番号 07A-001  送信日 07/01/07  差出人 岡田 晴彦
件名 理科教育研究会へのご参加ありがとうございました

理科教育論研究会へは61名もの方にご参加いただきました。ありがとうございました。 また、多くの方にもレポートしていただき、内容も充実した研究会だったと思います。 これらのレポートは、夏の愛知大会にもまた報告していただけるようにお願いします。
講演をしていただいた杉原先生も愛知大会のナイター(予定は8月4日(土))でまた発表していただけることになりました。
これからも研究会を企画していきますので、ご協力・ご参加をよろしくお願いします。



番号 07A-002  送信日 07/01/07  差出人 立松 裕子
件名 はじめまして

今日の「原子・分子」も参加しました。ただ、体調が良くなかったので、残念ながら午後からの討論は欠席しました。
会は最初、科学教育研究協議会・研究運動部の大野栄三氏の「原子・分子の概念形成と『理科教室』」という題で報告がありました。
 内容は次期学習指導要領はどのような方向性になるのかということ。また、『理科教室』の第1号から第60号までの間で原子・分子の概念形成についてのいくつかの報告と指導上の課題についてです。
その後、岐阜県北陵中の辻氏の報告がありました。辻さんは生徒に物質の粒子概念を育てる為に「重さ、気体の性質、溶解、状態変化」の4部で構成し、実践していました。それぞれについて実践と変更点、今後の取り組みについての報告でした。 
最後に同志社高校の山崎敏明氏の「日本とイギリスの高校物理教育の比較〜放射線学習を例に〜」ということで報告がありました。放射線の授業についての問題意識からイギリスの物理教育がどのようになっているのか、今後の放射線授業にはどのようなことが求められていくのかといった報告でした。
今回の報告も昨日同様本当に考えることの多い時間でした。辻氏の実践報告では、「粒子概念をつくること」を目標に各授業での問や実験がどのような関係で実践したのか、また、どのようなつながりでそこにあるのかということも分かりました。授業の意義や意味を系統立てる大切さを改めて知りました。私のこれまでの教材研究で足りていない部分でした。山崎氏の報告からは私の実家は福井県にあり、昨年まで住んでいたにもかかわらず放射線について殆ど理解をしていないままになっていました。今回のことを機に自分なりに勉強してみようと思います。
午後からの討論会にも参加できていれば、さらに深く考えることができたと思うので残念です。
 2日間の研究会に参加し、多くのことを考えることができ本当にうれしかったです。今回の研究会で得たことをこれからの授業でとり入れて行きたいです。うまく言葉にできていないことが多く、文章も判りにくい点もあると思います。
大変申し訳ありません。



番号 07A-003  送信日 07/01/07  差出人 船橋 隆久
件名 明日から授業が始まります

 船橋です。
冬休みもきょうで終わりですが、「理科教育論研究会」の中でもらったエネルギーのおかげで、明日からの授業も頑張れそうです。杉原和男さんの講演「照明から考える科学の歴史と社会変革」には感銘しました。インターネットや出版物から得られる情報も大切ですが、やはりサークルや教育研究集会に参加し、直接体験することの意義は大きいと思いました。そして裏方としてすべてを手配していただいた事務局の岡田先生のご苦労も大変だったと思います。ありがとうございました。
 きょう母親から頼まれて「家計簿」を買いに行きました。そのついでに本の立ち読みをしていたら、「ニュートン別冊」で「完全図解周期表 全111元素を徹底紹介」(2007年1月10日発売)が目にとまりました。昨年「ニュートン10月号」での特集「周期表の決定版」の反響が大きかったこともあり、私も 10月号を購入した一人です。そのため別冊にも期待をして購入しましたが、内容的にはほとんど同じでした。どちらにも特別付録として「特大周期表」がついていますが、これも全く同じ物でした。「周期表の誕生物語」なども紹介されており、どちらか1冊手元にあると役に立ちそうだとは思っています。しかし、こうした雑誌は再版がないことが分かっているので、衝動的に思わず買い込んでしまいますよね。
ではまた



番号 07A-004  送信日 07/01/09  差出人 加藤 賢一
件名 授業がはじまった

静岡**の加藤です。
きょうは 定時制の始業式。だから授業は明日からでした。
いろいろ考えたあげく、昨年 自動車学校で購入した自動車教本をつかって車の仕組みにザーと触れようと思っています。クラッチとか、4WDとかバッテリー、エンジンオイルとか。わたしは、昔、全く車に興味がなかった。しかし、機械に興味を持たせることは重要かつ実践的な教育と考えています。力学的には、カーブの前にブレーキを踏む理由は、慣性の法則と重心と摩擦が関係していて重要ですね。
話は変わりますが、明日の授業はどうしようかと言うことで、先進科学塾のhpを見ました。楽しそうですね。火の玉なんかやってみたいです。
また、また 話は変わります。
一度は熱学の第二法則のことに関して、雑誌などに投稿しようと思いつつ時は過ぎる一方です。イギリスの教科書の紹介を昔しました。イギリスでは、廃熱という概念を、10才ですでに紹介している。日本では、どうでしょうか。理科総合で扱っているでしょうか。教科書をつくっていく時点で、科学のあり方の差が出ているように思えてなりません。 
今日は この辺で終わります。



