番号 09F-001 送信日 09/06/08 差出人 林 正幸
件名 MOLの会通信
こんにちは、林まさです。
昨日のMOLの会のまとめをつくりました。追加・修正などありましたら、知らせてください。1週間後にホームページに掲載します。そして次のMOLの会は
9月20日(日)13:00〜 名古屋市立北高校化学室
です。
ではまた。
<通信案>
09.6
事務局 林 正幸
MOLの会通信09−6号
今回は岡田、田中、林まさ、福島、船橋、堀の6名が参加しました。科教協埼玉大会の
お楽しみ広場、ナイター(これはEHCあるいはアルケミストの会として)、秋の科学の
祭典など、相談しているうちに6時を回ってしまいました。
なお科学の祭典は、MOLの会の出展テーマを「字が消えたり現れたり、色が変わった
り」とし、船橋さんの提案に、紫キャベツを使うお絵かき(要検討)を加えてはどうかと
なりました。
ムスベン(岡田)
60〜70mLの水に「ムスベン」(仮説社から入手)を投入すると、熱い水蒸気が出
続けて、弁当などが蒸せる(温められる)。主成分はアルミニウムとあるが、酸化カルシ
ウムとアルミニウムの粉末を混ぜて「新開発の不織布」の袋に入れ、それをさらに密封し
てある。水が浸み込むとまず酸化カルシウムが次のように反応し
CaO + H2O ―→ Ca(OH)2
生成する強塩基の水酸化カルシウムがアルミニウムと次のように反応し
Ca(OH)2 + 2Al + 6H2O ―→ Ca[Al(OH)4]2 + 3H2
水素が発生する。どちらも発熱反応で、水が加熱されて水蒸気が発生する。そして袋に入
っており、かつ水素が発生することで、反応混合物が無用に多量の水に接して熱を奪われ
ることが避けられるしくみのようである。酸化カルシウムのみを使うタイプに比べて、蒸
す能力に優れていると思います。
自家製でできないかと蒸発皿で酸化カルシウムとアルミニウムを混ぜて水をかけた。こ
れは数10分して忘れていたころ反応が始まった。どうやら酸化カルシウムに問題があり
そうである。この間にブロックの酸化カルシウムに水をかける実験もしていました。購入
したばかりの酸化カルシウムは水をかけるとすぐに反応するが、古くなると30分くらい
して反応が始まる。これは予めブロックをバーナーで強熱しておくと解消するようです。
岡田さんがさらに研究してくれるでしょう。そして来年の科学の祭典のテーマになる可能
性があります。
なお商品には海水を使うなと注意がありました。塩化ナトリウム水溶液でやってみると、
反応が激し過ぎて危険でした。悪い臭いもしました。これは推測ですが、塩化物イオンが
アルミニウムのイオン化を助けるのではないでしょうか。
消せるボールペンなど(船橋)
数年前に買い物して受け取るレシートの印刷が「キンカン」で消せ、そして塩酸で元に
戻せることを紹介した(通信3−12)。これを今年の科学の祭典のテーマにしてはどう
でしょうか。
「消せるボールペン」(同じ原理の蛍光ペンも)を見つけた。商品名は「フリクション
ボール」で、字を書いて消しゴムでこするとそのまさつ熱で消える。開発したパイロット
の古謝さんによると、感熱インクを使っている。これは発色剤(ロイコ染料)、発色させ
る成分(顕色剤)、変色温度調整剤から成る。常温では前2者が結び付いて発色している
が、温度を65℃以上にすると、調整剤がはたらいて両者を引き離し、字が消える。そし
て温度を−10〜−20℃にすると字が元に戻る。家庭の冷凍庫で戻せる。
さらに例会ではレシートの印刷を消す能力は、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム水溶液の順であることを確認しました。そしてアンモニア水はその臭いから科
学の祭典では使えないなと考えました。
ところでどうして印刷が消えるのでしょうか。これもロイコ染料を使う感熱紙で印刷し
ているのですが、ラクトン環(環状エステル)が切れて発色します。この反応を助けるの
が顕色剤ですが、それから生じた水素イオンがたとえば次のように他の部分の構造変化も
