番号 08L-001 送信日 08/12/17 差出人 林 正幸
件名 MOLの会の通信案
こんにちは、林まさです。
この前の日曜に開いたMOLの会の通信案ができました。間違い、追加などありましたら知らせてください。とくに出口さん、うまくまとめ切れていませんので、意見があればメールしてください。1週間ほどでホームページにアップします。
ちなみに次回のMOLの会は次のようです。
3月1日(日) 13:00〜 市立北高校化学室
ではまた。
<通信案>
08.12
事務局 林 正幸
MOLの会通信08−12号
今回は岡田、出口、林まさ、福島、船橋、堀の6名が参加しました。
時間の都合で船橋さんの「リードスイッチモーター」は次回まわしにさせてもらいまし
た。また私(林)は講座プランなどのプリントを忘れたので、次回に配布させてもらいま
す。
立花氷モールド(船橋)
今年の科教協石川大会中に中谷宇吉郎雪の科学館に行き、色々な実験を観察できた。そ
の中に雪の形の氷をつくるモールドがあり、「六花(りっか)氷」という雪柱が六角形に
組み合わさったものを大信製作所から6500円で購入した。
電話:047−392−1316
http://www.taisin-ss.co.jp
氷を上下の型の間に挟むと、見る見る余分な部分が融けて、3cmくらいの六花氷がで
きる。モールドの材質はアルミニウムで、氷を挟む面が伝導で熱を奪い(熱伝導率が高
い)、他の面が放射や対流で熱を放散するためであろう、スピードが速い。
猫の熱中症を避けるアルミ製のシートも似たはたらきかな。しかし他方でアルミのシー
トは遭難者の体を包んだり、冷やしたペットボトルを包んだりする。これは放射される赤
外線などを反射して熱の移動を妨げる効果だ。この違いはアルミシートの厚みかな(厚み
があれば伝導が起こりやすくなる)。
アルコール鉄砲(船橋)
今年の「科学の祭典」で見た、チャッカマンにフィルムケースを付けたアルコール鉄砲
を作ってみた。はじめはうまく行かなかったが、それはチャッカマンの筒の部分から蒸気
が抜けていくためだった。これをホットボンドで封ずる(ケースに膨らんだ風船を被せて
チェックした)とうまくできるようになった。エタノールを2滴ほど入れ、ふたをして手
ですこし暖めて引き金を引くと、かなりの爆発音でふたが飛ぶ。ふたの代わりに紙やラッ
プで試してみたが、密閉性が悪いのだろう、音が小さかった。
アルコール鉄砲は過去にも事例がありますが、この方式は簡単につくれる利点がありま
す。ただし充填されたガスを空にして、あるいは使い終わったものを利用しましょう。
また「科学の祭典」のこのブースでは、硝化綿ロケットも演示していた。これはアルミ
缶の上をくり抜いて紙コップを被せ、側面下に小さい穴を開けて中に入れた硝化綿をすこ
し引き出し、点火するものである。
エーテルがナトリウムと反応?(福島)
アルコールとエーテルの違いをナトリウムとの反応で示そうと、ジエチルエーテルにナ
トリウム片を投入したところ、どんどん水素が発生してしまう。どうしてだろう?
