番号 07B-001 送信日 07/02/01 差出人 川田 秀雄
件名 センター試験、異議あり その後A
皆様
川田です。センターテスト物理T第1問について大学入試センター追加の文書を送付。2月1日(木)朝、入試センターに電話。先方は「2度目の文書も受け取りました」と。この問題の苦情は何件あったかと質問したら、「3名の方からあった」「はじめ大学の先生から、次に先生(川田のことらしい)から、後でもう一人の方から」「担当者には文書を渡し、2月中旬の会議で検討し、回答します」との返事の繰り返し。
そこで私の抗議「指摘を受けた時、すぐに実験で確認し、全員を正解するなどの措置を何故とらなかったのですか? そうすれば、問題を後に残す事はなかったのに。子ども達に与えるセンター試験の重みをどう認識していますか?」「・・・・(10sくらいの沈黙)担当者に伝えます」
番号 07B-002 送信日 07/02/01 差出人 杉本 憲広
件名 屈折の問題
みなさま
大学入試センターから回答が来ましたので紹介します。
「高等学校の物理1の学習範囲で「屈折」は、静止している媒質内の波の位相速度の不
均一さによって伝搬方向が変化する現象を指します。他C以外の選択肢は、明確にこの
現象の例となっており、「物理1」の問題としては選択肢Cが正答となります。」
どう思いますか?僕はあまりにあほらしい回答に脱力感を感じています。それならばこのような選択肢を設けること自体が間違いではないでしょうか。まだ先を考えていませんが、指導要領とかを見てから対応したいと思っています。
番号 07B-003 送信日 07/02/01 差出人 飯田 洋治
件名 次年度(’07)中部大学科学たんてい団のお願い 2/3日までには
飯田です。
先日送りましたたんてい団の講座日程表の中の講師をなんとか2月3日までには12コマを埋めたいと思っています。
現在,6名ほど講師をして頂けることになっていますが,昨年されたかた,新しくやってみてもというかた,エレクトロニクス関係をやってみようというかた,早めに連絡をお願いします。
現在みなさん1回だけででていますが,年2回〜3回やってもいいよという人はぜひお知らせ下さい。担当者が少なかった場合の調整にもお願いできないかと考えるからです。
あと,数日のあいだにぜひお願いします。
番号 07B-004 送信日 07/02/02 差出人 飯田 洋治
件名 風による音の聞こえやすさについて(センター試験に関して)
飯田です。
一昨日,飲み屋で「風による音の聞こえやすさ」について,6人ほどで大議論になりました。一様な風でも,波の進行方向が曲がるのではないかとか,防戦一辺倒でしたが,屈折がなくても受け止めるエネルギーに違いが出るのではないかという山田吉孝さんの意見は聞き入れる余地があり,冷静になって検討し直すと約束しました。山田さんの意見ですが,山田さんとは違った観点からの僕の意見を取り入れて,昨日川田さんが検討してくれました。以下それを元に書いたものです。これは新理科教育メーリングリストに投稿したものです。松原さんはその中の人物です。
再度,風による音の聞こえやすさについて。
1.夜中に遠くの音がよく聞こえるのは,地表の温度が下がり上空へ行くほど音
速が速くなるため,斜め上に向かった音はやがて斜め下向き伝わってきます。地
表上水平にまっすぐ進めば建物などに妨げられしまう音が,屈折によって障害物
をうまく迂回してしまうわけです。この場合気温降下をせいぜい10度程度と見
積もれば,音速の変化が 6m/s程度おきればいい現象と考えられます。
このことから,風速に関しても地表付近では上空より6m/s程度風速が遅くなれ
ば,温度変化の場合と同じような現象が起きることになります。このように屈折
の効果は障害物によって来ないはず音が屈折してくるのですから,フタを取った
らでるときのように,かなり大きなエネルギーが伝わることになります。
風速の効果と温度効果とほぼ同じと見積もってもいいように思いますがいかが
でしょうか。
2.もし仮に一様な風が吹いているときは,下手と上手で受け取るエネルギーは
同じか?
