番号 08C-001  送信日 08/03/02  差出人 原 弘良
件名 科学に霧中!3歳児:教育原理−その10

  こんにちは、  原ジイジです。
 昨3月1日、久しぶりに、焼津市の息子家族と、帰路途中には、豊川市の娘家族との貴重な「ひととき」でした。  「生きてこの世に在る証」として、、、。  
 すべての子どもは、「子どもの幸せ」を願う家族の宝でしょう。    教師として、「生徒」一人ひとりに、子どもへの家族の願いを自分に重ねつつ理科の授業、学級担任を心がけ、授業研究・学級づくりをしました。
 孫は5人、この子たちの幸せを、切に願うジイジです。 5歳の孫と電話すると、いつも「実験できた?」と心待ちにしています。 今回は、「忍者の昇り降り」で遊びました。  「忍者は、黒い服で夜働くから、黒く塗るよ」と孫。はさみで切り抜き、ストローをハの字にセロテープでとめ、糸通しをコツコツと進める孫とおしゃべりを楽しみながら完成!   遊び方を、「1回見せるよ」と実演した後は待ちかねた彼は、何回もチャレンジしてモノにしていきます。「両方、ひっぱりギッコンギッコンやると、忍者がするするだよ、ジイジ」「すごいなあ」「壁のぼりの忍者だよ、ジイジ」と遊んでいるうちに、「傾いた時に、動くよ。ジイジ。 なぜかなあ?」 と同じ動作を何度も繰り返し始めた。
 「しめしめ!」  と、私はメチャうれしい。 ふと、思う。「これって、高校の物理の授業で使えるじゃん!」3歳の孫娘が加わり、「うしゃしゃ!」と満面の笑顔で遊ぶ。 「3回昇り降りしたら、にいに(兄)と交代だよ」と、ルールを決めて、3人で遊び続けた。
 手もとの、大村 はま先生の「教えるということ」(共文社、1973年刊)の目次に、「素人教師と玄人教師、問い方を知らないマンネリ教師、専門職としての実力」などなどあり、おもしろい。



番号 08C-002  送信日 08/03/03  差出人 大羽 康利
件名 3.1 生物多様性 鷲谷講演会 関連

MLの皆様(BCCにて複数のMLにお届けしています。)
 大羽@渥美自然の会 です。
 1昨日、鷲谷いづみ教授をお迎えして「地域から 市民の視点で考える 生物多様性」を無事開催することができました。
 参加者は約150名と会場に一杯となり、時間を20分以上越えて熱心に議論もなされました。
 その様子や、参加者の感想を以下に掲げましたので、ご覧いただけますと嬉しく思います。
 報道 http://www.higashiaichi.co.jp/today_news/080302t/08030204.htm
 当日の概略 http://www.amitaj.or.jp/~irago-o/080301yousu.htm
 参加者の感想 http://www.amitaj.or.jp/~irago-o/080301kansou.htm

 ご参加いただいた皆さまには厚くお礼申しあげます。



番号 08C-003  送信日 08/03/05  差出人 林 正幸
件名 環境勉強会の報告

こんばんは、林まさす。
 日曜の環境問題を勉強する会の通信案ができました。修正・追加などありましたら、早めに連絡してください。
 次回は
  6月1日(日) 13:30〜  「林ラボ」
です。
 ではまた。


   環境問題通信08−3号

 今回は久保田、杉山、林まさの3名でした。話は盛り上がり5時を過ぎてしまいました。
塚田さんから届いた ”Let's try 4R ”も紹介して話題にしました。
 なおこの勉強会では、教育実践に関わる話題も歓迎です。もともと勉強の成果が教育に
還元されることが大きな目標と言えます。

酸性雨と二酸化窒素の調査(久保田)
 中学校で8年に渡って酸性雨の調査をしている。始めは100校プロジェクトであった
が、今では数校しか残っていない。
 ホリバの「レインゴーランド」で雨を採集し、5mLごとのpHと導電率を生徒のグル
ープが計測している。採集は1階の屋上で、跳ね返りが入らないようにしている。データ
には風向き、風速、気温などの気象データを加えている。
 学校は岡崎市の自然に恵まれた小高い丘の中にあるが、pHが4.*になるのが大半であ
る。ときどき降り始めのpHが6.*とか7.*になることがあり、連動して導電率が高く
なる。
 せっかくのデータをどう活用するかで悩んでいる。なお気温の調査をしているグループ
もある。

「蓄積されたデータは酸性雨の深刻な状況を如実に物語っている。」
「中国からの影響も考えられる。」
「参加した生徒たちが環境問題に向き合う機会になっている。気温を継続的に測るだけで
も意味がある。」
「降り始めがときに塩基性に傾くのは、酸性雨を中和する何かが加わっている。かつて硫
黄酸化物汚染がひどいときには排煙にアンモニアが混ぜられたことがあった。黄砂のよう
な自然現象かもしれない。」

 また99年、2000年には二酸化窒素の汚染調査も行った。学校や道路など10地点
で、6回である。
専用の「カプセル」を24時間つるし、ザルツマン試薬を加えて筑波技研の「ユニメータ
ー」で計測する。
 データは0.03*,0.04*、0.05*ppmがほとんどである。
参考:国の基準は日平均ではないが、これに換算するとおよそ0.02ppmに相当する。

「これも深刻なデータである。国道1号線に近いことも影響している可能性がある。」
「私(林まさ)も全生徒に、カプセルを自作させて調査したことがある。高校化学では、
検出反応がジアゾ化・カップリング反応で教材になる。」

アホウドリの復活など(杉山)
 かつて北西太平洋に広く繁殖していたアホウドリは、羽毛採取のために乱獲され、
1949年には最後の繁殖地の伊豆鳥島で絶滅したとされた。しかし51年には再発見さ
れ、92年からは環境省の委託で山階鳥類研究所が繁殖活動を行い、04年には1655
個体まで回復した。しかし鳥島は火山島なので、05年から小笠原諸島の聟(むこ)島に
雛を移送して繁殖地を拡げる努力をしている。絶滅の恐れが少ない近縁種のクロアシアホ
ウドリの成功を踏まえ、現在10羽の人口飼育が始まっている。

