番号 08E-001  送信日 08/05/05  差出人 田中 英二
件名 DEZIMIN PIGMIN

 こんばんは田中です。
連休中にPICMINの計算をしてみました。静電容量を変化させるけれど、量的にはどのくらいなのかわかっていなくてプログラムを組んでいたので、実測と計算の突き合わせをしてみました。その結果わかったことは、、2オクターブの音を出すのに、周波数としは1.635kHz(ベース周波数は91.2kHz)変化させます。これはベース周波数に対して1.79%です。このとき、静電容量の変化は1.79pFです。意外に小さいので驚きました。もっと大きいものと思っていましたので意外でした。
 しかし、こうして実測し、波形を見て、計算式を自分で作り、照らし合わせてみると、いままでもやもやしていたものがはっきりと見えてきてどうすると、もっと使い勝手がよくなるか考える方針が見えてきました。ここで、いつも教訓化するのが私の悪い癖ですが、物事とどうしたらいいのかわからないときは、対象としているものがよく構造まで見えていないのです。よく理解できるまで見る
と、先が見えてくるんですよ。このいまの世の中も本当にはよく見えていないので、どうしたらいいか、本当のところがわからないのですよ。
お休みなさい。



番号 08E-002  送信日 08/05/06  差出人 原 弘良
件名 工業高校生・発信の教育原理−その24

 原です。

      「荒れる工業高校の現象と、その本質」を、 直感して、何を教育実践したか? その結果は?

 1、荒れる工業高校の現象 

  1)  「東の千葉、西の愛知」の言葉に象徴される管理主義教育の嵐が、70年代・全国のj実業高校生、とりわけ、
         集中的に工業高校に襲いかかり、「生徒一人ひとりの、人間の尊厳」を蹂躙していた。
    管理主義教育、 別称「形から入る教育」は、  生徒一人ひとりの納得による多様な自律行動を否定し、
   「教育的指導」と称して、 教師権力の一方的強制行動への服従を強いるを、  特徴としている。
    その管理主義・教師権力の行使は、  「時代の要請」と「目の前の生徒の荒れる現象に対する、緊急避難措置」として、
   教育現場では、一人ひとりの教師が、「止むを得ないなあ」と追認するケースが多く見受けられる。   今も、なお。

      < 現象例 > ;「高校ランク別順位格差の固定」が、中学・高校現場の「本来の教育」を、大きく歪曲した。今も。 
    工業高校入学後の、生徒への「心のひずみ」例と、工業高校生徒が強いられていた「教育環境」例。
    ァ、中学同級生で通学方向が同じでありながら、高校ランク別通学ルートを自転車通学して、「顔合わせ」を避ける。
            「ヤリ高とは、顔を合わせたくない」は、生徒の言。  (本来なら、一緒に学び遊び励ましあった仲だろうに)
    イ、「退学生徒」が、毎年、20人前後と、続いていた。そのうち、学校側からの「強制退学勧告」による生徒までも!
            電気・機械・土木・建築のうち、1学年の土木・建築科の未分化クラスが10名以上を占めた。
    ウ、教育指導と称する、登校禁止命令の「家庭謹慎指導」が、年間100件以上、続いていた。
    エ、「家庭謹慎指導の量刑マニュアル化」により、生徒個々事情による「不平等」を回避し、校務の処理効率をあげた。
            <家庭謹慎指導量刑例> 
       *ノーヘル3回で、自転車通学禁止1週間   *無届け欠席は「怠学」で、校長訓戒
       *無許可アルバイトは、3日〜1週間       *喫煙・飲酒は、1週間
       *万引き・窃盗は、2週間以上          *傷害・暴力・恐喝は、無期〜退学勧告
        (当時、職場の愛高教・分会員は、教員の約25%前後であり、職員会議の表決では、反対票を投じ、
                  「無期〜退学勧告」提案には、「教育放棄だ」と、論議を交わし強く反対した。)
  
  2、荒れる工業高校の本質
                   歴史から学ぶことは、多い。  とりわけ、「権力が、誰のため、何のため?に、教育を利用するか。」 
     これまでも、何度か触れたが、「権力は、生徒一人ひとりの”人間の尊厳”を 一顧だにしない本質をもつ。」のである。 
     誰のため、何のため?と、「目の前の現象に対する、権力の本質:モノサシ」を当て考察すれば、「現象の本質」が透視できる。

      朝鮮戦争特需景気という「人殺し景気」によって、敗戦から日本経済界が蘇生してゆく。それは、安価な人件費と生活
    向上を求めた日本国民の猛烈な勤労意欲、学習意欲に支えられた「工業技術立国による、低価格商品生産・輸出国」
    として、「世界の工場」にのしあがった日本だった。(私も、染色工員時代は、毎月120時間以上残業する「猛烈工員」だった。)  
                それを支える、「物言わぬ作業層の人材供給源:工業高校」が緊急に必要であるが故に、
       「生徒一人ひとりの”人間の尊厳”を 一顧だにしない権力の本質:モノサシ」が、 政・官・財が結託して急速・強力に
     推進した「学校多様化路線」を驀進する教育行政が実施され、「エリート1割、管理層2割、作業層7割の人材供給源」
     を公言して憚らぬ「異常な教育」に、「お墨付き」を与え、時の経過と共に多くの人々の感覚麻痺が、今は
       「高校ランク別順位格差固定」を寛大に受容し、1ランク上の高校合格を目標とするかのごとき、中学の現実を感ずる。

      しかし、いつの時代であれ、  生物の一種:ヒトも、生物の進化の歴史を経て、すべての生物は、今、この地球生態系の
    一員として生きて存在しているのであり、それぞれの生物の本質的特性は、不変であり、厳然と在る。
     人間世界の、ましてや、人間権力世界のチョロチョロした変化に強制されて、「生物の本質的特性」が変質するほど、ヤワで
    はないのだ!   これが、環境問題の本質だろうが、 
       「荒れる工業高校の本質」は、「ヒトの子どもの本質、人間の尊厳」を蹂躙している教育を告発し、抗議し、救済を、
    生徒たちが求めている現象なのだ。  それを、騒ぎ立て、工業高校生が悪い!かの如き当時の風に、同じ工業高校卒の
    私としては、「教育実践の積み上げ」で、対抗しながら、いつも、どんな時でも、一度っきりの人生の日々を、生徒と一緒に愉しんだ。