このこと関しては,昨,一昨日と再度,数人の間で議論が沸騰しました。その後
考えたことを報告します。
「一様な風に乗って球面波が広がるだけのことですから」単純な速度の合成分解
です。だから合成速度が屈折することはあり得ません。ここまではよかったので
すが,知らないうちに観測者が風の上に乗ってしまって「球面波の半径は風上,
風下で変わらない」としていたことに気づきました。
やはり松原さんの言われるとおり,静止した観測者には風上の方が到達するま
でに時間がかかり,その間に広がった球面波が届くわけです。球面波が広がれば
当然エネルギーは距離の2乗に逆比例するので,屈折なしでも受け取るエネル
ギーに違いが出ることになります。
さらに友人川田さんから指摘をうけたことは,そのとき受けとめるエネルギー
が,受け止めるときの速度に比例するという点です。
したがって風上の観測者にとっては,音速をc,風速をvとすると,球面波の
半径が c/(c−v) 倍に広がるため,球面波のエネルギーは距離の2乗に逆比例
し {(c−v)/c}2 倍,それを (c−v)/c 倍の速度で受け止めるので,観測者
は {(c−v)/c}3 =1-3(v/c) 倍のエネルギーを受け取ることになります。
音速を340 m/s、風速を例えば10 m/sとすると、 1-3・10/340=0.91 倍となっ
て,松原さんの値とは少し変わりますがほぼ同じになります。(この減少分を対
数で表すと約0.46デシベル減少する−川田の計算)。このエネルギーの減少はか
なり小さいように思えますがどうなのでしょう。
番号 07B-005 送信日 07/02/02 差出人 近藤 直門
件名 Re:風による音の聞こえやすさについて(センター試験に関して)
近藤です
風速は地表付近では地表との摩擦の影響を受けることになるので、上空ほど必ず速くなり、一様に吹くということはありえません。風力発電に関する次のページに高度と風速についての記述がありました。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No84/Ishida0110.htm
地表付近の風速の高度分布は経験則として、指数法則が成り立つことが知られ、以下の式が用いられます。
V = V1 (Z/Z1)^(1/n)
V:地上高zにおける風速
V1:地上高z1における風速
n:指数法則のべき指数
べき指数のnの値は地表の粗度状態によって変わり
平坦な海岸地域や草原で n=7 〜10 1/n=0.10〜0.14
田園で n=4〜6 1/n=0.17 〜0.25
市街地では n=2〜5 1/n=0.25〜0.50
くらいということです。
地上1.5mで風速3m/sとすると 1/n=0.2 の場合
0mで 0m/s
5m で 3.8m/s
10m で 4.4m/s
20m で 5.0m/s
50m で 6.0m/s
100m で 6.9m/s
となります。
この分布をもとにシュミレーションしてみたらどうなるでしょう。
番号 07B-006 送信日 07/02/02 差出人 川田 秀雄
件名 センター試験、異議あり その後B
皆様
川田です。入試センターの不誠実な対応に腹がたちます。杉本さんへの対応もヒドイものですが、私の方への回答は定例会議の後という始末です。
そこで再度入試センターにこちらの測定結果や理論的な検討資料を送付し、回答を求めたいと思っています。
*入試センターはいかなる実験を行い、出題したのか。あるいは実験はしていないのか。「もし実験したのなら、どのような形状の鉄心に、どのようなコイルを巻き、どのようなデーターを得て、出題に踏み切ったのか」を問いたい。なお、その場合、実験データーの送付も依頼したいと思っています。実験は再現性がありますから。
そこで今日から磁束漏れの測定を始めました。市販されている鉄心とコイルを使っての測定です。学校にフラックス メーター(磁束計)がなく、サーチコイルとオシロで測りました。サーチコイルは糊の蓋を直径10mm、幅10mmに加工しコイルを100回巻き、コイルを交流磁場にかざします。オシロのサインカーブが最大の所をしらべれば磁場の向きと大きさの相対値がわかります。
今日、部活の生徒と調べていて「やっぱりか」と驚きました。コの字型鉄心の場合、鉄心の端から、磁束が満開の花のごとく分散します。当然すべての磁束が相手の鉄心には行きません。鉄心でロの字型の磁気回路を作ると、磁束漏れはうそのように無くなります。簡単サーチコイルの威力に生徒も私も感動しました(時代劇でおじいさんと孫が喜び合っている場面を想像してみてください)。
ここで今日の実験は日没閉会。次回は棒状コイルの実験です。先ずはデータ収集からと思っています。2度とずさんな出題を許さぬために。
どなたか磁場測定の妙案があれば教えてください。
番号 07B-007 送信日 07/02/06 差出人 川田 秀雄
件名 センター試験、異議あり その後C
皆様
