番号 07C-001  送信日 07/03/04  差出人 林 正幸
件名 MOLの会の報告

 こんにちは、林まさです。
 昨日のMOLの会の通信案ができたので、報告がてら知らせます。訂正、追加などありましたら、連絡してください。
 なお次回は
    6月3日(日) 13:00〜
    ***高校 化学室(2F)
です。従来どおり、日曜の13:00からです。
 ではまた。

<通信案>
                                   07.3
                               事務局 林 正幸

   MOLの会通信07−3号

 今回は岡田、田口、林まさ、船橋の4名でした。やはり土曜は難しいか、と思いました。
角砂糖の燃焼などは次回まわしとしました。

カフェインの抽出(林まさ)
 紅茶のティーバッグ2つを湯約50mLで煮出し、さらに10mLまで煮詰める。水冷
してから無水炭酸ナトリウム2gを加えて試験管に移す。これにジクロロメタン10mL
を加え、ピペットで滴下をくり返してカフェインを抽出する。
 ジクロロメタン層を取り出して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、加熱してジクロロメタン
を揮発させる(ろうとを付けたアスピレーターでカバーする)と白色固体が得られる。一
部をなめてみると苦い。それを試験管に移し、水を入れた小試験管を差し入れ、弱火で昇
華させると針状結晶ができる。水に溶かすとほぼ中性である。
 これは新たな講座プラン「有機化合物の世界」に組み込む予定の実験である。浸出液と
ジクロロメタンの分離が悪く、私としては煮詰めて量を減らして試験管で抽出することに
した。浸出液にはタンニン(酸)が含まれるので、炭酸ナトリウムを加えて塩基性にする。
 カフェイン C8H10N4O2 はアルカロイド(植物塩基)の1種であり、構造式(芳香族
第三級アミン)からもわずかに塩基性であると思われる。なおジクロロメタンはすこし発
がん性があり、吸い込まないようにする。

三酸化二窒素(岡田)
 前回も取り上げた話題です。二酸化窒素 N2O3 のアンプルは、酸素を入れたアンプル
容器に気体を導いてつくるとよい。少なくとも気体の発生が激しい内だけアンプル容器に
導く。
 なお後でヘスロップらの「無機化学」(古い本です)を調べると、三酸化二窒素は固体
状態でのみ存在し、液体でも一酸化窒素 NO と二酸化窒素 NO2 の1:1混合物であろ
うと書いてありました。
 また四酸化二窒素 N2O4 については、融点−9.3℃、液体は(一部分解して)淡黄色、
沸点20.3℃で約1%の二酸化窒素を含み、100℃では99%が二酸化窒素である、と
ありました。沸点は気体の圧力にも依りますが、温度による平衡移動の実験は、冷やして
液体が生じない範囲で行うべきでしょう(実験の意味が変わってくる)。

どきどき化学なるほど実験など(船橋)
 杉山(剛)さんらの「どきどき化学なるほど実験」より2題。
 試験管に塩素酸カリウム KClO3 小さじ1杯を入れて弱火で加熱・融解する。これに
つまようじを2つに折って投入すると、赤紫色(炎色反応の色)の炎を上げて激しく燃え
ていきます。マッチの軸にするとより確実に反応するようです。(空気中の酸素以外の)
酸化剤を使う楽しい燃焼反応の一例です。
 硫黄小さじ2杯と金属カルシウム1粒を入れ、試験管を斜めにして加熱すると、一瞬橙
赤色(炎色反応の色)の炎を上げて燃える。硫黄の量を多めにしてカルシウムを包むよう
にすると反応しやすいようです。酸素と硫黄が同族であることを理解できます。
 ちなみに硫黄とマグネシウムリボンで試してみましたが、反応しませんでした(1回の
み)。
 山本さんの「早わかり化学」の飽和蒸気圧の実験。50mL注射器に、氷水を入れて引
くのと湯を入れて引くのでは、後の方が楽。温度が高いほど蒸気圧が高く、引くという手
助けが少なくて蒸気になることが実感できます。

