません。
 もうひとつの可能性は過飽和です。過飽和はよく起こる現象で、そういうとき化学実験では、ガラス棒でガラス壁をギシギシとこすって刺激を与えたり、種結晶を加えたりします。
 さらに一般的には反応速度の問題もあります。溶解度やあるいは酸化還元電位(イオン化傾向)などは平衡状態における数値です。教科書などではそのことを曖昧にしたまま、そして平衡が直ぐに成立するという前提のもとで(このことも曖昧なまま)記述していることがよくあります。本来化学的変化は、平衡と反応速度の両方に
目をやらないと理解できません(高校段階ではそのことを基本概念のひとつにしたいものです)。
 山岡さんの実験では、過飽和の可能性が高いと思います。今日は「林ラボ」へ行けないので、頭に浮かぶことを書いてみました。
 ではまた。



番号 10J-009  送信日 10/10/23  差出人 林 正幸
件名 Re:希硫酸と水酸化カルシウムの反応は沈殿反応?

こんにちは、林まさです。
 メールを送った途端に気が付きました。やれやれ。
 もとの水酸化カルシウムは水に溶けにくく、その溶解度は0.1%程度です。したがってその水溶液を使えば、できる硫酸カルシウムは溶解度の範囲(先のメールを参照)に収まってしまい、沈でんはしません。
 ではまた。



番号 10J-010  送信日 10/10/23  差出人 林 熙崇
件名 Re:温度計を振ってみました

水銀温度計とアルコール温度計の差があると思います。水銀はアルコール(灯油、トルエン等)の13〜14倍の質量があるので、慣性力(遠心力)も同様に13〜14倍大きいと思われます。昔の気象観測用の最高温度計(体温計も同じ)は水銀溜まりから出たところの通路が細くなっていて、温度が下がるとき、そこで水銀が切れて水銀が戻らないようになっていて、最高温度がそのまま残るようになっていました。
次の日に測定値を書いてから、振って水銀溜まりと管内の水銀をつないで、次のの計測をしたことを思い出しました。昔の水銀式の体温計も同様でしたね。使用前に振って使っていました。蛇足になりますが、最低温度計はL字型ものさしのような形をしていて、水平部分のアルコールの細管の中にガラスの細い棒が入っていました。温度が下がるときはガラス棒が液面から出れず(表面 張力でしょうか?)アルコールに引っ張られて、どんどん低い温度目盛りのほうへ動いていきます。温度が上がるときはガラス棒はそのまま残されて、アルコールは膨張していきます。そのガラス棒の位置が最低温度を示します。いまだと原理はわかりますが、小学生のころは切れる原理等がわからず、最低温度計の方も振って、ガラス棒が液面から飛び出し、最低温度で止まらずに計測できなくなって、お目玉をちょうだいしたことを思い出しました。
(少し老人臭くなってきました。やめます)



番号 10J-011  送信日 10/10/24  差出人 山岡 世司郎
件名 Re:希硫酸と水酸化カルシウムの反応は沈殿反応?

林先生ありがとうございました。

 結論としては、混合溶液がにごることはない、ということですね。
 このテーマは化学の先生が作成したプリントの「沈殿する中和反応」の例として入れられていたものです。
 化学の教員が沈殿すると考えていたわけですから、ひょっとすると多くの方が同様に考えているのではないでしょうか。

 基本的な反応と思い込んでいましたが、事実はなかなか歯ごたえがありますね。



番号 10J-012  送信日 10/10/25  差出人 岡田 晴彦
件名 Re:希硫酸と水酸化カルシウムの反応は沈殿反応?

このお問い合わせの実験は、希硫酸と水酸化カルシウム水溶液を混合しても沈殿が生じないということですが、濃硫酸と水酸化カルシウム水溶液ではいけませんか。

中和反応の代表例である、希塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混合しても白色沈殿は生じません。私は、盛口襄先生の実践ですが、濃塩酸を試験管に5mLくらいとり水酸化ナトリウムの固体を一粒ずつ入れます。すると激しく反応しながら、白色沈殿が生じます。

今日、北高で次のような実験をしてみました。
飽和している石灰水(水酸化カルシウム水溶液)を20mL試験管に取り(濁るときにはろ過をしました)、ここへ濃硫酸を2mL加えたら、白濁しました。
この白濁は硫酸カルシウムだと思います。また、水温は21℃から42℃に上昇しました。

生徒実験でも出来ないことはないと思いますが、演示実験なら簡単にできると思います。



番号 10J-013  送信日 10/10/25  差出人 岡田 晴彦
件名 ガムとチョコレート

ガムとチョコレートをいっしょに食べても、ガムが溶けなかったとのことですが、原因はチョコレートではないでしょうか。
県教研のときの資料は昨年の理科教室11月号からの引用です。