 獣医師会が学校飼育動物の飼育支援をしている。「愛情を基本に科学的な視点を与え、
弱いいものを庇うことを教える」という目標が実現されるためである。
 「鳥インフルエンザ対策」「両生類のツボカビ感染」「寒さ対策」など専門の立場から
丁寧に助言活動をしている。
  ホームページ:http://www.vets.ne.jp/~school/pets/

 他方で特定外来生物であるからと、池の水をすべて汲み上げてブルーギルを皆殺しにす
ることが自然保護活動として行われる。えらく短絡的である。進化の歴史の中では、生物
の移動は当たり前である。

「かつて目の敵にされたセイタカアワダチソウに対してススキが盛り返している。」
「日本在来のタンポポが増えている。」
「海岸が埋め立てられるというので、小学校がカニの引越し作戦を実施した。新しいとこ
ろで生き延びられるだろうか。」
「安易なペット類や昆虫類の国内への持ち込みは慎むべきだ。」

 杉山さんからは「愛知の野鳥2006」という冊子の提供もありました。これは県内
22カ所、40年に及ぶ、そして500種を越える野鳥の個体数調査のまとめである。調
査は愛知県が日本野鳥の会愛知県支部に委託したものであるが、観察者の長年に渡る努力
を思うと感動の1冊であり、愛知県の宝である。

参考:林まさがあと2冊預かっています。

「地球の掟」を読んで(林まさ)
 ゴア著「地球の掟〜文明と環境のバランスを求めて
(Earth in the Balance Ecology and Human Sprit)」
 1992年に原作が出版され、2007年12月に加筆されて新装版が出版された。私
が読んだのは後者であり、その幅広い知性に深い感銘を覚えた。2000年の大統領選で
僅少差でブッシュに破れたが、もしゴアが大統領になっていたら、米国は大きく変わって
いただろう。そのあと彼は別の道を歩む決心をし、昨年にはノーベル平和賞を受けている。
     序章  決意の旅
     1章  砂漠の中の船団
     2章  未来が投げかける影
     3章  気候と文明の歴史
     4章  仏陀の息
     5章  井戸が涸れたら
     6章  皮一枚の厚さ
     7章  絶滅する植物種
     8章  ゴミ捨て場
     9章  自治の力
    10章  エコノミックス(生態経済学)
    11章  技術偏重時代の落とし穴
    12章  機能障害の文明
    13章  魂の環境主義
    14章  新しい共通の目標
    15章  地球環境版マーシャルプラン
     終章  未来を捨てるな

 15章の提案の骨子は次のようである。
@世界人口の安定化
 歴史がはっきり示しているように、高い出生率と高い死亡率の極端なバランスから、低
い出生率と低い死亡率の安定したバランスへ変革させていく必要がある。低い幼児死亡率
と高い教育水準を実現した先進諸国では安定したバランスに到達しているが、まったく逆
な状態にある発展途上国では、バランスはさらに極端に悪い方向に向かっている。
A環境に優しい技術開発と技術移転
 特にエネルギー、交通、農業、ビル建設、製造の分野では不可欠である。この技術が開
発されれば、経済的発展と同時に起こる環境破壊とをうまくバランスさせることができる。
こうした技術はただちに他の国へも移転しなければならない。地球環境版マーシャルプラ
ンに参加することで第三世界が負わなければならない義務を免除し、債務弁済の代わりに
するべきである。
B我々の決定が環境に与える影響を評価する経済的な「ルール」を全面的に見直すこと
 我々は国際協定によって新しい経済会計学上のシステムを確立しなければならない。そ
れぞれの市場において個人や企業が日々行う選択と、国家によるマクロ経済的な選択の両
方が環境に与える影響を正確に評価できるようなシステムが必要だ。
C新しい国際協定の交渉と承認
 新しい協定では、規制の枠組み、特定の禁止令、制度の実施、協調的な計画、手段の共
有、報奨、罰則などあるゆる義務が盛り込まれる。これらの協定に際しては、先進国と発
展途上国との間では能力もニーズも異なるということを十分理解しておかなければならな
い。
D地球環境に関する教育プログラムの確立
 あらゆる国の国民、特に学生に進行中の環境異変を調査し、監視する総合的なプログラ
ムを提供し、地域的な、時には地球規模の環境に対する脅威に関する情報を広めることで
ある。

 Aに関わる記述の中でつぎのような日本評価がある。
p370
 日本はこれまでも高い利益を生む技術開発に力を注いできた。今、彼らは環境問題や省
エネ、省資源などの課題に果敢な挑戦を始めている。地球温暖化の問題で、日本は、時間
はかかるが非常に素晴らしい包括的な100年プランを発表した。それは、絶え間なく技
術開発を繰り返し地球温暖化を食い止め、既に始まっている異変の影響に対処するプラン
である。その計画に述べられているのは地球温暖化にとどまらない。環境破壊を防止する
技術分野では、日本がはっきりとリーダーシップを取りつつある。

 私は13章にも強い関心を持った。
p280
 我々は、知覚、感情、思考、および選択する意志を通じて世界とつながっているが、こ
の全てを支配するのが、いわば人間の内部にあるエコロジー(生態系)である。我々は自
分の経験を五感から得た情報に焦点を当て、これまで得てきた経験に基づいて形成された
複数のレンズを通して解釈する。しかし、いまや科学や技術の革命がもたらした衝撃によ
って自分の存在や人生の目的意識が破壊されそうになり、この人間内部のエコロジーがひ
どくバランスを崩してしまうおそれがでてきた。だからこそ我々は新しい「魂の環境主
義」を育てることが必要となる。
p287
 フランシス・ベーコンはデカルトの二元主義をさらに一歩進め、人間が自然から切り離
された存在というだけでなく、科学を宗教から切り離されたものと考えた。彼の考えでは、
科学的方法によって導かれた「事実」そのものは、道徳的に何の意義もない「科学的知
識」である。ただ、善と悪を区別する「道徳的知識」だけが宗教的意味合いをもつとされ
た。この皮相な区別が深刻な意味を含んでいた。つまり、科学的知識が生み出す新しい力
は道徳的な罰を受けずに自然を支配するのに使うことができるようになった。
p291
 科学技術革命が起こって以来、徹底した合理的な精神をもつ人々は、非常に簡単に悪夢
のような残虐性をもつ制度を、人間性を無視して機械のような正確さで作り上げることが
できるようになった。それが数々の悲劇をもたらした。ヒットラーとスターリンの残虐行
為と、それを手助けした機械的罪悪は、価値と事実の分離、知識と道徳の分離がなければ
とても考えられないものだ。

