番号 09B-001  送信日 09/02/02  差出人 岡田 晴彦
件名 紫色(?)の雪

職場の国語の先生から質問されて答えられませんでしたので、教えていただければ助かります。
国語総合の教材の宮沢賢治著「なめとこ山の熊」のなかに「雪はあんまりまばゆくて燃えているくらい、小十郎は目がすっかり紫の眼鏡をかけたような気がして登っていった。」とあります。「雪が紫色に見えることがあるのですか」と聞かれました。
「分かりませんので、調べてから報告します」と返事をし、昼食時に数人の同僚にこの話をしました。
若い美術の先生が「オレンジ色のゴーグルをはめてスキーをして、ゴーグルを取ったら、雪が紫色に見えました。不思議に思って調べてみたら、目のレンズは白色光を通すように調整する機能があり、オレンジ色の光がレンズを通過するときに、紫色の光を多く通過させるようにはたらくので、ゴーグルを取ると、紫色の光だけが多く通過するので、雪が紫色に見えたらしいです。このことと関連がありますかね」と言われ成るほどと思いました。「なめとこ山の熊」のなかにあるように、まばゆい光のなかで、どのような理由で白い雪が紫色に見えるのか、ご存じの方がみえましたら、教えてください。



番号 09B-002  送信日 09/02/03  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その64:何を

3、理科教育の基礎・基本は、何だろうか?
      −その内容と方法、検証法:原実践例ー

 一生の多くの時間を生きねばならぬ「仕事時間」と、かけがえのない
自分の存在に目覚めた工員から、理科教員への転進力は、何か?
 それは、自分自身の生育歴由来と、人類が希求した歴史に共通
している、万人共有の「人間の尊厳」が、「転進力」でした。

 原が、教員なりたての頃、自分なりの「自然科学の学問知体系」の
かけらも無い、「自然科学が大好き!」だけの理科教員でした。

 そして、最初の授業で「一番大切なもの:友だち・命!」と、20年間、
スピーチし続けた生徒たちの思いと、火薬飛行ロケット夢中少年・原の
思い、この両者が融合し自然に生まれた理科授業が、生徒たちと
私が、「自己肯定できる授業」を創った主因だったようです。
   教育実践の必須原点: 「だれのため?何のため?」を、
主体者である生徒に依拠した検証をくりかえした36年間だったのです。

  生徒と共に学んだ歳月が、「一人ひとりの生徒の尊厳と人間社会」、
「生徒が科学するコツ」や「学力獲得・自己肯定の道筋」、「学校の正
の優位性:友だち・命と学びのコミュニケーション連帯方法」など、
   目の前の生徒一人ひとりが、悲喜交々の学びの姿で、
「科学教育とは何か」を、原に迫り教えてくれ、共に授業創造しました。
      以下に、その概要の整理を試みます。

  <目次>
1)、児童・生徒に対する教育必須仕事は、「今生きる自己肯定実感」の
保障を基底にした、生徒人格形成への寄与だろう、と信じてきました。
 具体的には、「理科授業の1コマ1コマで生徒が食らいつき、自己肯定
ができる1コマ1コマの授業づくり」と信じ、こだわり続けたのです。根拠の無い
生徒の自己責任を迫る、「君が、がんばれば」の無責任指導を避けました。

  ・自主編成カリキュラム作成と、マイペース授業づくりの必然性・必要性
 ・ヒトの本性に反する、競争教育の犯罪性と低学力化
 ・自己責任を強いて、希望を絶望に転化する競争教育犯罪:不登校
 ・一人ひとりの生徒の自己肯定実感授業の蓄積が、自律学習に励む
  生徒を生み育てた理科授業

2)、「科学するドキドキの楽しさと探究心」は、友だちの中での、個人研究
  チャンスを準備した指導から始まり育つ。
・3年間の2単位理科、物理・化学・生物・地学・課題研究の内容と方法

3)、「自然界の不思議世界の扉を、カチャッととあけちゃう学問知の基礎・
 基本」の学力獲得と活用の喜びを、友だちと共に体験・実感させる。
・3年間の2単位理科、物理・化学・生物・地学・課題研究の内容と方法

4)「うようよのだまし屋手口を見破り、自分と社会を守る、科学リテラシー」
 を、確実に獲得させる教育責任がある「理科教育」に、留意しました。
・わが身に引き寄せて学ぶ「身近な科学」


  <本文>次回から予定



番号 09B-003  送信日 09/02/04  差出人 伊藤 政夫
件名 Re:紫色(?)の雪

岡田さんへ

伊藤政夫です。
後半の話しは、補色によるもので、赤いものをじっと見た後、白い壁をみると緑にみえるという現象と同じでしょう。3種類ある錐体細胞の1つが強く刺激を 受けていて、白いものに目を移したときに、その錐体細胞のはたらきが、他のものに比べて劣るので、他の2つによる入力を感じるということでしょう。(実 際には、1つだけとかいう単純なことではないように思いますが)
しかし、前半の宮沢賢治の表現は、それとは無関係に思います。
引用された文章の数行前にも、
小十郎は自分と犬との影法師がちらちら光り樺の幹の影といっしょに雪にかっきり藍いろの影になってうごくのを見ながら溯っていった。  とあります。
雪の上に落ちた影が「藍いろ」という表現は、実際の色というよりは賢治特有の心象風景を表す言葉なのではないでしょうか?晴れた青い空と、太陽の照り返 しでぎらぎら光る雪の景色を紫という色で表したように思いますがいかがでしょうか?



番号 09B-004  送信日 09/02/04  差出人 川田 秀雄
件名 NHKから取材

 川田です。ご無沙汰しています。
 NHKプラネットから1月30日(金)明和高校に「物理の授業撮影とインタビューに応じてもらえないか」という電話が入った。2月7日(土)の「2008年ノーベル物理学賞受賞記念、名古屋大学レクチャー」の後に開催される、高校生対象の「ノーベル物理学賞受賞者小林先生・益川先生VS高校生 座談会」(名古屋大学、NHK共催)の企画に「ビデオ」に収録して使いたいから、という理由でした。同僚の先生や教頭先生とも相談して受ける事に。
 何故、非常勤講師の私(川田)にか、と聞くと「小林先生は明和高校出身であること、アンケートの中身が面白いから」と。(実は明和高校の物理の先生方は忙しくアンケートを出さなかったらしい)
 NHKとの打合せで、撮影は2月3日(火)3限と決まる。インタビューは「教師の立場から、現在の理科教育についてお二人に聞きたい事」でした。私はOECDの資料を使いたいが、と言ったら、その資料はNHKで使うので出来たら避けてほしい、との事。そこで急遽、飯田さんに頼んで「物理の履修率の資料」を送ってもらう。

 授業の撮影は2年生。光に入って3時間目。内容は、光の3原色の話と実験(以前、EHCで伊藤昇さんに教えてもらって作った物)、レンズのはたらきのクイズ実験(大型、水レンズを使用、「先進科学塾」で作った。結構盛り上がる)、100円ショップのレンズを使い、「焦点距離の測定」(生徒実験、キャンドルサービス的てロマンシックな気分になる)、最後に「レンズ公式」の導き方。
1時間中カメラが回っていたので生徒はいつもと違い(?)生き生きしていた。
 授業終了後2,3人の生徒がつかまり、インタビューに応じていました(私は席を外す)。

 その後、緊張のインタビュー撮影、40分くらいかかる。

 取材後の雑談で「何故、実験が多いのか(生徒が言っていたらしい)?」と。「同僚の先生方や、物理サークルなどで多くを学んだ」と答えると、「一度、物理サークルを取材してみたい」と。

インタビューの内容は以下の「下書き」と同じ。(当日は野依氏も参加されるとか)

ノーベル賞 座談会「物理教師の立場からの質問」 

                       09.2.7.    

                                       川田秀雄

 小林先生、益川先生はじめ日本の4人の科学者が同時にノーベル賞を受賞されました。私は小林先生の母校である明和高校で、長年物理を教えてきた教員の一人として大変うれしく思います。今回の受賞は「日本の研究者のレベルの高さ」を示したものだと思います。

 一部に、今後日本からノーベル賞クラスの科学者が続々誕生するかのような見方があります。私もそう願いたいわけですが、以下に述べる理由より、私はあまり楽観できないのではないかと考えています。

@楽観できない第一の理由は、現在物理を履修する生徒が激減しているからです。小林先生や益川先生の高校時代は、物理は選択制ではなく、「必修」でした。ほぼ全員が物理を履修していました。

 しかし1982年、当時の文部省が物理を選択制にしたため、物理の履修率が急激に低下しました。2005年の履修率は、全国平均で、生物が62% 化学が57%、 物理はたった29%しかありません。地学にいたっては8%です。高校で物理を勉強しないまま、大学の工学部に入り、大学の教育や研究にも深刻な影響を与えていると聞きます。

 裾野を広くしないと富士山のような大きな山は生まれません。私は、「高校で自然科学の基礎である物理や化学をキチンと学ぶ必要がある」と考えています。

 先生方は「物理の履修率の低下」についてどのようにお考えでしょうか。

A楽観できない2つ目の理由は、「物理は面白くない、くだらない。」と感じている高校生が大変多いという問題です。世間で言われる「理科離れ」「物理離れ」の問題があります。これが物理の履修率低下に拍車をかけていると考えられます。

 私は、国を挙げて「理科の授業改善」に取り組む必要があると考えています。個々の先生方の努力だけでは限界があります。とりわけ受験校では、受験対策上、どうしても細かい知識の「詰め込み」に流されがちになります。

 国を挙げて取り組む「授業改善」の中身は、もっと「実験・討論」を取りいれ、「物理の面白さ、考える事の楽しさを存分に体験する授業」です。

 先生方はどうお考えでしょうか。



番号 09B-005  送信日 09/02/04  差出人 林 熙崇
件名 Re:紫色(?)の雪

輝いているところが紫色に写ることは経験ありませんが、リバーサルフイルムで雪を写すと、影の部分は灰色にはならずに、少し紫がかった薄い藍色もしくは、非常に薄くした藍色のように感じます。フイルムの感色特性と目の感色特性とは当然異なりますが、写真のフイルムは天空の色を反射していると思います。
ぎらぎら光る雪の部分を紫から藍色に表現するのは詩的であって、物理的にそう見えるということでは無いように思いますがどうでしょうか?



