番号 08H-001  送信日 08/08/02  差出人 近藤 直門
件名 Re:春日井納涼祭りの花火

私が撮影した知多町東漸寺裏の新木津用水の橋は、落合池の打ち上げ地点から5455mあります。この距離だと音が伝わるのに15秒くらいはかかります。15秒間前の映像と音を頭の中で同期させるのはかなり難しそうです。映像とと音声が分離できれば、ビデオ編集のアプリケーションで音声のトラックを何秒ずらしたところで映像と音声が同期するかで、音の到達時間を求めれそうです。
Macに付属しているiMovieで、映像と音声を分離できましたのでやってみました。でもやはり音があまりにもかすかなのと、周りの声は花火の光と同期していて、こちらの方が大きく入っているのでなかなかうまくポイントを見いだせませんでした。
もっと近くの音の大きく入るところで撮影した方がよさそうですね。もっとも近づけば近づくほど花火の炸裂高度が距離に大きく影響してくるかもしれませんが。
花火大会を近くまでいってみたことがあまりないのですが、花火の音は打ち上げ時と炸裂時と2回あるのでしょうか?
なかなか簡単にはいきませんね。
今日、豊橋の帰りに、蒲郡ラグーナと御油の花火大会に遭遇しました。デジカメの動画でとってみました。春日井のよりは音も入ったと思うのですが。これからパソコンに取り込んでみてみます。
結果はまた後で。。。。



番号 08H-002  送信日 08/08/03  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その42:生徒本位の授業を

原です。  「理科授業の仕掛け:自律学習システム」
        
   
   「ヒト(生徒)の本質: 好奇心いっぱい・学び大好き!」を、生徒一人 ひとりに実現する
 授業実践を、生徒の検証に試行錯誤しつつ、続けました。
    それは、自分が生徒だったら、参加したい授業でもあったのです。    
  
  その結果は、「理科授業の仕掛けシステム」進行につれて、生徒同士が居残り学習し合い、
 生徒一人ひとりが必要な予習をしてきて授業に臨むなどの、現象変化として現れました。
 「学習意欲が無い生徒たち!」と、同僚が愚痴をこぼす同じ生徒たちですから、不思議です。
 津島北高校で、一宮商業高校でも、転任数年後には、「原先生の授業が楽しいと多くの生徒
 が話すので、参観させてもらっていいですか?」と、他教科の先生、ときにはAETからも。
 「勿論じゃあ、いつでもどうぞ。一緒にワッショイ,学習あそびしましょ。」  授業参加
 を楽しんでくださった先生たちと、理科準備室で「今どきの生徒気質」を、談話しました。

  私の「生徒本位の授業づくり」の基底に、下記の信念:「二つの価値観」があります。
  1、「人間の尊厳」を希求する授業、「私と生徒の共通性・普遍性の存在認識」が、

    「原の教育実践」へと私を駆り立て、生徒たちの本心が導き創った授業でした。

  2、本来の授業・学級づくりは、「自分で考え、他人と交流する、自立した人間を育てる」
   仕事である,と私は思います。
    この対局にある日本で盛んな競争教育は、「自分で考える事を停止させ、指示待ち    
   人間に誘導する『人間ドロボー教育』」であり、ファシズム社会を招来する教育である」、
   と私は思います。
 
  「二つの価値観」形成経過は、以下の概要ではありますが、個人の特殊性に留まらない
  社会的普遍性があると思うが故に、記述します。
 
  1、染色工員時代の労災事故は、「自分の存在が、一度っきりの『人間の尊厳』を生きる
   人生の途上にある実感」と、18才の私に「これからを、どう生きるか?」迫りました。
  1)、「憧れの理科の先生」を実現した養護学校・新米教師の私に、過酷な運命に加えて、
   「就学猶予(拒否)制度の押し付け」という、信じ難く許されない権力乱用によって、
  「生徒1人ひとりの人間の尊厳」を蹂躙している現実が、私との共通性を実感させた故に、
   「教室でこそ、生徒一人ひとりの『人間の尊厳』を実現する授業づくり」を目指した。
  2)、「荒れる工業高校」では、人間を育てる教育を真っ向から否定した権力による
  「学校多様化路線の本質」が、学校学力偏差値による差別・選別体制を使って、生徒1人
  ひとりの「人間の尊厳」を紙くずの如く捨て去り蹂躙する事で、「1割のエリート、2割の
  管理層、7割の作業層を、学校教育によって産業界へ人材供給する狙いである。」故に、
  その結果として、子どもたちの「自尊心」を破壊し、日本中の子どもたちに理不尽な劣等感
  や優越感と焦燥感を発生させた。この事実を、目の前の荒れる工業高校生に認識したが故に、 
  「教室でこそ、『人間の尊厳』実現を:自己肯定実感の学級・授業づくり」を目指した。
  3)、ほぼ10年毎に改定し、教科書づくりに法的強制力を行使する「学習指導要領」は、
  子どもたち一人ひとりの「人生の自立力」を、教育保障するものであるとは、私は到底認め
  られませんでした。何よりも、「目の前の生徒一人ひとりの生徒」から乖離した権力の理念、
  教育現場の検証を経ない改訂手順の非公開・密室性など、容認し難い。 科学教育の内容でも、
  「進化、イオン」を教えないなど信じ難いお粗末を、法的強制力行使で科学教育を破壊した。
 
   だから、現場教師として、「目の前の生徒一人ひとりの生徒」が自己肯定感を実感する授業
  の過程により、「自分の課題を、自分で考え、他者との人格交流をし、自他の尊厳を共感し合う
  体験を累積することから、自立して自分の人生を生きてゆく『自信と希望』を獲得して欲しい」
  と、生徒一人ひとりへの祈りを込めた「自己肯定感を実感する授業づくり」を、続けたのです。

     腐りかけのミカンを箱から捨て去る如く、生徒をひとりでも、授業から見捨てるときは、
   教育の自殺です。
    それが、36年間授業実践を、「自主編成、手づくりプリント教材、学び合い学習」に徹し
   続けた理由です。

  2、「人間ドロボー教育」は、教育に非ず!
     生徒自身の考え・判断・行動を育てるを排し、「他人の指示待ち人間」をつくるから、
   戦争・ファシズム社会への精神操作の危険が大きく、民主社会の形成者を育て難い競争教育です。
     だから、「何が価値あるのか? 無いのか?」それを、自分で考え他人と交流して、社会
      の形成者として「自立した人間」を育てる社会的機能を果たす責務を、(時の権力ではなくて)
   国民 から付託されているのが学校教育だ、と私は考えて教育実践してきた。
   
      フィンランドの高校生が、「学習するのに、どうして競争が必要なのですか?」と、日本の
   テレビ取材に逆質問していた場面を、よく思い出す。今年6月4日、朝日か日経?「文化」欄
   に、「森と湖の国 教育の深みーフィンランドの『考えさせる』授業に魅せられてー」北川氏
   の記事の冒頭、「「ミクシ?」(どうして?) フィンランドの学校で一番よく聞く言葉だ。」
   で始まる記事が、興味深かった。

    1940年生まれの私は、幼少時を戦火に怯え逃げ惑い、生家を焼失し、B29爆撃直後に
   転がる焼死者の脇を 軍需工場内の保育所から逃げ帰り、見知らぬ土地での寒くひもじい疎開
   生活をして、真夏8月15日敗戦日が、疎開先の山なみの、青空の静かなだったことを、
   まだ5歳半の子どもだったのに鮮明に覚えている。    
    敗戦後の貧乏と飢餓の日々は、筆舌で他者に伝えることは不可能ですが、直接経験者として、
   折々の授業中に、戦中戦後の子どもや親の、生活苦の話をしながら、「ご両親や、じいちゃん
   ばあちゃんは、こんな思いを込めて、君たちの学校の毎日を見守ってくださってる からな。
   口に出さずともな。」と話を生徒に振ったりした。いつも以上に真剣な眼差しで耳を傾けた生徒
   たちでした。また、1学期最後の授業では、「8月15日は、『敗戦の日』だから、毎年、新聞・
   テレビの特集を見て、自分だったら、、、、と考える日にしような。」と、話し続けました。

     
    「理科授業の仕掛け;自律学習システム」の概要

          
         原の授業の最大の特徴は、全授業に「生徒間の学び合い交流」をシステム展開する点です。
      1、自主編成・作成した「授業プリント」のねらい
       1) 科学する楽しさを、生徒みんなに経験させたい。それを保障するためです。
         理科教育で、必須的根幹価値のある「教える内容・学ぶ内容」は、何だろうか?
         それを、「科学大好きな自分の科学観」と、何よりも「目の前の生徒の実態」から
         考察し、到達目標を定め、展開過程を構想しました
         授業は、「目の前の生徒」に密着してこそです。
       2) 各分野の到達目標と展開(おいおいレポートします)
         1)生物 2)化学 3)物理 4)地学
      2、「授業展開システム」のねらいは、生徒1人ひとりの「学力と人格発達統合」です。
       1)学校の優位性を活用します。
         生徒一人ひとりの学力獲得と人格形成を保障する授業展開の必須要所は、
         「生徒個人のつまづきを、生徒共通の『学びの要所』とする共有財産」ととらえ
         て受容し合い、生徒個人の正解は、互いの拍手による『具体的称賛』をする。
       2)学校の優位性を活用した、
         生徒輪番制の「授業記録」と、生徒1人ひとりの自由発想による
        「学びのコミュニケーション・システム」効果は、絶大かつ授業必須アイテムです。
      3、生徒の日常が、「楽しい科学でいっぱい!」に、気付かせる誘惑法
       わが身に引き寄せる科学学習の展開法のいろいろ
       1)、朝刊記事にある科学記事プリント配布と、一口問答
       2)、参加義務の無い、「身近な科学」応募参加のよびかけと、
                      応募レポートの印刷配布、評価点加算システム

  基礎学力ベースに、自律・自発学習習慣への「理科授業の仕掛け」)へ、つづき



番号 08H-003  送信日 08/08/07  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その43:科学する感動を授業に