 ゴアは厚い信仰心を持つ。しかしそれはキリスト教のように万物の上に立つ神ではなく、
むしろ原始宗教のように万物の中にいる神である。その神々を恐れぬ科学技術に厳しい眼
を向ける・・・。

 久保田さんから、魂の還元主義はクーンのパラダイム論に基づいていると解説があった。
科学研究は主観的に組み立てられていく。しかし他方で杉山さんは、教師としては検証さ
れ客観化された科学知識を教えるのではないかと言う。私も関わって展開された議論を、
私は正確に記述することができない!



番号 08C-004  送信日 08/03/06  差出人 飯田 洋治
件名 中部大学 ジュニアセミナー 科学工作コース 春学期講師

みなさま
飯田洋治です。
中部大学ジュニアセミナー科学工作コース 春期講師は次のように決まりました。エクステンションセンターから連絡がありましたのでお知らせします。
ご協力ありがとうございました。現在,秋期講師は調整中です。決まりましたらまたお知らせします。

日時 講師 テーマ
5/24(土)岡島茂樹 -物質,電気,力のエネルギー変換の世界-電池自動車を作ろう!
5/31(土)川田秀雄 レンズのはたらきと光弾性
6/14(土)伊藤政夫 トルネードとうずで遊ぼう
6/28(土)山本久守 アルキメデスの原理
7/12(土)伊藤亮吉 ジージーゼミをつくろう



番号 08C-005  送信日 08/03/08  差出人 園原 誠
件名 額田郡幸田町親子理科教室フェスティバルのお願い

園原誠です。
昨年の科学実験工作お楽しみ広場では楽しませていただきありがとうございました。科教協のお楽しみ広場に参加してから、ぜひ自分でもお楽しみ広場を計画してみたいと考えて、7月26日(土)に幸田町主催の親子理科教室内で実現の運びとなりました。
ただ、幸田町で初めて行う企画ということで、予算があまりつけられないと思います。科教協のお楽しみ広場のように、講師さんにはボランティア参加になってしまうと思います。それでも、参加したいという方を探したいと思います。
長瀬先生のお楽しみ広場に参加された講師さんの中で、ボランティア(ガソリン代くらいは出したいと思います)で、幸田町まで来ていただけるような講師さんが見えましたら、ご紹介くださるとうれしく思います。
もし、よろしかったら、長瀬先生も参加していただけたら本当にうれしく思います。
勝手なお願いをしてすみませんが、よろしくご検討ください。



番号 08C-006  送信日 08/03/08  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その11

  原です。
 週27コマ・舎監宿直・宿直明けのバス添乗員勤務、そして学級担任。いま思っても劣悪な勤務環境だが、行政権力による究極の虐待「就学猶予」をくらっても、一家転住をしてでも「学校へ行きたい!友だちがほしい!」を実現した障害児たちのはじける笑顔の日々は、私を幸せ気分にしていた。
 3年目の3月、事件があった。 人事異動で、所謂「進学校」から2名が来た。彼らは、校長室へつめかけ「不当人事撤回の具申を県教委へ」と主張し、愛高教と県教委との交渉へも連日参加した。ひとりは、大学での同級生だった。
 「障害児学校への転勤が、不当人事とは何事だ! 子どもがいる限り、教育は素晴らしい仕事じゃないか。障害児たちとの日々を生きてから、それでも「不当人事」というなら勝手に主張しろ! 第一、生徒たちに失礼だぞ!」
と、私は、ふたりに激しく抗議した。    当時、養護学校分会は、無かった。



番号 08C-007  送信日 08/03/08  差出人 山田 吉孝
件名 偏光板による壁の工作

みなさまへ
山田吉孝です。
本日、ある会合にて偏光フィルムを用いて壁を作る工作について特許がとられていることを知りました。
下記ページを見て頂くのが分かりやすいのですが

http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/htm/hnd39581.htm

透明円筒パイプに筒状に偏光フィルムを張ることが、特許の要点の1つ だそうです。
特許は平成12年にとられているそうで、それより以前にこのようなタイプはあったと思うのですが、どなたかご存知ないでしょうか?



番号 08C-009  送信日 08/03/09  差出人 朝日 秀仁
件名 Re:偏光板による壁の工作

朝日です。
伊賀さんwrote:
> 透明円筒パイプを使うことに対しての特許なのでしょうか。
> それとも偏光板二枚で壁を作ること自体が特許の対象なのでしょうか。
詳しくは,
http://www.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjbansaku.ipdl?N0000=110
で,3085656を検索すると,いろいろと詳細がわかります。
たとえば,
------
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する略円筒状のケースと、上記ケースの周壁に沿って筒状に配設される可撓性を有する第1及び第2の偏光板とを備え、上記第1及び第2の偏光板は、各端部を突き合わせて境界面を形成するとともに、透過する各光の偏光方向が非平行となるように配設されたことを特徴とする光学装置。
【請求項2】
上記ケース内には、境界面を通過する方向に遊動自在に遊動部材が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
------
【発明の効果】
上述したように本発明に係る光学装置によれば、光透過性を有する略円筒状のケースの周壁に沿って可撓性を有する第1及び第2の偏光板が筒状に配設されたことによって、ケースに対して第1及び第2の偏光板を容易かつ確実に位置決めして配設することが可能とされるため、組み立て作業が簡素化され、容易に組み立てることができる。
------

簡単に説明すると,
・直方体の装置だと,最低4枚の偏光板をはり合わせる必要があるところを,2枚の偏光板を丸めてくっつけるだけでできる。
・中に動く物体が入っていて,「壁」を通り抜けられることがわかる。
が発明のポイントのようです。