川田です。センターの正式回答がないまま時が過ぎていき、これでは問題が解決しないと思い、中日新聞に投書しました。1月31日(水)新聞記者が**高校に取材に来てくれました。約40分間、変圧器の原理を説明し、記者と一緒に実験で確かめました。教科書のコピーも渡しました。メーターの写真も撮りました。
載せるかどうかは新聞社の判断。私は半々かなと思っていましたが、教育欄にきちんと書いてくれて、さすがだと思っています。
今日、中日新聞から学校に電話。「読者からクレームが来ている、FAXを送るからすぐに返事を書いてほしい」と。私にはもちろん「説明責任」がある。一瞬緊張が走る。
質問は概略以下のようでした。(質問者の氏名がない、この場合返事を書かなくてもいいが。。。)
@棒状トランスはTVなどで使われている。だからこんな形の変圧器があってもいい。
A49vが出て、1v足りない。完全主義者(=私のことらしい)として問題にしなくていいのか。
B実験には誤差がつきもの、それを高校生に教える事も必要である。計算どうりにはいかないもだ。
C電気の知らない新聞記者が、電気の記事を書くな。
D要するに目くじら立てる問題じゃない。
私の返事の概要(書いていてだんだん怒が。。。)
@高周波では使われる。センターの問題は50ヘルツ、この周波数で棒状変圧器があれば是非教えてほしい。
A許容誤差というのがある。この実験で49vはok.。
Bそのとうりです。しかし、5vのところ1.8vであれば、何かほかに原因があるのでは、と考えるのが科学的態度。
C記者は一緒に実験し納得の上で記事を書いた。中身も「完璧」。
D人により判断は違う。私は問題だと思う。
あくまで、概要です。
新聞の質問は今のところこれ一件だけです。
番号 07B-008 送信日 07/02/06 差出人 飯田 洋治
件名 第18回応物学会教育分科会 物理教育シンポジウム
第18回 応用物理学会応用物理教育分科会 物理教育に関するシンポジウム
テーマ「物理教育の足元を見て、将来を考える」
2007年2月16日(金)〜17日(土)
場所 中部大学 ハイテクリサーチセンター2階会議室 工学基礎実験室(5号館4階)
なお、16日(金)16:10(午後4時10分) からは
今問題になっている
平成19年度大学入試センター試験問題「物理I」に関して
「変圧器の問題」 川田秀雄 (**高校、愛知物理サークル)
「風による音の屈折の問題」 杉本憲広、飯田洋治*(**高校、**大学*、愛知物理サークル)
からの問題提起があります。
みなさん
積極的にご参加ください。
番号 07B-009 送信日 07/02/11 差出人 近藤 直門
件名 Re:センター試験、異議あり その後C
近藤です
職場でも話していたところ、川田さんの前任校にみえた数学のA先生が、「中日新聞僕も読んだ。やっぱり川田さん」といってみえました。
Niftyの物理教育フォーラム
http://bbs.com.nifty.com/mes/cf_wrent/FPHYS_B013
でも中日新聞の記事をきっかけに話題になっています。
実験しないで、あるいは数字上だけで実際にありえないような問題を出してしまうことってけっこうあるので注意しないといけないですね。
入試問題でも、電磁石に巻き数や電圧からみて出そうもない力を想定しないといけない問題案がでたり、でも出題者は、そんなことはまったく頭になく、実験してみるまでなかなか納得してくれませんでした。値を修正して出題したものの、その値でも私は自信がなかったのですが「うるさい」塾からは何のクレームもありませんでした。
番号 07B-010 送信日 07/02/11 差出人 川田 秀雄
件名 Re:センター試験、異議あり その後C
近藤先生
川田です。尊敬するA先生、お元気なようですね。近藤さんのメール有難うございました。いろんな議論楽しく読みました。
中日新聞から、「センターから正式の回答があれば、すぐに連絡してください。記事にしたい」と言われています。あいまいな言い逃れは許さないつもりです。何か、情報があれば教えてください。
番号 07B-011 送信日 07/02/13 差出人 飯田 洋治
件名 いきいき物理わくわく実験原稿状況
「いきいき物理わくわく実験3」を執筆されているみなさん
先回の編集会議で話題となった原稿状況ですが,山本さんから,現在彼の手元にある原稿の状況を書き込んだファイルが届きました。まだ多くが彼にわたっていないことがわかります。
自分の原稿がどうなっているか確かめ,完成稿を山本さんに渡してください。これまでなかなか渡せなかった人もいると思いますが,2月17日の編集会議又は,物理サークルのときに持参して下さい。それ以後は郵送によって確実に集める手だてを打つことにします。
<添付ファイルの見方>
A列(分類)の1〜4の数字は次のとおり。
1 奥村さんの手元にある(20)
2 奥村さんから差し戻される(26)
3 山本の手元に完成原稿がある(8)
4 奥村さんからの差し戻しが山本の手元にある(5)
無印は完成原稿なし
? クランプメ―ター:タイトルが不明