伴いながら開環してカルボキシル基になるようです。(「機能性色素」(講談社サイエン
ティフィク))。
反応式(メールでは省略します)
であれば、塩基で消えるのは水素イオンが奪われて元のラクトン環に戻ることが考えられ
ます(例会では単純にカルボキシ基の中和かもしれないと話していましたが)。ただし新
しいロイコ染料は異なる反応をしているかも知れません。
なお感熱インクにも色々あり、船橋さんからはリライタブルペーパーの資料も紹介して
もらいました(すべての感熱紙がリライタブルではない)。
他に船橋さんには、ケニスの製品MOL−TAROUを紹介してもらいました。グラフ
ァイト、ダイヤモンド・フラーレン、DNA、タンパク質(α−へリックスやβ−シー
ト)などの結晶・分子モデルです。なお古いグラファイトモデルと構造の違いがありまし
たが、確認してみると上下の六角形はずれているのが正しいです(桐山「構造化学T」
(共立全書) 教科書でも)。
平衡定数とpH(林まさ)
最近講座プラン「変化はどちらに向かうか & 化学平衡」を完成させた。平衡定数から
生成物質のモル濃度が計算で予測できる。その中で水素イオンはもっとも簡単にその濃度
が検出できる(実際にはpHを測る)ので、実験に適している。
1および0.1mol/Lの酢酸水溶液と、酢酸と酢酸ナトリウムが0.5mol/Lの緩
衝溶液を調製する。1mLメスピペットと天びんで酢酸と酢酸ナトリウム(無水 特級)
の量を計り、10mLのところに印を付けた試験管を使って簡単に操作できる。
理論的には酢酸水溶液の場合は、[CH3COO−] と [H+] は等しいので
[H+]2/[CH3COOH]= K
両辺の常用対数をとり、−1を掛けると
−2log[H+] + log[CH3COOH]= −logK
pHとpK(酢酸は4.8)に置き換え、式を整理すると
pH = (pK − log[CH3COOH])/2
こうして
1mol/L pH=2.4
0.1 2.9
緩衝溶液の場合は、[CH3COOH]=[CH3COO−]
であるので
[H+] = K
両辺の常用対数をとり−1を掛けると
−log[H+] = pH = −logK = pK
つまり電離指数そのもの 4.8 になる。
計測してみると、2.2、2.5、4.4になった。本来0.1くらいのずれで済むのだが、
今回は乾式のpHメーターを時間をかけて調整するのを忘れていたので、全体に小さめの
数値になってしまった。
他には、先進科学塾のテキスト「電池のしくみを徹底解明!」を紹介し、その中の「組
み立て式燃料電池」の実験を見せました。
自作pHメーター(田中)
湿式のpHセンサーを入手し(3000円あまり)、計測回路をカードにして汎用計測
制御システム(UMCS)に載せ、その出力を大型表示器に送信する形のpHメーターを
製作した。
この装置で私(林)の実験の水溶液を計測し、より理論値に近い値を計測することがで
きました。これは、安価なPICマイコンを使った単機能の装置にも改変でき、表示はノ
ートパソコン(USB入力)に切り換えることも可能です。手元にあったらデモ実験が楽
しくできるとの声しきりでした。
<以上>
番号 09F-002 送信日 09/06/12 差出人 林 正幸
件名 授業内容、そしてサイエンスなど
こんにちは、林まさです。
**さん、酸塩基に関して、中性では水素イオン濃度がゼロ、そして塩基性は水酸化物イオンの性質であると教えることは、目の前の生徒の実態に応じていくらでもあることだと考えます。私が若いときの話ですが、教科書通り教えろと形式発言する「指導主事」が、工業高校の生徒の実態を示す中で絶句することがありました。教育は生徒あってのもの、嬉しいにしろ辛いにしろ、それを外すことはできません。もちろん他方で教師が高い目標(あるいは夢)を持って望むべきことは言うまでもありません。ちなみに化学も日常との係わりは深いです。このakknで流した今回のMOLの会通信案も日常の内容がメインです(私はちょっとよそを向いていますけど?)。
**さん、サイエンスはどうあるべきか、これを生徒たちと共に考えて行きたいものです。サイエンスは「特権」を持っているようです。