   突然ですが<番外編>  また、教え子が逝去
      昨晩、久しぶりの教え子からの電話あり。 「就学免除」をくらった時代の人で、このクラスは新任3年目。
            私は、学級担任やると、いつも、生徒に「学級新聞発行」を勧めた。
      このとき、編集長だったS君の奥さんから、彼女に電話、そして、私に。  学級新聞は、「スクラム」と生徒たちが命名して
     クラス「心の団結」の拠り所として、生徒たちは互いに創り発行し続けた。 ある日、それを嗅ぎつけた新聞社が取材に来た。
     当時、「教育の毎日新聞」と言われていたが、校長先生が漏らしたらしい。8人の生徒たちの笑顔が、学級新聞を持ち、
      大きな写真入で掲載された。その新聞を見ながら、生徒たちの笑顔が本当にうれしかった。
          彼は、重度の「脊椎側わん症」、卒業後進学して、「作業療法士」として伊豆の病院に勤め続けて自宅も建てた。
        2年前から、静岡大学に学びながら勤め、この3月、60歳定年退職。「大学での学びを楽しみにしていたのに」と、
      奥さんが。最後は、「湯船で、微笑むように、幸せそうな顔、表情だった」と、奥さんが、明るく話されたとのこと。大往生。
        電話をくれた彼女は、「脊椎カリエス」で下半身麻痺。岐阜県から、名古屋養護学校へ。卒業後、進学し、
      「歯科技工士」として個人・歯科医院で現在も働いている。厚生年金加入が無いので、若い頃から、「個人年金積み立て」
      で、自助努力をしているとのこと。  教え子たちの境遇を思うと、いつも、わが国の冷酷さに、むかっ腹が煮え返る。

         
         体が不自由なため、お互いの行き来が叶わなくとも、家族ぐるみで励ましあい、心を支えあって生き続ける
         養護学校の人たちが、今も、「人の輪」のなかに私を包んでくださる「教職の幸せ」をおもう。
         「養護学校生徒発信の教育原理」の、紛れも無く普遍性があるを、「教え子たちの絆の電話」で、再確信している。
        だけど、こうして、もう、多くの養護学校教え子に先立たれ、その人生の苛酷さを想像するとき、
          「人間として、しっかりせいよ!しっかり生きろ!」と、身が締まるのです。

      工業高校で、それで、なぜに、どうした?  に続けます。次回は。



番号 08E-003  送信日 08/05/07  差出人 澤 寿朗
件名 「理科の鉄人」企業と連携

澤@JJA企画室です。

 以前、企業連携でお越し頂いた篠原氏に、ご自身の研究内容を
話して頂く機会がなかったので、今回ぜひにとお願いして、
快く引き受けていただきました。

 ぜひとも皆様に聞いていただきたい!質問タイムもあります。
専門外の(物理専門の私のような)人向けに資料もご準備頂けます。

5月20日(火)は「理科の鉄人」企業との連携 @ 私学会館3F
 時間 19:30〜21:30(講演+質問タイム)
鉄人: 篠原 信 氏 (三重県の方です。)
所属「農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 野菜IPM研究チーム」


タイトル:
「病憎んで菌を憎まず・・・・細菌細胞間情報伝達物質クオルモン」
と「可視化する『根』の世界・・・有機養液栽培」
前者は世界で2番目、後者は世界で初めて成功した研究で、
いずれも講演依頼が殺到している注目度抜群の内容です!
前者は、「病原菌や有用細菌は、クオルモンという物質で細胞同士が『おしゃべり』しながら、
相談している」という内容です。
後者は、「微生物の分解反応を利用して、水耕栽培で有機肥料の利用を
世界で初めて可能にした」という内容です。
研究的効果としては、「世界で初めて、根と微生物の相互作用を直接観察できる」点が
評価されているそうです。

是非、聞いていただきたい!!
◆◆◆資料の関係上、参加人数を知りたいので、参加希望の方は澤までメールください。



番号 08E-004  送信日 08/05/10  差出人 岡田 高明
件名 次々回名古屋EHC企画「ミラーボックス」製作者募集

名古屋EHC通信 2008.5.10

    明日5月11日は名古屋EHC「PICMIN(ピクミン)」
   の製作です。みなさん頑張って作りましょう。
    さて次次回のEHCの企画は「ミラーボックス」です。
「ミラーボックス」は四方がハーフミラーのボックスの中で、
   前後・左右はどう写るか、回転はどう写るか、その無限の光の
   世界を作り出します。製作される方を募集します。
     

日時   2008年7月5日(土)10:00〜17:00
テーマ  ミラーボックス
講師   前田茂穂先生(三重物理サークル)
会場   ***高校化学実験室(3F)
準備   電子工作工具(はんだ、はんだごて)、
 プラスドライバー、アクリルカッター、
        あればピラニアのこぎり
予算   4100円

 製作を希望される方は5月24日(土)までに事務局岡田高明
まで期限厳守でお願いします。



番号 08E-005  送信日 08/05/10  差出人 船橋 隆久
件名 Re:加藤です

船橋です。
いつも生徒とのふれあいを大切にし、楽しい実験を紹介されている加藤先生の姿勢に感銘を受けています。
さて、「ナトリウムと水との反応」を観察する実験ですが、以前はビーカーの中に半分ほど水を入れ、その上にろ紙、そしてマッチの頭程度のナトリウム片を置いた後少量の水をかけていました。ナトリウムが融けて丸くなりしばらくして発火する様子は生徒も楽しそうですが、最後に「パチン」とはじけて飛び散る場合があり、「目に入ったりするのでは・・・・」と私もとても気になっていました。
そこで数年前から安全性に配慮し、次のような方法で生徒実験として全ての班で行っています。
@乾いたシャーレの中にろ紙1枚を敷く
Aマッチの頭程度のナトリウム片をろ紙の中央付近に置く
B100mlのビーカーをひっくりかえしてその上にかぶせる
C10ml程度の水をビーカーの注ぎ口付近からろ紙上にそそぐ
ろ紙上にそそいだ水は徐々に真ん中あたりにしみこんで、しばらくしてナトリウムと反応し発火します。最後に「パチン」とはじけますがビーカーがかぶせてあるので飛び散る心配もありません。その後フェノールフタレイン溶液をろ紙の上に数滴垂らすと、赤く変色し水酸化ナトリウムができたことの確認もできます。
すぐにビーカーを取り払うと、霧状になったミストを吸い込みむせるので、5分ほど経ってからかたづけるようにしています。
なお昨年10月に行われた「青少年のための科学の祭典(名古屋大会)」の「モルの会」のブースで、この方法による「ナトリウムと水との反応」を紹介しました。参加者の大半が小学生ですが、2日間で100回以上実施してその安全性が確かめられたように思います。
ではまた。