原です。   「理科授業の仕掛け」


     原の授業の最大の特徴は、全授業に「生徒同士の学び合い交流」を展開した点です。
生徒は自己肯定実感授業を毎時限累積するからか、落ちこぼし生徒ゼロでした。


        「授業づくりの順序」          
   1、「到達目標」を見定め、  2、目標への「授業課程」と、「教材の環」を考察してから、
             3、「教材準備」にはいりました。
     
   1、「到達目標」
    1) 科学する感動・豊かさ・学問知を、のんびり・ゆったり・確実に、生徒全員に実感させたい。
          それには、学校でこそ可能な「友だち・命」の学び合い経験の累積によって、
     「自己肯定感を実感する授業;友だちも、自分もなかなかええぞ!」を、実現した授業です。

     これこそが、「日本の競争教育」で、不当に歪められた「生徒一人ひとりの自尊心」を回復させ、
     「本来の学びの価値」を覚醒させるが故に、「学習意欲が無い生徒たち!」と同僚が嘆く
     同じ今どきの生徒たちが、授業プリントの予習や実験準備をして、理科室や教室で、始業
     チャイム以前に着席・待機している光景を生む。この光景を、不思議がる同僚も居た。
      しかし、本来のヒトの子どもの本質:「好奇心いっぱい・知りたがり屋・やりたがり屋、そして、
     何よりも賢くなりたい自分」が実現できる授業を実感しているからの、本来当たり前の光景
     だったのに、それが不思議に映るほど、今の学校が異常なのです。その異常さに気付かない
     先生もいるようですから、「学校の実態」は、子どもたちにとってエライ事態だと、私は思う。 

    2) <このやり方なら、絶対授業で実現できる! その確信がありました。> 先生ならどうする?
    「青い鳥」は、遠い山のそのまた向こう(学術論文・学習指導要領)には無い、自分自身に居た。

      「科学する感動・豊かさ・学問知のすばらしさ」が、少年時代の私を、朝目覚めて夜の眠りに
    就くまでのすべての時間、私の心を包み込み虜にしていました。
     この「科学する魅力・魔力」を、授業にすればいいし、それを具体化する理科授業づくりでした。
 
      しかし、敗戦後のインフレ極貧・飢餓生活を、国連ユニセフの「脱脂乳給食のブリキ・バケツの底
    の残滓までいただいて、幸せを覚えた」小学生の新聞少年時代、坊ちゃんが行く大学進学用・普通
    高校は無縁だからと担任のすすめを断り、すすめられた愛知工業高校は、交通費が高過ぎたから
    一宮の自宅と愛工間を、往復約40km、100分の自転車通学と学資金のための染色工場アル
    バイトを3年間続けた工業高校生時代、これが私の現実の時間でもありました。


      それでも、働きづめの現実の時間と共存する「科学する魅力・魔力を楽しむ時間」を、創出して
    いたのです。        (おもろい・愉快な、子どもだったんだなあと、我ながら想ってしまう。)
      なぜ? それが、本来のヒトの子どもの本質だからとしか、考えられません。子どもの底力です。
     「好奇心いっぱい・知りたがり屋・やりたがり屋、そして、 何よりも賢くなりたい自分」と、
    「科学する魅力・魔力に夢中になる子どもの本質」、両者は、ヒトの子どもの「本能」に思えます。     
     「本来の子どもが、遺伝的に受け継いできた本能」が、「発現する授業仕掛け」が、理科授業の
    必須であると考察し授業実践した正当性を、生徒たちが、原の授業で実証し続けたのです。
               
         この両者は、多くの理科の先生方にも共通する原点だと思いますが、いかがでしょうか?
    
    
   3)「科学する感動・豊かさ・学問知のすばらしさ」について、私自身の具体例を記述します。
         (これらの感動経験が、授業づくりと、授業展開に大きく反映しましたから。)

    ァ、「ライトプレーン・A(模型飛行機)」との出会いは、毎日働く新聞配達コースの「旧練兵場・跡地」
     で、「坊や、飛ばしてみるかい?」と声かけして、ブルルンと青空に吸い込まれるプレーンの感動をくだ
     さった「ヒコーキおじさん」から始まりました。小学5年生でした。キットは、高価なので素材(竹ひご、
     桐板、ガンピ紙)を、愛用の工具:「肥後の守(ナイフ)、片刃かみそり、糸きりハサミ」で加工・整形
     をひとつずつ完成しながら、全部品が揃うまで、自作の学習机兼格納庫(リンゴ箱に2段の棚)に
     ひとつずつ格納しながら、完成部品数が増えるのをドキドキしながら楽しみつつ、約2ヶ月に1機の
     完成機でした。
       初完成機のテスト飛行は、早朝の無風時に学校の校庭でした。       はじめは、地上
     滑走をさせていましたが、意を決して「手投げ飛行」をすることにしました。点検・確認作業に移り、
     主翼前縁3分の1に重心位置を、人差し指上に機体を乗せて確認、次いで、左右の主翼の
     ねじれと上反角、水平尾翼、垂直尾翼と点検を加えつつ進めました。いよいよプロペラを回して、
     ゴム束にねじれを加え、ねじれ限界の7割ほどで止め、両足を開いて構えをとり、約20度上向き
     「手投げ飛行体勢」で、私の心臓はパクパクでした。初飛行ぶりは、鈍重で、墜落こそしなかったが、
     高度2m、飛行距離約30mでした。着地した愛機に駆け寄りながら、天にも昇る夢心地でした。
       しかし、目標は、「ヒコーキおじさんたち」が飛ばす高度30m、滞空時間30秒以上の高性能機
     です。図書館で、「飛行機関連本」を片っ端から探しページをめくりますが、何しろ数式が多い本物
     飛行機の専門書ばかりです。それでも、飛行機図面や、ベクトル図を見ていると、力を受ける向きと
     飛行姿勢の関係や、物体の形状と気流の関係が理解できるようになってきてうれしくなりました。

      新聞少年と機体製作を続けながら、図書館通いを続けるうちに、遂に、「模型飛行機の理論書」 
     に出合いました。工学博士が書いた本ぐらいにしか覚えていませんが、「流体力学と模型飛行機」に
     ついて、私の知りたかった疑問が氷解してゆくを覚えた、感動の本でした。マグナス効果・ベルヌーイの
     定理・層流と乱流・飛行姿勢とモーメントなど、実際に製作し飛行させながら感じていた課題場面と
     が見事にドッキングして、課題解決要所が視覚化してくる!のです。それを機体改良工作に適用する
     と明らかに飛行性能アップが現れるので、「すごいなあ!」と、工学博士を尊敬した小学6年生でした。
     今思い当たるのは、きっと日本航空界の重鎮学者・日大教授の木村 秀政博士(人力飛行機の
     飛行に日本で初成功させた)の著書です。(77年・電波実験社刊、「模型飛行機ー理論と実際ー」
     日大教授 森 照茂著・木村 秀政校閲 を購入したが、見覚えのある内容が多かった。37歳。)
      そして、「ヒコーキおじさん」との出会いから約1年後の秋、「旧練兵場・跡地」で開催された市民
     模型飛行機大会・滞空部門に、最新の愛機(6号機)で参加。滞空記録48秒(高度約50m)
     で3位入賞して、会長の「ヒコーキおじさん」から、高価な「ゴム束」を賞品にいただいたのでした。、
     68歳の今も、ときには、「ライトプレーン」をつくり、飛ばします。

       本来の子どもは、夢中になるものに出合うチャンスと、「ヒトの本質」の発揮を妨害しなければ、
      自発・自律的行動で成長発達するベクトルを持っているのですね。  この事実を、授業実践に。

          「科学する感動・豊かさ・学問知のすばらしさ」ー火薬ロケットー  つづきます。



番号 08H-004  送信日 08/08/10  差出人 田中 英二
件名 超音波のうなり

おはようございます。田中です。
科教協石川大会からかえってほぼ1週間たちました。私の「超音波のうなり」の発表のとき、岐阜の石川さんが質問したことを考えていました。(愛知の林ひろさんにも同じことを聞かれました。)
質問の内容は、「超音波のように、耳に聞こえない音のうなりの場合、鉱石ラジオの検波と同じように、交流成分の下をカットしないと聞こえないのではないか。もしくは、下と上が非対称になっているために聞こえるのではないか。それは、耳の機能で起こるか、装置のために起こるかは不明だが・・・」こんな趣旨だったと記憶しています。
 昨日、船橋さんと実験してみました。コンデンサーマイクのコンデンサーのつぎに、ダイオードをいれて、交流分の下を落としてみました。すると、音が大きく鳴りました。いわゆる検波を行ったわけです。はっきりと大きくなりました。オシロでも確認して、確かに交流分の下が切れていました。ゆえに、林ひろさんや石川さんの指摘が正しかったのです。ゆえに、超音波のうなりをコンデンサーマイクで拾う場合は、ダイオードで検波するのがよいことが分かりました。
林ひろさん的確な指摘ありがとうございました。



番号 08H-005  送信日 08/08/12  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その44:科学する感動を授業に

原です。   「理科授業の仕掛け」
 もうすぐ、8月15日「敗戦の日」です。  2度と戦争しない国は、自分で考え他人と
   話し合い、自分で判断し行動する「自立した社会人が創る国」だと、若い頃、考えました。
   私の人生の価値・意義を、人間の尊厳を守る社会潮流の一員として、大好きだった科学
   と統合する「理科教員への夢」へ思いを馳せた、労災事故入院中の8月15日でした。