自分の原稿がどちらに分類されているか確かめて下さい。無印ものものはまだ完成原稿となっていても,山本さんの手元に届いていないものです。
2の奥村さんから差し戻された原稿も山本さんの所にありません。早急に渡るようにお願いします。
番号 07B-012 送信日 07/02/17 差出人 川田 秀雄
件名 Re:コイルの件
加藤様
川田です。コイルの件ですが、棒状コイルはあります。それは相互誘導の例としてです。一次コイルの電流が変化すると、電磁誘導の法則で2次コイルに起電力が発生します。この場合、鉄心の有無、形状、コイルの巻き数、など様々な要因で決まる相互インダクタンスによって2次コイルの起電力が決定します。しかし、一般には2次コイルの起電力は巻数に比例しません。
変圧器はもちろん相互誘導を利用し、電圧が巻数に比例するように作られています。このとき磁束漏洩はあってはならず、鉄心で囲みます。トランスが重いのは鉄心の塊だからです。
センター試験のようないわゆる「変圧器」として5vの答えを期待するのであれば、棒状鉄心ではだめだと思います。現在センターとバトル中。教科書、問題集にもし棒状変圧器があれば、至急教えほしいのです。
ちなみに、センターから何の回答もありません。テストしておいて、それに対する質問には一切答えない先生は何処にいますか? これこそ文科省が言う「不適格教員」の見本です。
番号 07B-013 送信日 07/02/18 差出人 伊藤 政夫
件名 ダイヤモンドダスト
伊藤政夫です。
昨日物理サークルで、纐纈さんの紹介にもあったダイアモンドダストの作成に成功しました。
12月に石川県の雪の科学館で見てきて以来、ドライアイスで試したり小さな冷凍庫を手に入れたりしてあれこれやってきましたが、昨日の纐纈さんからコツ
を教えていただいて、見事にきれいなダイアモンドダストができました。本当に美しいです。
今度の物理サークル(だーいぶ先だなあ)で、持って行くつもりです。
みなさま
川田です。加藤さん、メール有難うございました。17日にセンターから回答が来て、かねてからの手筈どうり中日新聞にファックスを送りました。記者は入試センターに詳細を確認し、中部大の岡島先生への取材とコメントをもらって「入試センター居直る」(1・20)の記事を出しました。
今後、どうするか知恵を貸してください。杉本さんがすすめて下さっている物理教育学会ルートも一つです。私の勤務する学校のパソコンの得意な某先生は、ホームページを立ち上げネットを通して多くの人の意見を集め、センターに圧力をかけるしか手はない。ホームページの立ち上げは手伝うからと、言ってくれています。どうしたものか迷っています。
私としては入試センターに
@不備を認めさせる
Aその上で、間違った問題を後世に「過去問」として残さない。削除または訂正を要求する。
の2点です。
@については、全面的に認めました。(はじめセンターは電話で「実験した」と小さな声で言っていました。私は、実験結果が合わないので、もし実験されたのなら確認したいのでデーターを教えて、と要求。16日付の正式回答では、「予備実験はしなかった」と明言)
残るはAです。我々の常識から考えると、不備があれば訂正し後に残さないのが当たり前の措置です。ミスがあれば試験中大忙しです。後でわかれば、その部分の配点を小さくして全員に点を与えます。生徒は「ラッキー」と大喜びします。思うに、センターは削除、訂正すれば当然採点し直しになり、ますます混乱します。ですから、嵐(そよ風?)の止むのを待つ作戦だと思われます。「後は野となれ山となれ」の心境か。
私の再質問(間違った認識が蔓延しないために、削除を要求)については3月はじめの作題委員会で検討する、としています。今はその返事待ちです。
先日の物理サークルである先生から「棒状変圧器」の問題あるよ、と教えてくれました。早速本屋で購入。受験生に圧倒的人気の代ゼミのスーパー講師(?)漆原晃氏の本。うちの生徒に聞いたら「みんな持っているよ」と。センターは教科書を見ないで受験参考書を見て出題したのでは、と思われるほど酷似しています。おそらく漆原氏、我が意を得たりの心境かと思われます。この問題の解答には2つの重大ミスがあります。一つは磁束Φの求め方、もう一つは今問題の磁束漏洩を無視した点です。最後の結論は電圧は巻数比になると言うオマケつきです。旺文社に抗議する予定です。受験参考書ですから多少の間違いはいいとしても、この点に関しては今の私の心情としては「許せない」。
入試センターにはこの本の問題を引用して「このような間違った問題にお墨付きを与えるのですか?」と問いかけています。
番号 07B-015 送信日 07/02/21 差出人 川田 秀雄
件名 センター思わぬ展開
みなさま
川田です。akknを使ってセンター問題の話題ばかりで、叱られそうですが。。。。
2・20中日「入試センター居直る」の記事とまったく同じ記事が昨日「東京新聞」に出たとか(9時に新聞のFAXを送ろうとした時、入試センター課長談)。