番号 08E-006  送信日 08/05/10  差出人 原 弘良
件名 第63回「科学クラブ」の様子・報告

科学クラブ・  原おじさん  です。

  第63回・「富田方わくわく・科学クラブ」を午前10時〜12時、自宅から100mほどの公民館で
                                           楽しんだ、  その報告です。
   参加したのは、         合計36名!   スッゲえな、とあらためて思う。
     ・ 正規クラブ員     小学1年生〜小学6年生  23名  (雨の中、 よう来たなあ)
               (各自  マグカップ1個と生卵1個  持参)
     ・ どうしても来たかった中学生  3名   (雨天が幸いした  おじさん、うれしいよ!)
     ・ 母親 5名、幼児1名  父親 1名   
     ・ クラブ員から「兄ちゃん」と慕われる 大学生  1名     (今日も来た うれしい!)
     ・ スタッフ3名(全員もちだしボランティア)
         三児の母親:「食べ物の科学」テーマ決定と抜群の調理技、食材調達
         67歳:民生委員:公民館の使用予約と、当日の会場準備に片づけを子どもと一緒に。
         68歳:原:科学クラブ創設、実験テーマ決定・科学解説プリント作成
                子ども集団の指導ならびに親たちへの教育的意義の説明と質疑応答

   テーマ1・「恐竜・ ( 子どもたちが、黒板に、自由に恐竜名を書く ) が、ほえた!」
        昔からの遊び。 T字型に折り紙して、そのすき間に思いっきり息を吹き込み振動をさせる。
        流体力学・「ベルヌーイの定理」の遊び版。応用話として、村祭りの「のぼり旗」のバタバタ音
        や、大型トラックの側では「吸い込まれそうな力」など、子どもたちの身近な経験と連想させた。
      ビュー、ビーと館内が、賑やかに沸き立つなかで、  「おなかが、 痛い! 」という声。
       急遽、全員を集めた。  挙手させると、5名。
               「ようがんばった証拠や、ええぞ!   みんな、おなかに手を当てろや。
               大きく息吸ってえ、  スーッとぜーんぶはいてえ。  気が付いたこと何だ?」
               「おなかが、へっこんだり、ふくれたりしとる」  「動かしとるのは、 何じゃ?」
                         、、、、、、。「筋肉や!」
               「さすが、6年生じゃあ。ピンポーン。それ、みんなで拍手や!」一斉拍手。
               「この筋肉は、胸とお腹分けている、フーセンみたいな筋肉なんだよ。
                名前は、横隔膜って言うんだぞう。このおかげで、呼吸ができるんじゃが、
               きょうは、恐竜声で、思いっきり横隔膜を使ったで、筋肉痛おこしたんじゃ。
               休んだから、もう、痛くないだろうが。みんなのおなかに、横隔膜の発見じゃ」
   テーマ2・ 「マグカップで、ケーキを作ろう!」   
               なにせ、36名もいる。   みんなに食わせる数たるや、その手間たるや、、、、。
          案ずることは無かった!  親たちが、ブレーク・アップして、チームワークよく自然に分担作業!
        これなんだよな。人間の全方位の可能性は、どこでどう開花するか?そんなこと、誰も知らん、わからん。
               予測不能、なんて、素晴らしい!  クラブ活動が、新天地にワープした気がします。
              この気分は、現職時代最後の実践、
          「270名余の生徒一人ひとりが、生き生きして、7ヶ月間の一人研究を眺める日々の感慨」
        に共通するものがあり、クラブを町内で立ち上げ、続けて8年目、うれしくメールしています。
                           では、        原  弘良


番号 08E-007  送信日 08/05/14  差出人 原 弘良
件名 工業高校生・発信の教育原理−その25

原です。

  ヒトのすべての子どもがもつ 『全方位・可能性の種火を、 炎にする』仕事が、 教育だった!
  
    究極の人間差別:「義務教育権利拒否;就学免除制度」を、教育行政措置によって実施する狡猾手法を
  用いて、法治国家の最高法規である「日本国憲法第26条1項『教育を受ける権利』」を、国家権力自体が、
  否定し蹂躙し続けた罪悪は、「権力の本質の一証左」であり、決して、生徒と私は許せなかった。
許さない行動とは、「目の前の生徒一人ひとりが主役になる、『授業づくり・学級づくり』」 です。

    8年間の養護学校の生徒たち、一人ひとりの人間と私の学校生活から得たもの それは、
   骨の髄まで定着した刷り込み:「教育の必須要素;居心地のいい教室」でした。

   ヒトの子どもとして、祝福され誕生した時から、タマタマ、「先天的障害者」であった「一人ひとりの生徒」や、
    友達と走り回って遊ぶ日々が、小学生になって次第に減り、松葉杖に、車椅子にと  生活が変化する
  日々を生きた女生徒とその弟が、タマタマ、「筋ジストロフィー症」(近年、遺伝子病と解明)であったり、  
   原因不明・治療法不明の「骨形成不全症」であったり、 タマタマ、「背椎側わんによる内臓圧迫による短命な
  25年の人生」であったり、「ポリオ・ウィルスや、結核菌感染による脊椎損傷後遺症」であった、教え子たちでした。
    私は、たまたま、癌治療放射線照射による一部感覚器官機能欠損の後遺症程度で、この先は、不明。
  健体者のだれもが、不明です。
   しかし、生徒に共通するは、
     1、だれ一人として、「障害者になる人生」を自分で選択したわけで   なかった事。 それなのに 
     2、 「就学保障義務責任」を負う教育行政から、「就学拒否」をくらったことでした!