実は有機溶剤の多くは不純物として水を含んでおり、しばしばこれが化学反応の研究の
邪魔をする。そこで予め試薬にナトリウム片を投入して、水を水素と水酸化ナトリウム
(表面の衣になる)にして除くことが行われる(大学時代の体験)。したがってこの処理
をしてから生徒に観察させればよい。
それでは無水硫酸ナトリウムで脱水できないかということで、ろ紙にこの乾燥剤を入れ
てジエチルエーテルをろ過したが、あまり効果はなかった(もっときちんと処理するべき
だったか!)。やはり硫酸ナトリウムの脱水能力はそれほど高くない。なおこの乾燥剤は
相手を選ばないので、多くの有機合成実験や分析に利用されている。
ついでに有機溶剤の処理法に話が移りました。業者に出せればよいが、そうでない場合
にどうするか。貯めておいて紙などに浸ませて燃焼させると、紙に浸ませてさらにポリ袋
に包んで可燃ゴミとして出す、の2例が議論になりました。皆さんはどうしているのでし
ょうか。
芯入り塩橋(林まさ)
濃淡電池に取り組みたいと塩橋をつくってみた。扱いやすいように、クッキングペーパ
ーを芯にした。こうすると持ちやすいし、はさみで切ることもできる。
230×320×50mmのバットに、6×24cmのクッキングペーパーを2つの洗
濯ばさみ(これは針金を通して支える)で挟み、18cmくらいがバットの底に触れるよ
うに、4枚セットする。1mol/L塩化カリウム水溶液100mLを加熱し、沸とうした
ら火を弱めて寒天1gを加えて溶かす。これをバットに流し、冷えたらペーパーを1枚ず
つ引き上げて、トレイに積み重ねる。下面は平滑で上面は凸凹になる。
参考:硝酸アンモニウムでつくると、両面とも凸凹になる。
塩化カリウムや硝酸アンモニウムは陽イオンと陰イオンの移動速度がほぼ等しく、濃淡
電池などにおける「拡散電位」をほぼ打ち消すことができます。
はじめにセロハンの代わりとして、ダニエル型電池を組んでみた。板の上に亜鉛板
(4.5×15cm)を置き、クッキングペーパー(4.5×14cm)1枚を載せて5%
塩化ナトリウム水溶液7mLを浸みこませ、塩橋を被せ、もう1枚ペーパーを載せて飽和
硫酸銅水溶液7mLを浸みこませ、銅板を被せる。これで豆球が光り、同時にモーター
(太陽電池用)もブンブンまわる。セロハンよりかなり性能がアップするようだ。
濃淡電池はうまく行っていないので、ダニエル電池の硫酸銅水溶液の濃度を、飽和、そ
の1/10,1/100に変える実験をやってみた。
亜鉛板と銅板を別に板に置き、前者にはクッキングペーパー(4×13cm はみ出し
て液が浸み出ないように小さい)2枚(濃度変化を押さえるため2枚)を載せて0.1
mol/L硫酸亜鉛水溶液10mLを浸み込ます。別にペーパー2枚3セットを準備し、そ
れぞれの濃度の硫酸銅水溶液10mLを浸み込ませ、さらに半分に切った塩橋3枚を準備
する。そしてペーパーを銅板に載せ塩橋を両方がつながるように被せ、デジタルテスター
で電圧を計測することを2回くり返した。
1回 2回
飽和硫酸銅 1.105[V] 1.103[V]
1/10 1.086 1.078
1/100 1.065 1.055
確かに硫酸銅水溶液の濃度に応じて電圧が下がっているが、理論値である1/10倍で
0.028V減少からはまだ外れている。硫酸亜鉛のペーパーも3セット準備した方がよい
ようである。ちなみに電圧計測中の電流を自作のマイクロアンメーターで計ると0.8μA
ほどで少ない(ブリッジ回路は組んでいない)。
さらに検討を続けるつもりです。
硬水と軟水(岡田)
現在の日本や米国では、水の硬度をカルシウムイオンとマグネシウムイオンの質量を炭
酸カルシウムの質量に換算して、1L当たり1mg溶けていると1度としている。したが
ってその計算式は次のようである。
硬度[mg/L]= Ca2+[mg/L]×2.5 + Mg2+[mg/L]×4
ちなみにこの式ではマグネシウムの原子量を25としている。ちなみにイオンの成分表示
は100mLあたりになっているので、それに×25、×40すればよい。そして
〜100が軟水、100〜300が中硬水、300〜が硬水に分類される。
色々なミネラルウオーターが市販されているので、教材には事欠かないし、身近でもあ
る。
硬度[mg/L] pH
南アルプス天然水 30 6.7
evian 304 7.2
Contrex 1468 7.4
名古屋市の水道 20 ≒7
10W(水溶液の抵抗が大きいのでワット数が小さいものがよい)の電球テスターで調
べると、evian、そしてContrexがより明るく、点灯した。
台所せっけんを加えると、evianとContrexでは白濁してせっけんかす(脂
肪酸のカルシウム塩、マグネシウム塩)ができた(洗浄力が失われる)。これに対して合
成洗剤ではこのようなことは起こらない。
なお水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムは強塩基であり、その炭酸塩などはすこし
塩基性を示す(ただし水のpHは硬度だけでは決まらない)。
ちなみにせっけんは、その原料の油脂に由来するのであろう、特有の香りがある。また