番号 07A-005  送信日 07/01/10  差出人 田中 英二
件名 火打ち石の件

こんばんは。田中です。
林ひろさんへ
この前の、冬の討論会のとき、鉄が発明される前は、黄鉄鉱とフリントが使われていたようにどこかで読んだと話しましたが、調べてみますとやはりそうでした。インターネットのgoogleで 「黄鉄鉱 火打ち石」 と列挙して検索しますと「燧」というホームページがでますのでそれを読んでみてください。
そこから少し引用しますと・・・『鉄の発明以前には、火打石と黄鉄鉱が早くから使用されていました。ヨークシャーのラドストーンの新石器時代の塚からは火打石と黄鉄鉱のセットが出土しました。また、デンマークでは人骨とともに火打石を掘った鉱山跡も発見されたといいます。何層もの骸骨が見つかったことから、いかに長い間この鉱山があったかがわかるといいます。掘り出す鶴嘴は鹿の角でした。』(納富重雄『火』1927三省堂)
と書かれています。黄鉄鉱の主成分はFeS2です。これが空気中の酸素と反応して、Fe0とSO2になるのではないか。(いい加減)詳しい話は林まささんに聞いてください。
それでは、



番号 07A-006  送信日 07/01/11  差出人 近藤 直門
件名 Re:火打ち石の件

近藤です
ちょうど今日、三年生の特別授業で鉱物観察をして、黄鉄鉱の結晶を洗い出して見せたりしていたので、調べていたら 黄鉄鉱Pyriteの名は、ギリシャ語の Piroは火、iteは石、岩という意味、つまり「火の石」ということからきているそうです。



番号 07A-007  送信日 07/01/11  差出人 林 正幸
件名 Re:火打ち石の件

 おはよう、林まさです。
 黄鉄鉱は、硫黄と共に、硫酸製造の第1段階として二酸化硫黄を得るために燃焼させます。反応式は
    4FeS2 + 11O2 ―→ 2Fe2O3 + 8SO2
です。これはご存知のように「愚者の金」と呼ばれ、淡黄色の立方体の結晶になります。私も標本として持っていますが、火打ち石には使いたくないですね。どこかで小さい結晶が詰まった安いおみやげでも売っていれば、試してみたいです。
 ちなみに理化学辞典によると、743℃で磁硫鉄鉱(硫化鉄 FeS に近いもの)と硫黄に分解します。そして川田さん、定比の硫化鉄 FeS は反強磁性体と書いてあります。
 ではまた。



番号 07A-008  送信日 07/01/11  差出人 田中 英二
件名 H8測定器 1月21日(日)の件

H8測定器製作の皆様   田中英二です。
2007年1月21日(日)の件について連絡します。

テーマ:RCサーボモータを使った共鳴振り子
日時:2007年1月21日(日)10:00から
場所:**高校化学室(3階)
持ち物:工具一式、パソコン、H8マルチ測定器、LCD表示器、
    NEWBASICカード
費用:2000円〜2500円程度



番号 07A-009  送信日 07/01/11  差出人 船橋 隆久
件名 人工衛星から我が家が・・・・・

こんばんは、船橋です。
NHKラジオの「宇宙から我が家が見えるサイトがあります」という内容の放送を聞いて、紹介のあった「GoogleEarth」を見ることにしました。このソフトを起動して検索ボックスに地名・住所などを入力すると、地球上のあらゆる場所へダイレクトにズームインできます。そしてNASAが提供している衛星画像を眺めるだけでなく、拡大・縮小・回転なども可能で、建物の3D表示もできます。
自宅付近を見ていたら、道路に書き込まれたセンターラインや矢印、そして自動車までが手に取るようにはっきりと確認できました。もちろん自宅や車庫までがクッキリと!民生用に提供している画像がこうですから、軍事用の衛星画像はいったいどこまで見えるのかと、驚きを飛び越えて恐怖感さえ覚えました。
この「GoogleEarth」は無料で使えるようになっています。以下にインストール
までの手順を書いておきます。
@ Google のトップページで「more」をクリック
A 「GoogleEarth」をクリック
B 「GoogleEarth ダウンロード」をクリック
C 次画面の「GoogleEarth ダウンロード」をクリック

なお、画像データはパソコンに保存せずサーバーから転送されるため、大容量データに悩まされる必要もありません。
ではまた。



番号 07A-010  送信日 07/01/12  差出人 林 正幸
件名 1月28日は環境勉強会

 おはよう、林まさです。
 次回の「環境問題を勉強する会」を次のように開きます。
    1月28日(日) 13:30〜
    林ラボ(一宮駅から徒歩5分 地図が必要ならメールで連絡してください)
 早いもので、次回は第12回になります。これまでの通信は私のホームページにあります。「環境」を大切な視点にするために続けていきたいと思っています。
 ではまた。



