番号 08B-001  送信日 08/02/02  差出人 林 正幸
件名 セロハンの複屈折

 こんにちは、林まさです。
 伊賀さん、再度のファックスをありがとう。私は井上監修「鉱物の顕微鏡観察」を参考に、伊賀さんの原稿を読みました。「ファインマン物理 U 光 熱 波動」の8章「偏光」にセロハンを使う実験の記述があることにも気付きました。そしてやっと少しばかり分かってきました。
@光は平均化されないかぎり、偏光であり色々な振動タイプがある。それはx方向の振動とy方向の振動の位相差として捉えられる。
A偏光板はその軸に平行な直線偏光のみを通過させる。直線偏光とは、位相差が0か、πの偏光である。
B複屈折とは、結晶配列の上から、光を最も速く通す方向(x軸とする)と、それに直角の最も遅く通す方向(y軸とする)がある。したがって両方の軸の屈折率は異なることである(方解石は著しく顕著)。
C厚さdのセロハンの光路差は
    ΔL = d(nx − ny)
となる。
Dセロハンのx軸が偏光板の軸に45°に貼ってあったとしよう。波長(色)によって ΔL=λ/2 になると、x方向の振動に対してy方向の振動の位相がπだけずれ、直線偏光が90°傾く(もう一つの直線偏光になる)。手前の偏光板が先のものに対して90°回転していれば、その色の光が通過してくる。(他の場合は省略 伊賀さんにお任せ)
 まだすっきりはしていませんが、現在の私の頭の中はこんな風です。先進科学塾で講師の林ひろさんから「方解石の複屈折を説明できないか」と言われたときはまったく未知の領域でしたが、おかげで少しだけ理解できたと思います。
 ではまた。



番号 08B-002  送信日 08/02/02  差出人 原 弘良
件名 生徒が発信する「教育原理−その1」

 みなさん、  こんにちは。  原おじさんです。
 毎日出会う教室の生徒たちは、「学校へ来て何をしたいのか?、どんな時を生きたいのか?」
それを知りたい、という「感性アンテナ」を意識していると、生徒たちが見せる表面現象のその奥に、「生徒たち一人ひとりの、学校へ来る意味の本質」を、バンバン発信しているのが伝わってきて、私のこころは共鳴しました。在職中は、「生徒のことは、生徒に聞け」というスタイルの実践を心がけ工夫していたら、「こんなに幸せで楽しく、感動の日々を生徒たちからいただいて、ええのかいな?」と思っているうちに、定年退職になっちまいました。
 私は、「。。だから論」は、「逃げ腰論」だと考えます。チャレンジして試行錯誤を楽しむときこそ、真実が発見できることを、最初の赴任校・養護学校の8年間に出会った生徒たちから、教えてもらいました。クラス15名は、芦屋・京都・名古屋・藤枝からの出身で、障害種別・重軽度は多種多様で、学力面では、名大・医学部へ進んだ生徒も居れば、自分の名前を書きがたい生徒がいる多種多様。当時は、多種多様な生徒が一緒に、ワイワイガヤガヤ歓声をあげて「教えあい学びあい学習」を、楽しんでいました。ここで威力を発揮したのは、 「毎時間、実物を持ち込む理科授業」でした。 
 「お互い、友だちと心が通い合う居心地がいい授業」だったのでしょう。実は、これこそが、時代や学校種別を越えて、学校教育現場に必須土台であることを、それから赴任した「教育困難校」と世間がいう高校生たちが、見事に証明しました。



番号 08B-004  送信日 08/02/04  差出人 澤 寿朗
件名 理科好き12号についてのお願い

はじめてメールさせていただきます。
**高校の澤@JJ愛知事務局です。
JJ愛知も1年目の節目を迎え、猪突猛進も終わりました。次の一年は皆様とじっくり発展させていければと思っています。
さて、昨年度は「理科好き」始め多くの情報をお寄せ頂きありがとうございました。現在は分業し、2月発行の理科好きの準備を朝日と澤が行っています。発行予定は2月19日です。
入稿を2月12日に予定していますので、2月10日までに裏面の学習会などの情報をいただけると助かります。
澤まで、よろしくご連絡下さい。



番号 08B-007  送信日 08/02/05  差出人 林 正幸
件名 空になった簡易ボンベ

こんばんは、林まさです。
 現在、気体の状態方程式に至る新しい道を構築しようとして実験しています。具体的には
    p = k1/V
    p = k2T(実験はせっ氏温度で)
    p = k3n(実験は質量で)
で、自作の圧力計を使ってすべてうまくいくようになりました。
 3つ目の実験は、空になった簡易ボンベを使います。側面に穴を開けてビニールチューブを接着し、これに圧力センサーを付けます。そして空気を2atmまで注入し、空気を抜いては圧力と全体の質量を計測します。1atm以下は注射器でつくった「減圧ポンプ」で抜きます。この実験ですこし手こずったのは、2atm(ゲー
ジ圧1atm)に耐える接着剤でした。
 そこで約500mLの空になった簡易ボンベがあったら、捨てないで私にいただけませんか。10個くらい準備したいのです。
 よろしくお願いします。



番号 08B-008  送信日 08/02/06  差出人 大羽 康利
件名 地域から 市民の視点で考える 生物多様性

科学教育ネットの皆さん
 大羽@渥美自然の会 です。
 標題の鷲谷教授をお招きしての 「生物多様性に関するシンポジウム」
をお知らせします。
 どうぞよろしくお願いします。
***********************************************************************
渥美自然の会 20周年行事
   シデコブシ 講演・観察会

講演会の部  地域から 市民の視点で考える 生物多様性保全

日  時 2008年3月1日(土) 13:00〜16:50頃
      13:00 受  付    13:30 開  会          

会  場 豊橋市民センター(カリオンビル)6階大会議室 Tel.(0532)56-5141
     (愛知県豊橋市松葉町二丁目63番地)
       http://www.city.toyohashi.aichi.jp/citizenscenter/