また,特許を取得された杉山清志先生のページ
http://homepage2.nifty.com/jn1ctz/sub7.htm
でも,なんとなく要点はわかるかと思います。

山田さんwrote:
> 特許は平成12年にとられているそうで、
> それより以前にこのようなタイプはあったと思うのですが、
> どなたかご存知ないでしょうか?
科学の祭典名古屋大会のステージでおなじみ(?)
京都市青少年科学センターの海老崎功先生が,平成10年にこのタイプをすでにやっておられます。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ebisan/black.htm
たしかに,私も京都で学生をやっていた頃に見せていただいているので,平成12年よりは前のはず。



番号 08C-010  送信日 08/03/10  差出人 原 弘良
件名 Re:フィンランドの教育

 原です。
 伊賀さんの読まれた本の表題が、フィンランド教育の最大の特徴でしょう。NHK特集番組でこの3年ほどで、2回放映したのを視聴しました。
 その本に正確な歴史的経過が記載されているだろうと思いますから、確認しながらこのメールを参考にしてください。
 1990年前後、日本でバブル経済が破綻した頃ですが、資源小国のフィンランドでは「グローバル化する世界の経済競争の流れに、国の存亡の危機意識を持つ政治主導の教育立国方針」を定め、具体的には「IT産業立国」に照準をあてたのです。
 また、その実現を保障するには、「一人ひとりの国民の、考える能力の向上が不可欠」として、学校教育の大改革のみならず、企業内教育、職業訓練教育など、あらゆる分野において「考える能力の向上」に照準をあてたのです。具体的には、国の規制を大幅に縮小して、「現場に権限を委譲して、予算措置の拡充」でした。
 学校教育分野では、分厚い学習指導要領を廃止して、薄いガイドものにとどめ、教育現場の裁量に移し、子供同士の教え合い・学びあいの授業によって、「一人ひとりの子どもの学力向上」の結果を実現しています。
 日本の記者のインタビューに答えるふたりの女子高校生の怪訝そうな表情が、印象的でした。
   「学習するのに、なぜ、競争するのですか?」



番号 08C-011  送信日 08/03/10  差出人 佐野 哲也
件名 Re:フィンランドの教育

佐野です。
話題に上っている本も持っています。
2002年にフィンランドに10日ほど滞在しましたので、その時の経験から話をさせて頂きます。
学生に優しい町だという事です。図書館には無料のPCがたくさんあり、誰でも使用することができます。バスも学生は半額になります。また、大学では学食も外食の1/3ほどの費用3EUROほどで食べる事ができます。留学生も多く、中国・ロシアなどからの留学生とも出会いましたが、それはヨーロッパの多くの国と同じで学費は無料である事、教育水準が高く、大学でも英語で授業が受けられることが関係しているのでしょう。また、町では英語がほとんどどの人でも通じます。田舎でも同じくです。
教育とはずれるかもしれませんが、社会福祉がしっかりしている分、物価はかなり高いです。たばこ1箱またはビール1本1000円くらいするというように贅沢品が高いのは、ヨーロッパ共通でしょう。そのため、生活は質素です。その分、税金が教育や社会福祉に使われているのでしょう。
以前、NHKでフィンランドの情報教育の番組が放映されました。ある専門知識のある先生が、数ヶ月間学校に派遣され、生徒たちに情報の発信のされ方を学ばせるため、生徒が地元のテレビ局と協力して番組を作りその内容について討論するというものでした。
非常に興味深い内容で、日本でもそのような専門的な職員を育て、派遣制度が簡単に利用できるようになればと思いました。



番号 08C-012  送信日 08/03/12  差出人 船橋 隆久
件名 モルの会「でんちのかがくかん」まであと3日

こんばんは、船橋です。
モルの会担当の「でんちのかがくかん」まであと3日となりました。きょう必要な道具を段ボールに入れ、準備は終わりました。確認のため集合時間等をお知らせします。

・集合時間  3月15日(土) 9時40分(リハーサルの予定)
           16日(日) 10時
・集合場所  中電・電気の科学館「はてなプラザ」
・持ち物    白衣(実験衣)
・イベント時間
  @10:40〜 A11:40〜 B14:00〜 C15:00〜 なります。(2日間とも)
・担当(敬称略)
  15日(土)  船橋、林、堀、杉山
  16日(日)  船橋、福島、岡田、杉山、出口

子どもたちの笑顔が目に浮かびます。私たちも一緒に楽しみましょう。
ではまた。



番号 08C-013  送信日 08/03/12  差出人 杉山 直樹
件名 理科の会ホームページ更新のお知らせ

みなさん。いつもお世話になっております。
杉山です。
 さて、理科の会のホームページのトップページを更新しました。今回は2月例会の様子です。
今回は動画も見られるようにしました。ぜひ御覧ください。
また、次回例会のお知らせもありますので、参加予定の方はご確認いただきたいと思います。