  この生徒たちが、「居心地のいい教室を創る主役」であった事実ほど、
              「教育の原理」「本来の教育」の内容と方法を、わかり易く教示するものはない。

   
   人事異動により、工業高校の理科授業は、「全校・自主編成授業完全実施」という、夢の体制がスタートした。
  しかし、「荒れる工業高校生の現象」が、鎮静化する気配が無い校内状況が続く中で、
          毎年、全校退学者の過半数が出ていた、1学年「土木・建築科」の学級担任になりました。
   1学年「土木・建築科」学級40人の新入生が、夏休みを過ぎる頃から、ポロポロと学校から落ちこぼされて、
    2学年へ進級時には30人を切る という「悪伝統」が続く学級でした。 
 
                       ピンチは、チャンスです!
    ピンチをチャンスに転換する切り口は、「目の前の工業高校生」に、いくつもありました。

    1、「荒れる工業高校生の現象」から「現象の本質」を洞察すれば、「全員進級への道程」は視通せます。

       彼ら生徒一人ひとりの「心のゆがみ」は、自分で選択したものではなくて、「競争至上主義教育」により
      教えこまれ続けた「価値観」、すなわち、「勝者が正義」という、刷り込み結果としての、「劣等感・自己否定
      ・ヤケッパチ」であり、 かけがえのない自己存在を自覚する「教育的チャンス」を奪われた結果なのです。

        だから、「居心地のいい学級;ひとりとみんなが、共生・共学・共歓し合う学級づくり」を、生徒たち自身の
       自治活動の日々によって、互いに創り共通体験を重ねさせる、「学級担任の仕掛け」をすればいいのです。

     2、「最初の授業;養護学校の高校生たち」(私と生徒が撮影した8mm無声映画)を観る、真剣マナコがいい。
          「学ラン姿、マユゾリ、額のアオゾリ」も食い入って 無言の工業高校生。 みんなまともな若者じゃい!

     3、ヘルメット姿で四つ輪に乗り、白衣にヘルメット姿で校門に立ち続ける私を、「変な先生!」 とはやしたて、
       「ヘルメットの物理実験授業」に集中し、昼放課にプラッと入り込んだ教室で、スカGやF1マシーンのウィング
       機能などなど、持ち込み禁止の雑誌を囲み「クルマ談議」に熱中する、 工業高校・生徒たちは、いい!


                                 目標は「全員進級!」 
        実現方程式の解は、 「スクラム組んで、居心地のいい教室を愉しんだ養護学校の生徒たち」にあった。
                  入学式前に練った、「学級担任の仕掛け」構想は、大筋3点でした。

       1、 先生づらして「人間ドロボー」せずに、「ヒトの子どもの本質:友達好き・学び好き」に依拠したらええ。
                    ヒトの子どもは、全方位に亘る「多種多様な能力獲得の種火」を、潜在しているから。

       2、 一週間でやり切ることは、生徒自身が、生徒全員参加の学級づくり構想の理解・納得する「担任の指導」と、
          その実現保障の学級組織作りを、生徒全員の自主立候補参加体制で、スタートすればいい。
                         鉄は、熱い内に打て!

       3、一ヶ月でやり切ることは、学級自治組織活動を「巡航速度ペース軌道」にのせること。
          それには、日常的な生徒自治活動の「指導と支援」を、担任が「黒子役」で果たせばいい。
         (「人間ドロボー」になるな!: ヒトの子どもは、自身の試行錯誤経験からのみ、学びとる能力を持つから。)
          昔から、「苦労は買ってでもせい」。本物の認識は、行動から多くを得るのだから。 
           
          
                     「学級担任の仕掛け」具体的準備と実行:スタート一週間で

         1、入学式前;  学級づくり構想の検討と決定
            クラス役員決定は、生徒たちの自主立候補制による。(担任指名は、しない。「仕掛け」をつくる。)
            生徒たち一人ひとりの入学の喜びを、クラス全員の共歓体験となる「学級構想案」を練っておく。

         2、入学式当日:  新入生・保護者へのよびかけ
            ・本人手記「高校生になった自分の決意」、翌日に担任へ提出。後日、学級新聞係りが、文集1号に。
            ・ 保護者手記「高校生になったわが子への手紙」、2日後に生徒に手渡しを、依頼。
              ・ 学級担任の心の底から呼びかけをする。 「全員そろって、進級しようぜ!」
            ・一人一役・網目構造の「学級構想案」のぶち上げと、後部黒板への立候補名簿書き込み奨励。
 
           3、第3日目のST :生徒同士の心情告白と、団結のよびかけ   
            ・中退しそうな気がする生徒   6名(すでに)
            ・「級長になるチャンスだ!  起立!礼!着席。 整列! こんだけ叫べば、級長だぜ。
              ほかのクラスは、級長が指示しとるが、このクラスはまだ級長がおらんで、モタモタ移動しとるわな。
              将来、自分の子どもに、父ちゃんは高校で級長やったよ。  そのチャンスは、今しかないぜ!」
            ・「高校生のお前らが、このクラス全員卒業まで団結して、何でもかんでも議論して行動して、
             約束しあってやっていくのだ。担任のわしは、相談には乗るが、高校生のお前らに命令はせんのじゃ。」
            ・「必ず一人一役以上のクラス役員やって、お前らで全員卒業して万歳しようや。後部黒板に、
             係り表に立候補の記入せいや。あと4日以内が期限。最終決定は、お前らの話し合いでやって、
               翌日から、お前らが何でもかんでも話し合いながら、やっていきな。これ、高校生の自治活動や。」

               4、一週間後のLT: クラス自治活動組織の決定
            一人一役・網目構造の「学級構想案」の黒板記入は、満タン状態!。  生徒は、ヤル気なのだ。
             まず、担任の司会。 級長立候補者に教壇上で「所信表明」をさせて、生徒たちに、起立・不起立
                     により一人ひとりの責任ある意志表明をさせた。全員起立!全員拍手で、級長決定。
             あとの司会・運営は、級長に任せ、「 一人一役・網目構造の学級組織の決定 」を、一人ずつした。
              翌日から、この決定による「週番日直制」が、スタートした。
                                    (詳細は、  おいおいと )
 