日  程 開会挨拶
  来賓挨拶(愛知県、WWFジャパン)

講 演  『生物多様性国家戦略と地域の生態系』
              講師 鷲谷 いづみ 氏
      質疑

         休        憩

訴  え 「豊田市矢並湿地をラムサール条約登録湿地に」
                           大畑孝二(《財》日本野鳥の会)
報  告 「豊川における国指定天然記念物ネコギギの現状と課題」
                           森 誠一(岐阜経済大学教授)
報  告 「貝の浜〜福江湾(旧渥美町)集水域の自然保護」
                           市野和夫(三河湾と六条潟を守る会)
報 告 「渥美(大山)山塊のシデコブシ自生地と自然保護」
                           大羽 康利(渥美自然の会)
訴  え 「生物多様性条約COP10誘致の今こそ、愛知に自然系博物館を」
                矢部 隆(日本カメ自然誌研究会、愛知学泉大学教授)

 参加者からの発言
    
閉会挨拶

その他  参加費は無料ですが、会場でカンパの訴えをさせていただきます。
     
講師紹介 鷲谷 いづみ 教授 東京大学大学院農学生命科学研究科
      中央環境審議会委員・日本学術会議会員

主催 渥美自然の会
後援 愛知県、田原市、豊橋市(申請中)
    (財)世界自然保護基金ジャパン、(財)日本自然保護協会

賛同・協力団体(五十音順、) 
   愛知県弁護士会、他18団体
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番号 08B-009  送信日 08/02/06  差出人 原 弘良
件名 生徒が発信:教育原理−その2

こんばんは、 原おじさんです
差別された弱者は、強くナイーブな人たちだった。
養護学校赴任当初には、強烈な不思議が私にあった。学級・授業にはじける生徒たちの笑顔と歓声は、何なのか?  との不思議。      
本当に大切なことは、「当たり前のことが当たり前に在る」 ということだけれど。。。あなたは、知ってました?  私は、知りませんでした。
子どもたちに対して、「あんたは、学校へ来なくてよろしい」 そんな公文書が、教育委員会から届くのです! 「学校へ行って、友達いっぱいつくって、いっぱい字覚えて。。。」  と希望に燃えている障害児に。 わが国の「文教行政の本質:競争原理教育」を実感しましたね。
1960年代、そんな時代に、「入学を受け入れる学校」だった名古屋養護学校で、子どもたちと出会ったのでした。   だから、学級には、西は芦屋・東は藤枝からの出身地からの人たちでした。



番号 08B-010  送信日 08/02/06  差出人 田中 英二
件名 [H8]3月9日(日)補習日について

こんばんは、田中です。
2月2日(土)EHC事務局会議の報告をします。

H8UMCSの今後について
(1)3月9日(日)は補習 + 7月のプログラム学習に使う、プログラム練習器(TM1)の製作をします。故に、これは大幅な予定変更です。(原則として全員出席して下さい。)できてしまっている人は、まだの人の基板穴あけを手伝って下さい。
(2)7月20日(日)、21日(月)****高校図書室でプログラム学習会を開催する予定でいます。そのとき、3月9日に製作する練習器(TM1)を使用します。
(3)3月9日(日)は10:00**高校3階化学室
    持ち物:電動ドリル(持っている人)、ハンダ付けの工具
(4)大型LED表示器は、11月
(5)1Hz正弦波発振器は来年1月くらい?
(6)2回目のプログラム学習会は2009年7月(???)

(追伸)新しいテンキー付き1Hz正弦波発振器はほぼ完成しました。3月9日くらいに見せられます。

多少余分なことも書きました。以上です。



番号 08B-011  送信日 08/02/08  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その3

 こんにちは  原おじさんです
   教育委員会から、「就学猶予通知書」の紙切れが届いたら。。。。
 あなたが、私が、 入学を心待ちにする子どもだったら、この日までわが子をでき得る限りの愛情で包み注いできた親だったら。。。。。  
 子どもたちの現実から、最低でも何を洞察することが求められているだろう?と、考えました。 日本国憲法下の1960年代まで存続した「就学猶予制度」は、「わが国教育行政の教育観」を象徴しており、今も一貫していることに気付きました。  
 それは、  「競争原理によって序列化する差別・選別教育」であり、わが国のすべての子どもに対して、「人間の尊厳」を傷つける学校教育として機能している現実です。  
 それは、子ども世界における現象としての「理科ばなれ」「不登校」「いじめ」にとどまらず、「競争原理によって序列化する差別・選別教育」で育った日本の大人たちの「科学ばなれ」が顕著とのOECDの調査結果にも明らかなことは、私たちの共通認識です。
 理科教師は、、「人間の尊厳」を傷つける学校教育を、「科学教育:理科の授業」によって克服できる事実を、「友だち・命」と「実物を持ち込む授業」によって「居心地良く学び合う理科教室づくり」ができることによって、教えてくれたのは養護学校の生徒たちでした。                
                            つづく



番号 08B-012  送信日 08/02/10  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その4

 おはようございます    原おじさんです   
昨日(土)雪降り白く変わりゆく公民館で、第60回・科学クラブを近所の子ども・おとなと遊びました。私が、「昇り降りするマイペットづくり」、仲間のお母さんが、「ドーナツの科学」です。もちろん、子どもたち一人ひとりがマイペットの下絵書き・着色そして工作・調整・成功までを遊びながら、ドーナツをつくりみんなで「いっただきます!」と大声、「なぜだろう?」をこころに。そういえば、朝日新聞の記者が取材しとった。

では、生徒発信の教育原理ーその4

理科教師は、、「人間の尊厳」を傷つける学校教育を、「科学教育:理科の授業」によって克服できる事実を、教えてくれたのは養護学校の生徒たちでした.。四苦八苦の工夫を授業に投げ込むうちに、授業成立の必須要素の存在に気付き、「授業に還流」し続け、確信に至ったのでした。