番号 09B-006  送信日 09/02/04  差出人 鈴木 久
件名 Re:NHKから取材

 鈴木@愛知理科の会です。
 レクチャーでの放映楽しみにしています。
愛知物理サークルは、坂田先生が目指したものに通じるものがあると考えます。きっと喜んでもらえることと思います。
残念ながら、次回の物理サークルは、お隣の浜松理科サークルに参加のために出られません。できれば、高校の先生だけでなく数は少なくとも中学の教師も参加していることを知ってもらいたかったのです。
私は、理科嫌いについては、むしろ中学がキーポイントになると思っています。高校では、わからなくても(というか、きちんと教えてもらえなくてもというべきか/物理サークルの先生方のことを書いているのではありません。念のため)
好きだと思える生徒になる可能性が高いのではと思います。もっともなかなか思うようにはいきませんが。



番号 09B-007  送信日 09/02/05  差出人 林 正幸
件名 Re:NHKから取材

こんにちは、林まさです。
 久しぶりに良い話ですね。川田さんの主張、元より大賛成です。
 ところでこうなると何か書いてみたいのが私のサガです。ひとつは、教師がもっと自由に個性的に授業できるのが、本来の理科好きを育てるということ。指導要領や教科書は参考基準でよいはずです。テープレコーダーのような授業では、教師が高い意欲を持てないし、工夫も限られてきます。まして共通テストの平均点競争、受験の足かせでは、学校教育に良い人材は集まりません。
 もうひとつは、親・国民の問題です。我が子に能力があれば、それが人類全体に役立つことこそ願わしいという価値観です。我が子の幸せだけではほとんどの場合に我が子の幸せも守れないことは、今日この頃の社会を見れば明白のはず。お互いに助け合って住み心地の良い社会をつくろうと教育に臨んでくれないと、学校教育は歪む一方です。
 これらは「実験・討論の授業」を保証する重要な課題であると考えます。
 ではまた。



番号 09B-008  送信日 09/02/05  差出人 岡田 晴彦
件名 Re:紫色(?)の雪

伊藤政夫さん・林ひろさん
ていねいなアドバイスありがとうございました。
おかげさまで、雪が紫色に見えることはあり得ないことと、「紫色の眼鏡」が心象表現であることに確信が持てました。
このことを国語の先生に伝えたところ、大変に感激されていました。
そして、「紫色の眼鏡」の解釈はそれぞれの国語の先生にお任せすることにしました。
それにしても現代文の小説は解釈が難しいことを改めて認識しました。



番号 09B-009  送信日 09/02/05  差出人 冨田 孝正
件名 Re:NHKから取材

冨田孝正です。NHKの取材、川田さんの授業で正解でしたね。
 川田さんの「物理教師の立場からの質問」についてですが、「理科離れ」「物理離れ」について、「国を挙げて「理科の授業改善」に取り組む必要があると考えています。個々の先生方の努力だけでは限界があります。」と述べておられます。私もその通りだと思います。しかし、私は現職のころより、実感していたのですが、理科教育(理科の授業といってもよいのですが)を基本的に阻害しているものは、「入試による成果主義」にあると思います。そんな中でも、個々の教師の工夫、実践はとても意味あることだとは思いますが、やはり「限界」があります。だから、理科教育にとって、入試は本質的な問題なのです。
林正幸さんが指摘されたように「我が子の幸せだけではほとんどの場合に我が子の幸せも守れないことは、今日この頃の社会を見れば明白のはず。お互いに助け合って住み心地の良い社会をつくろうと教育に臨んでくれないと、学校教育は歪む一方です。」 教育を「競争」と「格差」の道具と化し、「敗者」となった大部分の生徒にとって負けたのは自分の能力、努力が足りない「自己責任」に帰されてしまっています。実に都合のよい仕組みではないでしょうか。
このような今の日本の教育は「理科離れ」「物理離れ」だけの問題ではなく、他のすべての教科についても言える共通の問題でもあると思うのです。
「入試制度をなくす」これを避けては、理科に限らず日本の教育を正すことはできないのではないかと思います。ここまで来た日本社会の在り方と深くかかわる問題であると思います。「入試があるから現在の学力が維持されている」「入試がなければみんな勉強などしなくなる」こんな反論を以前に受けたことがあります。想像してみてください「高校入試がなかったら」「大学入試がなかったら」日本の子供たちにとってどんな未来が待っているのでしょう。「学力」「学校」「人間関係」の概念が一新するのではないでしょうか。



番号 09B-010  送信日 09/02/05  差出人 杉山 直樹
件名 水滴を空中に浮かせる方法

皆様、いつもお世話になっております。
理科の会の杉山です。
 今、中学2年生の気象のところで雲のことをやっています。
この内容では、手の届かないところにある雲についての正確なイメージが持てているかどうかが理解の鍵になっていると思います。
そうでなければ、飽和水蒸気量も算数の授業でおわってしまいます。
そんな中で、子ども達が雲について正しくイメージできない原因の一つとして、水滴や小さな氷になったものは落ちるという先入観があり、いかにも軽そうにふんわり浮いている雲と水滴を本当の意味で結び付けられていない事が挙げられると思います。
そこで思い出したのが、以前、伊藤政夫先生やっていらした水滴を空中に浮かす方法です。
あまり大きな機械は用意できなかったのですが、小さなブロワを用意し、整流用のストローの束も作って、私なりになんとか空中に水滴を静止させられないかやってみましたがうまくいきません。
 手に入りにくいものは使わず、水滴が浮かんでいる様子を生徒に見せられる道具をつくるいい方法はないでしょうか?
皆さんのアドバイスを仰げればと思っています。
よろしくお願いいたします。



番号 09B-011  送信日 09/02/05  差出人 田中 英二
件名 Re:NHKから取材

田中英二です。わたしも富田さんに同感です。
理科教育だけの問題ではなく、人のありようの問題がこの国の教育にはあります。智あるものは智を力あるものは力をみんなのために使うの人間社会ではなかったか。この点を忘れて、ノーベル賞も他もないと思います。
『教育を「競争」と「格差」の道具と化し、「敗者」となった大部分の生徒にとって負けたのは自分の能力、努力が足りない「自己責任」に帰されてしまっています。実に都合のよい仕組みではないでしょうか。』
このために、我々は日夜苦労して働いているのでしょうか。



番号 09B-012  送信日 09/02/05  差出人 伊藤 政夫
件名 Re:水滴を空中に浮かせる方法

杉山さんへ
伊藤政夫です。
水滴を安定して浮かせるには、かなりの風量と大きな径が必要だと思います。
それに、あのサイズの水滴は、雲というより落下して来る大粒の雨というイメージのように思います。湯気や加湿器の煙がふわふわただよう様子では納得させ られないでしょうか?



番号 09B-013  送信日 09/02/05  差出人 伊藤 政夫
件名 Re:紫色(?)の雪

伊藤政夫です。
岡田さんのメールを読んでいて、以前大量に積もった雪のすき間が青く見えたことを思い出しました。賢治の作品の話しとは別だと思いますが、それについてこんな記述を見つけたので、ご紹介します。氷河の氷が海に落下する映像で、氷が青く見えるあんな見え方です。紫でも藍でもありません。


http://harropage.blog39.fc2.com/?no=22 にあった引用です。

雫石スキー場に向かう車中で、先日の「青味かかってみえる雪」の話がでて、大潟村・五城目町でも同じように雪が青く見えたとのことだった。
 雫石スキー場でもストックの跡が青く見えた。画像はレディース降り場の新雪にストックの輪で穴を空けた部分が青く見えたものである。帰ってからネット で調べると
http://www.sendai-jma.go.jp/tidai/aomori/aomori/yuki/aoiyuki.pdf
に気象台の回答があった。
【雪はすべての色を反射する性質があります。このため、雪は白く見えるのです(絵の具の色を混ぜると黒くなりますが、光の場合は白くなります)。ところ が雪はわずかながら青い光を透過させる特性を持っています。積もった雪の中が青く見えるのは、このわずかに雪の中を通過した青い光によるものなのです。
今週の大雪のあと、この現象が顕著になったのは以前に比べて「積もった雪の厚さが増えた」、「降った雪の粒が大きかった」からです】



番号 09B-014  送信日 09/02/06  差出人 杉山 直樹
件名 Re:水滴を空中に浮かせる方法

伊藤先生
 早速のご返信ありがとうございます。
私もそれを考えたのですが、湯気はすぐに消えてしまいますよね。
ですから、うまく雲とつなげられないようです。
実際に湯気を見せたのですが、やはりどうしても雲の話の関連性がつかみきれていない子もいるように感じます。
すぐに理解する子は理解できたと思ってくれるのですが、それは表面的なことだと思います。
きちんと示してやればもっと多くの子の理解の助けになるだろうし、理解したと思った子を本当に理解させるのにもつながると思います。
子ども達に方法を考えさせると言うことも考えたのですが、結論のでない投げっぱなしのことをやるのはよくないとも思います。
どなたかお助けください。