ミネラルウオーターによっては、細菌をフィルターでろ過しているものもある。
有害物質と安全教育(出口)
産廃処理に関わって様々な資格を持ち、講習を受けている出口さんに、有害物質の危険
性の具体例を示しながら、どのように対策を講じ、どのように安全教育をしていくか、新
年の教育論研究会でレポートしてもらおうと意見交換をしてみました。以前にも酸欠と特
定化学物質について話を聞いています(MOLの会通信3−38号)。
労働安全衛生法では一般健康診断に加えて、従事する業務(29種)に応じて特定健康
診断が義務づけられている。教育現場では継続的に危険な業務・作業に携わることは少な
いが、その内容を知っておくことは生徒と教師自身の安全確保にとって有用であろう。
有機溶剤には第1種から第3種まであり、次のように高校などでよく使われるものが含
まれる。
第1種(7種)
クロロホルム、二硫化炭素
第2種(40種)
アセトン、イソプロピルアルコール、エチルエーテル、クレゾール、酢酸エチル
ノルマルヘキサン、メタノール
第3種(7種)
石油ベンジン
なお労働安全衛生法は労働者を守ることが目的なので、環境問題を考える場合は別の視
点も必要になる。
現場の安全教育に係わって、実際的な知識があまりに不足しており、高校などにおける
化学教育の問題を感じる。大学でも機器分析が主流で、原理が分かっていないのではない
か。
ファイアボール(船橋)
かまぼこ板ほどの木綿の布を丸め、同じく木綿糸で巻いて直径2cmほどのボールにし、
予め水を浸み込ませておく。ベンジンを掛けて手のひらに載せ、点火すると炎を上げて燃
え上がるが、平気である。2つ点火してお手玉もできる。インターネットで調べた情報を
元にしたが、水を浸み込ませるとは書いてなくて、始めは火傷をしてしまった。
ちなみに「指マッチ」を知らないメンバーも居たので、紹介しました。ロウソクを2本
立て、ひとつのろうそくに点火しておく。指を水で濡らし、アセトンを付けて炎に近づけ
ると燃え上がるので、これでもうひとつのろうそくに点火する。アセトンの代わりにベン
ジンを使うこともある。
どちらも、熱は対流で上に向かうこと、水の蒸発熱が温度の上昇を抑えることがポイン
トであると思われます。ただしこの実験は火傷の危険性がありますので、経験者の助言の
下で行ってください。
<以上>
番号 08L-002 送信日 08/12/20 差出人 船橋 隆久
件名 H8発振器メニュー(EHC)
船橋です。
一宮EHCの補習(大型LED表示器の製作)お疲れ様でした。今年最後の一宮EHCでした。今日参加された皆さんは、完成の目途もほぼたったことと思います。そして難解なH8を、この1年間分かりやすく教えていただいた田中先生に心から感謝します。ありがとうございました。来年はいよいよ計測カードの製作に入るとのこと、今からワクワクと子どものように胸弾む思いと楽しみでいっぱいです。よろしくお願いします。
私も「夏休み・H8 C言語学習会」に参加したひとりとして、田中先生からの宿題にまじめに取り組むことができました。こんなに宿題に熱中したのは高校3年生の受験以来で、楽しいことだったらまだまだ頑張れるんだな、という思いでいます。
今日のH8補習で紹介した「hassinkimenu2」のソースプログラム「hassinkimenu2.c」と、H8転送用実行プログラ「hassinkimenu2.mot」をzipファイル「hassinkimenu2.zip」にして添付ファイルで送ります。ご利用いただければ幸いです。
ではまた。
番号 08L-003 送信日 08/12/27 差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その61:レポート教材の魅力
原です。
「レポートは、自分自身の全表現だよ!」 原の重要な指導法です。
実験・観察・自由提出レポートなど、学び合い教材の大黒柱のひとつ
として、「自分らしい独創性が、レポートの命だよ」と、指導していました。
なぜなら、多種多様な生徒ひとりひとりの全員が、「自分らしく、がいい」と
互いに受容し合い支え合う教室環境基盤が、「自分の居場所である
授業実感」保障に必須だからです。
また、「再現性のある具体的内容(文章・図解・写真など)で、友だちが
やりたくなっちゃうレポートがいいレポートだね。」と、指導していました。
独創性あるレポートは、どんどんプリントして、他のクラスにも配布して、学び
合いの輪の連鎖的拡大を図り、「読んだよ!」とクラスを越えた生徒同士の
反響を多く見聞しました。これも効果的指導法なので、退職まで15年以上
続いてました。手間ひまかからず、生徒同士に好評ですからね。
一人ひとりの生徒が精魂込めた独創性あるレポートは、友だちの多様な
視点・感性の存在に気付くきっかけとなり、その感動を生徒たち一人ひとり
に伝え合って、授業で互いに尊敬し合い、生きる元気を惹きだします。
自己肯定には、他者の受容や他者への畏敬の念との出会いが必須です。
この点からも、学び合いのコミュニケーションを、教育システムとして意図的に