1、、「実物を持ち込む授業」によって、多種多様な学力や人格の生徒一人ひとりが、実物(実験・観察など)に対する「自分の意見・感動・不思議」を表現しあう授業となり  
2、「友だち・命」が具現化した、教え合い・学び合いの授業が成立する。  
3、その結果として、「居心地良く学び合う理科授業づくり」の循環が生じる。..養護学校8年間で、生徒たちの貴重な教えを、私の「教育の原点」として実践を続けました。特に、「友だち・命」を具現化した教え合い・学び合いの教育こそが「学校教育の優位性」であり、「教育の命」であることを出会った生徒たちが実証した事例に触れずには置けません。                                                                                    それを次回に     つづく 



番号 08B-013  送信日 08/02/10  差出人 原 弘良
件名 Re:生徒発信の教育原理−その3

 久保田さん、みなさん、   こんにちは。  原おじさんです。
メールを見てくださりありがとう、うれしいです。
 この春には、お嬢さんがピッカピカの1年生になるまでに成長されたとのこと、おめでとう。まず、お子さんに「就学猶予通知書」が、久保田さんちに届く可能性は皆無です。なぜなら、1950年代〜60年代にかけて、障害児とその家族、教員組合、まともな政治家などの広範な国民運動の大きな高まりによって、文教政策による「基本的人権侵害」として糾弾された結果、撤廃されたからです。そのとき、分会会議で、みんなで「バンザイ!」を叫びましたよ。
 「大切なことは、当たり前のことが当たり前に在る」ことだけれど、いろんな面でそれを実現してきた先輩や人々に、私は「感謝と連帯の気持ち」を覚えると同時に、「当たり前」を否定する存在に、敏感でありたいと思います。
 無知や失敗は、「新しい知・謎解きへの心のときめきに火を点けるよ。バンバン失敗だよ!」と、私の授業で、高校生に奨励し続けました。知らないことを知ってから、知りたい意欲が沸き立つもんですよね。
  「わが国教育行政の教育観」が、今も一貫していること  についてです。
私の不動の教育観として、「滑っても転んでも、学校教育の主人公は生徒だぜ」というのがあります。 生徒が教えてくれ学んだこの教育観に照らして、「わが国教育行政の歴史」はどうだったでしょうか?  否です! 「学校教育の主人公は生徒だぜ」は、影が薄いのです。
 また、職場の現実は、わが国教育行政の指示・朝令暮改の学習指導要領と、その遵守のために権力行使する教育委員会、ときには身近な校長までが、あたかも毛細血管の先端まで権力機能化していることを、日々実感しておられることでしょう。
 その問題を認識して、その克服策を考察して、生徒と共に科学を楽しむ日々をどのように創り、仕事したのか。   それを、シリーズで、ボチボチ続けますので楽しんで下さる人がみえればうれしいことですが。    最近感ずるのは、結構、「フィンランドの教育理念」と共通面があったんだなあということです。
 久保田さん、母親のしあわせをお嬢さんと共有しあい、とことん守ってください。



番号 08B-014  送信日 08/02/10  差出人 杉山 直樹
件名 理科の会のホームページからのお願い

先生方、いつもお世話になっております。杉山です。
理科の会の例会があと1週間に迫ってまいりました。
次回の例会にはぜひたくさんの先生方にお越しいただきたく思っています。(高校の先生、大学の先生もぜひお越しください。)
 さて、本題なのですが、理科の会のホームページに次回例会の予定のページがあります。参加をしたいと思っている人が、次にどんな内容をやるのかが確認できて、より参加しやすくなるようにするために作ったページです。そのページに載せられるように、次回、参加を予定されている方にお願い致したい事があります。次回発表する内容(紹介していただけるものの内容)を教えてください。
できれば、ホームページのguest bookに書き込んでいただければ一番いいです。それが不都合であるならば、その他の方法でもかまいませんのでぜひ事前に教えていただければと思います。
よろしくお願い致します。

理科の会ホームページ:http://space.geocities.jp/rikanokai/index.html



番号 08B-015  送信日 08/02/14  差出人 林 正幸
件名 2月24日はMOLの会

こんにちは、林まさです。
 次回のMOLの会は次のようです。
    2月24日(日) 13:00〜  ****高校 化学室
車の方は、東門から入ってください。
 私は「タンパク質の2次構造モデル」と「デンプンの消化」くらいを紹介しようかと考えています。
 皆さんの参加を歓迎します。
 ではまた。



番号 08B-016  送信日 08/02/14  差出人 原 弘良
件名 就学拒否された人からの「教育原理−その5」

 こんばんは  原 おじさんです。
きょうからは、18歳にして初めて就学を勝ち取った人を紹介します。この人が絞り出す言葉は、学校教育の本質を、仔細漏らさず教えてくれて余りあるからです。
 この人の名は、 堀 勝子 さん。  就学猶予制度に阻まれ続けたため、一家で生活してきた京都を捨てて、入学を受け入れた名古屋養護学校・中等部2年生に編入学をし、18歳にして、生まれて初めての夢に見続けた憧れの学校生活を始めた人です。
 翌年、飛び級で、高等部1年生となり、そこで学級担任・理科担任としての私との、終生の出会いがありました。たった6歳年長の私を、「こころの父さん」と言ってくださっていたが、昨年4月、全国の障害者仲間の先頭を走り薄情な政治・社会と戦い続けた人生を終えました。今、全国の後輩たちが、追悼文集を編集しています。
 30年以上も会えなくとも、電話やFAXで近況を伝えてくれていましたが、もうそれも叶いません。手元に、堀さんの詩文著書・「心をしばって下さい」(320ページ本)があります。
そこに、教育の本質と教育原論が読み取れますから、次回から。   では、、、。