     原の授業の最大の特徴は、全授業に「生徒同士の学び合い交流」を展開した点です。

 気にかかっていた「中3少女の父親殺しの動機」が、報道によれば「成績が下がったのを
    父親・家族に知られたくないから、、、、、」と、言ったという。

     まず、14歳の子どもの「生きる価値観」が、こんなにも貧しく育てた「大人社会の反映」
    を見た思いがします。
      直接的には、子どもの生活時間と心の在りようの多くを支配する「学校の時間」が、
「競争教育の一現象;学校学力至上価値」として、子どもの多種多様な可能性と多様な
   価値観形成を奪っている現状を告発しているという、氷山の一角に、私には思える。 
    同様例に、学校基本調査結果が、「不登校、2年連続増。中学生は34人に1人」(08、   
   8,8、朝日報道)は、 上記少女との共通心理背景が、目の前の子どもたちに覆いかぶさって
   いるのが、学校の現状 だと、厳しく認識するを大人に訴えている調査結果と、私は考察します。
     MLの中学校の先生方に、応援エールを送ります。

      私の場合、現職中に上記競争教育の弊害を認識したが故の教育実践を、「学級づくり」、
   「授業づくり」において、私なりの創意・工夫を重ねたのです。例えば、「生徒同士の交流を
   軸に展開する自己肯定実感の累積効果によって、生徒一人ひとりの自律・自発的な学習
   習慣・生活習慣が継続できる授業づくり(現在、発信中)や、学級づくり」が、それです。
    また、テスト後の保護者会の対応。 「子どもさんの成績順位に、一喜一憂する、けち臭い
   親御さんになりゃあすな。40人クラスでは、テスト点数で順位を付けたら、1番から40番まで
   順位が付くのは、あったりまえ。それが社会人になってなんぼの価値があるもんじゃ。過大評価
   せんようにしましょ。きょう帰ったら、社会人で働いておられるお父さんと、今の話、してごらんよ。
   お父さんは、「社会人の実力が、物言うんじゃ」って、仰るじゃろうて。順位を知りたい親御さん
   は、希望者の個別面談するから、そこで。    大切なのは、生意気盛りで親の言う事は聞
   かせんし、色気づいてきて気になるし、他所は月の小遣いなんぼやろ、とかお互いこの機会に
   ざっくばらんに、親同士の情報交換会やった方が、有意義でっせ。  成績のことは、子どもたち
   と学校の先生たちに任せときなさい。 どないしますか? 司会は、わしがやりますが、次からは、
   親御さんの方でやってもらってもええし。(勿論、いつも保護者の情報交歓会となった。最後の
   学級担任クラスは、子どもたちそっちのけの交歓会が5年間も 継続した。)」


    生徒には勿論のこと、保護者に対しても、「自立した社会人として人生を生きるうえで、多種
   多様な価値観の存在認識の重要性と、その選択眼を持った人間として、在校中での学びの
   大切さ」を、共感・共有しあう関係づくりに留意し続けたのです。  正解だったようです。
    「多様性の価値」は、普遍性の非常に高いものです。 人種多様な社会の活力、COP10の
   生物多様性保全の世界潮流、ヒトの持つ多種多様な可能性などいくらでもある。それが、競争
   教育なんて、「葦の髄から、空を見る」が如き、モノトーンの世界に血道をあげるなんて尋常では
   無いし、最大の犠牲者は常に、未来を生きる子どもたち一人ひとりの理不尽とは、残酷です。

 
   
        「授業づくりの順序」          
   1、「到達目標」を見定め、  2、目標への「授業課程」と、「教材の環」を考察してから、
             3、「教材準備」にはいりました。
     
   1、「到達目標」と、理科授業づくり
    1) 「科学する感動・豊かさ・学問知」を、のんびり・ゆったり・確実に、生徒全員に実感させたい。
     2) 少年時代の私の心を、虜にしていた「科学する魅力・魔力」を、具体化する理科授業づくりでした。
。   3) 「好奇心いっぱい・知りたがり屋・やりたがり屋、そして、 何よりも賢くなりたい自分」と、
      「科学する魅力・魔力に夢中になる子どもの本質」、両者は、ヒトの子どもの「本能」である認識が大切。
      理科の先生としては、自分自身の子ども時代の「科学する感動」の再発見が、スタート・ポイントでしょう。

 4)「科学する感動・豊かさ・学問知のすばらしさ」について、私自身の具体例を記述します。
         (これらの感動経験が、授業づくりと、授業展開に大きく反映しましたから。)
     ァ、「ライトプレーン・A」との出合いは、前回に記述しました。

 イ、「火薬ロケット」との出合いが、人生の難局で羅針盤的底力:「科学する感動・豊かさ・学問知」を磐石にして、
                 教職への道を開拓してくれました。
     敗戦後の「貧しさ、飢え」故に、屑拾い・共同井戸の水汲み・内職・物売り、そして、3年間の新聞少年と
   「働きづめの子ども時代」は、今となってみれば、人生の本道を、自分の五感で心豊かに体感し、自分自身へ
   の誇りを実感し、学問への尊敬の念と憧れを覚えた、「人生の基礎づくり」として大きな意義ある時空でした。
    姫路市での困窮生活に決別して、わが一家が愛知・一宮に新しい職を得て転住するや、私が働かなくても
   家族の食・住(社宅)が成り立ち、24時間、普通の中学2年生を満喫できる「夢の中学生活」が、始まりまし
   た。それは、それまでの、「心は、科学魔力の虜」のみならず、1日24時間・科学三昧少年の身分が保障された
   中学生活を意味しています。  小遣いも、月額300円。  一宮市内に「模型飛行機店」も見つけ出し、
   薬品以外なら、少年の科学あそびに必要な物品は、何でも揃いましたから「いりびたり少年」となりました。
   (今では、尾張地区最大の「模型フアンの店」となり、オーナーは教え子。チョッと寄って、模型談義に花です。)
    
   その結果、「科学あそびのジャンル」は、爆発的に拡大しました。
   中学2年生で、下記を手がけていた。
     模型飛行機   多種多様な手づくりカメラと撮影・現像  電気工作  写真撮影用・凧づくり
     火薬鉄砲づくり(春休み、発射実験中に暴発し、手づくり弾丸が68歳の今も、左足首中にグリグリする)
     火薬ロケット自動車づくりと走行実験
       火薬は、「黒色火薬」を手づくりして、工夫・研究を重ねていましたが、中2段階では、性能不良でした。
   中学3年生では、「火薬づくり」で、飛躍的な性能向上を実現しました。「学問知との出合い」と、私の「技術」
   の結合が、「火薬の性能向上」に結実し、学問への畏敬を強めました。
     手がけたジャンルは更に拡大し、新しく「火薬飛行ロケットの、開発・研究・飛行実験」に夢中、のめり込んで
    「火薬飛行ロケットの製作と試射実験」に、白煙をもうもうと立ち込め航跡に残す愛機にあけくれました。
    その応用として開発した、「火薬ロケットエンジンつき模型飛行機」が、憧れの「本物セスナ機招待飛行」を実現
    してくれた!     そのわけは、学校から私の知らぬ間に、「発明科学展」に愛機が出品されて入賞し、
    全入賞作品が、名古屋市の県産業会館に展示された。その愛機が、地元選出の県議会議員の知るところと
    なり、「地元の誉れだ」と議員さんが、校長室に呼ばれた私に言った。その褒美が、「招待飛行」だった。
     
   本来の子どもは、夢中になるものに出合うチャンスと、「ヒトの本質」の発揮を、(競争教育など)妨害しなければ、
    自発・自律的行動で成長発達するベクトルを、絶対に持っている!。  この確信の普遍性を、少年の私に見た。
     だから、この事実の要所(おいおいレポートします)を、授業実践に実現したところ、落ちこぼし生徒が無いばかりか、
    「個人別テーマ・課題研究7ヶ月の理科実践」(「授業づくりで変える高校の教室4・理科」、川勝 編著 に収録)
    でレポートしたように、全ての生徒一人ひとりが、例外なく科学するのです 。

 
    (「火薬づくり」から、、「熱化学方程式ーヘスの法則」の見事!に出合った中学3年生。 へ つづき)



番号 08H-006  送信日 08/08/16  差出人 杉本 憲広
件名 高速プールの秘密

 毎日暑いですね。気がつくとオリンピックを見ている時間ばかりが増えているという今日この頃です。みなさんはいかがですか?
 オリンピックねたなのですが、8/14or15の新聞に「高速プールの秘密」というのがあり、以下のことが書いてあったのですが、浮力が増すというのがわかりません。有名な話なのですかね?だれか教えてください。
記事 「記録が生まれる秘密はプールの深さにある。国際標準は2メートルだが、水立方(プールの名前)は3メートルと1.5倍。水中の浮力が増すことで、スイマーは泳ぎやすいという。」その後に、波が消えるコースロープとかの話はありましたが、それは理解できます。



番号 08H-007  送信日 08/08/17  差出人 船橋 隆久
件名 Re:アイスクリームの作り方を教えてください

こんにちは、船橋です。
岡田先生から「ドライアイスを使った実験例」の紹介がありましたね。私は10年ほど前、同朋高校で行われたサマーセミナーで「液体窒素」を使った実験を紹介したことがありますが、その資料がどうしても見つかりません。そこで、インターネットで検索したら「化学同好会」というホームページのなかで、「液体窒素(−196℃)を用いて3分間でアイスクリームを作る」が見つかりましたので、その内容を紹介します。なお「化学同好会」のURLは以下の通りです。

http://www.coara.or.jp/~chemi/chemical/In2ice/In2ice.html

[準備する器具]
 ボール(ステンレス製、直径30cm以上)
 泡立て器(ステンレス製、木製のへらでも可)
 発泡スチロールカップ(容積500ml程度)
 キッチンペーパー

[準備する材料]
 牛乳500ml(低脂肪乳よりも成分無調整ほうが適)
 生クリーム(ホイップクリームなど 500ml)
 砂糖 200g
 バニラエッセンス 適量
 液体窒素 1500ml以上

[作り方]
1.ボールに材料を入れ、砂糖が溶解するまで十分にかき混ぜる(牛乳を50℃程度に加熱しておくとよい).
2.激しく混ぜてから液体窒素300mlを注ぐ(キッチンペーパーを折りたたみ、ボールの縁を押さえる).
3.液体窒素が蒸発したら、再び液体窒素300mlを注ぐ(局所的に凍結してボールに付着した場合は、その塊をボールから剥がす).
4.全体が均一な粘性をを示すまで液体窒素の投入とかき混ぜを繰り返す.
5.ソフトクリーム程度の粘り具合になったら作業終了.