理科の会ホームページ:http://space.geocities.jp/rikanokai/

それでは



番号 08C-014  送信日 08/03/13  差出人 近藤 直門
件名 デジタル顕微鏡

近藤です
微化石を観察・研究するのにはSEM(走査型電子顕微鏡)が使われていますが、SEMは数10倍から数万倍まで連続的に、しかも立体的に観察できるので微化石の観察には大変適しています。SEMの普及のおかげで、美濃帯の中古生層の放散虫の研究が一気に進み、付加体の考え方が生み出される原動力となりました。
SEMは中高の理科教育でも利用できる、いつか購入して利用してみたいと思っていたのですが、30年たった今もやはり超高価でてがでません。おまけに、観察資料に炭素や金などを蒸着したり、試料ホルダーは真空にしなければならないので、ランニングコストもかなりかかりそうです。そんなおりHPで日立から500万円で導入できるSEMのニュースを発見、調べているうちにデジタル顕微鏡というものがあることを知りました。
等倍から5000倍くらいまで観察でき、デジタルであるために、さまざまな画像処理が可能で、計測や3D処理ができます。デジタル顕微鏡は1000倍を超えても試料と対物レンズの間はかなり開いており(1000倍でも20mm)扱いやすいです。もともと普通の顕微鏡と比べても被写界深度は深いのですが、ピントをずらせながら何枚も撮影し、ピントの合ったところを合成することによって、立体的でクリアな画像をえられます。またそのデータを使って対象物を立体的に回転させて表示することもできます。
KEYENCEという会社のHPでカタログ請求したところ、ちょうど名大にデモ機を持ってきているのでと電話がかかってきました。早速11日の午後にきてもらって見せてもらいましたが、扱いも簡単で、生徒でも簡単に扱えそうでした。ただし、価格は最低システムでも200万、3Dを利用できるシステムとなると400〜500万ということでした。
高校でもスーパーサイエンスのところなどで導入しているところがあるということでした。すでに工業用ではすでに普及しているので、教育用に普及しても価格が下がるということは期待できそうにもありませんが、なにかうまく購入できる手立てはないでしょうか。乗用車1台の価格なら退職金でもと思ったのですが。理科の研究会などでも希望があればデモはしてもらえるそうです。
鳥取砂丘の砂と鳥取県井出が浜の鳴き砂を300倍でとってもらいました。データをアップしようと思いましたが家に忘れてきたようなのであとでUPしますが、実体顕微鏡では40倍までくらいで十分観察できなかった砂粒の特徴がよくみえます。



番号 08C-015  送信日 08/03/14  差出人 近藤 直門
件名 Re:デジタル顕微鏡

近藤です
デジタル顕微鏡の画像添付しました。
それぞれ300倍で撮影したものです。倍率は15インチのモニター上でみたときのもので、どこまでみれるかという点では、そのまま従来の顕微鏡の倍率と同じに考えることはできませんので100μmのスケールが入れてあります。
鳥取砂丘の砂は、普通の砂と比べてきわめて円魔度が高いことがよくわかります。(川で運ばれた砂粒は、水の底を飛び跳ねながら移動し、礫のようにゴロゴロ転がったりはしないので角張っています)これは風によって運ばれる砂漠や砂丘の砂の特徴です。でも表面はざらざらし、汚れた感じです。
井手ヶ浜の鳴き砂は、透明なセキエイの砂粒を多く含み、鳥取砂丘の砂と比べて表面が非常にきれいなことがわかります。鳴き砂は砂が汚れると鳴かなくなるといわれています。
デモで適当な場所を撮ってもらっただけなのですが、砂の特徴が非常にクリアに観察できます。こんな顕微鏡が手元にあって自由に使えたら、毎日新しい発見がいっぱいできそうです。



番号 08C-017  送信日 08/03/15  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その12

原です。
警察のがさ入れ・家宅捜索に備えよ!  そんな時代を生きて、今の教員が。
「生徒に失礼じゃないか!」と、ふたりに激しく抗議してから2ヶ月ほど経った頃、「話がしたい」と二人揃って理科準備室へ来た。    「原さんに激しく抗議されたことがショックだったが、毎日の生徒たちとの生活や、父母と話すうちに、生徒や父母がいかに深く社会の差別の中に生きざるを得ないかの現実が自分にも見えてきた。」
 1960年当時、公務員の給与・勤務環境は、民間ベースより極度に低かった。「畑の大根を、抜きたい」と、妻がこぼすほどの低賃金で、妻はふたりのわが子の出産ひとつき後には、教壇に立たねばならぬ「産後休暇」の時代だった。「一人ひとりの人間の尊厳」は、いつの時代も「紙切れ」の如くにしか扱わないのは「権力の本質」であることを看過してはならないのは、今の時代も同じかそれ以上。(非正規雇用・ワーキングプア・名ばかり管理職・後期高齢者医療制度)
 二人は、話しを続けた。そして、「原さんと一緒に、養護学校分会を結成したい」 45名中、6人。愛高教大会で、「運動方針案」に12件の分会補強提案を、30分余にわたりして、採択された。
  スト権剥奪の代償措置として、民間給与ベースとの差を埋める約束の「人事院勧告」さえ不履行の政府に対し、全国の公務員労働者は、「全国ストライキ」を構えて「人事院勧告完全実施」を政府に迫るも決裂! 3年にわたり、ストライキを決行した。  学校では、多くの生徒や父母が、学校を離れる分会員に手を振って応援してくれ胸が熱くなった。  その都度、校長室で、県教委からの「戒告処分書」が手渡され、給与は減額され、履歴書に「戒告処分」の朱書きも増えた。   組合本部からの「警察のがさ入れ・家宅捜索に備えよ!」があり、分会議事録などの隠匿など対処した。
 全国の戦いと併行して、県教委と愛高教との直接交渉による「教育条件整備」の戦いも「座り込み徹夜交渉」を交えて進行した。そして、劇的な変化を勝ち取り、「生徒たちへのプレゼント」につながった。それは、教員増によって、週27コマが18コマに激減!、専任スクールバス添乗員獲得など、理科教員・学級担任の業務に専念できる成果となって、「実物持ち込み理科授業」「自主編成手づくりプリント授業」という、私の定年退職までの「教育スタイル」確立のスタートとなりました。



番号 08C-018  送信日 08/03/16  差出人 山岡 世司郎
件名 吊橋のワイヤーの曲線

山岡です。
臼井さんの報告の、川田さんのレポート(吊橋の形について)の計算をしてみました。
 長さ1kmの吊橋(塔の高さは約128m)でワイヤーロープの形が懸垂線である場合と放物線である場合の差は、最大66cmでした。これは、遠目に見たら全く同じ曲線といえます。工事において66cmの差が持つ意味は???。

***計算経過***************************

吊橋の主塔の高さを127.6m、主塔間の長さを1000m、
ロープの最下点が中央地面と仮定。

 懸垂線g(x)と、最下点(原点)と主塔の位置(500,127.6)でg(x)と
一致する2次関数h(x)との差(gap(x))をグラフにしてみました。

g(x)=1000*(cosh(x/1000)-1)
g(0)=0 ,g(500)=127.6259652063807

h(x)=127.6259652063807/250000*x2;
h(x)=0 , h(500)=127.6259652063807

gap(x)=g(x)-h(x)
 gap(x)をグラフ化。

グラフによると原点から354mあたりで0.66mの差が最大です。
1kmの長さの橋で、0.66mの違いはほとんど問題にならない・・・。



番号 08C-019  送信日 08/03/16  差出人 岡田 高明
件名 次回名古屋EHC企画「デジミン」の製作希望者募集

みなさん日増しに暖かくなってきましたね。お元気ですか。次回のEHCの企画は「デジミン」です。「デジミン」とは空き缶と手の間の電気容量を検出しそれに応じた音階を鳴らす装置で、「テルミン」のデジタル版です。     