番号 08B-017  送信日 08/02/15  差出人 林 正幸
件名 実験と概念、そして興味

こんにちは、林まさです。
 加藤(賢)さんのメールを読むと、ついつい返事を書きたくなります。彼が教育に真正面から向き合い、問題提起をしてくれるからだと思います。
 理科教育の中で実験が重要であることは、愛科教ネット(akkn)の中では、今さら触れる必要もないでしょう。しかし実験だけ並べておけばよいのか。実験が対象とする現象をどう捉えるかを考え、科学として習得する過程が必要です。それは概念ときにモデルあるいは知識として結実します。この過程では生徒ないし生徒たちの意見ないしその交換も大切ですが、もっとも大切なことは、教師が先人がつくり上げてきた概念やモデルや知識を、生徒の認識発展の道筋を考えて再構築して伝えていくことであると、私は考えます。もちろん生徒たちから出てきた疑問や意見を受けとめ、うまく絡めながらですが・・・。その意味で私は、テキストづくりに関心があります。
 加藤(賢)さんは「ボーアの電子模型が分からなくても、なにか別の方法で、いろんなやり方が有るのではないか」と書いています。その思いに敬意を表します。教育は目の前の生徒たちが興味・関心を持てるものでないと意味がありません。授業プランは生徒を意識して教師が主体的につくるものです。
 しかし他方で、とくに高校教師には悩みがあります。目の前の生徒たちがいかに興味・関心をゆがめられ、奪われていることか。その修復は簡単ではないと、私は思います。理科の教師は夢を抱きます。科学の中で知的興奮を生徒と共有したい。しかし生徒は遠くの方にいます。教師は工夫します。しかし生徒はなかなか着いてきてくれません。思い切って生徒の現状に合わせます。そして引っ張ろうとすると生徒がこぼれます。言葉は悪いが妥協点で教室に行きます。教師の夢からは離れます。
 皆さんはどう感じていますか。いやいや、生徒の現状に合わせた工夫をするなと書いているのではありませんよ。私はもうすこし教師の夢に近いところで実践できたら・・・と思います。
 ではまた。



番号 08B-018  送信日 08/02/16  差出人 原 弘良
件名 Re:実験と概念、そして興味

おはようさんです。  原おじさんです。

    イヤー、こういう議論ってわくわくしますね。
加藤さん、研究授業、楽しんでね。  私なら、こう楽しみますよ。主事講評の際に「ありがとうございました。あとひとつ、ご指導いただきたくお願いします。この生徒たちの認識段階から次なるステップアップした段階に進歩させるために、実際の授業展開例と到達目標について、先生のプランを教えてください。」 と双方向の「授業づくりの場」にするのです。 お互い、究極的には、プロとして「生徒の学ぶ喜び」に寄与するために仕事してんだから、いつも生徒の笑顔を背にした「一方的監査にはさせんぞ」という現場教員の心意気で、楽しみましょう。
 私は、子どもたちと「科学クラブ」をつくり、年間会員制で、月1回ペースで「科学あそび」をしています。「粒子概念を身につけた子どもっていいなあ。これって、基礎だよなあ」と、考えています。 子どもに限らず、「認識を変化させる要因・力」は、五感のフル動員効果が大きい。これは、私の実践方法の柱のひとつです。
「物質の三態変化の科学あそび」として、「ぺろぺろキャンデーづくり」「水蒸気爆発のポップコーンづくり」「カンつぶし」もやっていますが、 その際、概念の昇り降り・イメージづくりと定着を狙い、分子運動と三態変化に対応した寸劇「分子踊り」であそびます。    腕を組み合って、動こうとしてもガチガチ振動しかできない「固体」、ゆるーりゆるーりと互いをすりぬける「液体」、「気体!」の合図と同時に激しく暴れつないでいた手が外れ走り回りゼイゼイ息する子どもたち。

     「滑っても転んでも、主役は子どもたち。 その子どもたちと直接する現場人間にこそ、真実の女神は微笑む。」



番号 08B-019  送信日 08/02/17  差出人 杉山 直樹
件名 理科の会次回例会内容についてのお願い

 昨日の理科の会例会ではお世話になりました。
杉山です。
とても勉強になる濃密な4時間だったなと思いました。

 さて、昨日の例会で残念だった事が一つあります。
それは、次回例会の内容の話し合いについてです。
せっかく、鈴木先生が資料をつくってきて下さったのに十分な話し合いができなかったと思います。
伊藤先生と私はちゃんと意見を言いましたが、他の方の意見が聞けないままで行き先を決めなければならないとなると鈴木先生も決めにくいと思います。
あと、みんなの意見を大切にしたいです。
なので、例会での話し合いとは違う形にはなってしまうのですが、理科の会ホームページのGuestbookに希望を書き込んでもらう形でみなさんの意見を集められないかと考えました。
以下に、候補となっているものを示しますので、そこから行きたいところを選び、理科の会ホームページのGuestbookに書き込んでいただきたく思います。
お忙しい中お手数ですが、何卒よろしくお願いします。

候補
@海上の森観察会(次回例会が4月と決まりましたのでシデコブシは見られません。)
A身近な春の野草の観察会
Bシダ植物の観察会
C庄内川の岩石採集会
D名古屋市科学館の翼竜展の見学会

 講師の依頼をしなければならないものもあるということなので、書き込みは1週間以内(2月25日まで)でお願いします。
意見が多かったものが必ず実現するとは限りませんが、意見は責任を持って私が鈴木先生に伝えますので何卒重ねてお願いいたします。
みんなが意見がいえる理科の会であればと思います。
また、昨日例会に参加されなかった先生方も、この内容だったら自分も参加したいというものがありましたら、同様に書き込んでいただければありがたいです。

理科の会ホームページ:http://space.geocities.jp/rikanokai/

それでは



番号 08B-020  送信日 08/02/18  差出人 原 弘良
件名 心をしばってください・原理−その6

 こんばんは、  原です。
母親の教育委員会直訴4年、やっと入学した京都の小学校は、障害重度を理由に国の「就学猶予制度」を盾にして、堀さんや全国の重度障害児の教育権・学習権を奪い、ヒトとして生まれ教育によって「人格の完成」を目指し人間になりゆく「基本的人権」を蹂躙し続けた。
 2月2日のメールで、学級担任する私のクラス生徒の出身地が、西は芦屋、東は藤枝からに触れましたが、その一人ひとりの「こころの日々」が、如何許りかと想像するだに、心身が引き締まったのが、つい先日だったかに思えます。
                                 つづく 