番号 09B-015  送信日 09/02/06  差出人 林 正幸
件名 Re:水滴を空中に浮かせる方法

こんにちは、林まさです。
 杉山さん、「どうして雲は浮いているか」は重要な指摘だと思います。
 伊藤政夫さんが工夫した装置で見られるように、激しい上昇気流で吹き上げられて浮いている場合もあるし、粒子が細かくて空気抵抗で落下速度が遅くて浮いているように見える場合もあるし、両方が重なる場合もありますよね。
 化学の実験に煙幕をつくるものがあります。昔から知られているのは、濃アンモニア水と濃塩酸をバブリングして発生する気体を混合し、塩化アンモニウムの固体の微粒子をつくるのです。私がやっていた実験の中では他に、化学量論の亜鉛と硫黄をよく混合し、マグネシウムリボンを立てて点火・燃焼させて硫化亜鉛をつくるのがあります。ただし後者は火薬そのものですので、少ない量で試してみてください。
 ではまた。



番号 09B-016  送信日 09/02/06  差出人 原 弘良
件名 NHKから取材:すばらしい!議論噴出

これこそakknのステージですね。
 あらためて、川田さん長年の実践力と、物理サークルをはじめとする仲間の教育実践連帯力の底力を、この一連の熱い議論から実感させられ、心強く幸せを覚えます。
 林まささんのいつも正鵠を衝く指摘と、広く深い理科教育運動活動に尊敬と感謝を。伊賀さんのメールから知る理科教育への真摯な態度・、思い・実践や、田中英二さんの理科教育だけの問題ではない指摘と教材電子工作講座、冨田さんの入試制度への的確な指摘、林ひろさんの匠技の物理教材・教具づくり、など列挙し切れない個々人の仲間の連帯の歴史が、中部地区の理科教育の土台に透視できるので、一連の議論に心強さと幸せを覚えます。
  そして、「すばらしい!議論噴出」をもたらした「川田メールの本質は何か?」を考えると、「教室の生徒が主役で、科学実験をてこに、科学する理科授業風景」を伝えるが故に、誰もがその実現を教室に願っている理科教員一人ひとりの心を揺さぶり、議論噴出現象になっていると、思い至ります。

     決して「一過性のもの」にしないための大切なポイント

1、現状の課題認識からスタートして、(入試制度、競争教育、
    自己責任、親の教育観、教育行政権力と現場、などなど)

2、課題解決の仮説立てをし、教育実践し、詳細記録を生徒が残し
    (個人、教科、職場など、階層別視点の実践と相互作用力
     の見極めと、具体的展望のある具体的実践・考察・評価を
    する)

3、生徒の学習結果による検証・評価を経て、
    (原の場合、テスト結果なら、クラス平均70点以上で
           50点以下生徒ゼロを、自己評価合格とした)

4、スパイラルな授業還流を、上記1〜4で繰り返す。
    (これは、個人実践、教科内交流による拡大、
   分会・職場研修による共通理解の拡大、教研での発表など)

5、総論的結論として、「隗より始めよ!」と、自分に課すのが原流です。
 百の議論から、ひとつでも実行すると、確実に変わるのは自分であるし、
 小さくても展望の見える実践をしない限り、事は始まらないからです。

 また、個人に限らず、どの階層の実践においても「限界がある」のは、
 当然であり、だから、絶え間なく研究課題が表出するので、目の前の
 生徒たちと一緒に取り組む「理科授業」は、楽しいだけの仕事でした。
 (2月5日メール「実験・討論を組み込んだ授業改善」は、
 個人実践が可能なので、)は、そういう意味です。

「生徒が発信する理科授業シリーズ」は、上記1〜5を原なりに実践
し続けた不完全な概要のピックアップですが、子どもたちと人間社会に
との願いを込めて、ポチポチ打っています。

理科教育の先達、故三井さんのお人柄に後押しされて、、、。



番号 09B-017  送信日 09/02/06  差出人 原 弘良
件名 水滴を空中に浮かせる方法:ペットボトルで

杉山さん  原です。

 身近な雲、いい教材ですよね。
いろいろアイデアが寄せられていて、いずれも楽しくチャレンジしたくなり
ます。

     「ペットボトルの雲」は、いかがでしょう?
原は、シンプルで本質的実験を身近な材料で、子どもが全身を使って
五感で納得しちゃう実験にこだわりつづけています。これも、そのひとつ
です。

 原理は、ご存知の「物質の三態変化と分子運動」と「断熱膨張」
1、「断熱膨張」の温度低下による、飽和水蒸気→小さな水滴への
  「物質の三態変化」と、
2、空気の気体成分である「窒素分子」「酸素分子」の、分子運動
  による小さな水滴への衝突のために、落ちることができない状態
 が、浮かんでいるという現象ですよね。(チンダル現象を連想;現職
 の授業では、「雲の発生・浮遊」と「チンダル現象の観察」を同時
 展開しました)

    実際は、4人1組で道具1式がいいよ。
言葉で、グチャグチャ説明は後にして、子どもにやらせるが大切!
1、炭酸系ペットボトルに、湯を少したらして湿度を高くして、すばやく
 穴あきゴム栓を固くして、自転車空気ポンプで穴から空気を圧入
2、ゴム栓が音を立てて吹き飛んだら、すばやく栓をすると同時に、
 ペットボトルの冷却体感で「断熱膨張」と、「雲の浮遊」観察させ
 ながら、気体分子衝突による水滴の浮遊を、雲連想させます。
 (直接見えない物質を、イメージの連想で見る世界も重視します)
 
  チビッ子科学クラブの小学生どもも歓声!
1、「物質の三態変化」の重要な基礎概念なので、
   「三態変化の分子踊り」として、体の運動の激しさで表現させて
  五感で記憶させちゃッています。子どもは、すぐ体得しますよ。
2、これは、「食べ物の科学」において調理するときの、
  食材や、水・油などの加熱材の成分分子の三態運動を連想させ
 調理の科学的本質の理解に連動します。
3、科学クラブ参加者は、チビッ子以外に、常時お母さんたちなど
 5〜6人がいて、料理の科学的理解の幅が広がり、この知識を活用
 して、オリジナル・レシピのひらめきが出る、と言う母さんもいて
 「やったあ!」と、うれしくなることもあります。



番号 09B-018  送信日 09/02/06  差出人 杉山 直樹
件名 Re:水滴を空中に浮かせる方法:ペットボトルで

林先生、原先生ありがとうございます。
 いずれの現象ももう生徒に見せています。また、もちろん雲のモデルとして水滴が浮かぶ様子を示すつもりもありません。でも、やはり子ども達の水は落ちるというイメージは根強いようですよ。それこそ頭では理解できていても、実際の雲を見て水滴や小さな氷の粒だと思えないようなのです。何かが浮かぶという現象が特別なものに感じられて、人をだますのにもよく使われると思います。子ども達が将来成長してから、浮かんでいるものを見せられて思考停止しないように、雲が浮かんでいる理由をきちんととらえさせたいのです。浮かぶ事が何かとらえる事のできない神秘的な力によって起こっているのではなくて、きちんと理由があって浮かんでいるのだという事を示すのに、水滴が浮かぶ現象はとてもよいものに感じました。また、何より私自身があれを見たときとても感激したのです。あの感激は子供たちにも味わわせてあげたいとずっと思っていました。 林先生、シロッコファンを手に入れることは難しいのでしょうか? 



番号 09B-019  送信日 09/02/07  差出人 原 弘良
件名 Re:水滴を空中に浮かせる方法:教科書見ながら

杉山さん  akknのみなさん。 こんにちは  原です。

  杉山さんの、2月5日第一報メールを見たとき、「おかしいな?杉山さんは
 雲の発生の生徒実験をやってるはずだがなあ」と思いました。

  この返信で(いずれの現象ももう生徒に見せています)とのことです。失礼
 しました。また、(神秘的な力によって起こっているのではなくて、きちんと
 理由があって浮かんでいるのだという事を示すのに、水滴が浮かぶ現象は
 とてもよいものに感じました。
 また、何より私自身があれを見たときとても感激したのです。
 あの感激は子供たちにも味わわせてあげたいとずっと思っていました。)
  本当にそうだ!と同感です。 

  私が「ペットボトルの雲づくり」と「チンダル現象の観察」を授業で同時展開
 するのは、「ミクロの世界」と「マクロ世界の現象」を、科学の学び方で統合
 して理解し納得する「学力」を、生徒一人ひとりに獲得させ、騙し屋が
 うようよの世界を見破って生きて欲しいからです。

  地元の中学生が使用中の、大日本・理科1上37頁「4どのようなとき
 力はつり合うだろうか」と、2下19頁「どのようにして雲はでき、雨は降るのか」
 を開いています。「雲低の高さがそろっている積雲」のカラー写真もあり、
 私の中学時代では想像できないほど、「条件付いい教科書」です。たとえば、
 この写真から、「何でそろっとるかなあ?何でムクムク雲かなあ?」とグループ
 討議させ、発表させますと、私には、いい教科書になります。実験2「雲が
 できるようすを調べる」(サーミスタ温度計、減圧の視覚確認のゴム風船など
 生徒にわかり易い)も、適切だと私は思います。

  しかし、致命的欠点があります。それはまた、教科書どおりの授業展開を
 したときには、生徒に対して無責任な仕事にもなることです。
  それは、生徒が既習の「4どのようなとき力はつり合うだろうか」と
        「どのようにして雲はでき、雨は降るのか」
        「雲低の高さがそろっている積雲」のカラー写真
 この三つを、統合した理科授業展開をして、
「ミクロの世界」と「マクロ世界の現象」を、統合して理解し納得する「学力」
を、生徒一人ひとりに獲得させたいと、私は思います。

 昨夕、NHKハイビジョン「大台ケ原の雨」放映画面に、高速度撮影による
直径1cm雨粒画像が、「大福餅」そっくりで、表面張力・重力・
受けている力と分布など連想して、愉快でした。
 ふと、「高速撮影機能」をもつという、カシオデジタルカメラで、雨粒撮影
どうじゃ?と気付いたが、残念!もっとらんのじゃ。