        <参考>原が、「本来の教育」と考えてきた内容
            1) ァ、学力獲得と、 イ、人格発達は、 「不離不即の統一的関係」にある。
                                これは、多くの教育実践に共通する、考察・検証の結果です。
            2) 教室の児童・生徒一人ひとりの人格は、それぞれが、かけがえのない固有の存在であり、その潜在的可能性は
               全方位に亘る「多種多様な能力獲得の種火」として、ヒトの子どもが持っている。それを、炎にするが「教育」。
            3) この認識が、、「種火を炎にする」多種多様な教育実践の展開を創出し、実効ある教育実践の基盤となる。 
            4) 「種火を炎にする」多種多様な教育実践が、 競争教育と言う「単一価値観教育」を超克して、
                            「本来の教育」を実現するのです。
                次回は、一ヶ月で巡航ペースの生徒たち、週番日直制度         
                                              原  弘良


番号 08E-008  送信日 08/05/23  差出人 林 正幸
件名 MOLの会報告

こんにちは、林まさです。
 このところ田中さんの協力を得て、マイコン搭載の「電源・デジタル表示装置」とこれに対応する圧力計の、設計・プログラミング・製作&量産に時間を取られています。
 5月18日にMOLの会を開き、その通信案ができたので報告します。間違い、不足などありましたら、指摘してください。
 ではまた。


   MOLの会通信08−5号

 今回は岡田、田中、林まさ、福島、船橋の5名が参加しました。話が弾みすぎて船橋さ
んの、銅なべを使ったバケツ電池の検討ができませんでした。悪しからず。

セルロイド物語(岡田)
 今年の科教協石川大会のレポートのために、ホームページなどでセルロイドの歴史を調
べてみた。
 セルロイドは1862年にイギリスのアレクサンダー・パークスによって発明され、3
年後にアメリカで工業化され、セルロイドという名称が付けられた。日本には1877年
に輸入され、1905年から工業化された。
 20世紀半ばまではセルロイドとベークライトがプラスチックの主流であったが、現在
ではピンポン球の他には、ギターのピック、めがねのフレーム、万年筆、パチンコ台の装
飾がある。
 セルロイドは発火しやすく、白木屋火災や大日本セルロイド工場火災などの惨事をまね
き、また戦時には火薬工場に転用された。
 1954年にはアメリカでセルロイド玩具が禁止され、国内での生産は1994年に終
了した。
 「青い目の人形」「林芙美子の放浪記」などの話題は、8月の科教協大会までのお楽し
みとします。
 なお岡田さん、現在も細々と生産されている平井玩具製作所の青い目の人形を入手して
披露してくれました。

硫化水素(岡田)
 最近悲しいことで有名になってしまった硫化水素の発生。六一〇ハップという入浴剤に
サンポールという酸性洗浄剤を加えると発生し、たとえば硫酸銅水溶液に吹き込むと黒色
沈でんができる。
  CaSx + 2HCl ―→ CaCl2 +(x−2)S + H2S
これはやや単純化して見れば、弱酸の塩に強酸を加えると弱酸が生成する例であり、高校
の化学を学習すれば理解できる反応である。
 新聞などで誤って塩素系漂白剤と書いたりしているが、これを加えても硫化水素は発生
しない(酸化還元反応で硫黄ができることはある)。また入浴剤でも通常のものは、たと
えばバスクリン(炭酸塩を含む)では気体は発生しても二酸化炭素であり、石灰水に吹き
込むと白濁する。しかし問題はない。
  Na2CO3 + 2HCl ―→ 2NaCl + H2O + CO2
 ちなみに硫化水素は呼吸酵素を阻害して組織中毒性低酸素症を起こし、シアンと同程度
の強い毒性を持つ。1000ppmでは、数呼吸で失神、昏倒、死にいたる(「中毒百
科」より)。

 他にも、生徒から「アルカンはどこまで塩素化されるのか」という質問を受けた。エタ
ンは薬品カタログから6つの水素がすべて塩素に置換され得ることが分かったが、プロパ
ン以上はどう調べたものだろうか、と提起された。
 メタンでは塩素化されるほどラジカルになりやすく反応しやすくなる傾向がある。しか
しプロパン以上では立体的障害も生じてくるだろう。
 ちなみに CCl2F2 はフロン−12と命名されるが、数字の意味は、左が(水素の数
+1)で水素を含まない、右がフッ素の数である。3桁、4桁の数字もありややこしい。
 またメタンの光塩素化の実験も話題になりました。以前に私は、ブラックライトでもう
まく行かず、メタンと塩素をポリ袋に入れて、やむなくバーナーの炎で爆発させました。
使い捨てカメラのストロボを光らせるとうまく行くそうです。

色をどう教えるか(船橋)
 光が物体に当たって色が見える。物体は光の一部を吸収し、残りを反射する。しかも反
射した光を色として認識するのは色覚の作用である(光が本来的に色を持つのではない)。
このことを納得するのは、理科の先生でも容易ではない。
 そこでひとつの壁が白色で他は黒色の暗箱を作り、小さい穴からのぞくと、白色の壁が
黒色に見える。光が当たらないと色は生まれない。次に赤い物体を入れてもう一つの小さ
い穴から白色光を物体にあてると、白色の壁が赤色に見える。赤色の光が当たれば、白色
は赤色になる。

 光の3原色の実験に、3色LED(1本に3色が組み込まれ、キャップを被せて見る)
と赤、緑、青色の下敷きを使う。3つのスイッチを入り切りして3原色が、下敷きを通し
て見えるか調べる。また加法混色してマゼンタ、黄色、シアンを見せる。しかしほとんど
のLEDは単色ではなく、とくに青色は下敷きで見えてしまう。
 ちなみに絵の具の3原色のマゼンタ、黄色、シアンは、光の3原色のどれかを吸収する
ものである。

 ホットメルトボンドのスチックの断面に白色光を当てて横から見ると、近いところは青
色、離れるにつれて黄色、オレンジ色となる。セロテープで2本つなぐと効果的。これは
レイリー散乱であり、微粒子による散乱の強さは振動数の4乗に比例する。つまり青色は
散乱されやすく、黄色やオレンジ色は透過しやすい。
 ちなみに光の反射は一定以上の大きさの面がないと起こらない。
 また金属は細かくなると黒色になる理由も話題になりましたが、はっきりしません。反
対に硫黄は細かいと白色です。