科学的という形容詞を付けるだけで、真理であるかのごとく振る舞います。サイエンスを装うと、賢いように見えます。しかし真摯な研究者にとってサイエンスはそんなものではない。そしてサイエンスは人類の幸せのためにこそ存在が許される・・・。
私はこの2ヶ月は講座プラン「変化はどちらに向かうか & 化学平衡」をつくっていました。「勢い」という初歩的概念で、化学平衡に限らず化学の諸現象を統一的に理解していこうとする内容です。「勢い」とは高校生向けの私の用語で、自由エネルギーないし化学ポテンシャルに相当します。これは30年来の私の課題で、すこしましな形でまとめられたと思います。途中で化学熱力学の裏付けを確認するのにかなりしんどい思いをしました(一時的に不眠症になった!)。それを3日前にホームページに掲載し、平行してつくっていた「化学平衡をどう教えるか〜その冒険的試み〜」も今日完成しました。時間が許せば、検索して閲覧し、意見を聞かせてくだ
さい。
ではまた。
番号 09F-003 送信日 09/06/13 差出人 原 弘良
件名 Re:科学教育について 追記:必須課題の指摘と思います
みなさん こんにちは。 原おじさんです。
**さんの「科学教育への視点の正鵠」に大賛成です。 学校現場の
理科教師ならこそ「本来の科学教育実践」によって、「”科学的”のごまかし」を
見破る眼力・学力「科学リテラシー」をもつ人・生徒が育つと考え実践してきました。
「科学リテラシー」については、川勝 博さん(名城大学教授、総合数理教育センター長)
の長年の研究に詳しく、最近の論文「学術の動向 2009.4 ”何のために全ての人々
に科学リテラシーが必要か”」に、起源・歴史・世界の動向・日本の教育課題など、
的確に論及していて、原は大いに励まされました。
「本来の科学教育実践」は、「目の前の人間の若者:生徒」に的確に対応できるのは、
現場理科教師一人ひとりでしか在り得ません。教育実践は抽象論ではなく、毎時間の
具体的展開によってのみ、生徒の心身・意欲・学力などに具象化します。
したがって、目先の教科書・同僚との進度調整などを優先させること無く、教師一人
ひとりをかけて、企画・立案・実践をし、目の前の生徒の事実に「考察・試行錯誤」を
くりかえし、同僚との協議・共通実践などを、しました。
本物科学教育を、生徒が授業体験することが大切だと考え授業しました。
そのために、「科学教義」の押し付けでなく!、学問知と仲間の豊富な実践知を活用し
あいながら、それぞれの教室で、一人ひとりの生徒が、「学校の授業で、友だちと連帯
し、共歓し合いながら、学びから自分の成長を実感し、未来に生きる夢を育てる。」
ことを意識しながら、授業を企画・立案・実行して、理科教師の喜びを生徒たちから
贈られ続けた「夢世界の理科室」でした。
これは、「底辺校」でこそ、即実行できました。なぜなら、競争教育から理不尽にも
弾き飛ばされたり、格差社会のひずみによって、たまたま「底辺校の生徒」であるに
過ぎないからです。
「人間の本質:好奇心旺盛・学び大好き・友だち命」まで喪失した人たちでない証左
の教育実践は、多くあります。例えば、このメール仲間にも、具体例がありますし、
不肖・原おじさんの現職時代の生徒たちだって、自主編成カリキュラムによる「教えるに
値する・学ぶに値する『基礎・基本の知識、科学の方法』などを、友だち・命の学びの
コミュニケーション過程を経て修得する指導システム」を、多種多様な生徒一人ひとりが
構築する「学ぶ集団の喜び表現」として、「自律学習する生徒たちの現象」の学び風景が
毎年続きました。「あの生徒が!?、信じられなーイ。」と、不思議がり私の授業参観に
きた国語科先生の感想でした。
病気休職経験は、「生徒の本質」を、ぶれない視点から生徒の全てを受容する能力を、
原にもたらしました。差別・選別された教育環境や、格差社会の厳しい社会の家庭環境
にあって、多種多様な一人ひとりの生徒が、「登校して教室で、原の授業に参加している」
事実が、とても愛しく思ったものです。 やんちゃ坊主や、やんちゃ娘たちへの私の