以上が「化学同好会」がホームページで紹介している内容です。
私もほぼ似たような方法で作ったように覚えていますが、かなり忘れてしまいました。ただこの実験で忘れられないことが2つあります。その一つは「アイスクリームに使われている砂糖の量の多さ」です。食べ過ぎたら間違いなく糖尿病ですよね。二つめは予備実験をしていて、口の中にとんでもない口内炎(?)を作って医師のお世話になったことです。アイスクリームができあがったと思ってひとかたまり口の中に入れたら、アイスクリームの塊の中に少量の液体窒素が残っていて、それが口の中にとんでもない低温やけどの原因になりました。上あごの皮膚が500円玉程度剥がれてしまいました。とても楽しい実験でしたが痛みも忘れられない思いで実験となりました。
ではまた。



番号 08H-008  送信日 08/08/20  差出人 鈴木 久
件名 Re:高速プールの秘密

 気になっていたのですが、今ニュートンの9月号を見ていたら、以下の記事がありました。
『世界記録はいかに作られるか?』に競泳として、次のような解説がありました。
 水中を進む物体の形によって変わる形状抵抗、水との摩擦が生み出す粘性抵抗。この2つを押さえることに成功したのが、スピード社のレーザーレーサーです。さらに、水しぶきを生み出すことによる飛沫抵抗と、水面を進むことによって波が生まれ、そのためにエネルギーを失う造波抵抗が加わる。後者は、泳ぐ時にどうしても避けられない。しかし、水中に潜っているのがスタート直後とターンの時です。競技規則によって、1回につき15mまでと決められているそうです。アメリカのフェルプスは他の選手が平均5mに比べて、10mほどだという。
 といわけで、『より深く潜れば、浮力によって浮き上がる際の勢いも増します。フェルプス選手は、この勢いを前方への推進力に変えているようです。』つまり、水上に出るまでの力積を増やすという意味で深さが効いてくるということのようです。
 フェルプス選手や、北島選手のような選手にとって、浮力を受ける時間が増して、有利ということのようです。



番号 08H-009  送信日 08/08/21  差出人 原 弘良
件名 体力勝負のアイスクリームづくりは、いかが?

  孫たちとの夏休み遊びから、21日、久しぶりに帰宅したら、いつも生徒たちと
 理科授業を楽しんでおられる様子の、伊賀さん「アイスクリームづくり」メールに接しました。

  高校理科教諭退職して8年後の今も、近所の小学生と「科学あそび」を月1回ペースで
楽しんでいます。  「手づくりアイスクリーム」は、子どもたちが全身で興奮して科学するテーマ
のひとつです。  現職時代から、「身近な材料や廃物で、『基本的・本質的な科学実験』を、
一人ひとり全員が楽しく科学する」を大切に、そして今も。    さて、「アイスクリームづくり」の

   < ねらいは>、 1、「物質の三態変化」
              2、「氷と食塩で寒剤づくり;凝固点降下だぞ!」
              3、「えっ!水と油があー?:乳化現象」
      私は、親切丁寧な「噛み砕いた説明」を、現職中の高校生でも、今の小学生でもしないで、
     このまんましゃべくって、実験を進めます。事実を体験しながら、概念を脳みそに形成して
    いくのが、子どもの様子からわかるし、今やっている「子ども科学クラブ」には、おとなも6〜7人
    参加しているので、そちら向きにもと。   親切過ぎは、子どもの育ちに、よかーない。

 1、「物質の三態変化」:水の「分子小僧」は、三つの状態に変化するぞう!劇
      これを、立候補した3人で相談させ、固体場面・液体場面・気体場面と演じさせ、
      「体のほてり」と、「分子運動の激しさ:温度」を連携実感して、オーケー。

 2、「氷と食塩で寒剤づくり;凝固点降下だぞ!」
      子ども3人での演示実験で、重量比で「細かい氷3」:「食塩1」の寒剤による現象、
    「凝固点降下」を、目で見て触って実感しながら、1分毎に黒板に温度を「グラフ化」して、
    データをみんなで共有する。
 3、「えっ!水と油があー?:乳化現象」:下記は、今の子どもたちの「科学クラブ」レシピです。
     
 1)製造容器: 1リットル・ペットボトルの上部4分の1をカットして、それをさかさに下部に突っ込む   
 2)個人用容器:カメラ屋さんで、「空きフィルムケース」を、理由を述べれば喜んで、タダでくださる。
     1)、2)は、社会経験上も高校生自身がやるのだ。
 3)フィルムケース・10個分の「アイスクリームのつくり方」
   ア、ボールに(牛乳140ml+生クリーム70ml)+砂糖50g、ここへ卵を1個割り入れ攪拌する。
   イ、ここへ、好みで「抹茶」「ココア」などいれ、攪拌する。
   ウ、イをフィルムケースに入れる。「教訓茶碗」じゃないが、入れる量が、メッチャ肝心!何だろう?
      実は、イの具材7;空気3(空きスペース) なのだ!  なぜだ?  あとで、ワカル。
   エ、1)のペットボトルの製造容器に、ウを4〜5個収めて、全重量Ag重を測る。
   ォ、細かくした氷で満たして、全重量Bg重を測る。  ∴氷の重量=(B−A)g重
   カ、ォの量から、「寒剤作りの、食塩の必要量」を計算し、秤量する。その食塩を、容器に入れる。
   キ、切り取った上部でふたをして、ガムテープ止めをしてから、タオルで包む。

   ク、グループ内で、ひとり1分間ずつ、ありったけ激しく強く、そして敏速にバトンタッチすること10分間!!
     ゼーゼーハーハー息を切るほどガンバルと、「空気の存在が、絶妙な乳化現象をもたらし、なめらか味」
    の「手づくりアイスクリームの完成!」  汗かきアイスクリームは、やった者だけの独先味ですよ。
  毎年、子どもたち、大人たちの人気抜群実験です。  どうぞ、理科実験の定番に。



番号 08H-010  送信日 08/08/21  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その45:火薬飛行ロケット(2)

原です。 「生徒発信の理科授業」:火薬飛行ロケットに夢中の中学生

      好奇心いっぱいで、何でもやりたがり屋で、学び大好き!
  テレビに見る発展途上国といわれる国の、子どもの目が輝く「学びの風景」に、

  「ヒトの子どもの本質」を見ます。

   あの目の輝きは、私世代の「日本敗戦後の、子どもの原風景」と、重なります。

  今、「子どもの本質への巻き戻し」をすれば,日本の中・高生の「本来の学び風景」が、
 実現するだろう。
  それは、京大教授の山中さんが、ヒト細胞で「細胞分化の巻き戻し」を、世界最初に
 成功した、あの難度よりもはるかに易しいのです。
  なぜなら、日本の中・高生の一人ひとりは、「毎日の授業に、自己肯定実感する自分
 を夢見る意志がある」からです。 競争教育による「学校学力の至上価値の刷り込み」
 で、思春期の心が、理不尽な優越感・劣等感・焦燥感に、傷つき揺れながらの夢です。
  「好奇心いっぱいで、何でもやりたがり屋で、学び大好き!」の本能希求意志は、

 全ての生徒に、ちゃんと蠢いています。それを見抜き、育ててこその「先生」です。

     
   下記「授業づくりの順序」で、生徒の本能希求意志実現チャンスをつくり、生徒が実証した。
    その結果は、既述の本や、これまでのメールで紹介させてもらったとおりです。   
 
        「授業づくりの順序」          
   1、「到達目標」を見定め、  2、目標への「授業課程」と、「教材の環」を考察してから、
             3、「教材準備」にはいりました。
     
  1、「到達目標」と、理科授業づくり
   1) 「科学する感動・豊かさ・学問知」を、のんびり・ゆったり・確実に、生徒全員に実感させたい。
   2) 少年時代の私の心を、虜にしていた「科学する魅力・魔力」を、具体化する理科授業づくりでした。
   3) 「好奇心いっぱい・知りたがり屋・やりたがり屋、そして、 何よりも賢くなりたい自分」と、
    「科学する魅力・魔力に夢中になる子どもの本質」、両者は、ヒトの子どもの「本能」である認識が大切で、
    理科の先生としては、自分自身の子ども時代の「科学する感動」の再発見が、スタート・ポイントでしょう。

 4)「科学する感動・豊かさ・学問知のすばらしさ」について、私自身の具体例の記述を続けます。
         (これらの感動経験が、授業づくりと、その授業展開に大きく反映したからです。)
   ァ、「ライトプレーン・A」との出合いは、43回に、
   イ、「火薬飛行ロケット」との出合いについては、44回に記述しました。今回もします。

、「火薬飛行ロケット」との出合いが、人生の難局で羅針盤的底力:「科学する感動・豊かさ・学問知」を磐石にして、
                 教職への道を開拓してくれました。

     24時間、普通の中学2年生を満喫できる「夢の中学生活」が、始まりました。それは、それまでの
   「心は、科学魔力の虜」のみならず、1日24時間・科学三昧の身分を保障された中学生活を意味します。
     
    火薬は、「黒色火薬」を手づくりして、工夫・研究を重ねていましたが、中2段階では、性能不良でした。
   中学3年生では、「火薬づくり」で、飛躍的な性能向上を実現しました。それは、「学問知との出合い」と、
   私の「技術」の結合が、「火薬の性能向上」に結実し、学問への畏敬を深めました。
     
   それは、いまいち「火薬の燃焼性能の不安定さ」に不満な日々からの、挑戦でした。
  「何が、どう、まずいからなのか?」 スッキリしない疑問に、モヤモヤ解消の糸口を探して
  図書室通いのある日に、  「化学反応の始まりは、それぞれの物質粒子が接触することから
  始まる。 だから、質量が等しければ、小粒子にして個数を多くするほど接触回数が増大する
  から、反応は激しくなる」 の一節に、釘付けになり、 「これや!」と、閃いて得心した。