番号 07A-011  送信日 07/01/13  差出人 加藤 進
件名 続 fuel cell

 三重の加藤です。冬季合宿たのしくすごさせていただきました。岡田先生ご苦労様でした。
 さて、再び燃料電池に取り組んでます。なぜ、ノソハラさんがメッキの難しいステンを選んだのか疑問に思い、東急でCu-net(100mesh)を購入、2AでPdCl2浴からPdをcoatしました。EMFは0.2Vありますが、motor、オルゴールを動かすところまでは行きません。素地のmetalにも反応をりっ速する要因があるようです。やはり、水素等と相性がいいNiやステンになるようです。
 また、以前から思ってましたが、ノソハラさんのPd-coatネットの色が相当黒いので、今回は2Aにしました。すると、真っ黒な膜が得られました。どうも、林先生がおしゃるように実際は(理科教育は1Aですが)1.5-2Aを利用しているようです。
 なお、H17の講習会でも申し上げましたが、1年まえの燃料電池(アスコルビン酸(添加の有無)、HClの濃度(1,2,4N-)を水準にして作った電池6種類をKOHで動かしました。アスコルビン酸添加で処理したものはすべてOKでした。したがって、低濃度のHClでもビタミンCを1%添加すれば、より環境にやさしい形で、fuel cellができそうです。もちろん(1N-HCl、ビタインCなし:これはうまくいかなかった)
 また、電解液ですが、どうしてNaOHよりもKOHがいいのかはわかりません(どうも、アルカリ型fuel cellの原典では40%くらいのKOHを利用してます)CO2の吸収速度の差かもしれません。ただし、面白いのは、ちょっとmotorの回転が遅くなったときはKOHやNaOhの添加でmotorの回転はさらに持続させることが可能です。ただし、ノソハラさんが言うように、ほおって置いたcellでも(要するにNaOHを洗い落とさない)調子がいい)からはNa2CO3による毒作用説は説明が難しそうです。金沢大学の某氏が、KOHのほうがNaOHよりもECが高いとの説明がありましたがこれはあたりません。ほとんど差異は実測するとありません(0.1Nでは誤差の範囲で一致、1NでKOHが10%くらい高いだけ)。
 しかし、回転が止まると、KOHやNaOHの添加は無意味です。この場合はH2の添加しかありいません。そんな意味で、容器(100shop)の密閉の問題も微妙に絡んでいるのかもしれません。
 折に触れてcellの調子をみてください。何か気づいた点があれば教えてください



番号 07A-012  送信日 07/01/14  差出人 児島 高徳
件名 Re:授業がはじまった

愛知の児島です。
私は機械科ですので生徒には機械関係を教えています。工学と物理は本当に近いところにあります。
生徒に教えるときにも共通で話せることや悩みも共通だと思っています。私は物理の先生方の実験を教室で行いたいと物理サークルに参加しています。加藤さんのように機械に興味を持たせながらの授業を考えてくれると大変うれしくなりメールをしました。これからもよろしくお願いします。
(私も今年度から定時制に希望を出して転勤をして、初めての定時制での授業にとまどっているところです。)



番号 07A-013  送信日 07/01/14  差出人 臼井 泰洋
件名 『生き生き物理わくわく実験3』第43回編集会議の日程

こんばんは、今年も半月がすぎたのであと23/24(96%)です。そう思うと-------です。
さて、次の第43回編集会議は1月21日(日)9:00-12:30 
会場は名古屋市女性会館第一集会室(20日の土曜は会場が全部詰まっててだめでした)
また、今後の予定として、第44回編集会議は2月17日(土)の午前中9:00から 会場は愛工(物理サークルの午前中)
第45回編集会議は3月?日に実施予定です。
再度確認ですが、現在の原稿の進捗状況は完成原稿が128P分(但しそのうち60P分だけが山本さんに渡っていたが、奥村さんから書き直しが指摘されたのでおそらく30Pぐらいが山本さんのところにあると思われる。)
次に、一度提出されて再提出の原稿(検討中原稿と命名)であるが、42Pぐらいあります。よって約170P分の原稿は揃うはずである。本として一応いきわくNO2の200P位のP数はあればと考えると、あと新規として30P位となります。
そこで、ここからが大事なことで、上記の1月21日の第43回編集会議、2月17日の第44回編集会議で原稿(検討中原稿、新規原稿)の検討を終え、3月?日の第45回編集会議は、本全体の目次やあとがき、その他レイアウトなどの編集を予定してます。ですから、原稿(未提出の完成原稿、検討中原稿、新規原稿)のある方は1月21日、2月17日で、原稿提出は終わりという意識を持って、がんばりましょう。
また、編集会議も今までのように勉強会90%というスタイルは我慢してひたすら、本来の編集会議をする予定です。(前もそう話したのですが、だめでした。)また、原稿は、ただ実験の説明ではなく、奥村さんが絵を書きやすいスタイル(実験の楽しさ、面白さが伝わってくるようなトーン)で書いてください。
では、春には、評論社にものが言えるようにしたいです。



番号 07A-014  送信日 07/01/15  差出人 加藤 賢一
件名 Re:授業がはじまった

返信があると うれしいですね。加藤です。
きょう、ギアの所の話をしましたが、一部の生徒は大変興味をもってますね。車に興味のある年頃ですからね。私は子供の頃5段ギア自転車がはやっていたので、トルクというもののイメージが体のなかにある。生徒がそういうことをあまり知らないのは残念なことです。エンジンブレーキなども、実際に坂道で、2速で自転車で経験していれば何となく、足に負担が掛かる感じが分かる。
車に関しては、のめり込むほど興味があるわけではない。しかし、エンジンの仕組みぐらいはと思って、時々ながめています。このごろはやはりエンジン系統より シャシーの方が興味があります。 
FR車で、クランクシャフトからユニバーサルジョイントで、回転の方向を変えるのは、ある種の美しさがあります。あれは数学的には回転の行列になるのだけど、何かそれ以上に深遠なものを感じます。生徒には、トラックの後ろについたら、膨らんでいる部分があるから 覗いてみるようにいった。
それから、やはり天才ファインマンは何でも知っていてセンスがいい。円柱を転がしたら直進はするが、カーブができない。しかし、円錐形のものはカーブすることができる。なぜなら、回転するとき、片方が大きな距離を進むから。だから、車が曲がるということは凄いことだと、やっぱり思うんですね。そこで、先進科学塾に参加したとき、名古屋市立科学館においてあるディファレンシャルギアなんかみると、凄いなと感動します。しかし、構造はよく分からないのですが。
今日はこの辺で。