接し方を、「原さんは、よう我慢できるなあ!」と言う同僚が何人かいましたが、さらさら
我慢ではなく生徒が愛しかっただけなのです。2度めのガン病気休職の復職後は、
このメールで報告したように、校長の許可を得て、退職までの6年間を、出勤から下校
までの全ての時間を、「生徒たちとの、本来の科学教育実践」に生きる幸せでした。
(このときの実践が、既述本「授業づくりで変える高校の教室・4、理科」 に所載)
また、このガン経験は、「生徒の全てを受容する能力」をより高めたのか、毎日、準備室の
原に、「おはよう!」と、わざわざ声をかけてからクラスへ行く生徒が増えたり、常時、
保健室登校ならぬ「理科準備室登校生徒」がいて、何でもない話し相手をしていました。
そのうちのひとりが、「神様、仏様、原先生様」「わしゃ、まだ死んどらんど!」なんて話し
てましたが、ある時「20歳の姪が、精神分裂病なんで、私もなるかも、、、」と私に言い
ました。その後、クラス内で孤立し、準備室から教室の授業へ出て卒業しましたが、
1年後の夜半に、「今、病院に押し込められてんのだわ!地獄だわ!」と、突然の電話
があり、その後、入退院を繰り返しながら、毎日のように、とりとめのない話をしてました。
その生徒の予感が的中した「統合失調症の発症」でしたが、典型的な「妄想話」ですが
否定しないで話に乗っていると安心するようで、「神様、仏様、原先生様」とつぶやきが
電話口から聞こえることもありました。5年間ほど、毎日電話相手をしましたが、
あるときからプッツリ途絶えたままです。
いろんな人生に出合う「教職」ですが、どのひとつひとつも、生徒にとっても原に
とってもかけがえのないものだと、思います。教職だったからこそです。
私もいつの間にか、「サルコイドーシスという難病もち」であることが、昨年5月
全身のガンを捜索する陽電子照射診断画像(PET画像)に、肺・心臓・腎臓・
じょうかく部リンパ節に点々と「有意画像」がみられて、画像診断医の所見欄は、
「以前に既往の『悪性リンパ腫』再発の疑いが高い、サルコイドーシスも疑われる」
に始まり、後半年の命とガン再発を覚悟しつつも、手術による病変組織検査結果が、
「ガンではなかった」との診断に、「これで、まずは死なねえ!」と、ホッとしました。
「生きておれて、ありがてえ。」 しかし、病因不明も未確立の治療法も、シクシク
痛む左肺がその存在を、この瞬間も発信し続けています。
大学3年生のとき、名大病院に2年間かかりながら休学のやむなきに至り、
親しかった同じ病友の先立ちに自分を重ねて、「近代医学の限界」を痛感したことが
ありました。 教授が一門の医師を10人以上引き連れ闊歩する「回診風景」が
空々しかったのは、「自分の死への道程」を、自宅での「藁にもすがる断食療法の
決死の独断決行」によって断ち切り病状改善した順番待ち入院直後の「教授の
驚きぶり!」でした。それは、近代医学妄信者の非科学者ぶりに、私には
みえました。事実は、事実として「受容してから、その謎解明に挑むが、科学者。」
最新医学をもってしても、解明しえていない「生体機能の謎」や「自然界の謎々」
が、自分の体にも身辺にも満ち溢れているからこそ、「未知へのチャレンジ:研究」
は楽しいのですね。
最近、人生10回目の入院を、この4月18日から5月2日まで「脳神経外科病棟」
を経験しました。73回科学クラブをスタッフとともに始めようと、「おーい、集まれ!」
と同時に、天地がひっくり返り激しい吐き気のうちに、意識が朦朧とし始めました。
授業で「正しい知識は、命を守るでな。しっかり、学ぼうぜ!」なんて叫んでいましたが、
今回は、これで助かりました! 朦朧としながらも、「こりゃ、脳がやられた!一刻の
猶予もならん事態だ!」と、自己診断して、「大丈夫か!」と駆け寄ってくれたスタッフ
たちに、「救急車を呼んで、脳神経外科のあるD病院へ搬送してくれ!保険証・
診察券はかばんに在るから一緒に。」意識が薄れる中に、ピーポーピーポーが聞こ
えたが、、、。
運よくスタッフがいたから良かったものの、これが野宿中だったらと、ゾッとした。
翌日には、久しぶりに「若狭湾」を見ながら、野宿の予定だった!