   帰宅するや、興奮冷めやらぬままに、いつものように「炭の製粉作業」を始めた。分厚く重ね
  た新聞紙に1個の炭を包み、石の上にて木槌で叩き潰し、新聞紙を開いて指先弾きでトントンと
  振動を与えながら、「炭粒子の大小選別作業」を繰り返します。最細粒選別部分のみを、丼茶碗
  に移すこと10回分ほどで、火薬製造1回分の収量です。印鑑持参して酸化剤の塩素酸カリウム、
  硫黄粉末、それぞれ地元の薬局で購入して、「火薬製造」に夢中の中学生でした。


   「粒子概念」が取り憑き、「火薬物質の粒子が飛び交い接触し、激しく化学反応する場面」
  が、頭の中をイメージ散乱する。 激しい火薬燃焼を確信していた。
   ボンッと、音と激しい炎とキノコ煙が、1m以上立ち昇り、燃焼テストは完璧! それは、
    中学3年生、5月連休中でした。  この頃に、「火薬飛行ロケット」の飛行実験も始めた。
   また、「典型元素の周期表」を活用して、化学反応式を自在に扱う学力を習得していた。
  この「粒子概念」「化学反応式」との出合いを契機に、「火薬の謎」を理論的に探求したいと、
  より繁く図書室通いをした。

   今から54年前、同級生の半分ずつが、高校進学コースと就職コースだった。進学コースでは、
  約180人中、裕福家庭の男子6人が大学進学を目指す「普通科高校」、あとは「実業高校」への
  時代だった。 進学コースの生徒には、夏休みはじめに、「無料補習授業:1日2コマ・6日間」
  が提供された。私は、補習授業後、図書室へ直行した。狙うは、
    「火薬燃焼時、瞬時に発生する、熱と光と勢いを持ったガスの謎解き」を求めて。
  検索の方向性を絞る感覚は、的確になりつつあった。目次に、「化学反応の燃焼熱」を見つけだし、
  ドキドキしながら該当ページを読み進むうちに、脳みそが熱くなり喜びが込み上げてきた。それは、
  私にとっての新発見の感動だった。   「すべての物質は、物質固有のエネルギーを持っている。
  化学変化による物質変化は、物質固有エネルギーの差額分を、放出または吸収する。」の一節に、
  ぶったまげ、大発見気分になり、「物質はすげえなー、納得や!」と、「熱化学方程式:ヘスの
  法則との初対面」「物性学問の存在に、初対面」が限りなくうれしい、中学3年生だった。
   

     本来の子どもは、夢中チャンスと「ヒトの本質」の発揮を妨害しなければ、

        自力で成長発達するベクトルを、絶対に持っている!。 
     この確信の普遍性を、少年時代の私に見た故に、この「科学する深ーい楽しさ」を、
   すべての生徒一人ひとりへ、「体験するチャンスの理科授業」で、届けたかった。そして、
   「自己肯定感を実感:私って、イケルじゃん!友だちも、スゴイ!」という授業を、目指した。
   少しでも、『物の科学的見方・考え方』を身につけて、「騙し」から自己を守り仲間と連帯して
   生きていくんだよ。 そんな祈りを込めた「学級づくり・授業づくり」を、私なりにした。

  (「火薬飛行ロケットの、推進火薬づくり・噴出口の形状・2段ロケット研究」へ つづき)



番号 08H-011  送信日 08/08/22  差出人 佐野 哲也
件名 フィンランドと日本の教育

 みなさん、こんばんは。教員生活5年目に入った鈴鹿高校 佐野です。やっと少し涼しくなってきましたね。今夜は三重では今日は心地良い風が吹いています。
 原さん、たくさんの情報ありがとうございます。いつもメールにやけながら見ています。経験の浅い自分にとってすごく参考になっています。
 最近、福田誠治著「格差をなくせば子供の学力は伸びる 驚きのフィンランド教育」を読みました。世界旅行でスウェーデンの北部の小さな町でアフガニスタン人の難民の方と話や、ホストしたノルウェーの学生や現地の人達の「政治家は真面目である」という話から、福祉国家で素朴な暮らしをしている北欧の国々に興味があったのです。
 この題名の意味する格差とは、科教協で田中さんが言われていた日本で表面化しつつなる家系が裕福かどうかによる教育格差であり、それを小さくしようと取り組んでいるのがフィンランドの教育なのだそうです。
 フィンランドの基本哲学が「子供は学びたい、子供一人ひとりが考えたくなるまで、できるまでゆっくり待つ」であるのに対して、日本では文科省が度重なるテストにより考えたくなる前に子供たちはやらされる事になってしまいがちになってしまっているように思われます。
 正直言って、フィンランドの教育実践に負けないものを日本も持っているように思いますがが、それが現場の権限が弱く、文科省の方針が逆を向いているので、全体に広まっていないのでしょう。
 と評論家の様なことを言っても自分は現場にいる訳ですから、入試の結果をある程度出しつつ、できる限り生徒の自発的な学びを促すような授業を作っていき、生徒の声で学校に変化を起こしたり、交流を大切にしてその輪を広げていくしかありませんね。
 どんな話か聞けるか28日の交流楽しみにしています。ではでは。



番号 08H-012  送信日 08/08/23  差出人 原 弘良
件名 Re:フィンランドと日本の教育

鈴鹿高校 佐野さん   はじめまして、 原です。

  「生徒発信の、、、」を、 (いつもメールにやけながら見ています。)  とのメールにうれしくなりました。
 このシリーズは、 「にやけながら見る。」  が、発信元の私にとってうれしく、大正解だと思うからです。

  なぜかなら、こんな見方は、「物事を、複眼視する人間にこそできる。」からこそで、生徒の価値観形成に
 職務上大きく関与している日々を生きる「先生族」に、大切な感性だと思っているからです。  でないと、
 時の権力の末端機能を担うだけの手先の一員でしかない日々を先生の自分は生き、その結果、
  生徒が、本来の学校教育から享受するはずの「生きる希望と夢」さえ奪い去るという、 罪悪的行為を
 無自覚なままに間違った「熱心な先生!」と成り果てるからです。

  佐野さんが、教職5年目にはいられ、ご自身の経験などから、「フィンランドと日本の教育」に関心を
 もたれ、「現場教師のご自身に引き寄せた教育実践の大切」への熱い心が伝わってきました。

  私は、幸いにして、生い立ちからも「日本の競争教育による価値観汚染」を受けずに教職の道に入り、
 日々、共生・共学した高校生(生物の一種:ヒトの子どもたち)から、課題を発見し、考察し、仕掛けて、
 生徒の事実から、到達目標へのプロセスを試行錯誤するという、ある意味、「教育は、科学だ・芸術だ!」
 を、私なりに実践しました。   それは、目の前の生徒一人ひとりと、その一人ひとりの生徒を育て、
 思いや願いをその生徒に一心に寄せているご家族と、私のわが子育てのときの思いや願いと重なるからこその
 「私なりの教育実践」であり、 「人間の尊厳を一顧だにしない教育行政権力の末端の一員」を拒否する、
 私の意志に素直に、仕事した日々でした。
   その結果は、これまでのメールや既述本に触れたように、同僚が不思議がって授業参観に来たりの、
 「自主的な予習をしての授業参加や、学びあって『学力獲得を喜び、驚く』、生徒たち」でした。これについては、
 これから、おいおいと、「原の理科授業の仕掛け」で触れていかせてもらう予定です。


    あくまでも、「原の価値観から、自然発生したもの」ですから、「にやけながら見る。」を願ってます。
 ありがとさんでした。



番号 08H-013  送信日 08/08/23  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その46:火薬飛行ロケット(3)

原です。  「生徒発信の理科授業づくり」:火薬飛行ロケットに夢中の中学生(2)


 「ヒトの子どもの本質」は、好奇心いっぱいで、何でもやりたがり屋で、学び大好き!
 教室の生徒たちが、「学びから逃げる」ならば、その授業を変えることから始めるだわさ。

  競争教育による「学校学力の至上価値の刷り込み」で、子どもの心が、歪んだ優越感・劣等感・
 焦燥感に傷つき揺れながら、「自分がアホやから、、」と諦めている残酷を直視する勇気を先生に
 期待もし、「自己肯定感が実感できる授業づくり」を、生徒は先生に願っています。

         
  学校学力は、「学問の大海原の、ホンの一滴。多くの入り口のひとつ。」でしかないのになあ。
   
  
 
        「授業づくりの順序」          
   1、「到達目標」を見定め、  2、目標への「授業課程」と、「教材の環」を考察してから、
             3、「教材準備」にはいりました。
     
  1、「到達目標」と、理科授業づくり
   1) 「科学する感動・豊かさ・学問知」を、のんびり・ゆったり・確実に、生徒全員に実感させたい。
   2) 少年時代の私の心を、虜にしていた「科学する魅力・魔力」を、具体化する理科授業づくりでした。
   3) 「好奇心いっぱい・知りたがり屋・やりたがり屋、そして、 何よりも賢くなりたい自分」と、
    「科学する魅力・魔力に夢中になる子どもの本質」、両者は、ヒトの子どもの「本能」であるから、
  理科の先生としては、自分自身の子ども時代の「科学する感動」の再発見が、スタート・ポイントでしょう。


 4)「科学する感動・豊かさ・学問知のすばらしさ」について、私自身の具体例の記述を続けます。
       (これらの感動経験が、授業づくりと、授業展開に大きく反映したからです。)
   ァ、「ライトプレーン・A」との出合いは、43回
   イ、「火薬ロケット」との出合いについては、44・45回で、メールしました。今回も続けます。

 「火薬ロケット」との出合いが、人生の難局で羅針盤的底力:「科学する感動・豊かさ・学問知」を
             磐石にして、 教職への道を開拓してくれました。