 現場の理科教師として、目の前の生徒が真に自立した人間への道程
に貢献できる存在であるために必須要素や行動を、自分に課していました。
  そのひとつが、権力の意向や現場の風潮に流されずに、
 目の前の子どもに学ぶ理科授業を、自分なりに精一杯やり、
 生徒と共に楽しむことでした。



番号 09B-020  送信日 09/02/07  差出人 林 正幸
件名 雲粒の大きさ

こんにちは、林まさです。
 akkn(愛科教ネット)で、意見交換や教材交流ができるのは素敵なことですね。理科教育の発展を願う仲間のきずなを感じます。
 さて原さん、ちょっと気になって調べてみました。雲の構成粒子である雲粒の大きさですが、新地学教育講座14の「気象T」に次のようにありました。
      水滴の種類    半径      最終速度
       小雲粒     10μm    0.003m/s
      普通の雲粒   50       0.076
       大雲粒    100       0.3
       霧雨      200       1.5
        (以下 略)
これに対してコロイド粒子は理化学辞典に
      1〜500nm
とあります。つまりコロイド粒子に見られる現象(チンダル現象やブラウン運動)を雲粒には適用できないと思います(ペットボトルの実験はよいのですが)。
 ちなみに雲が白く見えるのは「ミー散乱」のためだそうです。私はミー散乱のくわしいことは知りませんが(誰か解説してもらえないでしょうか)、粒子が光の波長ないしそれを越える大きさで起こるそうです。これに対してレイリー散乱(コロイド粒子はこちらが主)は粒子が波長の1/10以下で起こり、青空や夕焼けの説明に使われます。
 ではまた。



番号 09B-021  送信日 09/02/07  差出人 林 熙崇
件名 Re:水滴を空中に浮かせる方法:教科書見ながら

シロッコファンを2基用いて、直径15cmくらいの吹き出し口から約10m/sの速さを持つ、周辺ほど風速の速い上向きの風を得ることができました。この風の中では直径5〜7mmの水滴が約10秒ほど滞空します。それで、落下する雨粒の形を、高速カメラなしで観察することができます。水滴の形はメロンパンのように底面がひしゃげた形になりました。水滴が大きくなりすぎると分裂してしまいます。表面張力との兼ね合いなのでしょうか? 「雨粒の形はどのような形で落ちてくると思いますか?」 という問いかけの後、それでは見てみようと、実験すると小学生から大学生まで好奇心を持って自ら装置の上に雨粒を浮かします。。このような下からの風で水滴が宙に浮いたり、さらに上昇したりする現象は、自然界でも積乱雲の中では盛んに起こっていると思われます。積乱雲中で雷が発生する原因の一つかもしれませんね。



番号 09B-022  送信日 09/02/07  差出人 原 弘良
件名 Re:雲粒の大きさ:間違い指摘ありがとう

林さん ありがとう。
    杉山さん・akknのみなさん、間違いごめんなさい。

 雲粒の大きさが、コロイド粒子に該当しない故
雲の浮遊の説明に、チンダル現象引用例は間違いである。
との指摘をありがとう。
 正確な定義の確認をせずに、微粒子というだけで不正確な
引用をした杜撰を悔やみます。
 学問知の正確・深さなど、以前から林さんを尊敬しています。
これからも、この分野での指導を、たのみます。



番号 09B-023  送信日 09/02/07  差出人 林 熙崇
件名 Re:水滴を空中に浮かせる方法:林ひろさん、ヒントください

風速は研究室にあった風速計を使いましたが、自動車の速度計を校正用に用いるという原先生の発想はすごいです。風口の口径が5cmくらいあればソーラモーターとプロペラと電圧計(テスター)とで風速計ができると思います。ただ口径が3cm以下になるとこの方法が取れなくなります。もう一つの方法は豆電球のガラス部分だけ壊して、フイラメント部分をそっくり残し、電源とフイラメントと電流計を直列に接続します。フイラメント部分に電流を流して、熱くしておいて、その部分を噴流の中に入れると、流速が速いほど冷やされて抵抗が下がり、電流計の値が大きくなります。自動車エンジンの気化器に流入する空気速度は、この原理で測定しているのではないでしょうか?研究室の風速計も回転する部分がない、小さいセンサーでしたから、この方法で量っているように思われます。



番号 09B-024  送信日 09/02/08  差出人 原 弘良
件名 Re:水滴を空中に浮かせる方法:林ひろさん、ヒントありがとう!

林ひろ さん、 みなさん  こんにちは  原です。
 
林ひろ さん、多忙中だろうに、早速のヒント返事をありがとう!
 田畑の広がる地域社会に住んでると、朝から今まで「水路掃除」を
やるなど、世間話をしながらの「地域住民の仕事」に参加しつつ、
林ひろ さんからの返信を期待してました。

 原の場合、人生の転向力となっている「科学する魅力・魔力」に、
子どもたち(中・高生)を爆発感染させて、自分も一緒にドップリ
浸かるを、仕事の目標にし授業しました。今は、その夢を、
日常のチビッ子たち「科学あそび」に投影しています。

 したがって、子どもたち(中・高生)にも手が届きそうで、やる気を
そそるものにこだわった科学工作が、いいなあと思うのです。
 
返信は 流石のヒントで、具体的イメージとやる気が湧いてきます。
現在の、中・高生の科学クラブ活動テーマとしても、「既習知識の
科学技術への応用」の生徒手づくり版になると考えます。

1 ソーラモーター利用の風速計、いいねえ。   (既製品として、
  パラグライダーや、マイクロプレーンの必須計測器であるが高価)
 教材としては、モーターは発電機でもある・風力発電機手づくり版
2、豆球フィラメントの電気抵抗と温度との比例関係応用の風速計
     このアイデアもらったあ!  って、うれしかった。
     匠の科学者:林ひろ さん  って思ったね。
 教材としては、生徒が「電気抵抗と温度との比例関係」実験後の
 風速計手づくり版として、クラブ活動で製作して、自転車走行も。

林ひろ さんのヒントに力をもらった今、
「水滴浮遊装置の構想」は、以下です。

1、送風機(以前に購入済み、ホームセンター特価品2000円ぐらい)
  シロッコファン方式・370W・2.3?/分・送風口径4cm
  送風口と吸気口付きなので、効率のいい循環式風洞可能かと。
2、整流器は、ストロー束を気流前後の2箇所に配して、
   その中間スペースを、水滴注入スポイト装着の透明アクリル管
  観測窓
3、風速計:豆球フィラメント式
  自動車の速度計精度は、法律で誤差5l以内を規定しているから。
  校正用に良好なので、用いる。)

今んところの構想は構想で、何事もやってみなければわからん世界に
わくわく。原おじさんより早く完成する人を期待!

林ひろ さんありがとう。逐次、報告します。助言もよろしく。



番号 09B-025  送信日 09/02/09  差出人 原 弘良
件名 水滴浮遊装置づくり:つれづれレポ 1

林ひろさん、杉山さん、  みなさん。  原です。

「水滴浮遊装置の試作品」にチャレンジ開始です。

材料
1、材料集めに、ダイソーへ。
  *ストローを2種(細い:径4o・長さ130o、太い:6o・250o)
  *観察窓用;透明プラコップ、PET製の下敷き・醤油差し2種
2、手持ち材料;日頃からのストック品(いつかは何かにと、ため込む理科屋のサガ!)

  *紙筒:トイレペーパー芯(径40mm)・キッチンペーパー芯46mm
  *破損した粉篩の真鍮金網;約20メッシュ(実測値)

<確認したかったこと>:手持ちのブロワで、水滴の吹上げ可能か?
  結果:下記工作によって、バリバリ十分可能能力あり。まず、OK。
    と同時に、課題として、「風量の微妙な制御」の必要を実感。
    課題解決構想
       1)噴流出口に、「しぼり板」設置で。
       2)電圧制御(手持ちのスライダック利用)
       3)上記二つの併用

<やった工作>
1、トイレペーパー芯の先端に、16箇所に深さ5mmほど切り込み
2、芯まんたんの細ストロー束、金網を、輪ゴム止め。
  (金網は、噴流力によるストローの飛び出しあり、防止用に)
3、切り込み部分を絞り、ブロワ噴出口に圧着・押し込み
4、透明プラコップの両端と縦を切り離し、「板材」とし、ピペット
  差込穴をあけた後、キッチンペーパー芯に巻きつけ「観察窓」
5、4の筒を3の筒の外にかぶせて、二重筒状態でブロワ装着。

<試運転>
下部整流部分を、ブロワ装着の段階での試運転は
1、まず、ブロワ100Vでの試運転結果は、何度やっても
     水滴が、「水しぶき」となり、上に吹き上がるだけ、トホホ。
2、じゃあと、スライダック制御の出番じゃ、と徐々に電圧を上げる。
    約30Vで、水滴が上下にフラフラゆれ
     50Vなら、水滴は完全上昇するを、確認。
この時点で、
   課題に気付いた!
  (これがあるから、楽しい!し、悔しいときもある。
   課題研究7ヶ月の生徒も言った「次から次へと謎が!」)

<二つの課題と。その解決構想。もち、結果は不明>
1、水滴の発生・供給に、「ガラス製・1cc駒込ピペット」使用
  何度やっても、「水滴が、しぶきになる謎?」に気付かない。
 ハタ!と気付いたのが、
  「異種物質の接触境界面での、相互作用力の大きさ」で、
  ガラスは水によく濡れるやないか!くっつくやないか!の
日常生活でも経験している事実でした。(物性に着目の大切)
  <解決構想>
   水との相互作用力の小さな物質素材と小さい接触面積の
   水滴注入口のものを使用でどうじゃ?
 *候補:細口プラピッペット、ピペット口に油脂皮膜をなど
2、流体の粘性に関する「レノルズ数」を考慮して、空気流の
 断面積、長さの最適値を、現物データに求め続ける課題
 に気付いた。
  <解決構想>
 *林ひろさんへの、杉山さんの質問にも深く関連すると思う。
  1)空気流の断面積を、ブロワ噴出口断面積より拡大し、
   周辺部と中央部の格差傾斜を緩やかにする。
  2)中央部に細いストロー、周辺部に太いストローを配する。
   (それぞれの本数密度や長さの確定は、何回もの
   現物合わせが予想される)