ダイレクトメタノール電池(船橋)
 野曽原さんのダイレクトメタノール電池。以前に製作した20cm四角のパラジウムめ
っきしたニッケル網を使って試してみました。バットの底のくぼみを利用してメタノール
と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜ、金網を載せ、液分離のためにセロハンを被せ、これに
クッキングペーパーを載せて水酸化ナトリウム水溶液を浸み込ませ、もう1枚の金網を被
せると、太陽電池用モーターがくるくるとまわる。
 ちなみにダイレクトとは、メタノールを改質して水素をつくってから電池反応を起こす
のではなく、直接にメタノールを電池反応させるという意味です。
 通常の反応式はインターネットで調べると次のようであり
  負極 CH3OH + H2O ―→ CO2 + 6H^+ + 6e^-
  正極 (3/2)O2 + 6H^+ + 6e^- ―→ 3H2O
  全体 CH3OH + (3/2)O2 ―→ CO2 + 2H2O
したがって強塩基性下では
  負極 CH3OH + 8OH^- ―→ CO32- + 6H2O + 6e^-
  正極 (3/2)O2 + 3H2O +6e^- ―→ 6OH^-
  全体 CH3OH + 2OH^- + (3/2)O2 ―→ CO32- + 3H2O
になるのでしょうか(違うかも!)。
 それにしてもホルムアルデヒドなどはほとんど生成せず、メタノールの水素が全部水に
代わるとは、メタノール電池はすごいですね。

 他にも「楽しい授業」から「くるりんカード」というトランプのマジックを紹介しても
らいました。
<以上>



番号 07C-002  送信日 07/03/05  差出人 杉本 憲広
件名 物理教育学会への申し入れ

 みなさま
 センターテストの誤問題についての物理教育学会への申し入れの件ですが、21名の連名で無事に出すことができました。みなさまのご協力ありがとうございました。何らかの行動をしてくれるとよろしいのですが、いかがなりますか。次のアクションを考えたいと思います。
 またご協力のほどを!



番号 07C-003  送信日 07/03/09  差出人 川田 秀雄
件名 センター試験新たな展開

みなさま
川田です。本日、9時過ぎ参議院議員佐藤泰介氏より電話がありました。佐藤氏「うちの事務所にセンター試験の不備を指摘した文書が届いていた。文科省を呼んで事情を聞いた」 文科省は「この問題は、変圧器の原理を問う問題で特に混乱はなかった。」「しかし、ご指摘のように実際は不適切な部分もあったので、ホームページ上で ”この問題は、実際は誤差が出ます”という但し書きを付けて掲載したい」と。
 佐藤氏は「これは入試センターではなく、文科省がそういっていました」と念押し。

 もし、文科省がこの方向で動いてくれれば、一定前進するかも。今後、文科省のお墨付きがあれば、入試センターに「但し書きをつけよ」という要請がしやすくなります。そうすれば「過去問にも、但し書きを」と言うことになり、間違った認識の「蔓延」は防げます。我々の目的は達成できます。
 しかし、まだまだ予断を許しません。杉本さんの物理教育学会への要望書が更なる追い風になること期待しています。
 思うに、教育や学問の世界で「政治の力」を背景にしないとまともに取り上げてくれない、とは情けない。あらためて入試センターの「自浄能力のなさ」を実感しています。



番号 07C-004  送信日 07/03/12  差出人 川田 秀雄
件名 センターから酷い回答が来ました

みなさま
川田です。センターから酷い回答が来ました。このバトルは長期間に及びます。これも理科教育のためと思ってやっています。センターの傲慢さにあきれています。
素直に磁束漏れの不備を認め、今後の混乱を防ぐ手立てを講じれば済む問題です。
 「実験のよって理想的な結果が得られることは期待していません」(回答)にいたっては、怒りがこみ上げてきます。我々は100%「理想的な結果」など求めていません。実験結果が正解とされる値の30%では認めるわけにはいかないのです。「実験はどうでもいい、公式の暗記がすべて」と言う態度は、現場で日々生徒と格闘している先生方をあざ笑うものと言わなければなりません。センター流に考えれば学校は不要です。学習塾があれば十分です。
「磁束漏れはないものとする」などの但し書きがどうしても必要です。反論をセンタに再度送りました。



番号 07C-005  送信日 07/03/17  差出人 飯田 洋治
件名 Re:センターから酷い回答が来ました

お知らせするのが遅くなりjましたが,私のところにもセンターから返事が来ています。変圧器に関しては本当に情けない回答ですが,音の屈折でまだはっきりしないところがあって,センターには質問を出していません。ご意見を下さい。
私の再質問とセンターからの回答は
http://homepage3.nifty.com/yoiidea/ 
の「お知らせ」の所にアップしました。