番号 08B-021  送信日 08/02/19  差出人 原 弘良
件名 なんとか、、再・原理−その6

 こんにちは、  原です。
 先日は、「原理ーその6」が、迷惑メールになってしまった方もあったのではないかと心配です。自分なりに検討を続け、試行錯誤を楽しみました結果、予想通り、「カラー・スキャン」したため使用メモリーが過大過ぎたようです。 この見解でええですか?  教えて、、、。
「モノクロ・スキャン」にして、再度、メールします。  私は、まだこんなことで、モタモタしてます。
  堀さんの詩から、  あらためて、「学校、学級、授業が、子どもの夢を育み幸福にする居場所」であるように仕事するのが、教育職なんだなあと、思います。
 こんなこと考えていたら、   大村 はま 先生を思い出しました。  ご存知の方もあるかと思いますが、国語教育の実践・研究者で、2年前96歳で逝去。90歳代まで教壇に立った。「生徒が学ぶ気が出ないのは、教師の教え方が悪いからだ。」とのことばに、40年近く前に接して以来、私の現職中には、折りある毎に背筋をのばしました。
最近、08年1月21日の日本経済新聞・教育欄に「大村 はま記念国語教育の会」の寄稿があり「教育とは?」の原点を考える機会があったので、触れました。    



番号 08B-022  送信日 08/02/20  差出人 原 弘良
件名 生徒発信の教育原理−その7

 こんにちは、 原おじさんです。  
 林(ひろ)さんの「大村 はま」メールうれしく、加藤さんの定時制・現場メールが楽しいです。
 「海釣り」と「高校生の教育」には、共通する「楽しさ」があります。
        そのこころは?          どちらも「自分の意志」をもちます。
  
 1、 餌を食うか食わぬかは、魚の勝手です。釣り人は、狙った魚の「習性・潮時・海流」等、試行錯誤をくり返し研究します。
 魚が反応してくれてククッと通信が始まり、美しい魚体を手に取るまでの「ときめき」は、たまりません!
  少年時代からの「つり趣味」は、30歳過ぎに船舶免許取得、つりボートの自作へと高じましたが、50歳過ぎの「がん闘病」
 の際には、連日の「生徒からの手紙」とともに、生還して「魚と遊びたい」気持ちを支えに、13ヵ月後に教室での生徒たちとの
 再会実現のひとつの力になりました。        今も、美しい若狭湾で、マイボートから糸を垂れます。

 2、 授業にくらいついてくるか、こないかは、「生徒の選択の意志」にかかっています。  「生徒は、逃げ水」です。
 私が生徒だったら、、、と、いつも考えながらやってたら、36年間の現職時代を楽しく仕事できました。それも、少年時代から
 大好きだった科学工作や火薬ロケットづくりの過程で出合った「自然科学理論の魅力」が、私の人生の転機を導いて
 くれました。  18歳の染色工員から、夢の理科教員へと、、、、。それほど、魅力いっぱいの自然科学!
  もともと、理科教員は、「自然科学が大好き!」だわさ。「鬼に金棒」を持っている。   だから、楽しい議論がわきおこる。
 自然科学の議論とともに、「滑っても転んでも、理科教育の主人公は、目の前の、一人ひとりの生徒と、生徒たち」の議論が
 楽しい。
  「極限状態に、本質が現れる」  これって、ものを見たり考えたりする時の「定石」だと、私は思い適用しています。
 わが国の学校教育「競争原理教育の極限状態として、その本質が眼に見える姿で生きている人。」その学校が、世間で言う
 ところの「教育困難校の一人ひとりの生徒たち」ですよ。しかも、その生徒たち一人ひとりは、「人間の本質・尊厳」を蹂躙され
 屈曲させられているだけなので、科学大好き教員による「人間の本質・尊厳に依拠した科学教育」によって、
          人間性が爆発的に解放されて、夢のように楽しい理科教室風景が現実になります。  
                   その原点が、私の「養護学校8年間」にあったので、            つづきます



番号 08B-023  送信日 08/02/21  差出人 中村 光廣
件名 名大での催し物の紹介

皆様
 名大中村です。いつも催し物の紹介ばかりで申し訳ありません。

 以下に紹介するような催しものが、名大であります。オリジナルの紹介メイルには気の利いたポスターも添付されていたのですが、1MB制限に引っかかって送れません。欲しい方は個人的に連絡ください。受け持ちの生徒さんたちにご紹介いただけると幸いです。

「女子中高生理系進学推進セミナー」
 いま、理系女子 −理系分野で活躍する先輩たちからのエール−

いつも大変お世話になっております。男女共同参画室では、このたび、「世界一受けたい授業」にも出演された岩崎恵美子さんを迎え中高生向けの講演会「女子中高生理系進学推進セミナー」を開催することとなりました。中学生、高校生のほか、保護者、教員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。参加申し込み、問い合わせは、rikei@post.jimu.nagoya-u.ac.jpまで、必要事項(氏名、所属、学年、懇親会への参加の有無)を明記して送信してください。なお、座席に限りがございますので先着200席になり次第締め切らせていただきますので、よろしくお願いいたします。(締め切り2月27日とのことです。万一定員をこえても締め切ることは無いとは思います(中村))



日時:2008年3月1日(土)開場13:15
場所:野依記念学術交流館
プログラム
 13:45 挨拶
 14:00〜15:00 岩崎恵美子氏の講演
    (日テレ系「世界一受けたい授業」に出演もされた、免疫学の専門家。
     WHO主催SARS対策専門家世界会議の日本代表としても活躍する
     現・仙台市副市長)
 15:20〜16:40 トークセッション
    (名大の女子学部生や女性院生に、中高生だったころのエビソードや、研
     究生活などを多いに語っていただきます。
     質問時間もたくさん用意しましたので、就職や研究活動など、
     知りたかったことを聞けるチャンスです。)
 17:00〜18:00 懇親会(要申し込み)
    (女性研究者や学生と自由に沢山話せる時間を設けました。
     大勢の前で質問するのは緊張するけど、ここでは気軽に話せる、
     そんな時間です。ふるってご参加を。)