   初期段階でも、こんなに課題が頻出します。
あらためて、各種現物完成品を生んでいる林ひろさんや、
理科の仲間のすばらしさを、思うのです。



番号 09B-026  送信日 09/02/12  差出人 原 弘良
件名 水滴浮遊装置づくり:つれづれレポ 2

林ひろ さん、 杉山さん、  みなさん  こんにちは。  原です。

前回の課題・1 
1、水滴の発生・供給に、「ガラス製・1cc駒込ピペット」使用
  何度やっても、「水滴が、しぶきになる謎?」
 気付いたのが、
  「異種物質の接触境界面での、相互作用力の大きさ」で、
  ガラスは水によく濡れるやないか!くっつくやないか!の
日常生活でも経験している事実。(物性に着目の大切)
  <解決構想>
   水との相互作用力の小さな物質素材と小さい接触面積の
   水滴注入口のものを使用でどうじゃ?
 *候補:細口プラピペット、ピペット口に油脂皮膜をなど

その後の経過。

 1、プラピペット材料の準備
  *ダイソーへ走り、「ポリエチレン製スポイト8本入り」100円
    (外径3.1mm、内径1.2mm、注入筒272o;ノギス実測)
  *ストック品:ボールペンの使い切った芯
 2、ピペットの改良加工
  水との相互作用力の小さな物質素材; 今回は、ポリエチレン。
   (水と、身近な各種物質との、接触界面力データが欲しい!)

 ・ねらい
    放出する水滴が、ピペット接触面から歯切れよく分離する
   条件仮説 
    1)、水滴とスポイト出口の接触面積を最小にするために、
    2)、水滴分離口のスポイト管の内径・厚さを最小に加工。

 ・加工工作
   ポリエチレンの熱可塑性を利用する。
  1) 加熱は「ローソク」、太さ10mm、長さ100o
  2) ポリエチ・スポイト管には、熱加工の進行に応じて管癒着を
    防止の為、太さ0.62mm・0.45mmの針金を、熱加工前に挿入
    しておき、順次交換して、細い管にする。
  3) ポリエチ・スポイトを、ローソクの炎から上、約5cmで等速回転
   で均一加熱しながら、少しずつ引っ張り力を与え、熱軟化状況を
   指先からの応答感触で、分子運動状況をイメージしながら、
   力・移動距離・スピードのタイミングを決断・実行して、「ねらい」
   に近づけていく。
   (この一連の心地よさの経験スタートは、小6の「姫路市民ライト
   プレーン大会入賞機」の竹ひご加工に始まり、現職中の自作教具
   づくりの感触を、呼び起こします。)
  4)3本目の加熱加工で、まあまあの細管口のスポイトができた。
   その後は、コツがつかめて品質向上。これは、技術習得の通り道。
  5)細管口を、斜め約45度にカットして、水滴との接触面積を小さく。

3、試運転結果

 球形の水滴が、空気噴流に揺さぶられている。ガラス・スポイト時の
 「水しぶき状」は無くなった。ひとつ、クリア。

4、次なる課題

 空気噴流強くして、スポイト先端口から水滴を分離させた後の
 水滴の運動方向が、左右にぶれて定まらない。多くが、側壁にも
 (観測用の透明窓)衝突する。
 この事実は、空気噴流が「整流ではない」ことを示す。
  
5、課題解決方策案

 整流装置部分の「ストロ−の太さ、ストローの長さ」の変更を
まず、やってみるか。 

6、この時点で、「ヘリコプター開発時」を連想した。
 3次元空間で、「ホバリングする驚異・技術」は、ハチドリはそれで
生存してるし、いまや、数千円の「おもちゃヘリコプター」も手に
入るが、本当は、「ものすごい世界」なのが、「水滴空中浮遊だ!」
って実感できて、原にとって、道は遠いが楽しい。
(とともに、最後の5年間を、高校3年生全員が、7ヶ月にわたり、
一人ひとりが自分テーマの生き生き研究する面々が浮かぶ)



番号 09B-027  送信日 09/02/13  差出人 林 熙崇
件名 Re:水滴浮遊装置づくり:つれづれレポ 2

こんなところへ割り込んですみません。水滴の空中浮遊装置、11月に愛教大で使用した記憶はあるのですが、その後どこへおいたか記憶がなくなってしまいました。どこかへ出張していたらいいのですが‐‐‐‐‐‐‐‐。



番号 09B-028  送信日 09/02/14  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その65:何が基礎・基本かな?

原です。   

午前中、近所の子どもと母親たちと、第71回「科学クラブ」を終えた。
  「春一番」の飛び込み話題から。
質問; けさ、外へ出たときに、いつもと何か空気がちがう!と気付いた?
反応: ぬれとった、べつにー、晴れてきたー、ぽかぽか。無反応約4割。
  突然、めっちゃ、なまぬるーかった!母さんに言ったら「そうかあー」
  いつもやんちゃなこの坊主を、「おまえ!感度ええぞ!」、皆で拍手。
6年生3人が、日本近辺地図を描き、原が低気圧を書き込むと
「気圧が低いんや」「空気は、どこへ流れるか?」と、かみ合ってきたのは
6年生たち。  1年生・優来ちゃんと来た、妹・保育園児の伊予ちゃん
のアフロヘアーが可愛い。 多種多様な子どもたちの織りなす風景!

  テーマ1 「不思議?なんで! いくつ発見できるかな?」

    水中に入れた竹ぐしの観察から、不思議発見体験をさせる。
  6年生・1年生を必ず含む「グループづくり」を、こどもにまかせて、
  器具分配、注水などを子どもたちが作業して後、5分間観察する。
 グループ討議後、グループ別結果を代表が板書した後、皆で考察。
 浮き上がり・「串が太い」などの屈折現象を、子ども自身の目で体験。
 (使用したのは、冷蔵庫収納トレー6個、炭酸系ペットボトル300ml、
   バーベキュー竹串6本、やかん2個、排水用バケツ1個)

  テーマ2 駄菓子の「おこし」をつくろう!  お母さん講師

   いつもながら、1週間前から試作をくりかえしての本番!
  「無理せんと、パスしてもええんやで」と言うと、「子どもたちの
  喜ぶ顔が好きでやってるんやから、ずーっとやらさして、原おじさん!」
  という母さんは、3ヶ月ほど前から、パート勤務を始めている。
  ご主人が、トヨタ関連の自動車部品工場勤務なので、原が気を
  回した電話会話だが、近所のガキどもとの「科学クラブ」が、生活の
  ハリの一部分にもなっているとは、  とてもうれしい。
    「ごはん」をばらして、3日間自然乾燥して、 「干飯」、をつくり
    サラダ油(170℃)であげて、 「爆裂」  させ、 「砂糖液」
   をややきつね色が狩るまで加熱し、高粘度状態で消火、自然
  冷却途中で「炭酸水素ナトリウム」を添加、少し発泡状態で
  手早く「爆裂干飯」にふりかけ攪拌し、「三態変化・液体→固体」
  を完了、完成、子どもたちの歓声、つまみぐい、叱声!。
 「手洗い!」の合図で、ガキどもは流しに走り、戻ってくれば、
  号令を無しでも1列に整列し、もらえば正座して
        「(命を)いっただきます!」一斉挨拶を待ち、
        後、ニコニコと食す。
   それも、大皿のひとかけらも無くなるまで、「おねだり」しつくす!

その後、子ども全員が、自主・自発行動で、長机・ブルーシートの
片付け作業を、大声出してはしゃぎながら、てきぱきこなす。
    集合・起立した子どもたちと大声で
        「 本日はこれまで、さようなら!」  で散会です。

<本文  続けます。>
3、理科教育の基礎・基本は、何だろうか?
      −その内容と方法、検証法:原実践例ー

 原は、教職の最大の魅力は、人間の歴史の本流への参加である、
と思索してきた。「科学の魅力」を、小脇に抱えて本流に飛び込む
「理科の先生になる夢」は最高だったし、その日々は、幸せだった。
それは、目の前の「生徒の尊厳」に、共にこだわり続けた日々であり、
「友だち・命と、共に学び合い励まし合う生徒たちの、学び風景」だった。

人間の歴史の本流は、弱肉強食の自然界での「生き残りをかけた、
人類の社会性の集団発達」に始まり、現在に至る人類の歴史を、原流の
独断と偏見の歴史観からしても、結局は、「人間の尊厳を希求するための、
社会制度(過程としてその時代の限界を包含しつつ)」を、試行錯誤して
現在の社会が存在している、と原は考えている。

 その歴史を推進してきた本流は、「人間の尊厳を希求する、市民力!」と
考える原は、その「人間の尊厳」を保障された市民割合の社会的拡大こそ
が、人類の歴史の内容変化(社会制度変化)と密接な相関関係がある
事実、その発見感動を、皮肉にも、大好きだった染色工員の労災の現実
から自分自身の体験から覚醒したし、「学校教育の大切」に気付いた。
( 現在の派遣社員は、「資材経費」に計上されいる事実を、放映された
企業経理帳簿の画面に見て、あらためて、ショックを受けた。)

教職は、目の前の生徒一人ひとりに「自己肯定の事実と、友だち・命の
事実」を、結果として残してこそ意味があると、自分に課し続けた。
「絵に描いた餅でなく、腹の膨れる餅を!」の試行錯誤の日々を生徒と。