日時   2008年5月11日(日)10:00〜17:00
テーマ  デジミン
講師   田中英二先生(春日井工業高校)
会場   名古屋市立山田高校化学実験室(3F)
準備   電子工作工具(はんだ、はんだごて等)、小さなドライバー
  500ml空き缶、電動ドリル(お持ちの方)
予算   3000円程度



番号 08C-020  送信日 08/03/17  差出人 田中 英二
件名 Re:次回名古屋EHC企画「デジミン」の製作希望者募集

こんばんは、田中です。
岡田先生より依頼されましたので、講師がお答えします。
1)PIC 12F683という8ピンのPICを使います。
2)全体の構成は、74HC04を使って約100kHzの発振をさせ、そのビートを作ります。そのビートをPICを使って音階にします。手を動かすことによって、コンデンサー容量が変化し、発信周波数が変化するので、ビートの周波数も変化します。PICからでる音階をLM386で増幅して、スピーカーで鳴らす。
3)だから、LM386の入力側に可変抵抗を入れて、音量調節をするつもりでいます。
4)プリント基板に組むつもりでいます。
この春休みにいままでのを改良するつもりでいます。
こんなところでよろしいでしょうか。



番号 08C-021  送信日 08/03/18  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その13

 原です。
 春は、新学期の教育構想・仕掛けづくりに、胸わくわくのシーズン! ファイトの爆発時期でした。
 今朝、わが家の庭で元気よく囀る「ウグイス」に、生きて自分が今ある春の幸せを感じました。13歳の愛老犬「シッポ」との2kmほどの散歩にも、「ホトケノザ」の赤紫花弁の美しい生気に感動し、「ナズナ」「イヌナズナ」の白、「タンポポ」の黄、「オオイヌノフグリ」の清澄な青が、あさの光に輝く畦道に生きていて、私の今と重ねました。 
 その余韻に、今まどろみながら、「新学期の教育構想・仕掛けづくり」に集中したのを思い出します。この時期一ヶ月ほどは、30年近く ズーッと生徒たちと 「春の息吹・命のきらめき」に触れ、生徒たち一人ひとりが今この瞬間に生きてある「自分の命」と重ねて生きるを味わい、生きる意味を問い、みんなみんな生きている「生態系」の知識獲得への「教材の環」の構想を練り 仕掛け準備をして、新学期スタートに備えました。
 初速度ゼロから、巡航速度に移るまでの過程が、何事においても「知恵と工夫と力」を必要とするのは、論を待ちません!   意志を持つ人間(生徒)を相手にしている「授業づくり・学級づくり」では、尚更です。
  生徒と出会う、最初の一週間で「私の教育スタイル」に触れさせ、知らせることが教育実践を軌道に乗せる勝負どころであり、最初の一ヶ月すなわち5月の連休あけには、生徒一人ひとりと生徒集団が、「私の教育スタイル」を理解し、納得して、自発的に学習行動や学級活動する「学校生活の巡航速度」に達する事実をサポートするのが、私の「教師の役割」でした。(詳細については、おいおい述べるつもりです)
 私に、「教師の役割」を教えてくれたのは、「養護学校生徒発信の教育原理」であり、「教師の役割」を教育実践における「教師の役割」を確信に高めたのは、教師仲間と共に連帯して「逮捕覚悟」で戦った結果の「教育条件の改善や、働く教師の権利行使の改善」によって、「教師の役割」を実行可能になったからでした。    
今も、ときどき思い出します。故・三井さんが「原さん、ふたりで学会を立ち上げよう」と。



番号 08C-022  送信日 08/03/21  差出人 伊藤 亮吉
件名 Rえ:生徒発信の教育原理−その13

原先生
理科の会 伊藤亮吉です。
注※ 小学校の教師歴30年超
いつも感激しながら読んでます。
19日に六年生を二年続けて卒業させました。(こんな事は珍しい!)特別支援学級(昔の養護学級)の子も一人いました。その担任の先生は一年生から六年生までズーと一人の子を担任してみえました。この二人はとっても仲良く見えましたが、今日指導要録を見せて貰って改めて感激しました。
各教科の記録がびっしり書いてあるのです。8教科にわった渡って詳細な記録を見るとその子の成長(遅々とした物ですが)が本当によく分かるのです。先生本人も「このときはコウだった。」とか懐かしそうに説明してくれました。一人一人に合った教育とはこういうもbのだなあ!とつくずく感じました。
話は続きます。実は、卒業式が素晴らしかったのです。
それはとにもかくにも、この特別支援学級のこの子のお陰なのです。じつは、練習の時はそれほど感じなかったのですが、当日、この子がとっても頑張ったので、多少、進行上問題がでました。(※文章では書ききれないのが残念す。)そのとき、彼以外の65名の卒業生が、その子のテンションとセリフに併せて、臨機応変に対応している姿が本当に嬉しかったのです。ともすれば「この子さえいなけらば・・・」と考えがちな今日この頃の風潮ですが、「みんなで育つ!」を実感した卒業式でした。参加した人はどう思ったしれませんが教育に携わったことがある人はきっと分かったと思います。
文明の対立などといわれる今日この頃ですが、「異質な物を排除していては人間らしさは育たない。」と思い直した卒業式でした。
いつも拝読していた教師としての感想まで。



番号 08C-023  送信日 08/03/22  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その14

  原です。    
理科の会、伊藤さんありがとう。
  伊藤さん、2年連続、小学校教育の集大成学年の児童たちの巣立ち担任とは、良かったですね。さすがベテラン、信頼されているのですね。それは、卒業式が素晴らしかったわけの件に、伊藤さんの教育感性の正当で敏感な「玄人」を感じてうれしかった。
「みんなで育つ!」を実感された卒業式、本当におめでとうございました。