   働きづめの子ども時代が過ぎ、1日24時間・科学三昧の身分を保障された中学生活を得て火薬づくり
  研究は、中学生の私に「学問の夢世界の感動」を、確実に焼き付け始めていました。

   競争教育に邪魔される事が無い、1日24時間・科学三昧の自由な中学生活だったからです。
   
     
  「火薬づくり」で、学問知と私の技術との結合が、「火薬の性能向上」に結実し、学問への畏敬を深めた。
    「粒子概念」に取り憑かれ、激しい火薬燃焼を確信し、「火薬物質の粒子が飛び交い接触し、激しく
    化学反応する場面」が、頭の中をイメージ散乱して、期待がふくらみ楽しい。

   「典型元素の周期表」を活用することで、化学反応式を自在に扱う学力を独自に習得して、「粒子概念」
   「化学反応式」「熱化学方程式:ヘスの法則」「物性学問の存在」との出合いに、有頂天の中学生だった。

中3の5月から始めた「火薬飛行ロケット」は、高性能黒色火薬の安定した製造ができるようになって
  から、4日に1機ペースでロケットを打ち上げ始めました。
   基本型は、「ペンシル型」から始まった。機体部品が、身近に入手できる素材に限定されたから。
  1、軽くて丈夫で加工しやすい機体素材:「紙(安物画用紙が最適)」;模型飛行機づくりの経験から。
  2、耐熱噴射口:「チョーク(白墨)」;文房具屋さんで1箱買い、安くて大量。テーパーなのも最適。
          「焼石膏」;大型化に伴い、ブロックをつくり、ナイフ・彫刻刀で削り出し加工をした。
  3、機体製作用治具:各サイズ丸棒・管(校内ゴミ捨て場で拾った、譜面台パイプが最適だった) 
  4、ランチャー(発射台):角材端材(知り合いの大工さんから)に、鋼鉄線(模型飛行機の脚用)。
         ロケット機体には、模型飛行機用ニューム管を、2箇所にガンピ紙帯で巻きつけ糊接着。

突然ですが、「火薬飛行ロケットの最大の課題は、何でしょう?」 想像してみてください。
   
 上記1〜4で、基本的に製作オーケーですが、中学3年生の私を悩ませ、何度も試作の末に、驚異的飛行ぶりで
 私を大喜びさせた「課題」にぶち当たり、またもや、「学問知」と「技術」の結合の見事さに、感動したのです。
   成功してから振り返れば、「コロンブスの卵」でしたが、  「噴射口の形状」が、課題でした。    
 思うように推力アップができずに試行錯誤を重ねていたときは、「噴射口の径」を何通りも試作・試射を
 重ねていました。図書室で、何回も目を通した「ロケットの本」のページをめくり、図版・写真を眺めて
 いると、突然に、イメージが脳内で視覚化されました。(脳科学で言う、繰り返し効果の「ニューロン連携」?)
     それは、小学生で生まれて初めて感動した「学問書:模型飛行機ー理論と実際」の中の、
   「翼表面の気流図:層流と乱流」と、「噴射口の写真」が脳内で断面図に視覚化されたイメージ図
   とが重なったのです。その途端に、ロケット噴射ガスの「層流・乱流イメージ図」が脳内視覚化した。
   「そうだったのか! これが原因や!よっしゃあ。」
      早速、噴射口の「直線穴あけ加工」後に、噴射口内部の断面を、翼表面をイメージしながら
     「曲面削り加工」を、切り出しナイフと彫刻刀で少しずつ進めて、噴射口が完成した。

 「噴射口・改良1号機」は、シューと軽快な噴射音をあげ大量の白煙を残して、大空を飛んでいきます。
   中学3年生、1学期期末テスト中の夕暮れ、「火薬飛行ロケット」の本格テスト飛行成功だった。


     本来の子どもは、夢中チャンスと「ヒトの本質」の発揮を妨害しなければ、

        自力で成長発達するベクトルを、絶対に持っている!。 
  この確信の普遍性を、少年時代の私に見た故に、この「科学する深ーい楽しさを体験する理科授業」を
          すべての生徒一人ひとりに届けたかった!
   そして、「私って、イケルじゃん!友だちも、スゴイ!」という授業を、目指した。
     私の授業は、「細かく親切に熱心に教え込む指導をしないで、あんたら勝手にわからんこと
    自分で見つけて、解決したら友達に発表したり、わしにも、教えてちょうだいな」スタイルだった。
      (思春期の高校生は、「生徒が、学問の基礎基本だと、実感・納得する指導」を教師に求めており、より発展・応用学力は、「生徒・命:
        生徒間の学び合い学習による学習意欲喚起・学力獲得の学習システムに比重を掛けた指導が、効果的だった。 、おいおいとメール。)

     (「火薬飛行ロケットの、新・推進火薬づくり、2段ロケット研究」:愛工生へ つづき)



番号 08H-014  送信日 08/08/27  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その47:火薬飛行ロケット(4)・ユニークな先生

原です。 「生徒発信の理科授業づくり」:火薬飛行ロケットに夢中の工業高校生

     「ヒトの子どもの本質」は、好奇心いっぱいで、何でもやりたがり屋で、学び大好き!

  多様な価値観をもった・ユニークな先生たちとの出会いにも、思春期の原少年の人生岐路があった。
  思春期の生徒自身が、選択できない先生との出会いは、「人生力」がアップ・ダウンのサイコロなのだ。

 1、 昨年11月に、中学卒業以来53年ぶりに、中学2〜3年学級担任の「ブーちゃん先生」に再会した。
   「そんなもん、軍隊になんか行かせられせんわさ!原君を。  会社辞めて、先生になる道選んで大学へ
  行っておる話をK君から聞いて、がんばっとるなあと、うれしかったぞ!」 当時20代の小柄で元気溌剌先生
  だった、そのまんま早口にしゃべくる先生に、私はタイムスリップした。
   進路選択時期が近づいた中3の10月、飛行機・ロケットに夢中で、「飛行機・パイロットの夢」をもつ
  原少年の目は、 職員室廊下のカラーポスター「給料が支給されて憧れのパイロットになる道!中学卒業・
  航空自衛隊員募集!」に釘付け。  青空をバックに飛行機を見上げるカッコいい少年パイロットを見て、
  「これなら、お金が無い僕にも、パイロットの道がある!」と、職員室の担任先生の席へ。「廊下へ出よう」と
  即座に私を引っ張るように出て、「先生は、反対だな。まず、高校へ進学しなさい。」  3学期になって、、
  2度も社宅・長屋に家庭訪問してくださった。両親と私に、「普通科高校から大学へ」と、熱心に勧められたが、
  両親は「行けるものなら、しかし、、、」  「見ての通りの貧乏や。大学
は、お金持ちの坊ちゃんしか行かれへん。
  理科が大好きやから、技術者になる工業高校へ働きながら 行きたい。」と、私が決意を話した。             
 2、 思いもしなかった遠方の「愛知工業高校」へ進学し、交通費節約に往復40kmを3年間自転車通学と、
   3年間、学資稼ぎに、新川町の「東海染工」で夏休み働きながら、「火薬飛行ロケット」の研究を続けて、
  より強力な推進火薬と大型ロケットを開発した。(次回に。詳細メール予定)  それを、学校近くの庄内川・
河川敷で飛ばし続けた。
         そんな在校中に、忘れ得ぬユニークな先生たちとの出会いがあった。


 1)、「なよなよ女形先生」は、風が吹けば揺れながら歩きそうな細いお体の「社会科の男先生」で、講義の声は
   消え入りそうな小声なのだが、私たち生徒は、食い入るように聞き逃すまいと集中した。後に、岐阜でその筋の
   親分になったB君や運送会社経営者になったK君も、この先生の講義中は、声が無かった。「夏休み中に
   この本を読んでみませんか?」と、小さな小さなお声で、教卓上に積んだ10冊ほどの、岩波新書を指さされた。
   本は、「死の商人」。教卓上に3冊ほど残った。  読み進むほどに、胸騒ぎと心の底からの怒りを覚えさせる
   が、その内容は、冷徹な説得力のある豊富なデータに基づくものである。 世界は、「人殺しの兵器」商売の、
   大金持ちや政治屋が、堂々とのし歩いている事実を、高校1年生の少年にも伝えた「スゴイ本」だった。
    「なよなよ女形先生」とは、仮の姿で、本当は、強い強い「鉄腕アトム先生」だった。会えて、良かった!

 2)、「怪傑・黒マントマン」は、定刻3時30分、玄関脇の職員自転車置き場から自転車を出し、少し助走後、
   「エイッ、ヤッ!」と飛び上がるように愛車に跨り、体を左右に揺すりながら加速して、学校を去って行く毎日だ。
   跨る瞬間、なぜか何時も羽織っている「黒マント」がひるがえり、黒のツバ帽子とマッチしており、見つけた生徒が
   大声で、「O先生、さようならー!」と叫ぶと、絶対振り向かずに、右手を高く上げ振りながら走り去る小柄な人だ。
    2年生の1学期末テスト返しの授業が終わると、「原君、昼放課に職員室へ来なさい。」と、O先生の指示。
   「原君、大学へ行きなさい。学問は、いいよ。」と、小さな「学燈」(文系大学受験雑誌)を手渡してくださった。
   「僕は、国語も大好きですが、大学へは行きませんので、この本は要りません。ありがとうございますが。」「そうか、
   だが、好きなんだから、いつでも進学できる学力をつけておくといいよ。毎月、10日間貸すから学びなさい。」
   この年、旭丘から愛工へ転任してきたばかりの、「現代国語」のO先生は、「70人ほどで 短歌の同人誌を発刊
  している立派な先生だ。」と、英語の授業で聞いたことがある。 2年生の8ヶ月、「黒マント先生」に、毎月学んだ。