番号 07A-015  送信日 07/01/16  差出人 船橋 隆久
件名 メタノール燃料電池

こんばんは、船橋です。
昨年末(12月23日)に行われた「第36回東海地区化学教育セミナー」での野曽原先生の「燃料電池の授業」、大変感激しました。年末に目の手術をひかえ、体調も十分でない中での講演、本当に頭が下がります。そして講演での最後の言葉、「これからも生徒に対しては労を惜しむことなく希望を与えていきたい」は、これからも私の心にいつまでも残り続けると思います。
セミナー当日は「燃料電池の製作」の前に、「ダイレクトメタノール燃料電池」の紹介がありました。そのときの資料を参考に、私も2002年10月に「モルの会・EHC合同企画」で作った「林式燃料電池」を使ってメタノール燃料電池を試してみました。「水素燃料電池」と比較してパワーは劣るものの、ソーラーモーターがくるくると回りました。
水素の場合は
  2OH− + H2 → 2H2O + 2e−
となって電子を放出すると考えられますが、メタノールの場合はいったいどうなっているのでしょう?
メタノールから水素を作っているとすると、メッキしたパラジウムによってメタノールが酸化され、ホルムアルデヒドと水素に分解されたのでしょうか?
とってもおもしろい実験だったので、このメカニズムを是非知りたいと思いました。
ではまた。



番号 07A-016  送信日 07/01/17  差出人 林 正幸
件名 Re:メタノール燃料電池

 こんにちは、林まさです。
 インターネットで調べてみたら、同志社大の三木研究室(?)のホームページに
  http://mikilab.doshisha.ac.jp/dia/research/report/2005/0904/001/report20050904001.html
に次の反応式が載っていました。
  アノード:CH3OH + H2O → CO2 +6H+ + 6e-
  カソード:O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O
  全体:2CH3OH + H2O → 2CO2 + 4H2O
要するにメタノールのすべての水素が使えるわけで、水素に比べて極めて密度の高い燃焼電池です。ホルムアルデヒド生成の心配はないのでしょうか。
 ではまた。



番号 07A-017  送信日 07/01/17  差出人 船橋 隆久
件名 Re:メタノール燃料電池

 こんばんは、船橋です。
 「ダイレクトメタノール燃料電池(DMFC」の情報「ありがとうございます。私もさっそくインターネットで調べてみました。
 中間生成物として有害なホルムアルデヒドの存在が確認されている記述もありましたが、他のホームページでも教えていただいた反応式が紹介されていました。それにしてもメタノールと水が反応して二酸化炭素と水素イオン、それに電子が発生するとは・・・・・。常識的には考えられないこともパラジウム触媒が可能にしてしまうのでしょうか?
ではまた。



番号 07A-018  送信日 07/01/19  差出人 飯田 洋治
件名 次年度(’07年度)中部大学たんてい団の計画 講師のお願い

飯田です。
今年度の中部大学科学たんてい団は好評のうちに終了しました。
小学生の感想には「あんな簡単な仕組みでラジオができるとは感動した」
アンケートの参加者全員が「来年も参加したい」,「もっと科学のことが知りたい」「いろいろ科学の仕組みや構造などがわかった」とか「毎週ワクワクしていた」などの感想を,中学生も似たような感想を述べています。
来年度も添付ファイルのような日程で,計画続行の予定です。
中学生向きのエレクトロニクス工作に関しては,隔週岡島先生1人では大変きついようですが,今年度と同じコースに,次年度はさらに新たなエレクトロニクス発展コースを考えておられます。
そこでお願い
★ 小学生向きには,年1〜2回程度講師をお願いします。
  昨年に引き続きお願いできる方,新たにやってもいいという方は,
  添付ファイルの希望調整表の中に日付,テーマを書き込んでお知らせ下さい。
  テーマは'06年度と重ならないようにお願いします。('05年度は重なってもいい)
★ 中学生向きの「エレクトロニクス工作」(’06年度参照)の方を分担可能な方が見えましたら,ぜひお知らせを!
★ 〆切は2月3日(土)までとします。



番号 07A-019  送信日 07/01/22  差出人 伊藤 亮吉
件名 第5回の記録と第6回例会のお知らせ

第6回理科の会のお知らせ
1 日 時 2007.3.17 土曜日 13:30〜16:30
2 場 所 一宮駅東 林ラボ 地図添付してあります。
2ヶ月に1回 第3土曜日の午後を基本に考えていますが、あてになりません。
その時々の連絡をご覧下さい。