 8年間で、養護学校の一人ひとりの生徒・生徒たちが、私に、  「刷り込んでくれた教育原理」は、ただひとつ!
        それは、  生まれも、育ちも、障害種別や程度も、学力、年齢さえも異なる人間同士だからこそ、
       「みんなで学び合うから自分も賢くなり、みんなでチャレンジし悩み励まし合うから自分も強くなる」
             それが、  「学校だ・授業だ・学級だ!」 ってこと。

            これが、  学校が存在していてもええぞ!先生おってもええぞ!。 ってこと。(学校の優位性)
       だから、教育原理が機能してない学校・教師は、一人ひとりの人間の子ども(児童・生徒)にとっては
            「有害無益・邪魔の存在」かもなあ、 と寒くなるー。
 
 退職までの、毎年の春休みに私のやったことは、 2点でした。 
        1、家族でのアウトドア遊び、要するに「釣りする貧乏野宿旅」
        2、教育原理 「みんなで育つ!」の実践展開を考えて、具体物を準備する。
         1)学級担任の仕事
           一人残らず全員が、学級活動に参加し行動する毎日の過程で 、「われらが学級」の帰属意識
          と、「学級に貢献している自分の発見」を実現するシステム構築を、ああでもない、こうでもないと
         考える。   この実現を保障するのは、生徒の自発・立候補制による「学級組織」と、日常の生徒
         自治活動・運営です。(一人一役・網目配置の学級組織を、創案し、実施し続けた。詳細は、また)
        2)理科担任の仕事
         一人ひとりの生徒の人格形成に寄与する教育目的を担う一翼である科学教育であることを大前提
         にして授業展開をするシステム構築を考えて、  「居心地よく学び合う授業づくりの工夫」をした。
          まず、科目別・自主編成カリキュラムの年間到達目標を検討・確認し、1学期分の「授業の環・細案」
         を授業スタートまでに準備した。 これが、楽しい。
          (1)、出会いスタート一週間で、「学び合う理科授業のやり方・学び合い方」を、説明し、理解させる。
             ァ、「一人一分間・自己アピールと、クラス全員分の詳細記録をとる授業はじめ」
             イ、「生徒輪番制・授業記録の作成のねらい、記録のつけ方」の説明と、記録行動のスタート。
             ウ、手づくりプリント授業を実施している「趣旨説明」と、各自ファイルの準備と作成指導。
          (2)、5月連休明けまでに、「一人ひとりの生徒・生徒たちが、巡航速度に達する授業までの指導」
      つづく



番号 08C-024  送信日 08/03/27  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その15

  原です。

養護学校の一人ひとりの生徒・生徒たちが、私に、  「刷り込んでくれた教育原理」は、ただひとつ!
        それは、  生まれも、育ちも、障害種別や程度も、学力、年齢さえも異なる人間同士だからこそ、
       「みんなで学び合うから自分も賢くなり、みんなでチャレンジし悩み励まし合うから自分も強くなる」
       これが、「多種多様な人格の交流によってのみ、本物の教育力を発揮する:教育可能性の真実」
             それが、  「学校だ・授業だ・学級だ!」

 ヒトの子ども・子どもたち(児童・生徒)にとって、「学校生活の喜び」は、本質的課題は、何だろう? 
  答えは、毎日、出合う児童・生徒、其処にしかない!  毎日、出合う子どもの実態に、「学び意欲や、
  基本的生活習慣、排他的人間性」などを見抜く教員の感性があるなら、 「教育実践の道筋」は見える。

   1、その道筋は、まず、「子どもの実態に、社会の鏡」を看破することから、始まる。
       生物学の知見は、類人猿の仲間は共通して「社会性の発達した生物」であることを、豊富なデータ・
      事例で見事に楽しく理解・納得させてくれる。それは、誕生後の、親子の愛に始まり、家族・仲間の愛と
      コミュニケーションの累積によって「社会性の発達した生物の能力を獲得する」を経て、自立して一生を生き
      抜くことが可能となる。類人猿の大人社会は、子ども社会に対して、「社会性の発達した能力の獲得」
      を種の存続をかけて、群れ社会で連帯保障しているではないか!
         生物の進化史における生物の一種:ヒトだって、「生物の進化史において獲得してきた資質」は、
      ヒトの子ども(わが子ども・子どもたち)誕生後の、親子の愛に始まり、家族・仲間の愛とコミュニケーション
      の累積によって、「ヒトから人間への発達」を経て、自立して一生を生きる能力の獲得が可能となるに
      違いない。 
       しかるに、日本の社会は、学校は、毎日教室で出合う児童・生徒たち誕生後の生育歴に、
     何をしてきたであろうか?
      結論を言えば、「一人ひとりのかけがえのない人間の尊厳:『ヒトから人間への発達権利』を蹂躙して、
     1960年代の経済界の要望「1割のエリート、2割の管理層、7割の作業層の人材育成・提供」を、
     教育行政によって実現するように政治権力に働きかけ、急激な教育改革が進行し始めた。
      それが、「高校多様化路線」であり、産業界の御用聞きの如く、実業高校・学科の「猫の目」のような
    雲散霧消学科をもたらし、偏差値・序列化によって、「高校多様化は、学校の数と学科数にスライス化」
    して現在に至っている。  そこには、「教育とは、何か?」の、哲学は無い!
      ましてや、「競争教育が、ヒトから人間への教育にプラスする」なんて、どこでも検証されていないばかりか、
    「学習するのに、なぜ競争が必要なのですか?」と、フィンランドの高校生に不思議がられる代物にすぎない!
      これを見逃しては、毎日教室で出合う児童・生徒たちの「実態の本質」を見誤りかねず、したがって、
                  「教育実践の道筋」をはずす事になりかねない。