1)、児童・生徒に対する学校教育は、「きょうの喜び実感授業」による
 生徒人格形成への寄与であり、ひいては人間社会への貢献だろう 。
  それは、「授業の1コマ1コマで、目の前の生徒一人ひとりが、賢くなる
 自分自身を自覚し、自己肯定ができる1コマ1コマの授業を保障する
 事に他なりません。
  これを軽視する教育価値観は、「学習嫌いの生徒」を生み出す源
 であり、教育機能を果たせませんから、無意味です。

・自主編成カリキュラム作成と、マイペース授業づくりの必然性・必要性は、
 目の前の一人ひとりの生徒の現実、「今日の授業」をこなすための
 泥縄授業を始めざるを得なかった、原の手段としてスタートしました。

  教員なりたての養護学校で、就学拒否された障害児の現実は、学力、
 障害種別と重軽度、発達のばらつき、等のすべてが多種多様でした。
  そんな目の前の生徒15人中、教科書が役立つのは5〜6人、3種類
 の手づくりプリントで3レベル別の複複式授業展開にしました。

  その多種多様性を基盤とした「学び合いのコミュニケーション」こそが、
 学習意欲を触発し、学力向上を生徒が実感して、自己肯定できる
 授業として、生徒にとって「居心地のいい教室」になっている事実に、
 気付きました。これは、養護学校生徒に教えられた教育理念です。

  互いの意見発表や質問の交流と、「学び合いの居心地の良さ」を大切
 にしたいので、同一実物教材の授業を多くしました。
      たとえば、「タマネギの科学」の授業展開では、
 どの生徒も、 それぞれの傷害種別や程度によって、それぞれ異なる学習
 観点から学びとって発表し合い、受容し合う「学びのコミュニケーション」が
 自然に進行するので、それぞれに居心地のいい自己肯定実感を生む
 ようで、生徒に好評でした。 
      つづきます。



番号 09B-029  送信日 09/02/16  差出人 川田 秀雄
件名 音波の干渉は疎密線で

皆様
川田です。14日の物理サークルで2点音源の干渉が議論になった。
当日来れなかった人も議論に参加できるように問題と私の見解を添付しました。

問題のポイントは「同位相で出る2点波源の音源がある。2点を結ぶ中点で音は大きくなるか小さくなるか」の議論でした。
(A,Bはイニシャルではありません。)

Aさん:「同位相で音が出ると中点では、山と山が出会い定常波の腹になる。腹は密度変化が無いから音は小さくなる。これは事実に反する。この矛盾を回避するため、2点を結ぶ線上では音源が逆位相の振動と見なす必要がある。そうすれば中点が節、圧力変化最大となり矛盾は無い」手振りで振動の様子を表現。説得力あり。
私:「観測点で音源が同位相になったり、逆位相になったりするのはおかしい」しかし、有効な反論が思いつかず、Aさんの自信たっぷりの迫力に押され、軍門に下る。多くの参加者もAさん支持に傾く。
Bさん:「おかしい」と最後まで納得せず。

 家に帰っても私は「足の裏にこびり付いたご飯粒のように、気持ちが悪い」。考えた結果、得た結論は、音波の干渉は水波(横波と見なす)のように変位の重ねあわせでは駄目だということ。横波は縦方向の動きだから重ね合わせ(代数和)で良いが、音波は縦波だから進行方向と同方向に振動する。従って一般に山と谷(横波表示の山、谷)が出会っても必ずしも0にはならない。押す方向と引く方向のベクトル和になるため変位が残る事が多い(もちろん減衰を無視してもである)。
Aさんの2点を結ぶ線上で変位が逆位相になるという主張は「半分正しい」。が、波源の位相が変わるわけではない。
点音源はカエルの心臓みたいに膨らんだり縮んだりするモノを想定。音さタイプでも通常のスピーカータイプでもない。手振りは不要です。
私の結論:音波の干渉は疎密線で考えるべきである。変位線(山、谷線)で同位相、逆位相は表現しにくい。
お互いに試験問題を作るとき気を付けましょう。

ご意見歓迎です。反論は「個人宛メール」の方がうれしいかな。



番号 09B-030  送信日 09/02/17  差出人 川田 秀雄
件名 音波の干渉 その2

川田です。昨日「音波の干渉は疎密線で考えるべき」という主張を発信しました。

何人かの方からコメントをいただきました。有り難うございました。今日はもう少し整理します。

 なぜ疎密線なのか、といえば、我々は音を密度変化で感ずるからです。鼓膜が圧力変化に応じて音を感じ、変位の変化(山谷)に関係ありません。マイクも疎密の変化で反応します。同じ原理です。

 ところが念のために音波の干渉を(まさか有るとは思わずに)学校で調べてみました。東京書籍と大日本図書の物理Tに山線と谷線の重なりで説明がしてあり驚きました(少なくとも2社。添付資料参照)。 教科書にあればセンター試験に出ても文句は言えません。看過できない問題だと思います。

@水波の場合は(横波とみなす)上下方向の変位です。ですから山と谷が出会うと重ね合わせの原理で振動しない点が現れます。これが節線です。これはOKです。

 ところが音波は縦波です。進行方向に対して押すか引くかの運動をしています。だから添付資料の図2のように山と谷が出会っても打ち消しあって動かない、とは言えません。しかし、これは本質的な問題ではありません。(多分、教科書の筆者がそう思っているのではないだろうか?「水波と同じ」と説明しているので)

Aでは、どこで強め合い、どこで弱め合うのかは、空気の密度変化で考えればなりません。密と密(疎と疎)が出会うところが強くて、疎と密が出会うところが弱めあいます。2社の教科書で言うと「山を密線ー谷を疎線」にすれば、問題ありません。

 例えば、音さの振動は枝方向とそれと垂直方向とで疎密の位相が逆で、対角線上で消音します。あの実験は山と谷が打ち消すのではなく、疎と密で打ち消すのです。

B東京書籍の本は同位相で音が出て、「山と山が出会う場所がよく聞こえる」との説明が有ります。「一般的に言って」、これは間違いです。たとえば、スピーカー2個並べて同時に山の音を出します(これが多分教科書で言う同位相)スピーカーの中点は山同士が出会い、定常波の腹になります。この腹は音が大きいのでしょうか。腹は圧力変化が無く、音は小さくなります。東京書籍の教科書の図ではs1とs2 の中点は山と山が出会い定常波の腹になります。教科書の図も中点で山と山が出会う様にしっかり描いてあります。

定常波の場合、山と谷が出会う節のところが大きい音になります。節は密度変化が大きく鼓膜を押したり引いたりするからです。「密と密、疎と疎が出会うところが大きく聞こえる」のです。

Cそもそも音波の干渉を説明するのに、山とか谷とかの概念がよくない。水波は上か下かではっきりしている。音波は進行方向すべての方向でぴくぴく動くため複雑です。山谷の議論は、せいぜい1次元の時だけ。実体としてはっきりしているのは密と疎です。  

 添付資料の図1を見てください。今、指向性の無い風船スピーカーが膨らみ同心円の密ができました。X方向の負の向きに進む波と正の向きに進む波は、山と谷が「逆位相」で進んでいきます。ですから、s1,s2の中点は山と谷が出会い定常波の節になり、大きく音が聞こえるのです。(中点では、疎密は同位相で出合います。山谷の変位は「逆位相」。念のため)

D縦波の山谷は直線座標の正の方向に変位したのが山、負が谷です。図1で山の線を結ぶとどうなりますか? 周りから空気が入り込んで密になるので、上下、左右の方向で山と谷は点対称になります。球面波は無数の直線座標があるので、山を結んだ波面は描きようが無い(?)。教科書みたいに円になりますか?(疎密の波面は円ですが)教えてください。

 山谷の変位線はせいぜい気柱共鳴(1次元)の説明までにしておかないと、混乱します。

以上、皆さんはどうお考えでしょうか。教科書会社にも聞いてみたい。



番号 09B-031  送信日 09/02/19  差出人 杉本 憲広
件名 Re:音波の干渉 その2

川田さま みなさま

 疎密線とは面白いですね。しかも強めあう場所を間違いなく見つけることができるのがマジックみたいで、これまで変位で苦労してきたことが何だったかという感じですね。しかし、ここあたりの高校物理の流れは重ね合わせの原理からきていますから、“密度の重ね合わせ”というのがネックになると思います。定性的には理解できますが“密度の重ね合わせ”は初めて聞きますからよくわかりません。変位がリニアになっているので密度もリニアになって成り立つような気はしますが・・・。
 教科書の記述ですが、東京書籍の教科書は論外ですね。間違っています。大日本もだめですね。でも、他の教科書は「縦波は波源の近傍では振動の向きがあり単純な重ね合わせではない」ことがわかっていますから注意して扱わないようにしています。したがって、大抵の教科書や問題集は「離れた直線上を歩くと」というようになっていて、山と山、谷と谷が出会うので大きく聞こえるのではなく、|l1−l2|=nλを満たし振動を強めあう点なので大きく聞こえるとしています。それは、定常波の腹になることではなく、この点では強めあった進行波が通過するからです。
 2つのスピーカー間の定常波については疎密波の方が実にすっきり行きそうですが、密度の重ね合わせの問題があります。2つのスピーカー間の定常波の問題は変位の向きが難しいので教科書も問題集も入試問題も避けているように思いますがいかがでしょうか?