今日11時ころ、学校へ実験の準備に行ったら、情報担当の先生から「東京新聞を読んだ某教職員組合から学校へメールが入っている。国会で取り上げるよう民主党議員に働きかけたいが、いいか」と。「どう返事をしましょうか」と言われたので「この問題は私の個人的な問題ではないので、どうぞ」と。
教育問題としてまじめに議論されるのなら大いに結構。しかし、政党間の駆け引きカードに使われるとしたら、嫌ですね。
番号 07B-016 送信日 07/02/22 差出人 川田 秀雄
件名 センター問題について
みなさま
川田です。いろんなご意見参考になります。政治家の介入(?)は私も好きではありません。東京新聞は全国紙並みの影響力があります。これを読んだ読者の口を塞ぐことは出来ません。今までの経過をみますと、ここまで傷口を広げたのは「センター」にあると思っています。
経過を整理します。
1.21 物理T実施
1.23 不備に気づく。
1.25 実験で確認(5vのところ、1.8v,1.4v)速達でセンターに「問題Tの正解Cは本当に正しいか?」を申し入れ。(不備あり、解答不能、実験
で確認。採点から削除を)
1.28 速達でセンターに2度目の質問「学校教育の足を引っ張らないで」(センター試験の重みを自覚しているか、実験したか、教科書に棒状鉄心
の記載はあるか、不正確な認識が蔓延するから削除を)
1.29 センターのH課長から自宅に電話「文書は受け取った。作題委員は全体で400人余いる。質問については2月中旬の委員会で検討して、
返答する」。私は「急を要するので早く対処を」 H氏「文書はすべて物理責任者に転送している。臨時に検討会を開くかどうかはその先
生の判断」(ちなみにH氏は事務方)
1.31 中日新聞が江南高校へ取材。校長の許可を得て取材に応じる。40分変圧器の実験。 実験後、センターH氏に電話「地元の中日新聞が
取材に来た、この問題はマスコミに流れる可能性あり」 H氏「止むを得ません」
2.1 中日新聞広瀬記者から電話「中部大、岡島先生からコメントいただきました」
2.4 速達で3度目の質問状を提出「早く、疑問に答えて下さい。何故答えないのですか?」(今までの繰り返し質問、いたずらに時が過ぎていく
ので口調が感情的になる)
2.5 中日新聞に掲載。一般市民の知るところとなる。早速新聞copy をH氏にFAX.で送る。3度目の質問についても受け取りを確認。
2.16 中部大で応用物理学会。
2.17 センターの正式回答受け取り。中日新聞にFAX
2.18 回答に対する4度目の質問を速達で送付。「再質問」(後世に悪問を残さないために削除または訂正を宣言すべき、など)
2.20 中日新聞、東京新聞が「センター居直り」の記事。電話でH氏に要請「後の世代の人から笑われないようにしたい。しっかり責任者に
取継ぎをしておいてほしい」
2.21 東京新聞を読んだ日教組専従から「民主党議員に国会で取り上げてもらうよう、働きかけてもいいか」のメール。「この問題は私個人の問題
ではないので、どうぞ」と返事。
今は4度目の「再質問」に対する返答まちです。アット驚く返答を期待しています。(甘い甘い)。おそらくセンターは世論の風を読んでいるものと思われます。センターにとって不幸なのは「変圧器」と言う大変身近で国民誰もが知っている問題の不備だったことです。
藤田先生のアカデミックな議論は望むところですが、議論になりません。(16日の正式回答は全部いいわけです。何一つ学問的な反論はありませんでした。「混乱はなかった」つまり、気づく人が少なかったから、許される。と言う論法です)。物理教育学会の「談話室」でも訴えたいですね。
私は、センターはこの問題をはじめから軽く見すぎていたと思っています。山岡先生の意見まったく同感です。どうしたら削除できるか、いい知恵を貸してください。加藤先生の赤本会社に申し入れるのも手ですが、てもだめでしょう。本屋が捏造するわけにはいきませんから。
センターが恥を忍んで(勇気を出して)訂正するしかありません。あれでいいと言うのであれば、堂々と反論すべきです。そんなに難しい問題じゃありませんから。また、ご意見を下さい。
屈折問題その後も聞きたいですね。
番号 07B-017 送信日 07/02/22 差出人 近藤 直門
件名 Re:センター問題について
近藤です
この問題がどのくらい話題になっているか検索してましたがいまのところ前にも紹介したNiftyのフォーラムしかみつかりませんでした。
東京新聞の記事は同社のWebに掲載されています。(中日のWebではみつけれませんでした)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070220/mng_____sya_____015.shtml
gooの検索では「センター 物理 変圧器」でトップにリストアップされました。
番号 07B-018 送信日 07/02/22 差出人 奥村 弘二
件名 Re:センター問題について
杉本さんからまた話があると思いますが、屈折問題についてセンター からの回答が杉本さんから送られてきました。