 3)飛行機大好き愛工生3人が、愛知初の高校生の「グライダー同好会」を、正式発足させるための「顧問先生」探し
  に奔走した末、太平洋戦争・予科練航空パイロットだった「体育科のK先生」の情報を、他の先生から得た。
   「僕たちは、飛行機が大好きなので、『グライダー同好会』を創りたいのです。是非、顧問先生になっていただきたい
  のでお願いに来ました。」 体育教官室で懇願した。 身長180cm以上で細身の先生は、一人ひとりの名前を聞き
  目を見ながら、にこやかにゆっくりひとこと。「僕には、考えることがあるから、あす昼にまた来てくれるかな?」  ピンッと
  きたが、黙っていた。  きっと、戦争体験のことだ、、、、と。
   「いいよ。顧問がいないと、発足できない校則だからな。 いいよ。僕は、考えるところあって直接指導はしないから、
  君たち自身で相談し行動しなさい。操縦指導や飛行場所については、「中日新聞・航空部」の僕の友だちが協力
  してくださるので、今週末に新聞社へ行って、挨拶と相談を君たちですること。僕は、顔合わせに立ち会うが。」
   先生のお友達のT教官は、グライダー界では著名な人物であることを、やがて知り恐縮しながらうれしく、3人は、
  誇りにした。教官は、低翼のプライマリー・グライダーを、僕たちに調達・貸与してくださった。
        同好会会員は、僕たち2年生3人が、「1年生限定」で全校に呼びかけ、総勢15人ほどで活動した。
   このプライマリー・グライダーは、太いゴム索を、V字型・5人ずつで引っ張り、操縦者合図で機体のフックを解除して
  発進・飛行するタイプ。 大型の人力式・ゴムパチンコ発射機だから、0.5秒後には80km/hぐらい に達するので、
  操縦者にかかる加速度感は、日常経験ではあり得ない! 約4Gは巨大。操縦者は、機体の最前部に剥きだし状態
  でハーネスを締めた単座式。 初期段階は、飛行機体の姿勢を「体感覚」にたたきこむ「地上滑走5回」を愛工グランド
  で訓練してから、庄内川・河川敷で飛行訓練段階に移る。ここでは、地上高さ0.5m・1.5mほどのジャンプ飛行訓練
  によって3次元・空間における飛行姿勢コントロール感覚を、5〜10回の飛行訓練で、体に覚えさせる! この後に、
  飛行高度3m以上、飛行距離約150mを何度も楽しむのです。活動日は、雨天以外の毎週土・日曜日で、
  その都度、主翼と胴体の「分解・組み立て作業」をして、学校内の格納庫と庄内川・河川敷を「リヤカー」で運んだ。
   この初期段階飛行訓練は、当時、中日新聞・航空部が専属使用していた「大府飛行場(日本軍飛行場跡)」での、
  「春休み合宿訓練・1週間」の主内容だった。テント生活・自炊での1週間は、最高に楽しく、解散後に下級生を帰し
  た後、T教官は、僕たち3人を残し、「同好会運営について」ちょっとだけ懇談し、体験飛行に誘ってくださった!!

       今でも胸がたかなる「信じられない体験飛行」だった。  飛行機は、もちろん、単発・プロペラ機。 
  カナダ製の、デ・ハビランド機は7人乗りの大型機で、初期の南極探検にも活躍した。飛行中の轟音と飛行ぶりは、重厚
  で、「これぞプロペラ機!」。もう1機は、アメリカ製の大衆機「パイパー・カブ」で4人乗り、離発着を繰り返し、僕たち3人が
  かわるがわる副操縦士席に座り、操縦桿を握り、「バンク飛行」を操作させてくださったり、T教官の操縦で、人生最初で
  最後の「宙返り飛行体験」で、文字通り、「天と地がひっくり返る、浮遊体験」をプレゼントしてくださった。

   当時の、「愛工教育」は、とことん生徒たちのやる気を育て、とことん支援する「生徒による生徒のための自治活動」が
  機能しており、日常の部活動や、学校祭においても、下級生は上級生を畏敬し、教師しゃしゃり出るなんぞ!無かった。
   「進学するなら、なんで普通科高校へ行かなかったんだろう?」と思うほど、毎年新聞に掲載される、愛工出身の名大・
  名工大の合格者数が50人ほどを数えた。  今ではあたりまえの、「親切な受験指導・補習授業」は、そうしなければ、
  受験に対応できないほど、日本の教育が、「生徒の自立して学ぶ、学習能力」をスポイルした結果ではないのか? 
        なんて、原おじさんは、考えることがある。  だって、子どもはみんな、「ヒトの本質」を持つわさ!

    次回は、 先生たちとの出会い4)
                    「爆薬合成を許可する先生と、爆薬飛行ロケットの轟音」 メール予定です。



番号 08H-015  送信日 08/08/27  差出人 佐野 哲也
件名 FM三重にでます

 みなさん、こんばんは。佐野です。
私的なことですが、告知しないのもなんですのでお知らせします。
 明日、8月28日 16:00〜16:45 FM三重 「ミエガクラジオ」にゲストとして出ます。
地球温暖化がテーマです。
 今、その原稿と睨めっこしてます。
 昨日、たまたまNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」を見てたら、茂木健一郎が新たな考えをひらめくのは、議論した後にリラックスしてボケーっとしている時だという話をしてました。
 確かに見通しの悪い道を進んでいて、急に景色が開けたときや、ボーっと車窓から景色を見ている時、これまでこんがらがっていた糸が完全に1本になるような事ってあるように思います。
 先日、花火が引き裂くように空気に逆らってカッコよく昇っていく様子を芝生の上に寝っ転がって見ながら、原さんがロケット飛ばしたときの感動ってすごかったんやろうなって、感動しながら見てました。そのとき、このドキドキ体験が授業にもっと必要なんやろうなと実感しました。
 残り少ない夏休みですが、この期間に大学院で奮闘する友人や海外の友達と話をし、ふーっと何のために科学の世界への道先案内人をしているのかという根本を問い直すにのにいい時間でした。というのも日々の忙しさに追われると、一番大切にしなくてはいけないものを忘れてしまっている事もあります。
 明日の反省会も、いろんなアイデアを聞けそうで今から楽しみです。



番号 08H-016  送信日 08/08/27  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その48:爆薬「ピクリン酸合成」の話

 
原です。 「生徒発信の理科授業づくり」:4)先生たちとの出会い・「爆薬合成を許可した先生」 
             
     「ヒトの子どもの本質」は、好奇心いっぱいで、何でもやりたがり屋で、学び大好き!

  多様な価値観をもった・ユニークな先生たちとの出会いにも、思春期の原少年の人生岐路があった。
        先生との出会いは、生徒の「人生力」がアップ・ダウンのサイコロなのだ。

  3年間、月〜金の3時半から6時まで「化学クラブ」で、火薬飛行ロケットの研究・製作・打ち上げ
 を続けた。(土・日は、グライダー愛好会活動)  化学準備室に、顧問のA先生を訪ねた。

 「ロケット推進火薬に、燃焼熱の大きいピクリン酸の合成と燃料使用許可のお願いに来ました。」
 と、1冊の本「有機合成・抽出法」(岩波全書・78、東 恒人著 1936刊)を差し出した。
 図書室や、閲覧許可をいただいている準備室の全蔵書を探したが、「製造法」記載本が無かったので、
 愛工から自転車で往復して、鶴舞公園の馴染みの古本屋「大学堂書店」で探し出した本だ。その日は、
 自転車走行距離80kmはある。どこへ行くにも「自転車」の、今は昔の健脚物語。2年生の9月だ。

 「トリ・ニトロ化合物か、、、、、。この本、あしたまで貸してくれ。検討するから。」「やっぱり」
 と、不許可を覚悟した。何せ、トリ・ニトロだからなあ。TNT火薬と同じだもんなあ。翌日、昼放課。
 「原なら、安全にやれるだろう。許可する。いつものように、薬品・器具、何でも自由に使っていい。」 
  うれしくって、ドキドキだから、この日は「噴射口・加工」だけを作業した。
 
  文献から、酸素による燃焼熱は、炭素94kcal/モル、硫黄73kcal/モル、ピクリン酸617kcal/モル
 と格段に大きいデータを得た。そこで、爆薬として燃焼スピードも速いから、黒色火薬との混合火薬として
 配合比のデータを取りながら、テスト飛行を繰り返せば、よりスケール・アップした「火薬飛行ロケット」
 が可能だろう、と夢見る原少年にとって、ピクリン酸合成許可は「是非欲しい!」と、願った。

  原少年の日ごろのクラブ活動から判断する、「知識・技術・緻密さ」などの総合状況から、決断いただけ
 たものと、その当時は、顧問のA先生に感謝の念しきりだったし、その信頼に感激した。
  今、あらためて考察すると、教師本位で考えれば、不許可で当然のケースであるし、他者や世間は正当な
 判断だとする。法的にも。  一方、日頃の原少年の活動振りから、自ずと伝わってくるものを受け止める
 「教師の感性」が、生徒を総合的に判断し、あえて爆薬合成許可という、「勇気の要る決断」をされたとも、
 とれる。   現職中の私自身は、「生徒のやる気を見逃さない・教師の感性を磨く」に、留意した。

  <ピクリン酸(2・4・6−Tori・Nitro・Phenol)合成・抽出法の概略>

 第1段階:スルフォン化反応; フェノールと濃硫酸を蒸発皿にいれ、湯浴上で加熱。

                           生成物:フェノール・スルフォン酸の透明液
 第2段階:ニトロ化反応;フェノール・スルフォン酸の透明液を純水で希釈し、1?ビーカーに移して、
      濃硝酸を分別ロートから、超スローに滴下しながら、よく攪拌する!!(高発熱のため)
      この時、有毒・赤褐色のNO2を発生するので、冷却しながら反応を制御する。
 第3段階:黄色結晶析出;さらに1.5時間かけて、第2段階半量の濃硝酸を加え冷却すると、結晶析出。
 第4段階:これを純水で希釈し、吸引ろ過後に冷水洗浄し、少量ずつに分け乾燥・密封保管し、使用する。


      本来の子どもは、夢中チャンスと「ヒトの本質」の発揮を妨害しなければ、

         自力で成長発達するベクトルを、絶対に持っている!。 
    子どもが先生に期待する筆頭は、「ベクトルを持っているを、信じた教育実践」でしょう。
 メールで紹介した、私の出会った「自分色の先生」たちはみんな、子どものベクトルを知ってた人だね。



番号 08H-017  送信日 08/08/27  差出人 原 弘良
件名 Re:FM三重にでます

佐野さん みなさん こんな真夜中に どうも。  原です。
 ラジオ出演とのこと。
  なかなかのドキドキのことでしょう。だから、「原稿と睨めっこ」は、貴重なドキドキ体験。
 (このドキドキ体験が授業にもっと必要なんやろうなと実感しました。)という佐野さん!すばらしい。

 佐野さん、みなさん、もうすぐの2学期授業に、「自分色の授業実践」を実現して、メール交換
 しましょうよ。    生徒一人ひとりが、「ドキドキ体験する『授業の仕掛け』」を、「自分色の
 授業実践」で創るのは、教職の楽しさの真骨頂でしたよ!(おいおい、メール予定です。)

     9時ごろ就寝、5時ごろ起床なんですが、この時間起きた不思議は?   