あの資料のように、市販のガムは2種類あり、普通のガムと風船ガムです。
普通のガムのベースはポリイソプレンのシス型とトランス型の混合物で、風船ガムのベースはポリ酢酸ビニルです。

チョコレートは明治のミルクチョコレートしか試したことがないので、他は分かりません。
演示実験で、サラダ油に、それぞれのガムを入れて加熱したら、両方とも溶けました。

授業では、「チョコレートとガムをいっしょに食べるとガムが溶ける」とお話をして、先の実験をしました。
すると、一人の生徒が、「前に トリビアの泉 で、ガムと(マグロの)トロをいっしょに食べるとガムが溶けるのをやっとった」と言ってました。また、翌日、もう一人の生徒が「昨日、家でチョコレートとガムをいっしょに食べたら、ガムが本当に溶けました」と言いました。

チョコレートのことはよく分かりませんが、バターなどの油脂がかなり少ないチョコレートであれば、ガムが溶けないこともあるのかなと思います。



番号 10J-014  送信日 10/10/26  差出人 林 正幸
件名 環境勉強会の再開

こんにちは、林まさです。
 昨日はCOP10に行ってきました。100を越えるブースがテントを連ねています。11時前に着いて、大半のブースで中に入り、説明を聴いたり、話をしたりしました。休憩もせずトイレにも行かず、いくら何でも昼飯を食べようかと時計を見たら5時前でした。あいにくの天気で時間の経過が感じられなかったのですが、我な
がらあきれました。まだまだ集中力があるぞ! いやいや、それだけ面白かったのです。ここまで来たならと、そのまま残りのブースをまわり、会場を後にしたのは5時過ぎでした。もらった資料がいっぱいで肩に食い込みました。家で体重計で測ったら8キロ近くありました。
 私の都合で延期していた「環境問題を勉強する会」を次のように開きたいと思います。
  12月11日(土) 13:30〜16:30 「林ラボ」(一宮駅から徒歩5分)
会場が分からない人は個人的にメールをくだされば、地図を添付して送ります。
  林 正幸  e-mail:masasuma@water.sannet.ne.jp
私としては、COP10の資料を見てもらうことができます。それに熊森協会(COP10にも参加していた)の森山さんの著書の紹介もするつもりです。
 皆さん、気軽に参加してください。報告などあればお願いします。教育実践に関わることもありましたら・・・。
 関連して勝手ながら、この日に予定していたNOMの会(MOLの会の飲み会)を翌日12月12日(日)に変更させてください。それは家内のよんどころない都合(夕方)とぶつかったためです。そうでなければ、始めから環境勉強会を12日に設定すれば良かったわけです。こちらについては、もうすこし近づいたら改めてメー
ルで案内をします。
 ではまた。



番号 10J-015  送信日 10/10/30  差出人 岡田 高明
件名 次回名古屋EHC

 猛暑の夏から急に朝夕が冷え込むようになりましたが、みなさん
  お元気ですか?
   次回の名古屋EHCの企画は静電気発生装置(1)「リニアバンデ
  発電機」と(2)「ケルビン発電機」です。
  
  (1)「リニアバンデ発電機」は市販の「バンデグラフ発電機」の
     手動版です。市販のバンデグラフ発電機のゴムベルトを塩ビ管に
     替え、手で摩擦して静電気を発生させて電極に電気を蓄える装置です。
     直径20cm長さ45cmの大きさです。費用は約2000円です。
講師は林ひろ崇先生です。

(2)「ケルビン発電機」は講師の船橋先生の説明によれば
  ペットボトルやビール缶など、身近にある材料を使って「ケルビン
    静電発電機」を作ります。静電誘導で反対極に誘発された水滴を
    本体から切り離して (点滴用の針を使用)反対極の受電部(
    350mlビール缶)に移動させることによって発電します。
    制作費は1000円を予定しています。
    参加者は事前に次の物を用意して、当日持ってきてもらいます。
    @キャップ付きポカリスエット(500ml)ペットボトル2本
   (以前は角柱タイプでしたが、最近は円柱タイプのペットボトルに
    変わりました。必ず円柱タイプを持ってきてください)
    A350mlビール缶 2本
    B500mlビール缶 2本(乾いていることが望ましい)
  なお水滴を受ける350mlビール缶2個の上ふた(プルトップ
    がついている)を切り取るため「缶切り」持ってきて下さい。

日時   2011年1月22日(土)9:30〜17:00

テーマ  (1)「リニアバンデ発電機」 林ひろ崇先生
&講師   (2)「ケルビン静電発電機」 船橋隆久先生

会場   ***高校物理実験室(2F)

費用   (1)約2000円
      (2)約1000円



番号 10J-016  送信日 10/10/**  差出人 ** **
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