番号 09B-032  送信日 09/02/19  差出人 川田 秀雄
件名 Re:音波の干渉 その2

杉本様、皆様
 
川田です。返事、ありがとうございます。
 東京書籍、大日本図書以外の多くの教科書、問題集は波源から離れた位置で問題にし、且つ,山と山の干渉とか山と谷の干渉とは言っていません。(読者が勝手に)密と密、密と疎の干渉と理解すればよいわけです。同位相で出る波は同時刻に密あるいは疎を発生させます(山谷ではない。山谷は方向により異なる)。
 疎密線で考えても、進行波で考えても、(定常波以外)矛盾無く杉本さんの強弱の条件式は成り立ちます。何の問題もありません。 ちなみに杉本さんも著者の一人に加わっている「第一学習社、物理T」(明和高校でも使用)はs1、s2から同位相の音波を出し、となっていて、図にも説明にも山、谷が入っていないので問題ありません。条件式もOKです。
 そういえば、教科書の音波のイラストの多くは、濃淡が施してあり、いかにも疎密の状況を表現しているように見えるのですが、気のせいでしょうか。
 音源を結ぶ線上以外は、山と谷を合成しても変位は0になりません。山谷は直線座標を設定した時、定位置から右にずれるか左にずれるかを示すだけで、音源を結ぶ線上以外では山と谷を合成しても、アサっての変な方向を向いてしまいます(これが水波と違う)。その点、疎密は方向性の無い量です。
 ある微小空間を想定し、そこに逆位相の波が来る場合、一方から密が来て圧縮しょうとしても、他方から疎がきて膨らませようとします。すると、この働きが相殺して密度変化の少ない状態、すなわち音の小さい状態が生まれます。また同位相の波すなわち密と密、疎と疎がくると、その空間の密度変化が激しく、大きな音が聞こえます。圧力(密度)を縦軸に時間を横軸にとれば水波(上下)と同じ様に正弦的に変化することが想像されます。干渉条件も水波と同じです。
 確かに、疎密線は聞きなれない言葉です。変位線(山谷線)に限界がある以上(進行波は良いが、直線上で定常波を作るときは、位相が逆になるとか、無理な理解に苦しむ言い訳が多すぎる。統一的な説明が出来ない表現は避けるべきだと思うのだが。。。。)。疎密線の表現が同位相、逆位相の説明もすっきりし、すべての点の干渉を矛盾無く説明できるので、普遍性のある良い表現だと(勝手に)思っています。いかがでしょう。これは提案です。

 追伸:東京書籍と大日本図書に私の意見を郵送し見解を求めています。返事があればまたお知らせします。(多分、「山谷を用いたのは、水波との関連で生徒に理解しやすい表現にした」との返事が来ると予想しています。)



番号 09B-033  送信日 09/02/23  差出人 山岡 世司郎
件名 共鳴でろうそく消し

 共鳴によるろうそく消しの実験を行いました。

 牛乳瓶の出口付近にろうそくの炎を置き、離れたところからスピーカーを鳴らします。
 低周波発振器の振動数を徐々に変えていくと、炎が揺らぎます。揺らぐところで出力を上げると炎が消えます。(約450Hz付近)
 20〜30cm離れていても消えます。スピーカーは5Wのトランペットスピーカー。

 何度か試していると、ろうそくの燃焼にしたがって短くなる為か、あるいは暖められた空気のせいか、消える振動数が変化します。

 振動数を固定しておいて、一発で消すのは難しい・・・
 毎回ろうそくを新品で、着火してからの時間を固定すれば可能かもしれませんが、そこまで一発にこだわる必要もないかと考えます。



番号 09B-034  送信日 09/02/23  差出人 山岡 世司郎
件名 音波の干渉について

山岡です。
 音波の干渉の説明を疎密波で行うのは賛成なのですが、
 授業での説明の流れを考えると、うまい流れが思いつきません。

 1次元の縦波で疎密ができるのを説明するには、媒質上の各点の
変位について説明せざるを得ません。
 変位のグラフを説明した後、疎密のグラフ(密が+、疎が−、変位の
グラフとは位相がπ/2ずれます。)を導入するとなると、生徒の理解が
混乱するのでは・・・と考えてしまいます。
 反射についても、どちらで説明するのがよいかも迷います。



番号 09B-035  送信日 09/02/24  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その66:ピンぼけたくない、自戒(1)

原です。   ピンボケ教師になりたくなかった、原の自戒(1)。

  COP10;生物多様性・名古屋会議と、教育における・子どもの
多様性保障の授業、何れにも「意義の重要性」において、緊密な関連
と普遍性がある、と考えています。
 また、この数ヶ月の世界の激動の本質と、教育の本質の連動性が
多くの人々や、原にも、鮮明に可視できます。
 「一人ひとりの人間の尊厳を求めてきた人類の歴史と、その潮流の
一滴である、ヒトの子ども:児童・生徒の『人間の尊厳』の確立を
めざしてきた教育の本質」と、
 世界を覆う、「人間の尊厳を否定」する激動の本質が、白日の下に、
暴かれている今は、将に、その歴史の現場に生きとるなあ。
 人類の歴史に、一滴の存在として参加する意義を、実感します。

  学校では、児童・生徒と呼ばれる「ヒトの子どもたち」、 
その一人ひとりの多種多様な活動が、特に、教師を手こずらせ面倒を
かける生徒ほど、「よっしゃあー!」と、原には、心ときめく時でした。
 
  それは、「人間の器の成長」にとって、その必須要素は、何か?
日頃、目の前の生徒の事実から、課題をピックアップする「アンテナ感度」
を、主体的・恒常的に気遣うだけで、「人間の器の成長」にとっての
必須要素に、「階層性があること」に気付いたのでした。
  (まずは、自己実践を、目の前の生徒評価に依拠した考察を、
 日々繰り返し、実践に還流する習慣になったからの、発見でした)

 「階層性」を仮説とした、授業づくり・学級づくりの日々の実践から、
階層の正当性を、生徒が証明する事例の繰り返しは、原にとっての
「教育原理」として実践に定着し、定年退職のその日まで、進化させ 
続ける原動力として、「階層性の教育原理」は、機能し続けました。
      将に、「教育は、科学であり、芸術」でした。
 
 だから、「ガン生還」・職場復帰後に見た、生徒の様変わりに右往左往
して悩みぬく先生方の行動とは離れて、「こんな楽しくない学校へ、生きて
通学し続ける生徒たちは、忍耐強く偉い奴じゃ!」と、思いました。
 クレオパトラ姫・ズボンずりずり野郎・頭髪バリバリツンツン男・廊下ペッタ
ンコ車座集団に声をかけ、掛け合い漫才するうちに、名前も知らない生徒
から、ニコニコと声がかかることが多くなりました。
 勿論、授業は、20年続けた「階層性の教育原理」授業のスタートは、
「クラス全員の一分間スピーチと、一言違わぬ記録メモ取り」に始まり、
一週間・一ヶ月で、私語・遅刻は皆無の授業規律や、毎時に予告した
授業プリントの自発予習などの「自律学習」が、毎年、チャンと定常化し
ました。そんな生徒たちを、同僚には、不思議がる人があったのです。
 クレオパトラ姫や、付け爪キラキラ嬢、各野郎どもも、授業中は真剣に
学習してたから、原は、そんな外見は、何よりもどうでも良かった。
        みんな、本当に真剣に学習するから、まぶしかった!
 その結果は、生徒一人ひとりに、「科学する楽しさと、自己肯定の喜び」
が溢れた「研究記録・研究発表・卒業レポート」として、4年間にわたり
高校・総合理科・自主編成理科カリキュラムの授業で、咲き続けたのです。
 既報の、「授業づくりで変える高校の教室・4理科」の、原レポートは
その一例でした。
  (なぜ、どうして?のレポ発信を、3月に予定し、終わります)
 
  しかし、「さみしい思い」をすることも、度々ありました。
授業実践・学級実践レポート発表機会をいただく度に、「原さんだから
できる、、、、」との、  「だから論」感想が出ることでした。
 これは、児童・生徒と呼ばれる「ヒトの子どもたち」を見捨てる教育観
の露呈だと、原には思えます。ご本人が、これを無自覚であってもです。
 「だから論」の延長上には、教師自身の努力に生徒が応えない現状、
「学習意欲のなさ・学習量不足・低学力・先生にとっての問題行動」を、
生徒の自己責任になすり付ける教職観や、自身の指導へのあきらめが、
読み取れ、見放される生徒の悲しみが思われて、 「さみしい」のです。

一方、うれしい感動事例もありました。
「教育は、科学である」には、他者の追試による再現が、必須です。
レポート発表の1〜2年後には、愛高教組・第2回生活指導実践
交流会「報告集」に、原実践関連のレポート報告がなされました。
* 支部教研で、私のレポ発表を聞いた、F先生のレポート。
    「いまどきの高校生が、
全員立候補制で役を引き受け、自治活動を行い、自主的学習活動を
立ち上げ、入学1年後には3割退学の悪伝統クラスが、一挙に
全員進級!なんて、 あれは、ウソだ!  そんなにうまくいくはずがない!
    だけど、気になる! やってみたい、やってみようか?
自分なりにアレンジ実践したら、『生徒は、必ず立候補してくる。
      まちがいないと、いまなら確信を持って言える。』
* 昨年の秋、工業高校の元同僚・Oさんとの電話
 「定年前、最後の学級担任をやりたくなってね。25年前の原レポート
を引っ張り出し、参考にしながら学級担任やったよ。何とか、全員進級
したよ。ありがとう。」
   大昔の原レポートを保存していてくださって、驚きなのに、
   現役最後の実践の参考資料に、とは。ビックリ!大うれし感激。

だが、「教師の立場」を横に置いて、教育の主役で発達途上人である
「生徒の立場」に自分を置換すると、教育の歪みが鮮明です。
   (相対性理論の「時空の歪み」を連想して、愉快です。)
十年以上続いている、「不登校十万人以上」の子ども一人ひとりと、
その親さんの「未来が見えない心情」に心痛むとき、目の前の子どもに
学び、試行錯誤し、子どもの事実に、検証を積み重ねる教育実践に
よってのみ道は拓かれる、 仲間の実践事実に連帯する実践が大切と
思います。  これでこそ、再現性のある「教育は、科学」 だからです。