予想通り、出題者は速度勾配により屈折が起こるという現象を知らなかったという回答でした。ぼくが読んだ印象では、ひどい文面ではなかったので、屈折について
は、内容について不備があったことを公式の場でコメントしてもらえればいいかなと思います。(この現象は温度勾配による屈折と同等の現象なので、むしろ教科書に話題として載せて欲しいくらいです)
番号 07B-019 送信日 07/02/23 差出人 近藤 直門
件名 Re:センター問題について
近藤です
高校のとき国語の高橋先生(その後河合塾にいかれたのでそちらでお世話になった方もあるかもしれません)から、「入試問題を解くときはまともに考えて解いてはいけない。出題者がどういう答えを期待しているかを読み取って解きなさい」と何度もいわれました。今回の問題も、そういう観点で解けば「正解」はでるので「混乱」はおきなかったのかもしれませんね。
屈折の問題の件ですが、この問題は定量的に考えて解く問題ではなく、自然現象の中に定性的に考えて、屈折という要因が関わっているかどうかで答える問題なので、屈折の要因が関わって起こっているとすれば問題として適切とはいえないと思います。
ただ、どのくらいの影響があるかは、気温の変化のときと違って単純にはいかないと思いますので、きちんとシミュレーションしてみる必要があると思います。
飯田さんが上空で6m/s(でしたか?)くらい音速が速ければという議論をされていましたが、地面から離れるにつれ風速が大きくなるといっても、このときは気温の変化の場合と違って風速の変化の影響は空気の移動方向にしか利いてこないので、それほど要因として大きくならない可能性もあります。
> 杉本さんから頼まれた件で田平さんにメールしたところ、すぐに返事
> が来ました。
> 1 センターの回答についてはいわんとすることはわかったが、それ
> なら一定の風速でという但し書きが問題文に絶対必要。
> 2 設問者は風速が地面から離れるにつれ変わるという地学の常識を
> 知らないようだ。
> 3 高校の先生がアクションを起こさないなら、私がセンターに質問
> 状を送ろうと用意していたところだった。
>
> 等の内容でした。
>
> なお、杉本さんが会いたいという話については、今音響学会から依頼
> を受けている論文を書くので手一杯なので、四月以降にして欲しいとの
> ことでした。
番号 07B-020 送信日 07/02/23 差出人 飯田 洋治
件名 Re:センター問題について
飯田です。
続いて,セインターへの再質問です。
私からの再質問(ワード)と付属資料(パワーポイント)が添付してあります。
風による音の屈折に関しては,以前メールした内容にもかかわりますし,納得できないことがあったので再質問しました。この再質問が最後の予定です。
どうもわからないのは,受け取る音のエネルギーが1.2 倍程度となったとき,この違いを耳で聞き分けることができるのでしょうかね。奥村さん,田平先生聞いてみてくれませんか。
近藤さんへ: 温度による屈折は日常経験することですが,風による屈折は自分では経験したことがありません。そこで上空で6m/s程度の風速の差が出れば,日常経験する温度の屈折と同程度の効果が出るだろうという,見積もりを立てた数値です。実際の所はシミュレーションをするなり,場所などの条件での風速の変化を見る必要があるでしょうね。
ご意見を期待します。
平成19年2月23日
独立行政法人大学入試センター理事長
荒 川 正 明 様
中部大学学習支援室相談員
金城学院大学非常勤講師
飯 田 洋 治
大学入試センター試験物理Tの問題についての再質問
ご回答ありがとうございました。しかし,質問を出してから,20日ほど経過しており,あまりにも遅い対応といわざるを得ません。
再度,質問をいたします。
1.第1問,問1について
冒頭「棒状の鉄心では,理想的な変圧器の機能は果たせません」と述べておられるのですから,変圧器においては棒状鉄心で「理想的鉄心を想定すること」自体が間違いなのです。鉄心が閉じていれば理想的変圧器の問題として誰も問題にしなかったでしょう。どうしてわざわざ棒状鉄心にしたのかが問われているのです。この点についてはきちんと正否の判断をつけるべきです。これは受験生が気づかず混乱がなくて問題がなかったとごまかすことはできませんし,文章表現上の問題でもありません。このまま放置すれば,“理想的棒状変圧器”が堂々と世に出回ることになるでしょう。
この点に関して,再度入試センターの見解をお聞きかせ下さい。
実験で確かめることもせず,事実から大幅にかけ離れた問題を,“理想化”した問題として正当化すれば,センター試験物理の問題として適切かどうかという問題にまで発展します。「一次と二次の交流電圧の比は,コイルの巻数の比に等しい」という結果さえ知っておれば,鉄心がどうであろうとかまわない,理想化された問題が解ければよい,しかも短い時間の中で反射的に正解が選べられれば良い,実験などやっているひまなどないなどという教育現場の風潮に拍車をかけるものになるでしょう。そう考えると,今回のこの問題は,センター試験物理の問題として適切であったかどうか,重大かつ深刻な問題を提起しているといわざるをえません。