番号 07C-006  送信日 07/03/18  差出人 岡田 高明
件名 次回名古屋EHC「トルネードマシーン」の製作希望者募集

みなさん日増しに暖かくなってきましたね。お元気ですか。
次回名古屋EHCは「トルネード(竜巻)マシンの製作」です。今回の「トルネードマシン」は約0.5m四方高さ約1mの空間の中で竜巻を作る装置です。私も始めて見たときは大自然の神秘が目の前によみがえる姿に見とれてしまいました。林熙崇先生が安価な水蒸気発生装置を手に入れて頂いたことによって、この企画が可能になりました。ただ数に限りが(20台弱)ありますので先着順と
させていただきます。希望の方はお早めに申し込んで下さい。

日時   2007年 5月19日(土)10:00〜17:00
テーマ  トルネード(竜巻)マシンの製作
  (講師)  伊藤 政夫
会場   ****高校
予算   3000円程度
準備   送風機(ヘヤードライヤー等)
      電気ドリル(お持ちの方)
      金のこ、金きりばさみ、等
(次回連絡のとき詳しくお知らせします)

製作を希望される方は3月30日(日)までに事務局 岡田高明まで



番号 07C-007  送信日 07/03/18  差出人 伊藤 政夫
件名 Re:次回名古屋EHC「トルネードマシーン」の製作希望者募集

あと、超音波振動で霧発生装置を使うのですが、これが交流48Vで駆動します。
当日は、スライダックを持って行きますが、持ち帰って使う場合は、ご自分で用意してください。
あと送風機ですが、ドライヤーで冷風のスイッチがあればいいと思います。
小さな扇風機のようなものでもいいかもしれません。
パイプに風を送り込んで、エアーカーテンをつくるために必要なのです。



番号 07C-008  送信日 07/03/19  差出人 杉本 憲広
件名 センターへの再々質問

 みなさま
 川田さんと飯田さんに大学入試センターからひどい回答があったという報告がありましたが、ご覧になりましたでしょうか?まだの人は一度見てください。変圧器の方はお話にならないという感じですね。一方の屈折の問題ですが、こちらもひどさは相当なもんです。静かな部屋で、しかも15m/sの風でやっと大きさの違いがわかるという違いの検証しているのですから正にナンセンスだと思います。そこで、再々質問をすることにしました。以下のようなものです。みなさんいかが思われますか?

 センター試験第3問Bの問5についての飯田洋治氏への再回答(平成19年3月7日付)
を読ませていただきました。屈折という用語の使われ方の違いにつきましては,初めて
聞くことであり,大変に勉強になりました。しかしながら,一定の風によって風上と風
下とで聞こえ方が違うという説明には納得がいかない点があり,この問題を標準的な問
題として捉えるのにはまだ抵抗があります。以下に質問事項を列挙いたしましたので,
お答えいただければと思います。

質問1  回答中の実験と選択肢との関係について
実験の2-2 実験結果での実験方法と「音源の風下の方が風上より音がよく聞こえる」
という問題文の選択肢とがつながらないように思います。実験では,基準を決めてそれ
からの20%の増減で実験しています。そして,「最初の音に比べて大きい」または「最
初の音に比べて小さい」で選択させています。この調べ方だと,最初から,最初の音と
は大きさが異なることを前提として選択するようになってしまいます。そのため,選択
先(20%大きい音と20%小さい音)通しのエネルギーの差は,倍の約40%となります。
現在問題となっていますのは,「風上と風下とで音の大きさの違いは認識できるか」と
いうことです。この問題の趣旨に即した実験を設けるならば,1つの音を聞かせて,そ
の音と同じ音とそれより20%大きい音(または小さい音)をランダムに聞かせて,それ
らの音が最初と同じか異なるかがどれだけ判別できるかを調べるべきではないでしょう
か?

質問2  本当に風の中で弁別が可能か
この実験で,弁別できる音の強さの違いが「現代音響学」での値程度になることを証明
しています。しかし,この値は,弁別閾値であって,条件が最もいいときの限界の値で
はないですか?風速15m/sの中でこれらの音の大きさの違いが弁別できるとは思えませ
ん。風速15m/sは強い風なので耳にはかなりの雑音が入ります。この風速中でやっと弁
別できるような差しか生じないということは,逆に,「この理由では,風下と風上との
音の大きさの差は見分けがつかない。」ということを示しているのではないでしょうか
?センター試験の問題が,「風下と風上とでは,風下の方が届くエネルギーは大きくな
る。」ならばよいのですが,「風下の方が大きく聞こえる」と書いてありますから,実
際に風の中でそうなることを証明しなければなりません。静かな部屋で実験するのでは
なく,風の中で弁別実験を行うべきではないですか?
質問3  「屈折」の使われ方のあいまいさについて
2-4音響学での「屈折」で,「音と音波」小橋豊(裳華房)と「振動と波動」吉岡大二
郎(東京大学出版)を引用され,風による進行方向の曲がりは屈折とは区別していると
しています。確かに,2つの書籍とも屈折とは書いてはいないですが,温度の効果によ
る曲がりも同じ文中に記述されており,こちらも屈折とは書かれていません。従って,
これらの文献によって判断するのは無理であると思いますし,物理の関係者の中でも風
による屈曲と屈折が分化されていないのではありませんか?理化学事典には
屈折とは,「波の速度が変化するときに,進行方向が変わる現象をいう」として,スネ
ルの法則が成り立つのは,その中でも等方的媒質の場合に成り立つという流れで書かれ
ています。音響学からの定義も含んでの記述であるかも知れませんが,物理関係者も基
準として参照する理化学事典でこのような記述があることは無視できないのではないで
しょうか?