 私の場合、「教師にとっての生徒問題行動」は、生徒たち自身に、
連帯した行動を要求する、「教育の仕掛け」を投げ込みました。
 学習行動や生活習慣行動、授業規律などの全ての解決行動を、
生徒個人と生徒集団の、「判断力と行動力」を信頼し抜くことで、
すべて乗り越えることができました。 
     それは、「階層性の教育原理」に基づく、
スタート一週間・1ヵ月で「巡航軌道授業の実践」の継続結果です。

 「生徒たちの底力」を信じることで、「生徒が科学するための教材づくり
や研究の時間を捻出」 できたので、仕事として「大好きな科学する時」
を獲得し、過ごしました。  そんな私に準備室で接し雑談する中で、
「先生、会社辞めて、理科の先生になって、大正解だったね! 私も、
自分の目標の実現に、がんばるよ! 人生は、一回きり!だもんね。」
と、何人もの生徒が、話しかけてくれました。
    生徒と未来を語り合える時間は、原の至福のときでした。

        教室での授業に際しては、
「ひとりは、ひとりが全て!、そのために、授業・学級に何が必要か?」と
発想し、着目し、手段(仕掛け)を考えていました。
 「個を基点に発して、個に収斂・帰結する生徒教育の人間観」は、
わたしの根底教育哲学です。
    「個から発して、個に帰結するまでの過程」において、
多種多様な個の出会いと、互いを受容し合い、個同士のコミュニケー
ションによる接触変性作用で、「人格形成」を受けて、それぞれの個が、
「階層のステップアップ経験」を経て、 遂に、自己肯定を人格化する。
 こうして、  すべての「個の生徒」が、自己肯定を実感するときが、
     生徒にとっての「教育の成立」だし、
先生と言われる、原自身の教職責務遂行と信じていました。
    この過程を、居心地よく保障する社会機能が、
「学校教育・正の優位性」であり、生徒への直接提供役が、原の
「先生仕事」であり、生徒との「大好きな科学のあそび授業」でした。
 
<補足:教育実践における「階層発達」について>

   「人間の器の成長」は、階層発達する事実を発見したのは、既報の
工業高校:土木・建築科、「至難の全員進級達成!」からでした。
 それは、あらゆる学校生活において、多種多様な人間存在の事実を
一人ひとりが自覚する「第一階層」を経て、他者の存在を互いに受容
し合う「第二階層」へ進み、他者とのコミュニケーションの過程を、互いの
共有財産として累積する「第三階層」へと発展する事実なのです。
 換言すると、「友だち・命のコミュニケーションが、階層発展の原因力」
であり、生徒の状況に応じた「教育の仕掛け」を、先生が設定することで、
学級でも教科授業でも、「居心地のいい連帯仲間集団」が生まれるから、
結果として、生徒一人ひとりの自律的学習・自律的行動の支えになっ
ている事実が、生徒から、伝わってきたのでした。
 これでこそ、学校だわさ!  って、ことです。

次回から、最終校・一宮商業高校での実践を、数回発信して終了。



番号 09B-036  送信日 09/02/25  差出人 川田 秀雄
件名 Re:音波の干渉について

山岡様、皆様

川田です。山岡さんが言う「一次元の縦波の説明が混乱するのではないか」とのご指摘は、私もそう思う。気柱共鳴など教科書、問題集などに疎密線は滅多に登場しないから、生徒は何のこっちゃこれは、と思うでしょう。

 そこで提案者の私としては、疎密線で表現するとこうなる、と言う説明責任がありますから「音波の干渉は疎密線で。第3弾」(添付資料参照)を書いてみました。今までの話と一部重複するかもしれません。添付資料の図を参考にお読みください。何かあればお知らせください。

 

 ◎図1のように、疎密波(縦波)がくると媒質は本来の位置からズレます(Δx)。この伝播方向のずれΔxを上下の変位にとれば横波のように表すことができる。これが縦波の横波表示。これは大事な作業ですから、どなたも作図を含めて、やられていると思う。このとき圧力変化(Δp)との関係は押さえておきます。いわれるようにπ/2の差が出ます。

 ◎図2のように、同位相で音が出たとき、山谷がどうなるかを検討。同位相とは小さな風船のような音源が同時に膨らんだり萎んだりする指向性のない理想的なスピーカーを想定します。今、同時に膨らんだ風船が周囲に密な部分(濃く描いた丸)が出来たとします。するとs1,s2から出た音波の山谷は図のようになり「東書物理T」のような同心円にはなりません。波源を結ぶ線上ではむしろ(変位、山谷は)逆位相の波がやって来ます。水波と同じ扱いで強弱の議論をするのであれば、疎密波で考えなければなりません。「密と密、疎と疎が出会うと音は大きくなる」「疎と密で音が小さくなる」にしなければ正しくありません。鼓膜、マイクの構造からΔPを感ずるからです。当然の事ながらs1、s2の中点は山と谷の逆位相の波が出会い、定常波(standing
wave:定在波の意味)の節になります。ですからp点では圧力変化が最大になり、音が大きく聞こえます。(疎密で考えると、P点は密同士、疎同士が出会うので音は大きい、いたってシンプル。山谷の位相が逆になるなど、説明不要です。)

 そもそも、2次元に広がった音波の山波面、谷波面が存在するのか、疑問が残る。どう描けばよいのか困惑します。まして東書の教科書のように円にはならないと思う。。。。

 センター試験に出る前に東書の教科書を検討し直した方がよい。センター出題のあと「問題」にするのは疲れます(もう懲り懲り)。

 ◎図4は、どこかに山谷グラフではなく疎密グラフはないかと、手元の本を調べたら、朝倉書店「したしむ物理工学=振動と波」に出ていた。山谷グラフより疎密グラフのほうが実態をよく表現しているし、使い勝手がよい。山谷は座標の取り方で(観測系により)入れ替わることもある。疎密は観測系によらない物理量。「わが意を得たり」のグラフである。





 ◎次に気柱共鳴(1次元とみなす)を疎密で考える

 先ず閉管部分で反射するとき:ボールの反射のように密なら密の部分がぶつかると、そのまま密が跳ね返ってくる。圧力的には同位相反射すなわち自由端反射とみなすことができる。従って、閉管は圧力的には定常波の腹となる。図は3倍振動の様子を示す。変位で表すと節と腹が入れ替わる。

 開管の場合:実は生徒の質問が集中するのはここ。何で開管なのに音が反射するのか?疑問に思う生徒が多い。

今、密部分が管を進んできたとします。管口で急に外気圧の低い広い世界(極端に言うと、真空へとびだす様なもん)に飛び出すと、反動で疎の部分がうまれ、反射して引き返す。圧力的には見た目は密が疎で反射するから「固定端反射」。基本振動であれば、両端は圧力定常波の節となる。山谷の定常波で言うとこの逆。(もっとうまい説明があれば教えてください)

私の場合、気柱共鳴は教科書どおり教え、圧力は添え物程度に触れる(節が圧力変化最大だけは強調する)。

 余談になるが、10数年前ハンガリーの学会に参加したとき、あるヨーロッパの先生が気柱共鳴の説明で、腹と節を逆にしていた。私は「これは逆だ」と指摘したら、つかさず「pressure!」という返事が来た。よく見たら確かに「pressure」と書いてあり、赤面・納得した次第。

 気柱共鳴をΔxで描くかΔpで描くかは「表現の慣れ」の問題です。これはあくまで1次元の話。2次元以上は疎密波で考えないと間違える。なぜなら縦波の動きは位置ベクトルの方向に押したり引いたりするので、たとえ山と谷が出会って重ね合わせても、振動しない(弱音)ところ、とは必ずしもいえない、と思う。

 皆さんはどうお考えでしょうか。



番号 09B-037  送信日 09/02/28  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その67:級友爆殺準備行動ニュースの衝撃

原です。 臨時に発信させてもらいます。

 「級友爆殺準備行動ニュース」に、原は、「狂気教育の結果の象徴」を
実感しています。

 同じ火薬少年であった原は、白煙航跡を残し、原の心を乗せて青空に
吸い込まれゆく愛機にまたがる興奮で、5年間の毎日を「火薬研究と製造」
に 心を躍らせ、「科学する幸せと、学問への畏敬」をかみしめた少年でした。
 なのに、ニュースで伝えられる限りの情報では、級友爆殺の意図で火薬
作りをしていたといわれる、ここに至った「高1少年の心の軌跡」に、日本の
「狂気の教育の根っこの、犠牲者」を、原は、見ます。
 「人間の尊厳を否定する価値観の横行する世界」が、経済界のみならず、
子ども世界の「競争教育」に対する、検証・評価を曖昧にしつつ流した
教育実践の年月の結果とも思えて、教職に在った者のひとりとして、
「痛恨の念」を覚えます。 

  ヒトの子どもは、全員が「発達途上人」であり、その人たちの健全な発達
を保障する責任と義務は、おとなにこそある!と、原は、信じています。
また、学齢期にあるヒトの子どもたちに負う「責任と義務」は、社会の中の
「家庭と学校」に、多くを負っている「大人の自覚」こそが、子どもを守り育てる
子どもにとって「直接の砦」だと、考えてきました。
 それ故に、教室の「目の前の生徒の一人ひとり」に応えることができる
教育実践を、私の大好きな「科学する教科:理科」で、生徒たちと文字通り
満喫してきました。

 この少年は、「狂気の教育の犠牲者のひとり」です!
10年以上、10万人以上の「不登校の子どもたち」と同じ根源だと、思います。
おとな、とりわけ、先生が考え、いま正しく行動することから、一歩ずつが、いい。



番号 09B-038  送信日 09/02/**  差出人 ** **
件名 ***********