2.第3問B,問5について
前回質問して後,一様な風のもとで屈折がなくても,風上と風下で受け取るエネルギーに違いがあるのではないかと気づき,検討をしてきました。
ご指摘どおり,確かに風下の方が風上より受け取るエネルギー密度が大きくなることがわかりました。
しかしです。別紙のように10m/sの一様な風が吹いているとすると,受け取るエネルギーは上手に対して下手では1.2倍に増加し,これを対数で表すと0.8デシベルとなります。この程度のエネルギーの増加は耳ではとらえられないものと思いますがどうでしょうか。経験したことがありませんので,こちらがお伺いしたいところです。この点に関してはすでに応用物理学会物理教育分科会シンポジウム(07.2.16)において問題提起してあります。
そこで,「音源と観測者の相対位置を変えることにより容易に現象を検証できるような実験室レベル環境を想定」とありますが,どのような実験によって検証され(る)たのか,また違いが感じられ(る)たかお答えください。
直感的に見ると「下手では風に乗ってくるからよく聞こえるから屈折とは関係ない」と思いやすい問題ですが,下手では屈折なしによく聞こえるのが本当かどうかを答えさせるには,受験生には不可能に近い難問題でしょう。
いずれにせよ,屈折と関係ない現象を選べという問題である以上,「屈折があることを認める」限り,正解はないのです。
以下,私の要望です。
人間である以上,ミスは避けられません。私はミスの責任を追求したいのではありません。しかし,言い逃れはだめです。一刻も早くミス修正の手だてをうって頂きたいのです。
みなさま
今回,連絡案内を私(飯田)が引き受けましたのでよろしく。
科教協全国大会愛知大会(8/3〜5)分科会運営の会合のお知らせ
日時 ’07.3.10(土) 午後2時〜5時頃
場所 林ラボ(JR/名鉄一宮駅東出口すぐ東 地図参照)
名古屋駅から10〜15分で着きます。
議題 愛知大会の分科会運営
先日(2月20日),科教協全国大会実行委員会が行われ,新たに分科会運営についての打ち合せを行うことになりました。
昨年の例では,分科会は次のように22分散会が開かれました。
1.幼・小学校低学年分科会 3分散会
2.小学校中学年分科会 3分散会
3.小学校高学年分会 3分散会
4.物理分会 3分散会
5.化学分科会 3分散会
6.生物分科会 3分散会
7.地学分会 2分散会
8.障害児・者と自然科学教育 1分散会
9.自然と社会環境 1分散会
今回もこれに相当するだけの分科会担当者,分散会運営責任者(1分散会に数名は必要)が必要になります。
全国からの司会者報告者など考慮しても,地元からは60名から100名近い方々の担当がどうしても必要となります。
サークルがあるところには全面的に運営をお願いしなくてなならないでしょう。
時期も迫ってきましたので,万障繰り合わせてご出席下さい。
なお,3/10に都合のつかない人も,依頼があれば担当者・責任者を快くお引き受け下さい。
番号 07B-022 送信日 07/02/26 差出人 川田 秀雄
件名 センター問題の今後
みなさま
川田です。本日入試センターH氏に電話。再質問(削除または訂正を要求)の返答について、と今後の流れについて聞きました。
@再質問については、3月中旬に作題委員会を開くので、そこで検討して返答する。削除または訂正については、一度実施した問題なので「事実」として残る。事後に「訂正」されることはないだろう。
A今後の予定は、年度内に評価委員会を開いて問題についての評価をする。評価委員会は全国から選ばれた各教科3名の現場の先生と、作題委員、学会から選ばれた人で構成。結果については夏にHP上で公開する。
印刷業界はセンター試験の印刷に入っている。今更問題を変更されても困るでしょう。センターは問題の不備を温存し後世に害を広めてでも、自分達の面子を優先した、と言えるかもしれません。しかし、今後の事もありますから、諦めずにいろんな方法で訴えていく必要があると思います。
番号 07B-023 送信日 07/02/26 差出人 山岡 世司郎
件名 NGK見学会のお知らせ
山岡です。
2月17日の物理サークルで、NGK(日本碍子)の纐纈さんの講演がありました。そのさいNGKを見学する機会を得たいという希望を伝えたところ、平日ならばいつでもというご返事をいただきました。
そこで3月にNGKの見学会を企画します。
日時は3月23日(金)か3月27日(火)を考えています。
(**は26日が新入生のオリエンテーション、29日が新年度職員会議、各校同様な日程と推測します・・・4月になればNGKも忙しいでしょう。)
セラミックといえば数センチ以上の構造物を考えますが現在は数μm、数nmのレベルの製品が作られているようです。もの作りの現場の見学も良い研修になるかと思います。
参加希望があり、どちらかの日時が不都合な方は山岡までご連絡ください。不都合な方の少ない方の日時に決めたいと思います。独断ご容赦!