番号 08B-024  送信日 08/02/22  差出人 船橋 隆久
件名 モルの会のみなさんへ

3月15,16日の「でんちのかがくかん」(中電・電気の科学館)の件で、プロモ・山中さんから当日の進行等に関する問い合わせがありました。そこで前回のモルの会で検討した内容について以下のように連絡をしておきました。
実験の時間は
 @10:40〜 A11:40〜 B14:00〜 C15:00〜 (2日間とも)
1回の時間は40分とのことですので、時間的には多少ゆとりができたように思います。
24日の「モルの会」、楽しみにしております。

-----------引用開始------------

こんにちは、船橋です。
3月15、16日「でんちのかがくかん」の件、了解しております。前回の「モルの会例会(12/16)」にリハーサルを行いました。2,3問題点がありましたので、その後改良して後は本番待ちです。よろしくお願いします。当日の流れは次のように考えております。

@ バケツでんち(約3分)・・・モーターを回す 
    金属製バケツ 1、銅製の鍋 1、食塩 1kg、木の棒 1、
    プロペラソーラーモータ 1、 クリップ 赤黒各1、 水道水
A 空気でんち(約5分)・・・2本同時進行でラジオ(FM)を鳴らす
    備長炭 2、アルミホイル 2、キッチンペーパー 2、食塩 100g、
    ビーカー 1、クリップ 赤黒各2、トランジスタラジオ 1
    アンプ 1、スピーカー1、バット 2
B 33円電池(約10分)・・・電卓を動かす(こどもたちも席でためす)
    10円玉 多数、1円玉 多数、食酢 1、食塩 20g、
    切ったろ紙多数、 銅線 30、電卓 15、バット 15、
    シャーレ 10、ウェットティシュ
C 鉛筆電池(約5分)・・・メロディーオルゴールを鳴らす
    鉛筆 4、三角フラスコ 2、クリップ 赤黒各2、硫酸ナトリウム 少々
    電子メロディー 2、手回し発電機 2
D 全員でおみやげ作り(約5分)・・・錯視
    おみやげ用のケント紙(切り抜き済み) 600人分、 
    プリットのり15

以上の順序で進行しますが、Bの33円電池で電卓を動かす実験は、会場の子どもたちの席にバットに入れた33円電池と電卓を回し、つないで動かしてもらう予定でいます。そのときスタッフの方にもお手伝いをお願いすることになると思います。そして手に食酢がついてにおいが残るので、手ふき用のウェットティシュを用意していただきたいと思います。
Dのおみやげは600人分(これで足りますか?)用意しました。このときもケント紙とのりの配布のお手伝いをお願いします。ウェットティシュ以外は全て船橋が車にて当日会場へ持って行きます。駐車の件、よろしくお願いしします。

お手伝いするメンバーは次の方を予定していますが、変更になる可能性もありま
す。私は両日とも参加できます。
3月15日(土) 船橋、林、福島、堀、杉山
3月16日(日) 船橋、出口、岡田、杉山

2月24日(日)午後1時から6時頃まで、**高校化学室(2階)で「モルの会例会」を行っています。ここで最後の確認を行う予定でいます。よろしかったらご参加下さい。なお、15日は少し早め(第1回開演の2時間くらい前)に私は行って、器具等の搬入と準備を行いたいと思っています。15、16日の開演時間帯をメンバーに伝えたいと思いますので、私宛にメールにてお知らせ下さい。
では、当日を楽しみにしています。



番号 08B-021  送信日 08/02/23  差出人 原 弘良
件名 教科書がほしいんじゃない:原理−その8

こんにちは、  原 おじさんです。
堀さんの詩  です。子どもの本心です。
役立つか、どうか?  を基準に、   文教行政を検証すれば、「なぜ?」が明白に浮かび上がります。
「就学免除制度」「競争原理教育」      そこには、「人間の子ども一人ひとりの尊厳」が、無い。



番号 08B-022  送信日 08/02/24  差出人 原 弘良
件名 だから、学校へ行きたい:原理−その9

  雪の朝、おはようさんです。  原です。
 きのうから、好きになっちまった朝7時ニュース・アナウンサーがいます。
「なんだ、大人ばっかりだなあ。教育は、子どもが主人公なのに、、、。」と、彼が呟いたのです。気付かれました? 一瞬ビックリ、後、心ほんわり。犬山市教育委員会が、今年も全国でただひとつ「学力テスト不参加決定」の小特集番組放映の中身は、大人がまくし立て子どもが不在でした。
「きっと、愛して愛して愛する子どもの父親なんだろうなあ」

  「仕掛けて、待つ。」   これしかできませんし、これで生徒と生徒たちとの「教員の仕事」を36年間、学級担任・理科教員をしました。単位不認定・留年・退学などの「究極的落ちこぼし生徒」が出ずに退職できたとき、本当に安堵しました。   堀さんの詩が訴えるように、どの子どもも生徒も、「心のふれあいを求める、人間の本心」から通学しています。 授業がわからないことを自分のせいだと錯覚させられ続ける「学校砂漠・授業砂漠」を耐えさまよい、「競争原理教育」とやらのせいで、理不尽な劣等感を背負わせられていることさえ「無自覚の悲惨」。
   退学したくて入学してくる生徒なんているわけない!