第5回 愛知理科の会 記録
2007・1・20(土)13:30〜16:30
場所  一宮駅前 林ラボ
参加者 林、伊藤、鈴木、深谷、長瀬、園原、安江
 初めての林ラボです。とにかくみんな「すごい!」「便利な所だね」の連発です。学校の準備室並みの設備にさらにびっくり!そして、初参加の園原さん、岐阜の安江さんも参加してくださり、久しぶりに盛り上がりました。これから定例化する意欲のわく会となりました。
(1) 科学実験お楽しみ広場の報告(長瀬さん)
 年末に行われた科学実験お楽しみ広場の様子を写したビデオを見ました。とにかくビデオにびっくりです。
@みたいところがすべてはいっている。
A無駄な映像がない。
B参加者の表情、講師の活動などすべてがすばらしい。
 なんといってもこの人物を発見してビデオ撮影をお任せした長瀬さんがすごい。
 中身を見ると結構に「この人はお母さん。」「この人は近くの学校の先生」「この人たちは企業の社会貢献活動の人」「この人はお母さんとその子供」などいろいろな講師に支えられていました。多様な人々に支えられた多様な内容が特徴といえましょう。
 かつての学校で理科ではないのですが、似たような企画を行ったことがあります。しかし、それはすべて校内の先生が出し物を考え、子供に作り方を教えその子が講師として校内の子に作り方を教えるというものでしたから、何となく授業の延長という雰囲気がありました。つまり、子供はそれなりなりに活動するのですが、お母さんたちはお客さん、つまり我が子の活動に興味関心があるということです。ですから、中身ではなく子供の活動する姿を見ることが中心になります。ですから、今回の企画は「科学そのものに触れる」ことができたといえるのではないでしょうか。また、たくさんのボランティアを発掘したということも地域との連携という観点で評価されていくと思いました。
(2) 最近呼んだの本の紹介(鈴木さん)
@ 週刊ポスト 「賢者はかく語りき」ダーウィン【その1、2、3】 斉藤孝著
 歯医者さんの待ち時間に偶然見たそうです。この斉藤さんはとても読みやすい文を書く人だそうです。いずれは単行本になるでしょうが速報性としての価値を見いだしたそうです。
【ダーウインの言葉その1】『ビーグル』号の航海は、自分の生涯の中で最も重要な事件であり、自分の前経歴を決定した。
【ダーウインの言葉その2】自然は決して飛躍することはできず、短くまたゆるやかな一歩一歩によって前進するだけなのである。
【ダーウインの言葉その3】『自分は力の限りを尽くし、自分としては至上の労作をした。何人と雖も是以上の事は出来ない。』と反覆独語するのが自分の無情の慰めであった。
賢人の言葉には重みがありますね。
A 「カブトエビの飼育と観察」 谷本雄治著
本職ではない著者がカブトエビを毎日観察する中でカブトエビについて研究をするようになったそうです。ふつうの人の等身大の科学の取り組みとして紹介されました。
 科教協愛知大会のサブテーマに関わるものといえましょう.
B 科教協愛知支部の取り組み「入門講座」で講演と実習をお願いしてある遠藤秀紀さん の本の紹介です。
(3) 「リフレッシュ理科」応用物理学会東海支部主催の講座報告(伊藤り)
@ サボニウスの風車
 うちわで扇ぐと自分の方に向かってくる不思議な風車です。
A 磁石で分別!リサイクルスライダー
ふつうの磁石とネオジウム磁石を使ってプラスチック、鉄、アルミを分別します。清掃工場でも磁選機として紹介されていますが、ここのは磁石を高速で回転させてアルミをとばします。実はわたしはこれを使ってリニアモーターカーを浮かせられないかと考えていたのですが、なかなか磁石を高速で回す方法が考えつきませんでした。この方法は反対にアルミ玉(1円玉)を転がすのです。これは簡単!ぜひ挑戦したいと思いました。
B スカイスクリュー
 これまで学校の科学工作クラブでは、ストローロケット、平面滑走体と取り組んできました。つまり空気を利用しないロケット、空気を利用して揚力を羽で発生させて飛ぶ飛行機の違いです。その次に挑戦しようとしているのがヘリコプターです。このヘリコプターは上のプロペラの回転によって機体自体が反対に回転してしまいます。そこでヘリコプターの下に反対に回るプロペラをつけることによってこの回転を止めているおもちゃを買いました。
 林ひろさんの回り続けるコマも胴体を反対に回転させないための抵抗をどう作るかに苦心されていました。なかなか大変です。ところが東急ハンズで見つけたのが「スカイスクリュー」です。これは簡単!ふつうのゴム飛行機の主翼、尾翼、水平尾翼がなく胴体の部分にヨットのような帆を反対向きに張ってあるのです。確かに上向きに飛びます。(後で調べたら中部大の岡島先生のアイデアに同じものがありました。)
 さて、このヘリコプターを水平方向に向けて飛ばしたらどうなると思いますか。興味のある方は次回の理科の会においでください。
(4) 電卓テスター(林まさ さん)
 銅(10円玉)とアルミ(1円玉)で作る電池で電卓を動かすという物です。この電卓は太陽電池とボタン電池で動くタイプです。太陽電池の部分は光が当たらないようにテープで覆っておきます。ボタン電池を外し、電極にコードを取り付けます。(電極があるので取り付けやすい)
(33円電池の作り方)
@濾紙を4つ折りにする。
A扇形になったら10円玉を置いて丸形を書く。(3つ書ける)
B切り抜く。
C濾紙を10円玉と1円玉で挟む。(11円電池)
Dこれを3つ直列にする。(つまり33円電池)
E食用の酢に食塩を少々入れて液を作る。
F濾紙にこの液をしみこませる。
 結果
しっかり計算機として機能しました。
食塩は電流の流れを良くする物だそうです。でも酢だけでもいいんじゃないか、ということでやってみました。十分でした。でもメロディを鳴らすとやや音が小さかったようです。 この場合多少さびていることが影響しているようです。つまり酸素が働いていると考えられるようです。(難しいことは林先生に聞いて下さい)
(5) さまざま (鈴木さん)
@ 豚の関節の観察
 鈴木さんが豚の関節を持ってきてくれました。今まで骨といえば頭骨が主流でしたが関節もなかなか興味があります。骨と骨をつなぐ物としては軟骨が知られていますがよく観察してみると更に薄い膜のような物がありこれが摩擦を少なくしているようです。「ゼラチンでもないしコラーゲンかなあ」などと素人談義に花が咲きました。いずれにせよ、骨だけではなく、こうした部分もきちんと観察することが大切なようです。ただし、とってもにおいます。悪しからず。詳しくは鈴木さんに聞いて下さい。
A 生物カルタ
 カルタです。表にはトカゲとか生物の名前が書いてあり、裏にはは虫類と書いてあります。つまり生物の名前を見て分類をしようとする物です。さてフジツボは何の仲間でしょう。
 ここで深谷少年が活躍しました。「フジツボは幼い頃□□に似ている。子どもの頃堀川でよく取った。」深谷少年は自然の中でよく遊んだんでしょうね。答えを知りたい方は鈴木さんに聞いて下さい。
B アシカの写真
 藤里小学校の帰りに淡水魚水族館に寄ったそうです。(鈴木さんは毎土曜日曜は科学のはしごです)そこでなぜかアシカショーが行われています。鈴木さんのお目当てはショウが済んだ後アシカの写真を撮ることです。なんと□□しいことか!
 小さいながら乳首らしき物が2対見えました。とここでいつものように感激する人に交じって「アシカは1頭しか産まないから1対でいいんじゃない。」と問題提起をする人が出ます。「昔はたくさん生んだんじゃない?」「100年や200年の単位の話じゃないでしょ!」「人間だって1人しか生まないのに2つある。」とまあ柔軟な発想で憶測が飛び交いました。ほんとうは何対あるんでしょうね。
C 理科濃度小テスト
 最近発展学習で濃度が取り上げられるようになったが生徒のできが余り良くないという話から小学校の分数計算の話、等しい比の教え方の話、等分除、包含除のはなしとまあ際限なく話が進みました。ちょっと指導法にも話題がおよび「先生だなあ」と思いました。