分圧の法則(林まさ)
 圧力計の表示をミリアンメーターからデジタル表示に変えようということで、田中さん
の協力を得てやっと昨日可動するようになった。
備考:この「電源・デジタル表示装置」と対応する圧力計の設計・製作については、別の
   場で報告する。
 この装置を利用して、2つの条件でメタノールの蒸気圧を計測する。始めに圧力計を
50mL注射器を使って1〜1.5atmに調整する。そして耐寒透明チューブとコック付
きガラス管を通したゴムせんの、チューブに圧力センサーを差し込み、シールテープを巻
いて250mL試薬びんに締める。この首にシャックル(建築器材)をおもりとして付け、
500mLビーカーに入った水にびんの口を除いて浸け、すこし加熱して30℃にする。
ここでコックを閉め、5mL注射器にメタノール1mLを採り、針をゴムせんに刺してび
ん内に注入し、圧力変化を計測する(注射器は刺したまま)。今回は1.180atmであ
った。蒸気圧は0.180atmである。
 次に圧力計を0.5〜1atmに調節する。マイコン搭載のこの装置は、テンキーで入力
してレンジなどを切り換えることができる。ちなみに圧力センサーはどちらも同じゲージ
圧−0.5〜0.5atmのものである。新しい試薬びんにゴムせんを締め、30℃の水に
浸け、水流ポンプで約0.5atmまで減圧してコックを閉める。これにメタノール1mL
を注入して圧力変化を計測する。なおわずかずつ空気が漏れて入る。今回は、注入の直前
が0.540atm、直後が0.740atmであった。この場合の蒸気圧は0.200
atmである。
参考:実のところ私自身が新しい装置に不慣れのため、後半では調整がうまく行かず、用
   心に持っていった古い圧力計を使った。後半の記述は話の流れが分かりやすいよう
   に、一部を脚色している。
 これで空気の圧力は蒸気圧に(あまり)影響しないことが確認できる。ある気体の振る
舞いは、他の気体の存在の有無に関係しない。そして全体の圧力は成分気体の分圧の合計
になるという「分圧の法則」が引き出される。
 またこの実験により、たとえば水の場合、空気があっても水蒸気の分圧がその温度にお
ける水蒸気圧になるまで、蒸発することが納得できる。したがって開放系では常温におい
ても水がすべて水蒸気になることは可能であり、洗濯物が乾くわけである。
 ちなみに水の内部は話が異なる。液体は分子がほぼ接触して押し合っているので、分子
が空気中に飛び出すことはできない。そして1atmという圧力が掛かっており、水蒸気
圧が1atmに達する100℃になると、内部で蒸発して泡になることが可能になる。つ
まり沸とうする。話を戻すと、表面の分子は見上げると青天井で、エネルギーさえあれば
いつでも水蒸気になれる。

吸水球(船橋)
 100均で「吸水球」というものを見つけた。吸水ビーズを大きくしたもののようで、
水を吸ってビー玉くらいになっている。
 この吸水球をコップに入れて水を加えると消えてしまう。水がほとんどの吸水球の屈折
率は水とほとんど同じである。
 商品の説明によると、アクリル酸( CH2=CHCOOH )とアクリル酸ナトリウムの
共重合体で、高分子はゆるく橋かけされている。高い吸水能力は、カルボキシレートイオ
ン( −COO− )とそのまわりに拘束されているナトリウムイオンが、水和や溶解のため
に水を分子内に呼び集めることによる。
参考:商品では高分子内に水が「浸透」すると説明している。
 これに6mol/L塩酸を加えると、ゆっくりしぼんでいく。この現象は吸水ビーズでは
顕著である。これは強酸の添加により、弱酸の塩であるカルボキシレートイオンがカルボ
キシ基( −COOH )にもどり、ナトリウムイオンは解放されて高分子の外に放出され、
吸水性を失うためである。
 この高吸水性高分子は、今年の「科学の祭典」のひとつにテーマにしようと話し合いま
した。



番号 08E-009  送信日 08/05/23  差出人 原 弘良
件名 ヒトの子ども発信の教育原理−その26

 原です。

         何事にも、表出する現象には、原因としての「事の本質」があります。

       「一学年土木・建築科,大量退学現象」の「事の本質」は、 何か?    と、考えました。

   その答えは、生徒に求めるしかない!  入学三日目、すでに「自分は退学しそうな気がする」生徒6名!
  明確な心情告白した生徒が6名なんだから、潜在的退学心情生徒の大量存在は確実であり、一刻の
  猶予も無い。    はじめの「一週間」で踏み留めの心情を、「一ヶ月」で、「まあ、このクラスで続けようかな。」
  の心情くらいまでに、「自分のクラスに心を向ける、教育仕掛け」が、必須不可欠だと、 目安をつけました。
    教育仕掛け人は、学級担任になった私自身であり、生徒:ヒトの子どもの可能性にかけよう、 とワクワクだった。

     「事の本質」の解明は、簡単だ。      生徒たちの歩みきた足跡を辿ればいい。個々の事情ではなくて、
  生徒たち共通の教育歴にこそ、日本全国の「荒れる工業高校の高校生の本質」があるに、相違ないから。
それは、「自分の人生を、どう生きるか?」を、学校教育、家庭教育において、生徒:ヒトの子どもに教育してきたで
  あろうか。 ヒトの子どもに考えるための「情報や機会」を正しく伝え、自分で判断する進路支援指導をしているか。

     日本国の教育行政の「学校多様化:競争教育による偏差値選別方式」が、学校教育現場を席巻し、
  わが子をみる「親の価値観」まで少なからず汚染している子育て環境下で、  目の前の生徒:「ヒトの子どもたち」は、
  毎日を、この日まで生きてきた。 よく耐えてきたなあ、と思う。
   高校の数だけ、「学力別に序列化された高校と価値観」が、生徒:ヒトの子の日常生活を取り巻き、
  「いい学校、底辺校」の価値観が自分を蝕んでいることさえ、気付く心のゆとりの無い生徒に、 「進路指導」によって、
   ここしか選びようの無かった「荒れる工業高校の中の、一番荒れている土木・建築科」のクラスだったのだろう。
        男子ばかり40名のこのクラスで入学三日目の心情が、  「退学しそうな気がする」、  なのだ。


                                 目標は「全員進級!」 
                   入学式前に練った、「学級担任の仕掛け」構想は、大筋3点でした。

       1、 先生づらして「人間ドロボー」せずに、「ヒトの子どもの本質:友達好き・学び好き」に依拠したらええ。
                    ヒトの子どもは、全方位に亘る「多種多様な能力獲得の種火」を、潜在しているから。

       2、 一週間でやり切ることは、生徒自身が、生徒全員参加の学級づくり構想の理解・納得する「担任の指導」と、
          その実現保障の学級組織作りを、生徒全員の自主立候補参加体制で、スタートすればいい。
                         鉄は、熱い内に打て!