以下は要望です。
「風下と風上とでの音の聞こえ方の違い」という現象は,その現象を扱った書籍の数か
らいいましても,風速の勾配を考慮した長距離スケールの現象ととるのが一般的であり
ます(風速のみによる聞こえ方の違いで扱う書籍は見たことがありません)。それを屈
折と呼ぶかどうかは別としましても,この現象を屈折であると理解している方も少なく
ないと思います。今後の混乱を避けるため,また,この現象の正しい理解のために,入
試センターのホームページ上でこの問題に対するコメントを付けるなどの措置をとられ
るのが適当であると思います。
以上



番号 07C-009  送信日 07/03/20  差出人 飯田 洋治
件名 Re:センターへの再々質問

回答を良く読むと,
http://homepage3.nifty.com/yoiidea/osirase/from_center_0307.pdf

最初基準の音を,その後20%大きいか,または最初基準の音をその後20%小さいかを聞かせて選択させているともとれますので,40%の違いにはならないと思いますがどうでしょう。

あとは全くその通りと思います。疑問に思うことはありません。
どうして20%の増減にしたかを考えてきましたが,風速10m/sだとエネルギーの増減が12%程度(0.5dB程度) にしかならず(球面波のエネルギーが距離の2乗に反比例するとした場合),これではとても聞こえないと判断したからかもしれませんね。つまり,20%の増減は聞こえる限界を調べたもののような気がします。



番号 07C-010  送信日 07/03/27  差出人 川田 秀雄
件名 センター再々質問その後

みなさま
川田です。現役の方々は年度末人事異動等、忙しい時期を迎えておられる事と思います。如何お過ごしですか。
私は、3月17日から25日までヒマヤラ・アンナプルナ・トレッキングに出かけ、命の洗濯をしてきました。人間と自然との営みに感動してきました。
 さて、帰国後3月26日、センターに再々質問について電話で確認しました。以下はその時のやり取りです。

(私)「再々質問について受け取りましたか」。
(センターH氏)「受け取りました。関係者に送付しました。センターとしても実験等をして、結果を1、2週間後に回答することになりました。今しばらくお待ちください。何度も質問について回答するのは異例のことです。正式には、評価委員会の審議を経てセンターのHPで掲載します」
(私)「実験の結果、仮に不備があることがわかりセンターのhpで記載されても、受験生や先生方は一々hpを見ませんから、間違った認識の蔓延は避けられません」
(H氏)「センター試験は事実として行われた後ですから、今になって問題の修正は出来ません」
(私)「だから、私がすぐに指摘したのです。何故、実施直後に対策をとらなかったのですか?]
(H氏)「。。。。。。。」
(私)「hpでこっそり不備の言い訳をしても、事態は同じです。過去問の出版社等に、センターから修正を依頼すべきです」
(H氏)「事実として、出題した問題ですから、 それは。。。。」
(私)「それが無理なら、マスコミ等を通じて不備を世間に公表すべきです」
(H氏)「マスコミが取り上げてくれるか、どうか、。。。。」
(私)「取り上げるかどうかはマスコミの問題です。センターとしては責任のとり方の一つではないですか」
(H氏)「関係者に伝えておきます」 

 今になって実験をするなど、センターには事態の深刻さがわかっていません。これは理科教育のあり方が問われる問題だと思います。
皆さんのお力のお陰で、少しずつ追い込んでいると思います。今後とも、よろしくお願いします。



番号 07C-011  送信日 07/03/**  差出人 ** **
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番号 07C-012  送信日 07/03/**  差出人 ** **
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番号 07C-013  送信日 07/03/**  差出人 ** **
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