と、まあこんな具合に話題も様々でした。何よりもいつものように「あれがあると見やすいんだけど」「今日は持ってくるの忘れたんだけど」と、かゆいところに手が届かず消化不良になりそうな発言に「ああプロジェクターね。あるよ。」「小さい水槽ね。これでいい?」とドラえもんもびっくりぐらい何でも出てくる
林ラボにただひたすら感謝の半日でした。 (文責 伊藤)



番号 07A-020  送信日 07/01/23  差出人 林 熙崇
件名 Re:火打ち石の件

 黄鉄鉱と火打ち石の件ですが、標本の黄鉄鉱とチャートを使って火起しに挑戦してみました。しかし、火花は全く出ないのです。これはチャートが良くないからか?と思い、大学の高速回転のグラインダーにあてました。硫黄くさい臭いがたちこめ、白い粉が飛び散りましたが、暗くしても火花は全く見えませんでした。同じグラインダーに鉄を接触させると、火打ち石では火花が見えなかったステンレス鋼でも火花の渦になりました。自分の実験としては黄鉄鉱と火打ち石で火を作った。ということがいまいち理解できません。どのようにしたのでしょうか?



番号 07A-021  送信日 07/01/23  差出人 加藤 聡也
件名 センター試験(お茶の冷まし方)について

 加藤聡也です。センター試験の物理T 最後の問題について、生徒にどう説明するか思案しています。

 概略、次のような問題です。
 急須に入った熱いお茶を、二つの湯飲みを用いて冷ましたい。二つの湯飲みは初め室温にあり、同じ熱容量。お茶と湯飲みはすぐに同じ温度になる。湯飲み以外の熱の流出は無視。

 方法A お茶の全量を一つめの湯飲みに入れた後、(空の)二つめの湯飲みに移す。
 方法B お茶の全量を二つの湯飲みに均等に分けた後、一つの湯飲みにまとめる。

問1)方法Aで一つめの湯飲みが受け取った熱量Qaと、方法Bで空になった湯飲みが受け取った熱量Qbの大小関係は?
問2)方法Aで冷ましたお茶の最終温度Taと、方法Bで冷ましたお茶の最終温度Tbの大小関係は?

 次のようにメモしてみました。
一般的に扱うと難しそうなので、具体例で。
100℃のお湯を200gほど用意する。このお湯の熱容量は800J/Kとする。
一つの湯飲みの熱容量は、200J/Kとし、初めの温度を10℃とする。

方法A 第一段階で温度がTになったとすると、お湯が失った熱量と、湯飲み@が得た熱量は等しいので
     800(100−T)=200(T−10)
              T=82℃
     第二段階で、温度がt になったとすると、82℃のお湯が失った熱量と、湯飲みAが得た熱量は等しいので
     800(82−t)=200(tー10)
              t=67.6℃

方法B 第一段階で、温度がTになったとすると、お湯が失った熱量と、二つの湯飲みが得た熱量は等しいので
     800(100−T)=200(T−10)+200(T−10)
              T=70℃
     第二段階では、温度変化がないので、熱の出入りはなく、冷めない。
     よって、最終温度も、t=70℃

問1)Qa=14400J、Qb=12000Jとなるので、Qa>Qb
問2)上の結果から類推して、Ta<Tb

要するに、方法Aの方が、たくさんの熱を湯飲みが受け取れるということでしょうか?



番号 07A-022  送信日 07/01/24  差出人 田中 英二
件名 Re:センター試験(お茶の冷まし方)について

こんばんは 田中です。
こう考えたらどうでしょうか。
方法Aの場合は、初めお湯を入れるコップとつぎにお湯を入れるコップでは、つぎのコップの方が温度が低くなります。もしそのお湯を、もう一度前のコップにいれ、また、つぎのコップに入れということを何回もやり続けると、いずれは、お湯も二つのコップも熱平衡になって加藤さんの数値計算でゆけば、すべて、方法Bと同じ70°になりますよね。方法Bは、これを1回で熱平衡になったと考えればよいのです。だから、方法Aの場合この70°の温度を挟んで、初めのコップはあとの温度は、熱平衡温度70°より高くなり、逆に後の方コップの温度は熱平衡温度70°よりも低い温度になります。
また問い1の答えは、方法Aの方の初めのコップのほうが方法Bのコップより高温なりますから、方法Aの方がたくさん熱量をもらいますよね。だから、この問題は、問2の温度が先に考察されて、その後熱量の授受を考えた方が良さそうですね。つまり、方法Aは熱平衡途上、方法Bは、熱平衡に達したと考えればよいと思います。どうでしょうか。