 当時の養護学校の理科教員としてできたことは、「実物教材を準備して、授業に投げ込んだ後は、生徒に任せざるを得ない授業」でした。  週27コマ理科授業・三日に1度の舎監宿直勤務・宿直明けのスクールバス添乗員勤務・学級担任の日々でした。 理科授業は、多種多様な障害・学力の15人の生徒に、複複式3種の準備で臨みました。 15人の生徒でも、個々の生徒に対応できる授業は、私には到底できませんから、 顕微鏡、ルーペ、染色液、プレパラート、画板、画用紙、クレヨンなど、学力・障害に応じられそうな教材・教具を教室に運びいれたら、ポリオ後遺症障害など学習障害のない4割ほどの生徒には教科書・手づくりプリントで要点指導をした後「自学自習・実験・観察・記録」にはいらせた後、重度の生徒たちの個別に「実物授業」に移るパターンの授業でした。  堀さんの詩や、ちょっと考えれば想像できるように、何せ自然や実物に触れるチャンスを奪われてきた生育歴の人たちです。何も無い理科室の整備・充実、自然物準備など、金も時間も必要なものばかりでした。
 こんな不十分な理科授業なのに、生まれて初めてタンポポを手に取ったと大喜びしたり、自由に理科器具を自分が操作したと言う生徒。生きた魚を見たことが無い生徒たちのために、アクアリウムを5台設置して、私が採集してきた、淡水魚、海水魚、両生類などの世話係を募集すると、車椅子に乗り、松葉杖をついて、友達そろって毎日理科室通いをしました。  学校長を誘い、授業や理科室で楽しむ生徒たちと一緒に時間を共有しながら、この生徒たちには、「理科の実物持ち込み教育の大切さ」も訴えました。  趣旨をよく理解してくれて、どんな予算要求も、びた一文渋ることなく支出してくれた8年間でした。ときには、県教委をこえて、直接、知事部局から「障害児のために」と、必要経費を捻出させてくる校長さんでした。
  養護学校の同窓会に参加したした折に、片松葉の青年が声をかけてくれました。「先生、覚えて下さってますか?」 その後、お医者さんになった卒業生でした。「あの頃は、十分な授業もせず、ごめんやったな」「とんでもない。自由に実験できたし、質問すれば教えていただきましたよ。小・中・高で一番楽しい理科でした。それと、自分で理解できていると思っても友達に教えるのはむつかしかったですよ。」
                                          つづき



番号 08B-023  送信日 08/02/24  差出人 鈴木 久
件名 センター試験の波紋

物理サークルのみなさま、川田さん
鈴木 久@理科の会です。
昨日、物理サークルに参加できなかったのは、仙台からわざわざ名古屋に東海高校サタデープログラムのため、田原先生が講演にみえたので会っていたためです。
田原先生は、予備校の講師で微積分を使った物理を提唱している方です。ただし、山本義隆さんのような大学の教養物理とあまり変わらないという感じではありません。ひょんなことで、インターネットを通じて交流させていただいています。(リンクも含めて)
実は、かなり前に川田先生のセンター試験への主張を伝えて、予備校の先生からもアッピールしてくださいと頼んでいたのですが、ご本人と話しているとき以下のように きちんと対応してくださっていることを知りました。ご本人は、理論系なので実験系のこういう問題は出されたときに気づかなかったとのことです。でも、知ってからすぐにこうした対応をしていただけたようですので、お知らせしておきます。
他の方がみえなかったなら、交流会の変わりに、物理サークルに誘おうと思ったのですが無理でした。HPで石川先生が参加されたことを知りました。参加、できなくて残念でした。同時に別のことはできないので仕方ありません。

以下引用
センター試験の出題ミスの件、返信メールに、次のようにコメントしてあります。

---------------------------------------------
★第1問について
第1問の問題設定について、非現実的ではないのかという指摘がされています。
詳しくはこちらをどうぞ
http://tahara-phys.net/archives/51050189.html
---------------------------------------------



番号 08B-024  送信日 08/02/27  差出人 林 正幸
件名 MOLの会の通信案

こんにちは、林まさです。
 この前のMOLの会の通信案をつくりました。訂正、追加などありましたら、遠慮なく連絡してください。1週間後にはホームページに掲載します。なおその前日に愛知物理サークルに参加した皆さん、そこで私が紹介した「石井式止まらないこま」は、私のうろ覚えのために不十分でした。参考にこの通信案の2つめをみてくださ
い。
 ちなみに次回のMOLの会は
    5月18日(日) 13:00〜  **高校 化学室
です。
 ではまた。

<引用>
   MOLの会通信08−2号

 今回は岡田、澤田、鈴木とし、田中、林まさ、船橋、堀の7名の参加でした。
 「なるほどサイエンス」の最終打ち合わせの中では、33円電池を洗濯ばさみで挟むア
イデアが出ました。
 堀さんから農芸化学会の紹介がありました。3月27〜29日に名城大で開催され、
27日にはジュニア版として高校生などの研究発表(やポスターセッション)もあります。
この部分は無料のようです。
 私(林まさ)が、受け売りで「水中の水滴」を紹介しました。合成洗剤の数%水溶液を、
ストローから垂らすと、水中に漂う「泡」ができます。これは空気の膜で包まれた水滴で
しょう。
 そしてMOLの会の飲み会(NOMの会)も3月31日に企画することになりました。

硝煙反応など(岡田)
 ピンポン球は競技用を含めてセルロイド製の他に、おもちゃとしてポリエチレン製、塩
ビ製があることが分かった(他にもあるかも)。そしてやはりセルロイド製はよく弾む。
 樟脳1.2gをエタノール4mLに溶かし、よく乾燥した硝化綿1gを加えて根気よく練
り、拡げて乾燥して、セルロイドをつくってみた。これもよく燃える。ちなみに樟脳はス
スを上げて燃える。なおチャック付きポリ袋に入れて保管した硝化綿は、うまく燃焼しな
い。やはりデシケータ中で保管すべきである。
 これから、資料に当たって「セルロイド物語」をつくりたい。
 硝煙反応を授業で取り上げたいと情報を集めてみた。試薬はジフェニルアミン0.5gを
濃硫酸100mLに溶かし、水20mLに加える。これを硝化綿を燃焼させた試験管、亜
硝酸ナトリウム、硝酸カリウムの固体(水溶液では駄目)を入れた試験管に注ぐと、青紫
色を呈する。硝酸バリウムではうまく行かなかったが、バリウムイオンが影響する可能性
がある。亜硝酸イオンは、硫酸で硝酸イオンに酸化されて反応するためだろうか。
 ちなみにジフェニルアミンを塩酸に溶かして硝化綿を燃焼させた試験管に加えたところ、
その場では変化がなかったが、2,3日して青緑色になった。空気が酸化剤としてはたら
くためだろうか。
 どのような化学反応で発色するのか。それが分かるともうすこし踏み込めると思われる。
なお現在は犯罪捜査のための硝煙反応などは、異なる方法で機器分析されているようだ。