       3、一ヶ月でやり切ることは、学級自治組織活動を「巡航速度ペース軌道」にのせること。
          それには、日常的な生徒自治活動の「指導と支援」を、担任が「黒子役」で果たせばいい。
         (「人間ドロボー」になるな!: ヒトの子どもは、自身の試行錯誤経験からのみ、学びとる能力を持つから。)
          昔から、「苦労は買ってでもせい」。本物の認識は、行動から多くを得るのだから。

一週間後のLT: クラス自治活動組織の決定
            一人一役・網目構造の「学級構想案」の黒板記入は、満タン状態!。  生徒は、ヤル気なのだ。
             まず、担任の司会。 級長立候補者に教壇上で「所信表明」をさせて、生徒たちに、起立・不起立
                     により一人ひとりの責任ある意志表明をさせた。全員起立!全員拍手で、級長決定。
             あとの司会・運営は、級長に任せ、「 一人一役・網目構造の学級組織の決定 」を、一人ずつした。

              翌日から、この決定による「週番日直制」が、スタートした。

その後のクラスは、どうなったか?
                       生徒のことは、生徒に聞け。 というわけで、
                  生徒の学級新聞36号まで発刊と、文集8号まで!  の添付ファイルから想像ください。

(お詫び)  ワード文書に添付・送信しようとしても、受け付けません。
              生徒の作品なので、なまなましくて楽しいしわかっていただける内容ですので、もうちと試してみます。
               どなたか、教えてくださればありがたい。



番号 08E-011  送信日 08/05/24  差出人 船橋 隆久
件名 Re:MOLの会報告

こんにちは、船橋です。
「吸水球」は、岐阜物理サークル「第254回例会」で土肥さんが「消える玉、消えない玉」で紹介されていたプランツボール(植物栽培用高分子吸水球)で、私は百均のダイソーで手に入れました。商品は水をたっぷり含んでプヨプヨしており、ビー玉くらいの大きさになっています。1週間ほど放置しておくと直径1〜2mmの大きさのビーズ状になったことから、伊賀さんが古道具屋で手に入れられたものと同じではないかと思います。
モルの会では「吸水球が自重の1000倍近い水を吸収できるのはなぜ?」ということが話題になりました。そのときは「水和や溶解のために水を分子内に呼び集めることによるのでは・・・」ということになりました。一方「教科書ではカルボキシレートイオン( −COO−)どうしの反発による網目の拡大として説明している」との意見も出されました。
後日手元にある教科書(化学U)を調べたところ、4冊中3冊がカルボキシレートイオン( −COO−)どうしの反発による網目の拡大として説明していました。よく分からない部分もあるので、6月28日「理科実験お楽しみ広場」に持って行きたいと思っています。
それから「科学の祭典」は名古屋市科学館で例年10月上旬の土日に行われています。今年もモルの会として参加する予定で、林正幸さんが窓口として担当されています。伊賀さんが参加していただけるとうれしいです。
ではまた。



番号 08E-012  送信日 08/05/25  差出人 原 弘良
件名 教育原理27:学級新聞・文集−その3

  いやでいやで、仕方なく劣等感・屈辱感いっぱいの彼らが、、「東の千葉、西の愛知」 と、激しい
  管理教育(型はめ強制教育)が吹き荒れる工業高校で、波風無くすんなりと学校生活できるわけが無い!
  私は、クラスを、生徒自身の自治管理王国にすることを、呼びかけ続けた。「考えろ、自由に。もっとやれ!」


番号 08E-013  送信日 08/05/25  差出人 原 弘良
件名 教育原理27:学級新聞・文集−その4

 家庭謹慎2週間をくらっても、くらった本人二人は「あのクラスに早く戻りたい!」と、謹慎中に
   「心の拠り所としての、クラス」を確認するまでに、「学級の包容力」が増してはいたが、何が起こるか
   予測できるものでは無い。それが、思春期の特徴であり、何時いかなる時でも、

    「心配するな! いつでも、何でも『心のうち』を、ぶっちゃけようよ、友だちじゃないか!」という学級。
  その包容力ある居心地のいい学級こそが、「学校の優位性」なのです。
    もう間近になった「全員進級の春」、そのとき、「不登校のM君」問題が出現したのですが、
  クラス全員の「一人ひとりの心の手紙」を持って、級長と私が、カーテンを閉め切った薄くらい部屋で、
  沈黙の3時間 が過ぎ、肩が震えだし、やがて号泣するM君が、級長に「あしたから、行くわ」。
     それが、下の 「  ・・・・君も帰ったことだし  」 なのです。 
         また、      エンブー君は、この時点で、赤点が4科目ありましたが、その後の
              学級会議で、本人の希望に沿って「学習委員会の24時間サポート」を受け、
              帰宅後も、学習委員の電話指導と、生活管理によって、無事乗り越えました。
     とにかく、生徒たちの「友だち力」は、ものすごい教育力なのです。
  彼らの教育力は、「先生の教育力」を、大きく上回る愉快な事実にその後も出合うことになります。



番号 08E-014  送信日 08/05/25  差出人 林 正幸
件名 科学の祭典は10月4,5日

こんにちは、林まさです。
 昨日、一昨日は科学館で先進科学塾「電波を飛ばして測って捉まえる」(講師は林ひろさん)を開き、忙しく楽しい時間が過ぎました。
 さて今年の「科学の祭典」ですが、10月4,5日(土、日)に、名古屋市科学館とでんきの科学館で開催されます。個人で申し込んで出展することもできますが、MOLの会では例年グループとして2つのブースを申し込み、そのためのスタッフを募っています。やってみようという人は私までメールあるいは電話で連絡してくだ
さい。ちなみに愛知物理サークルも同じように出展すると思います。そして締め切りは6月20日です。
 より詳しいことは科学館(052−201−4486)の学芸員の村山 貞雄さんに連絡をとってください。
 ではまた。