番号 07A-023  送信日 07/01/24  差出人 近藤 直門
件名 Re:火打ち石の件

近藤です
日曜日に理科教室の原稿の写真を撮りに可児市大脇(春になるとカタクリの花でにぎわうところです)の木曽川河床に行ったとき、珪質頁岩のなかに白鉄鉱があり採集しようとハンマーでたたいたら火花がでました。白鉄鉱は黄鉄鉱と同じFeS2の化学組成ですが黄鉄鉱が等軸晶系なのに白鉄鉱は斜方晶系で同質異像です。英語名のMarcasiteもPyriteと同じく「火の石」という語源と書いてあるホームページもありました。
ただし、このときの相手はチャートでなくハンマー(鉄)でしたが。
Pyriteでも実験してみます。



番号 07A-024  送信日 07/01/24  差出人 杉本 憲広
件名 センター試験屈折問題の問題

 みなさま
 センター試験をお解きになられましたでしょうか?屈折の問題が出されたのですが、その問題に、次のうちから屈折と関係のないものを選べというものがありました。
 選択肢の中に、「風の吹いている日に、音源から出た音が風上より風下のほうがよく聞こえることがある」というものがあり、それが屈折には関係がないということで答えでした。でも、この現象は、空気の速さが加えられて音の方向が曲げられるためですが、波面が速度の違いによって曲げられるからで、屈折だと思うのですがみなさまいかがでしょうか?堀健夫の「物理学総論」には例の空気の温度のちがいによる屈折と同じと考えられると記述されています。だれかコメントください。



番号 07A-025  送信日 07/01/24  差出人 田中 英二
件名 Re:センター試験(お茶の冷まし方)について と 火打ち石について

こんばんは、田中英二です。
お茶のさまし方について、:
まず、この問題は、思考力を問う意味ではとてもよい良問だと思います。返信を送ってから、また考えて、もう少しやさしく考えられないかと考えました。こんなのはどうでしょうか。
方法Aも方法Bも最終的に、1つのコップの中にお湯を入れます。だから、このときその最終的に全部のお湯とコップの持つ熱量が多いほどお湯とコップの温度は高くなります。そのためには、空になった方のコップにお湯からどれだけの熱が移ったかを考えればよいことになります。たくさんの熱が移った方がそれだけ残りの熱量が少ないので、最終的な温度が低くなります。お湯を全部コップに入れる方法Aの方が最終的に空になるコップの温度が高くなり、空になるコップにたくさんの熱量が移動することになります。従って方法Aの方がお湯の持っている熱量が少なくなり、お湯とコップの最終的な温度は、方法Bの場合より低くなります。この方が、昨日のよりもわかりやすいでしょうか。

火打ちについて:
黄鉄鉱では、グラインダーでも火花は出なかったということですが・・・
黄鉄鉱と石英のような堅い石ではどうなのでしょうか。本には、黄鉄鉱とフリントと書いてあるのですが、・・・私もまだ実験していないので何ともいえませんが。黄鉄鉱にも質があり、良質なものが必要なのかもしれません。今はここまでしか書けません。あしからず。



番号 07A-026  送信日 07/01/24  差出人 山岡 世司郎
件名 センター試験(お茶の冷まし方)について−異論

山岡です。
 センター試験(お茶の冷まし方)の問題について。
 田中さんの考えと異なり、良い問題とは思えません。
 お茶と湯飲みはすぐに同じ温度になる。湯飲み以外の熱の流出は無視、という条件で考えよというわけです。この問題の条件では、お茶の全量を一つの湯飲みに入れたほうが温度が低くなるという結果になります。しかし、日常生活の経験では逆です。日常生活では、湯飲みが多いほど空気への熱の流失が増えるからです。
 (だから湯飲みが多いほど最終温度が下がる)

 起こりえない条件のもとで、何が起こるかを考えることは意味があるとは思いますが、この問題がそうだとは思いません。日常経験と異なる結論を導き出させる必然性が感じられません。数字を入れて計算させるなら、別の意味があるとは思いますが・・・・

<杉本さんへ>
この現象は、空気の速さが加えられて音の方向が曲げられるためですが、波面が速度の違いによって曲げられるからで、屈折だと思うのですがみなさまいかがでしょうか?
 「空気の速さが加えられて音の方向が曲げられる」の部分の意味がよくわかりません。一直線上の風上側と風下側での比較と思うのですが。



番号 07A-027  送信日 07/01/24  差出人 林 熙崇
件名 Re:センター試験(お茶の冷まし方)について と 火打ち石について

お茶の冷まし方の問題は面白いですね。 火打ち石の件ですが、黄鉄鉱が火花を出して燃える。ということが自分の頭では困難に思えるのです。それは、化学反応の実験で昔、硫黄と鉄粉を水で練っておいておくと、反応熱で湯気が出て、触れられないほど暑くなったような記憶があります。反応生成物は硫化鉄だと思います。硫化鉄はいわば灰のようなものに思えます。灰が摩擦熱で燃えて飛んでいく。ということがエネルギー的に理解できにくいのです。



番号 07A-028  送信日 07/01/25  差出人 飯田 洋治
件名 Re:センター試験屈折問題

飯田です。
センター試験,杉本さんの問題提起に関して。
「風の吹いている日に、音源から出た音が風上より風下のほうがよく聞こえる」は,一見は屈折が関係ないよう思えますが,良く聞こえる以上,音が絞られていなければなりませんね。音が絞られるには屈折が関係します。絞り効果がなければ,良く聞こえるかどいうかに上手,下手の区別がないはずです。
やはり,堀健夫の「物理学総論」p280でいうように,風速が地表付近は遅く上に行くほど速くなる(風速勾配がある)ためという見解が正しいのではないでしょうか。(温度勾配があるのと同じと考えられる)