       
   2、 その「教育実践の道筋」は、 「ヒトの子どもがもつ可能性」と「教育原理」に依拠したときに、はっきり見えた。
     そして、「自分自身の実践の可否」を「教室の生徒の評価」によってのみ検証を重ね、結果を、即、
    教室の生徒へ還流する継続実践をするたびに、「学校生活の喜び」を表現する生徒とともに、私自身、
    喜びを共有できる日が、退職まで続いた。   
      だから、生徒と私の教育実践は、「友だちと学び合い喜び、拍手して励ましあい、研究発表しあって互いのスゴサ
    を称え合う教室」だった。  互いを序列化する競争は、「毒」であるから、完全に排除したのです。
  
   3、「多様性の大切なこと」は、生物界のみならず、人間社会における広汎な分野で、普遍的な必須価値
     であることが、近年、強調されている。
         「ヒトから人間への人格発達を保障すべき教育」にこそ、最重要に違いないと確信している。


          、春は、教育原理 の実践展開を考えて、具体物を準備するときだった。

   1、学級担任の仕事:春休みの仕事
      一人残らず全員が、学級活動に参加し行動する毎日の過程で 、「われらが学級」の帰属意識 と、
    「学級の中に自分の発見」を実現するシステム構築を、考える。   
    
   この実現を保障するのは、生徒の自発・立候補制による「学級組織」と、日常の生徒自治活動・運営です。
     一人一役・網目配置の学級組織を、創案し、実施し続けた。 
     絶対やらなかったことは、学級担任として「役員の指名・任命」です。やれば、生徒は「またか!」と、イヤに。
    初対面の学級開きに、「全員進級を実現するために」と、学級担任として心を込めた説明により、
                 生徒への動機付けをする。
     1)、 一人一役・網目配置の学級組織への、生徒全員の立候補書き込み、「学級組織」決定
        を、一週間で完了し、活動開始する。
             *学校共通の係り(級長、生徒会議員、体育委員、保健、図書など)
           *学級独自の係り活動(学級担任の提案と、生徒の了承)
              1、5人1組の週番・日直制により、朝、帰りのST司会・運営の自治活動の責任を担う。
            2、週刊・学級新聞(年間に35〜38)、および学級文集(年間5〜8集)などの発行、3〜5人
            3、学校行事係り、(体育大会・文化祭・合唱大会などに、優勝などクラス一丸・団結)
            4、学習委員会:定期テスト2週間前から、科目別学習会を開催・運営する。
                       講師は、立候補・推薦で委嘱。
              (成績不振・学習意欲減退などで、10名以上の退学者が続く学科で、全員進級!)
        学級担任は、学級運営の「顧問役」。

 2)理科担任の仕事
         一人ひとりの生徒の人格形成に寄与する教育目的を担う一翼である科学教育であることを大前提
         にして授業展開をするシステム構築を考えて、  「居心地よく学び合う授業づくりの工夫」をした。
                   つづく



番号 08C-025  送信日 08/03/30  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その16

            原です
春、生物探検に熱中の高校生たち!

          教職最後の10年間は、地元の商業高校でした。
 赴任2年目の6月に、頭部に「悪性リンパ腫瘍」が見つかり、9月から14ヶ月にわたる休職・闘病。
 抗がん剤による全身脱毛・放射線照射による耳鼻咽喉部の火傷の激痛に向き合う日々に

 あって、病室に届く「待ってるよー!」との生徒からの便りが、教室復帰への大きな勇気となり
 ました。       退院後、生徒会顧問が、「多くの生徒が、卒業前に原先生に会いたい。」
 と要望しているからと、静養中の自宅まで来てくださり、脱毛で丸坊主の笑顔ピース写真と、
 私から卒業する3年生への「餞のことば」を録音して帰られました。
   2月の予選会で、ピースする顔写真がスクリーンに映され、私の低音メッセージが流されると、
 体育館内は、 すすり泣きが始まり、 しゃくりあげる嗚咽が続いていたと、
         見舞いに来た男子二人が話してくれました。

     復職後、まだ、ぼーとしていた12月のある日、
 私の準備室に相方の教師が来て「新指導要領実施に伴う科目選定を、すぐ届けないかんので」と、
 相談に来た。         「生物と総合理科、3年間で6単位」と即決。
  だんだん復調してくるにつれ、授業への意欲もたかまった冬休み明けに、相方と授業談義をしていた
 ときに、「どうや、わしも、あんたも、科学大好き人間や。科学の面白さは、徹底的に自分にこだわって
 何から何まで自分自身で研究するから、オモロイんや。  うちの生徒に、科学研究の楽しさ体験できる
 最後のチャンスをプレゼントしたろやないか。」  よっしゃー!と二人の意気はピッタシ合意。
        こうして、商業高校の「理科・自主編成・教科課程」として、以下に。(内容は、おいおいと)
        各学年とも 2単位
    「生物」                      1学年の1〜2学期

    「化学」                               3学期〜2学年2学期・前
    「地学」                      1学年〜2学年・随時
    「物理」                      2学年2学期・後  〜3学年・1学期期末テストまで
    「個人別テーマによる長期課題研究」    3学年・1学期期末テスト〜3学年・学年末(7ヶ月間)
      (研究テーマは、自己選定)                      「卒業論文」審査・合格まで

春は、二人1組・「構内散策、生物研究三昧の4月」で、研究生活を友だちと心ひとつになって行動開始。
毎週・レポート1本提出。
    <私の教材準備>:生徒数分印刷, 顕微鏡一式
         *生徒用・教材ファイル         *学校管理案にある「校内植栽一覧図」
        *「クラス・授業記録ファイル」      *植物標本づくり用・プリント  *観察記録用紙 
        *二人1組用の、園芸スコップ・微生物採取スプーン・フィルムケース 
  雨が降らない限り、二人1組、五感で春を味わい、校内の「生物の多様性」を発見しあいながら
  自分の命と向き合う「生物の授業」のスタートとしたのです。
              毎年、「授業の話をすると、中学校の同級生がうらやましがってるよ」と言う。
    つづき



番号 08C-026  送信日 08/03/**  差出人 ** **
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番号 08C-027  送信日 08/03/**  差出人 ** **
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番号 08C-028  送信日 08/03/**  差出人 ** **
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番号 08C-029  送信日 08/03/**  差出人 ** **
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番号 08C-032  送信日 08/03/**  差出人 ** **
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番号 08C-033  送信日 08/03/**  差出人 ** **
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