番号 08E-015  送信日 08/05/27  差出人 船橋 隆久
件名 Re:ところで

こんばんは、船橋です。
あの時の鉄粉花火は次のようなものを使いました。
@ 棒なようなものは
 クリーニングの針金ハンガーを約20cmに切り、ビニール皮膜をはがす.
A 糊のようなものは
 バーベキューのたき火着火剤として市販されている商品名「Fire Blit」(パール金属(株)製造)を使いました。マヨネーズのような容器に入っていて(240g)、値段は500円程度だったと思います。主成分はメタノール、エチレングリコールです。
B 準備は
 @の針金をAの着火剤の容器に差し込むと、ほどよい程度の着火剤が針金にくっついてきます。その後鉄粉(私は300メッシュを使いましたが、たぶん何でもいいと思います)を着火剤のついた針金に振りかけます。
C 点火
 針金を45度程度傾けてマッチで点火します。垂直に近い状態で持っていると着火剤が一気に燃えあがり、やけどの心配があります。角度は適当に調整し火の勢いを加減します。
D 完成
 20秒ほどリサイクル線香花火を楽しめます。

ではまた。



番号 08E-016  送信日 08/05/29  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−28,文集

    原です。

  工業高校生たち一人ひとりにとっては、自分の手の及ばぬ選択を余儀なくさせたもの。それは、
      1・「東の千葉・西の愛知」の管理主義教育の嵐が、集中的に吹く工業高校。
      2・「学校多様化教育行政:偏差値選別による高校数だけランク付けの現実」での、底辺校。
      3、男子だけの高校。男女共学で育ってきた小・中学校とのギャップ。
   これらの複合的心理攻撃が、思春期のナイーブな心を生きる「工業高校生一人ひとり」の孤立を
  日毎に増長し、その総合的結果の現象として、工業高校の中でも「行きたくなかった学科:土木・建築科」
  の大量退学者が連続する悪伝統を、引きずっている。 私は、そのように考え、「教育の仕掛け」をした。

「教育の仕掛け」は、「授業づくり」であれ、「学級づくり」であれ、「滑っても、転んでも、生徒が主役!」
  ですから、両者に共通必須なものがある。 その前提を認識した時に、両者に独自・固有のものが、機能する。
   両者に共通必須なものとは、  
     1、生徒は、生物の進化誌の一員としての、生物の一種:ヒトの子どもであること
     2、ヒトは、互いのコミュニケーションを図ることで、共生・共感・協働の「連帯体験」を累積するという
       「社会的本能」を刷り込んだ遺伝子の発現によって、厳しい自然環境下を生きた生物である。
     3、それ故に、「一人ひとりの生徒の、人間の尊厳を否定する仕打ち」には、本能的に否定的ストレス
       となって、多種多様な教育不適応現象として発現するのだろう。 こりゃ、当然だなあ、と思う。
     4、したがって、上記3点を認識した上での「教育実践:教育の仕掛け投入」は、必然としての
       理科授業づくり・学級づくりは、「個人と集団」のコミュニケーション場面のシステム的展開となりました。
     5、その結果、「生徒ひとりの落ちこぼし、捨て去り」もなく、退職できたかなあ。と、考えます。
 
  
  こうして、養護学校生徒に学んだ「教育原理:原の教育仮説」は、究極の教育荒廃現象「大量退学生徒」
  を防止するという、事実によって、その正当性を実証しました。 下は、文集6「不登校生」のときのもの。



番号 08E-017  送信日 08/05/30  差出人 船橋 隆久
件名 Re:ところで

加藤先生こんばんは、船橋です。
返信いただきましてありがとうございます。
ハンガーの件ですが、燃えなければ何でもいいと思います。私は最初割り箸でやっていました。使い捨てで簡単だと思っていましたが、燃え上がって危ないと思いハンガーの針金(鉄)に変えた次第です。
それから炎色反応の件ですが、これも愛知の化学サークル「モルの会」で検討したことがあります。加藤先生が指摘されていますように、どうせやるならダイナミックに!と白金棒を使わない次のような方法で生徒実験をしています。

@ 準備
 ビールの空き缶30本、メチルアルコール、LiCl、CuCl2、NaCl
A 操作
ビールの空き缶のプルを取り払った後ひっくり返し、底のへこんだ部分にLiCl薬さじ2杯分くらいを置きます。そこにメチルアルコール約2mlをかけると、ほとんどLiClにしみ込んだ状態になりますがこれが好都合になります。マッチで点火すると赤い炎がメラメラと燃え上がり、暗くすると迫力があります。2分間ほどで燃え尽きますが、その後の実験でLiClを追加する必要はありません。メチルアルコールを追加するだけで複数のクラスで実施できるので手間もいりません。ただし、ご存知のとおりLIClは吸湿性がありますので、時間をおく場合はラップで空き缶をラップしておくことをお薦めします。
CuCl2,NaClも全く同様に実験しています。NaClは最初アルコールの燃える色が出ますが、すぐに黄色い炎色反応が観察できます。
B おまけ
 これはおまけとして塩素酸カリウムを使った実験をしています。
 乾いた直径18mmの試験管の中に塩素酸カリウムを薬さじの小さい方で3杯ほど入れます。スタンドで垂直に固定して、試験管の底をバーナーで加熱するとすぐに融解します。完全に融解してからバーナーの火を消してバーナーを遠ざけたのち、マッチの頭を取り除いた軸の部分を2つに折り、それを試験管の中に放り込みます。しばらくすると、火もないのに試験管の中でマッチの軸が激しく燃え上がり、カリウムの炎色反応が観察できます。生徒には「塩素酸カリウム」は内緒にして、「この薬品の中にどんな金属元素が含まれているかあててみましょう」と言いながら行っています。なお、この実験はちょっと危険なので演示実験にしています。

生徒実験用にビールの空き缶を10班分用意すると、30本は必要になりますね。私はこの季節になるといっぱいビールが飲めて幸せな気分になれます。生徒もその努力を認めてくれますし、時々健康を心配してくれる優しい生徒もあらわれ人間関係もよくなるように思うのですが・・・・。
以上参考になれば幸いです。ではまた。