そして、きょう午前中、74回科学クラブをガキドモと遊んだ。
テーマ1 「土鍋で、なめらかプリンづくり:タンパク質の熱変性と、土鍋の熱容量」
テーマ2 「脳のふしぎ:酸素と栄養を血液からもらって生きてる脳」
実験1・15秒間、息を止めよう。脳が欲しがるものは、何だった?体験。
実験2・お豆腐みたいな脳。豆腐落下実験と自転車ヘルメット。
テーマ3 「シーソー遊び:回転力をくらべてみたら」
参加者
子ども12人、 大人8人(2人は、隣町の子供会(700人!)会長・副会長で
イベント開催の講師依頼に来た。病後ゆえ、今回はお断り)
番号 09F-004 送信日 09/06/15 差出人 林 正幸
件名 新エネルギーの公開実験
こんにちは、林まさです。
燃料電池は、組み立て式にした(しがたがって金網にはパラジウムめっきがしてある)セットを7つ作って持っています。組み立てる途中にクッキングペーパーに水酸化カリウム水溶液を浸み込ませ、モーターをつないで水素を吹き込むとすぐにモーターが回ります。数分でできます。今年3月の先進科学塾で使ったものですが、よかったら利用してください。
それからこれは私が書くべきではないかも知れませんが、3年ほど前に伊藤 昇さんが、SPPで岐阜大工学部の箕浦研の協力を受けて、生徒に色素増感太陽電池の実験をしています。そして「花力発電」という理科セットがありましたが、現在は販売されていません。大同工業が新しく商品開発しているという話も聞きましたが、
その後どうなったか最近は調べていません。この電池には私も関心があるのです(生化学の光合成に関係して)が、導電性ガラスが高価である(生徒実験には)ため頓挫しています。これを機会に一緒に実験開発してもよいかと思います。
ではまた。
番号 09F-005 送信日 09/06/22 差出人 岡田 高明
件名 次回名古屋EHC(9/27)
入梅し蒸し暑い日が続いていますが、みなさんお元気ですか?