組み込む、「教育の仕掛けづくり」が求められるのです。
こういうレポートづくりに、生徒は夢中になりましたから、理科教育における
「学びのコミュニケーション教材」として、「レポート交流による学び活動の
継続」は、生徒の学習意欲向上と自律学習習慣形成と継続に効果的と
思われました。また、「学校の正の優位性」の一面でもあります。
これが、原のレポートによる学び合いコミュニケーション授業観です。
子ども一人ひとりが自己肯定感が実感できる授業や学級を準備すること
が、目の前の生徒に対する教師の仕事だと、私は焦点を定めてきました。
それなりの仕事を生徒さんたちにできたかな、 と自己評価できるかな、 と
思うキーポイントは、「全ての生徒の”ヒトの子どもの本性:好奇心と学び
大好き、友だち・命”に依拠した指導法である、人格交流教育です。」
ずうーと続いている、日本の学校教育に対する不適応現象としての
子どもたちの悲鳴の本質の多くが、子ども本人の持つ「ヒトの子どもの本性」
を否定し続けている現実への抗議の悲鳴なのです。
そのチェンジの可能性の多くの部分は、現場教師の視点のチェンジによる
教育実践にかかっているなあ、そして、子どもも先生もいい日へと。
(勿論、教育行政権力の、無定見・横暴など知りつつものことですが)
次回から、「週2時間・2コマ理科授業で、基礎・基本の理科を楽しく」予定
番号 08L-004 送信日 08/12/30 差出人 船橋 隆久
件名 一宮EHCのみなさんへ
おはようございます、船橋です。
EHC事務局会議(21日・林ラボにて)の打ち合わせで、来年1年間のEHCの予定が検討されました。個別の予定に関しては、事務局を担当していただいている岡田先生から後日連絡があるかと思いますが、その中の一つとしてH8UMCSに載せる「容量計カードの製作」が企画されました。会場の都合等で変更の可能性もありますが、とりあえず来年5月16日(土)を予定しています。
「容量計カード」の試作品はすでにできあがっており、冬休みに入ってそれに接続する「平行板コンデンサー」の試作を行っています。この測定ボードは10pFまで1%程度の誤差で測定できるため、2枚の平行なアルミ板の重なり合う「面積と容量の関係」を定量的に測定できます。そのためには2枚のアルミ板をいかに平行(距離一定)を保って動かすかが大切になります。
9月20日、28日に作った「大型LED表示器の製作」でアルミケースの蓋を外し、茶色のアクリル板をとりつけましたが、その時不要になったアルミ板が手元に残っていると思います。「平行板コンデンサー」には2枚のアルミ板が必要ですが、1枚をその不要になったアルミ板を使って試作したところ、とても好都合であることが分かりました。2枚お持ちの方は予備として2枚とも保管をお願いします。すでに捨ててしまって手元にない方は、船橋までお知らせください。その時は2枚お持ちの方から譲ってもらうことになります。よろしくお願いします。
今年もあと2日で終わろうとしています。この1年間愛知科学教育ネット(akkn)を通して多くの情報交換ができ、そして多くのことを学ぶことができました。来年も皆様にとってすばらしい1年になることを心から願っております。来年もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
番号 08L-005 送信日 08/12/** 差出人 ** **
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番号 08L-006 送信日 08/12/** 差出人 ** **
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番号 08L-007 送信日 08/12/** 差出人 ** **
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番号 08L-008 送信日 08/12/** 差出人 ** **
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番号 08L-009 送信日 08/12/** 差出人 ** **
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番号 08L-010 送信日 08/12/** 差出人 ** **
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番号 08L-011 送信日 08/12/** 差出人 ** **
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番号 08L-012 送信日 08/12/** 差出人 ** **
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番号 08L-013 送信日 08/11/** 差出人 ** **
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