番号 07B-024 送信日 07/02/26 差出人 杉本 憲広
件名 センター試験物理教育学会への申し入れ
AKKN会員の皆様
センター試験「物理T」の2つの誤り問題についての大学入試センターへのやりとりは、川田さん、飯田さん、そして私から報告した通りです。進展はありますが、時間がどんどんと過ぎ行きます。物理教育学会の増子先生に電話をし、趣旨を話したたころ、資料を送ってくれれば理事会で検討するという返事でした。そこで、今までの経過とともに申し入れ文書を送ろうかと思うのですが、動かすのには個人ではなく数が力であると思います。以下に私の作成した文書を載せますので、連名で申し入れをしていただける方は3月1日(木)までに所属とお名前を杉本までメールでお知らせください。
私のメールアドレスは、***********@nifty.ne.jp です。
日本物理教育学会会長
有山 正孝 様
平成19年度 大学入試センター試験 本試験
「物理T」中の解答のない問題への対応に関するお願い
先日行われましたセンター試験「物理T」の問題と解答について,次ページ以降に述べ
ますように,その中の2問は解答が選択肢中にはない誤った問題だと考えられます。
大学入試センターには試験直後から3名が質問書を送付し、第1問については電話で、第
3問についてはファックスで回答を受けましたが、早急には回答ができない、あるいは
、誤りを認めない返答でした。さらに再度質問書を送付するものの、再回答にはこれら
の問題の不備については認めながらも、訂正をするには至っていません。
両問については、明らかに誤りを含む問題です。大学入試問題の規範となるべき立場に
あるセンター試験で、このような不備な問題を出題するのは、許されることでしようか
。さらに、今年度のみで終わる問題ではありません。訂正もなく済みますと、このよう
な問題が高等学校の物理の標準問題として今後に残ります。入学試験は物理教育に影響
を与えることを考えると、物理教育に関わる者として、これらの誤った問題をやり過ご
すことも同様に許されないと考えます。
以下に第1問と第3問の問題点と、これまでの経過を述べますが、物理教育学会としても
これらの問題の誤りについて認識されるとともに、その誤りを正そうとしない大学入試
センターに対する対応を理事会等でご検討いただき、大学入試センターに対して働きか
けをしていただくようもとめます。
物理Tの第1問中の問1の誤り
(以下図は問題の実物ですが、省略します)
変圧器の問題と見受けられますが,問題中の図1を見る限り棒状の鉄芯に1次コイルと
2次コイルを巻いています。1次コイルに交流を流しますと変動する磁束が発生し2次
コイルを貫きますから2次コイルに誘導起電力が発生します。しかし,鉄芯が閉じてい
ないので,図1のようにかなりの磁束は2次コイルを貫かないと考えられます。したが
って,教科書にも記述されている1次コイルの電圧V1と2次コイルの電圧V2の比につい
ての式「V1:V2=N1:N2」は使えなくなります。正解はこの式で計算した値より小さ
いものが正解だと考えられます。
私たちは実際に実験をしてみました。図2のように鉄芯に1次コイルとして100回巻き
,2次コイルとして50回巻いて,1次コイルに10Vの交流を接続しましたら,2次コイ
ルの電圧は1.4Vでした。変圧器の式での計算結果は5Vですから,1次コイルからの磁束
のかなりの部分は2次コイルを貫いていないと考えられます。
以上より,この問いには正解がありません。
なお、変圧器は、物理T中の「生活と電気」の単元で扱われていますが、どの教科書
も変圧器の図は鉄芯がループになっています。
物理Tの第3問B中の問5の誤り
(図は問題の実物と屈折の図ですが省略します)
選択肢から屈折ではないものを選ぶ問題です。大学入試センターから発表された解答は
Cの「音源の風下の方が風上より音がよく聞こえる」でした。しかしながら,Cの現象
に関しては、以下に示す専門書をはじめ、屈折として説明されています。簡単に説明し
ますと次のようになります。
地上付近では風には速度の勾配があり,地上では0,上空になるほど空気の速さは大き
くなります。その空気の速度と空気に対する音速の和が地上に静止する人に対する音波
の伝搬速度になりますので,2つの速度をベクトル的に足し合わせると図のようになり
ます(物理学総論(下述)より)。風下へ向かう音に関しては,上空になるほど速さは
大きくなります。その結果,波面の各点の速度のちがいによって,音波の波面は地上の
向きへと屈折し,風下の人には音波のエネルギー密度が大きくなってよく聞こえます。
風上に向かう音波も同様に波面の進行と考えると,速度の加え合わせで,上空ほど速さ
が小さくなるために,波面が上空の向きに屈折し,風上の人には音波のエネルギー密度
が小さくなり聞こえにくくなります。
理化学辞典には屈折は「同一媒質でも温度差などによって波の速度が変化するときに、
進行方向が変わる現象」と述べています。この現象も場所による伝播の速さの違いによ
って進行方向が変わるのですから理化学辞典の定義から屈折であると判断できます。
この現象の説明は文献の中にも掲載されています。例えば、堀健夫、大野陽朗共著の「
物理学総論」(学術図書出版)上巻のp.280には風があるときの音波の屈折という記述
があります。小橋豊著「音と音波」(裳華房)p.125にはこの現象が伝搬する向きが曲
がるとして紹介されています。J.ウォーカー著「ハテ・なぜだろうの物理学T」(培
風館)p.19に屈折として紹介されています。また,海外の文献でも”Acoustic: Introd
uction to Its Physical Principles and Applications”A.D.Pierce著,McGRAW-HILL
p.386-388には,“Refraction by Wind Gradient”というタイトルで,静止大気中の音
速と風速の和(実効音速)の勾配があることにより音波は屈折(Reflact)をすると書か
れています。
大学入試センターからの2度目の回答(資料 )を見る限り、出題者は風速の分だけ
伝播速度が増し、聞くものに届く音波のエネルギーが風下と風上とでは異なることをこ
の現象の原因と考えています。しかしながら、確かにこの原因により届くエネルギーは
異なりますが、その差は球面波として計算しても1dB程度です。人間の耳が感じること
のできる音の大きさの差は3dB程度であることを考えるとこの差は現象を説明しません
。
以上の理由により選択肢Cの現象も屈折と考えられ,この問題の正解はなくなります。
番号 07B-025 送信日 07/02/** 差出人 ** **
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