石井式止まらないこま(船橋)
 EHC事務局会議で私(林まさ)が紹介したものを、船橋さんが改良して持ってきた。
また岡田さんが石井さん自身の講習で製作したものを持っていた。さらに船橋さんがコイ
ルとトランジスタを使う従来の装置も持ってきて、「止まらないこま」の検討会になった。
 石井式の回路は、鉄くぎにエナメル線を巻いてコイルをつくり、電池(単3を1本)と
コイルと「リードスイッチ」を直列につなぐ。コイルの両端に、その逆起電力を利用して
点灯するように発光ダイオードをつなぐ(電池の正極側がカソード)。コイルとリードス
イッチを平行に並べ、NSこまをプラスチックスプーンの上で回して近づけると、場所に
よって発光ダイオードが点滅してこまが加速されるようになる。こまの回転でリードスイ
ッチが入り切りし、発生する磁場によってこまがうまく加速される(こまの回転はどちら
向きでもよい!)。
 NSこまは、半周がN極、残りがS極の磁石こまで、ケニスが販売する穴あき(φ2.5
mm)円盤形(φ18mm、厚み4mm)磁石で作ることができる。リードスイッチはア
メ横(タケイムセン)で入手でき、船橋さんの資料によると、強磁性体の2本のリードが
接点間隔を持って相対し、窒素ガスを封入したガラス管に入っている。磁石が近づくとリ
ードが磁化されて互いに引き合ってスイッチが入る。なお強磁性体とは鉄のことだろうと
考えました。
 船橋さんは時計皿を使って作り(私のうろ覚えのため、発光ダイオードは無し)、長い
時間こまを回し続けたところ、30分ほどでリードスイッチが接触したままになるとのこ
とです。これはリードがコイルのそばで永久磁石化してしまうためではないかと考えまし
た。そしてその後に発光ダイオードを加えると問題は解消し、これが逆起電力の電圧が大
きくなるのを防いでいることが分かりました。

 他には「マジック・ムービング・イメージ」を紹介してもらいました。

デジタル発振器(田中)
 学校に発振器がなかったため、DDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザ)とマイ
コンを使って、正確な発振器を2台製作した。そして大型表示器も付けた。
 これで共振やうなりの厳密な実験ができる。440Hzで音叉が共鳴し、一方の周波数
を1づつ減らすと、それに応じてうなりが生じる。また超音波領域で周波数をずらして合
成し、スピーカーに入れると可聴音になる。

 また「デジミン」つまりデジタルなテルミンの紹介もありました。

タンパク質の2次構造モデル(林まさ)
 昨年12月の先進科学塾で実践した「生命活動を担うタンパク質の化学」のテキスト
    http://www.water.sannet.ne.jp/masasuma/masa/nc1-7.htm
と、それに対する「思いと狙い」および「参加者アンケート」などのレポート
    http://www.water.sannet.ne.jp/masasuma/masa/nc2-15.htm
を基に、2つ紹介をした。

 タンパク質の2次構造は図だけではなかなかイメージが湧かない。ところが構成要素は、
平面構造のペプチド結合と原子価が正四面体のαー炭素、それとイミノ基とカルボニル基
の水素結合のみである。
 ダブルクリップの2つのレバーはαー炭素の2つの原子価になる、それに挟む工作用紙
にチューブ(東急ハンズでつまようじがうまく差し込めるものが見つかった)を2つ貼り
付けると4つの原子価が正四面体に近くなる。ペプチド結合は工作用紙に書いて裏につま
ようじをセロテープで固定する。水素結合には目玉クリップを使う。
 このモデルで実際にらせんと波形シートを自分の手で作ってみると、その構造が実感で
きるようになる。

デンプンの消化(林まさ)
 酵素と化学触媒を比較して実験したい。そんな思いで組み立てた実験である。
 始めに約2%のデンプン水溶液をつくる。熱湯にかたくり粉を水でといて加えた後、し
ばらく沸とうさせる。
 40数℃に冷めたら、ジアスターゼの入った試験管と、濃塩酸が入ったビーカーに加え
てかき混ぜる。前者はすぐに粘性が小さくなり、ヨウ素デンプン反応を示さず、ベネディ
クト試薬で褐色に濁る。ちなみにベネディクト試薬はフェーリング試薬を改良したもので、
次のように調製する。「水約75mLにクエン酸三ナトリウム2水和物17.3gと無水炭
酸ナトリウム10gを加えて加熱溶解する。他方で水約10mLに硫酸銅5水和物1.73
gを加えて加熱溶解する。両者を混合し、水を加えて全体を100mLにする。」
 後者はヨウ素デンプン反応を示すので、数分間おだやかに沸とうさせる。するとデンプ
ンは検出されなくなり、ベネディクト試薬で褐色に濁るようになる。化学触媒は温度が高
ければその威力を発揮する。
 岡田さんは、胃腸薬「ワカモト」に含まれるアミラーゼを利用している。もちがこびり
付いた釜も、温湯とワカモトで簡単にきれいになるそうです。
 なお、ヨウ素デンプン反応のしくみや、さらには色覚にまで話が及びましたが、ここで
は割愛します。
<以上>