次回のEHCの企画は「音反動車の製作」と「10wアンプスピーカーの製作」です。「音反動車」とは、ドボラックという人が考えた装置で、ヘルムホルツ共鳴器4つを十字の枠の端に固定し、自由に回転できるようにしたものです。この装置に振幅の大きな音波を投射すると、共鳴器の口孔とは反対方向にゆっくりと回転を始めます。今回の企画では、共鳴器として@ヤクルトの空容器Aピンポン球の2種類を使います。
一方「10wアンプスピーカー」は10Wアンプ(秋月キット)+10W8Ωスピーカー+15V電源をプラスチックケースに入れたものです。これがあると、H8マイコンのドレミカードとか、1Hzキザミ発振器などから出る音を簡単に増幅して大きくし、気柱共鳴ロウソク消しや「音反動車」が簡単にできます。音関係一般で大きな音を出すとき、これでたいてい間に合います。これが1つあるといろいろ使えます。
日時 2009年9月27日(日)10:00〜17:00
(当初は9月26日(土)の予定でしたが山田高校の都合で変更しました)
テーマ 「音反動車の製作」、「10wアンプスピーカーの製作」
講師 船橋隆久先生(星城高校)…「音反動車の製作」
田中英二先生(春日井工業高校)…「10wアンプの製作」
会場 名古屋市立山田高校化学実験室(3F)
費用 「音反動車の製作」500円
「10wアンプスピーカーの製作」4000円
準備 「音反動車の製作」の方はヤクルトの空容器を最低4個
電気工作セット
番号 09F-006 送信日 09/06/30 差出人 原 弘良
件名 学校教育は、科学だ・芸術だ。−その1
こんにちは、原です。
**さんの「科学教育について(6月11・12日メール)」指摘の正しさ
に触発されました。その検証を、少しずつ試みます。よろしく。
以前の「生徒発信の、、」シリーズとの重複部分が出るかと思いますが、
別視点から、「生徒の事実中枢と実践結果」の関係に迫ってみます。
検証は、実践の結果としての「生徒の事実」に求めます。
定年退職までの約20年間にわたり、年々「自律学習を楽しむ高校生」の
増加と定着風景のなかで、どっぷりと「理科教師のよろこびの日々」を、
原は、過ごしました。
なぜ、それが可能だったのか?が、課題です。
現職中は、「原の教育哲学と、理科教育観や実践方法」を、マイペースで
一貫させていましたが、その意義を、じっくりと考察し理論化・体系化する
時間的ゆとりや、その気もありませんでした。
退職後に、そのチャンスのきっかけを得たのは、川勝さん(元・香川大学教授、
現・名城大学教授)に、「本づくり(授業づくりで変える高校の教室)」に誘って
いただいて、実践を原稿に起こし、川勝さん宅での「熱い編集会議」(川勝さん、
山田さん、成島さん、原のメンバー)を、何回も長時間にわたる議論を重ね
それに基づく原稿の推敲を繰り返す過程においてでした。
また、2006年2月「理科教育論」研究会で、上記本レポートをした後の
4月に、故 三井 伸雄さん(科学教育運動の大先輩)の、わざわざの拙宅
訪問で、「今の日本には無い、後期中等教育理論の構築を目指す学会を
ふたりで立ち上げよう!」との提案も、実践の再考察の大きな動機でした。
そこで、あぶり出されてきた「原実践の意義」の自覚は、
緻密で熱心に教え込む指導とはかけ離れた、目の前の生徒の事実にとことん
こだわることで見えてくる「生徒の本質」(子どもの本性は、学び大好き・友だち命)
に依拠した「のほほん指導」を、浮かび上がらせました。 つづき
<**さんメール、原の独断引用部分、1・〜4・>
1・「科学的」であることの意味を教えること(言葉ではなく、科学的手法で物事を
考えさせる練習をさせるなど)も、私たち教員の大切な仕事なのではないかと
2・高校では先生が時間内に終わるよう道具を用意してくださり、言われた通りに
やりさえすれば成功する実験ばかりでしたので、
3・(大学での実験では)誤差が測定値より大きいとか、理論通りまったくいかない
ことが多いとか、そつなくこなすことより、失敗したときにその理由を考察すること
の方が重要だとか私には新鮮な驚きでした。
4・科学がこれだけ社会生活と切り離せなくなっている現代では、知識の詰め込みよ
り科学とどう関わっていくのかを考える時間が、生徒にも教員にもあった方がい
いのかもしれないと
番号 09F-007 送信日 09/06/** 差出人 ** **
件名 ***********
番号 09F-008 送信日 09/06/** 差出人 ** **
件名 ***********
番号 09F-009 送信日 09/06/** 差出人 ** **
件名 ***********
番号 09F-010 送信日 09/06/** 差出人 ** **
件名 ***********
番号 09F-011 送信日 09/06/** 差出人 ** **
件名 ***********
番号 09F-012 送信日 09/06/** 差出人 ** **
件名 ***********
番号 09F-013 送信日 09/06/** 差出人 ** **
件名 ***********