 なーに、16年前に、眉間の奥にできた「わたしの癌さま」が、三途の川の向こう岸から
私をお連れになったのを、断念いただくための「治療という名の拷問:化学療法と放射線照射」による
後遺症現象のためです。それ以来、毎夜2〜3回の「睡眠中断・起床して、うがいで加湿する」 日常を、
ありがたく感謝しながら、「もったいない、もったいない」と、ガン以前よりも、生徒といっしょに科学を遊び、
(これが、既述本にレポート)、退職してからも「遊び人の、原さん」やってます。きょうは、、ETC通勤
時間割引:半額使って、小浜の海で遊ぶ「マイボートの定期船検」のために、「若狭の海」まで往復します。
        1度っきりの人生じゃもの、多種多様にあそばなくっちゃあ!



番号 08H-018  送信日 08/08/30  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の理科授業−その49:二段式・火薬飛行ロケット

原です。 
     いよいよ、5年間、ひとりで研究を続けた「火薬飛行ロケット」の最終回にします。 

   文字通りの、「独り研究」でした。  当時は、全共闘ゲバ以前で、世間は「貧乏でも平穏」
 でしたから、「中学生のロケット遊び」に、目くじら立てる「暇人のおとな」なんて、居ませんでした。 
   友だちにも「火薬の話」をせず、「空を飛ぶ夢;飛行機とロケットの話」に留めていたのは、
 少年心の奥底に、「鉄砲づくりや、火薬づくりの研究は、キケンだし、社会的にもヤバイ!」との嗅覚
 が、モヤモヤとあったのです。 今も私の足首に生きている弾丸の「自作鉄砲の暴発」での重傷事件も、
 親にも、学校にも知られず、病院へも行かず、足を引きづりながらも、一心に隠し通した3週間でした。

                それらの理由は、ただひとつ。 
  「こんなに、ドキドキ楽しい科学研究を、止めさせられたくない!!絶対、続けたい!」一心でした。


 そして、 ドキドキ楽しい科学研究;「2段式・爆薬混合火薬飛行ロケット」の打ち上げ成功!の日に、
     河川敷の夕暮れの空、 「ロケット白煙の航跡」を追いながら、破裂寸前のドクドク心臓を感じ、  
   「脳みそ真っ白の夢世界」に迷い込み、学校に帰り着いたら、「真っ暗闇の教室棟」だった。 

     染色工員中の労災事故のとき、「なよなよ女形先生、実は、鉄人アトム先生」紹介の、
  岩波新書「死の商人」や、「会社は、冷たい!」とこぼしていた父の話などを、手術後の病室で
  心底から納得し、父と先生を思い浮かべながら 、「もう、会社には戻らない!」と、固く決心した。
     すると、次から次へと、「科学あそびに、ドキドキ夢中の自分少年」が、現れるのです。
            その自分少年が、「憧れの理科の先生」への、ガイドさんでした。

   中学2年生に始めた「火薬飛行ロケット」は、「推力不足の長期課題のもやもや」を、中学3年生のときの
  学問知と自分の技術の「統合的出会い」によって、一挙に、質的レベルアップを果たし、「ペンシル型ロケット」
  発射角度約30度での飛行距離は、常時約60mの高性能だった。この頃は、天体望遠鏡の製作と観測
  (誠文堂新光社の「ガリレオ式・レンズキット」使用、月のクレーター・木星の4衛星・土星環など感動!)や、
  手づくりカメラ製作・撮影・現像・焼付けも、セッセとやっていたのだから、 今、思うと、驚きだなあ・幸せ少年!

   愛工入学直後に、「火薬飛行ロケットの研究継続」のために、「化学クラブ」に入部した。上級生が、新入生に
  「入部カード」を配布し、「氏名、入部動機、研究予定テーマ、活動可能日」などを記入させた。基本的に、個人
  研究活動が伝統であり、私には好都合だった。毎日来るのは、全体で5〜6人で、静かな活動の日々であった。
  香料エステル合成、プラスチック合成、染料製造など、それぞれであり、「火薬研究」は私だけだった。

        1年生〜2年生での課題を、二つにした。
    課題1、黒色火薬に、より火力の強い火薬を開発研究して、それを加えた「混合火薬」を開発・使用する。
    課題2、ロケット機体を、「ペンシル型」から、より太く長い「大型」に挑戦する。

  課題1、「火薬」について。
   まず、「合図ピストル用・火薬」を思いつき、2枚買って、1粒ずつ剥がしとって集めた「混合火薬」は、金食い×。
   つぎは、高校生らしく「ニトロ化」に着目!定番の、「硝化綿」。しかし、結果は、派手だが出力不足×。
   そして、前回の「ピクリン酸の合成」による混合火薬製造となった。「蒸発皿上での燃焼テスト」では、
     黒色火薬8.5〜9.0対ピクリン酸1.5〜1.0の混合比が良好だと判定した。この混合火薬を、
    容積比約3割分を、発射加速初期用として装填した。(これらデータは、試射の繰り返しで確定した。)
    2段ロケットでは、1段目に、容積比約4割分を、発射加速初期用として装填した。
    
  課題2、「機体」について
   1)、内径1.5cm、機長20cmのロケット。約15機を打ち上げた。    これでも、ペンシル型に比べると、
     1回の飛行での火薬使用重量や、総重量(約40g重)は、 約4倍!となった。 
     また、機体の画用紙を、2層→4層に。重要な噴射口も、「チョーク」→「焼石膏ブロックづくり後、削り加工」と、
     より複雑工程になった。
        この大きさになると、噴射音も「迫力・重厚さ」も増し、緊張した。飛行性能良好で、満足。
   2)より大型、そして、2段ロケットへの挑戦。総重量は、約120g重。 4機を打ち上げた。
      1段目;内径3.0cm、機長15cm、4層構造のロケットで、2段目ロケット支持装置付き(カウリングと竹ひご)
     2段目;内径2.0cm、機長25cm、4層構造のロケット
    上下のロケットのスムース・確実な脱着装置は、実際に試射を繰り返して、上記で完成した。
      ゴーッと大きな噴射音は、轟音に感ずるほどで、非常に緊張して、思わず「後ずさり」した。
     「切り離し飛行性能良好」で、最初の成功日は、就寝時間になっても興奮冷めやらず、満足だった。
    3)、発射・点火は、自作の導火線を使用。
     「太いタコ糸の撚りを戻しながら、糊液に漬け込み、新聞紙上に広げた黒色火薬上に押し付け回転して
      火薬を付着させ、風通しのいいところで、3日間自然乾燥させると、自作の導火線の完成!。」

   最後に、愛工での学習指導について、少し触れます。  一言で言えば、「生徒の自立した学習を信じた指導」です。
   決して、わかり易く噛み砕き過ぎず、強制的宿題は無く、自発学習をすればするほど『学びの喜びを実感する』
   仕掛けの、学習指導法でした。  私の現職時代には、「自発的・自立学習をする生徒を育てる」、参考にした。
       例えば、私は、毎夜、就寝11時までの3時間を、『予習中心学習習慣』を3年間、楽しく続けた。
   なぜなら、「自分がわからない部分を、予習によって明確にしてから、授業に臨むことによって、より深い学びの
   喜びを実感できる授業」だったからです。
     化学の授業では、「教科書」と「副読本2冊」を使用しました。
     副読本は、「共立全書20・化学通論、飯島 俊一郎著」と、「共立全書74・有機化学、漆原 義之著」の
      2冊で、「名工大の学生も使用中だが、予習すれば君たちは理解できるよ。」と、「クラブ顧問」でもあるA先生
      は、僕たち生徒に言った。  嘘では無い「指導」だった。他の先生たちも、のんびり、そんなもんだった。
   
    (次回から、「ヒトの子どもの本質」に素直に沿った、「あたりまえの理科授業づくり」  の予定です)  



番号 08H-019  送信日 08/08/31  差出人 田中 英二
件名 物理サークルで杉山先生の話を聞いて

こんにちは、田中です。
7月の物理サークルで、杉山先生の話を聞いて、その中に「火星の夕焼けは青い」という話があり、また調べたところ、岩波書店から「火星の夕焼けはなぜ青い」佐藤文隆著という本が出版されていましたので早速かって読んでみました。
その中にNASAのホームページが書かれていたので調べてみました。(もっと速く調べればよかった)添付する写真はそのページから撮ったものです。
ホームページは http://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/marspath_images.html
です。なぜそうなるかは、本をお読み下さい。それでは、



番号 08H-020  送信日 08/08/**  差出人 ** **
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番号 08H-021  送信日 08/08/**  差出人 ** **
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番号 08H-022  送信日 08/08/**  差出人 ** **
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番号 08H-023  送信日 08/08/**  差出人 ** **
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