番号 07A-029  送信日 07/01/25  差出人 林 正幸
件名 物質のエネルギー

こんにちは、林まさです。
 林ひろさんの疑問に答えたいと思います。化学便覧によると、関係する物質のエンタルピー(とりあえず内部エネルギーと考えてください)は次のようです(少数以下四捨五入)。
  Fe,S,O2 は   0kJ/mol(単体を基準にそれを0としているから)
 (FeS     −100)
  FeS2     −178
  Fe2O3    −826
  SO2      −297
 もし黄鉄鉱が次の反応でできたとすると、その熱化学方程式は
  Fe + 2S = FeS2 + 178kJ
そして黄鉄鉱の燃焼のそれは
  4FeS2 + 11O2 = 2Fe2O3 + 8SO2 + 3316kJ
つまり、反応前の物質のエンタルピーは −178×4 = −712[kJ]
反応後の物質のエンタルピーは (−826)×2 +(−297)×8 = −4028[kJ]
エネルギー保存則より反応熱は −712−(−4028) = 3316[kJ]
となります。
 要するに酸素との結合に比べて硫黄との結合はゆるく、黄鉄鉱は単体に比べてそんなにエネルギー(エンタルピー)を失った物質ではないのです。だから酸素との結合のチャンスが生まれればもっとエネルギーが低い酸化鉄(V)と二酸化硫黄になるように反応するのです。
 なお厳密には反応の起こりやすさはエントロピーの影響も受けるのですが、これだけエネルギー(エンタルピー)変化が大きければ無視できます。
 ではまた。



番号 07A-030  送信日 07/01/25  差出人 杉本 憲広
件名 Re:センター試験屈折問題の問題

成相さん、飯田さん、奥村さん応答ありがとうございました。
もう一つこの現象を扱う記事をみつけました。あの「ハテ・なぜだろう物理学T」です。音のところに載っていまして、解答には、風下では屈折によって地面の向きに曲がり、風上では屈折によって上空に曲がるためと記述されていました。
 とりあえず、大学入試センターには質問状として文書を作って送りました。応答があればいいのですが・・・。個人では弱いような気がします。河合塾がやっているように、公開質問状にするとか、団体で申し入れるとかのほうがいいのですかね。もう少し議論が必要かと思いますが、みなさままたご協力ください。
 それから、川田さんが見つけたのですが、1番のトランスもよく見ると鉄芯がループになっておらず単なる棒になっています。絶対に磁束がもれますから例の公式は使えません。したがって解答はなし。どう見ても実験をしていない人が作ったとしか思えません。また川田さんから詳しい報告があると思います。
 では。



番号 07A-031  送信日 07/01/26  差出人 田中 英二
件名 Re:物質のエネルギー

こんばんは田中英二です。
この正さんの計算とても参考になりました。思っていたとおり、S(いおう)の方が原子半径も大きいので、O(酸素)より結合が緩やかで、酸素がきて、適当な活性化のエネルギーがあれば(摩擦熱とか、)、酸素との再結合が起こるということですね。すると、酸化鉄ができて、火おこしになるわけですね。
では、今夜はこの辺で、



番号 07A-032  送信日 07/01/26  差出人 川田 秀雄
件名 センター試験「第一問」に異議あり

 皆様
 川田です。センター試験の「風下」が問題になっていますが、それに加えて第一問の「棒状トランス」も問題だと思います。
 私はこの問題の図を見たとき、「相互誘導かな? 物理1の範囲じゃないし・・・」と思って答えを見たら、「トランス」として出題されているではありませんか。
トランスであれば、電圧は巻き数の比になります。ただし、この時磁束の漏洩がないように鉄心で囲み磁気回路を組みます。磁束漏洩があれば、電圧は巻数の比にはなりません。
センターの問題は棒状鉄心にコイルを2つ並べて「変圧器でございます」というわけです。なにこれ、誰が作った? これで明日の日本は大丈夫? 大人しい私でも、怒りがこみ上げます。
 そもそも、磁気は電気と違い、磁束の漏洩が大きいので悩ましいのです。(鉄と真空の透磁率の違いが、電気の伝導率の違いほど大きくないからです。いわば電気は穏やかに川筋にそっつて水が流れますが、磁束は大洪水の時のようにかなりはみ出します。だから電線は細くてもいいが、磁束をガイドしようと思えば、鉄心を相撲取りみたいに太くしなければなりません。)
早速実験しました。学校にあった2重コイルと鉄心を使いました。棒状鉄心にコイルを並べます。巻き数は2対1。100ボルトに対して16ボルトしか出ません。当然です。鉄心で磁気回路を組んでいないからです。そこでロの字型にすると49ボルト。小学校からトランスは鉄心で囲むと習っています。これにはわけがあったのです。
 Iさんと電話で話していて、Iさんは「問題のように電圧が10ボルトだといいかも?」と。早速実験。問題と同じように巻き数を2対1にし、コイルを鉄心にしっかり巻きます。電圧10ボルトに対して5ボルトどころか1.8ボルトしか出ません。念のためもう一つ別の鉄心でやってみました。今度は1.4ボルトです。何処の世界に棒状変圧器がありますか。あれば教えてください、といいたい。第一問の正解はありません。

そこで入試センターに質問状を出しました。

@入試センター試験という大事な問題を出題された方は、どのような実験的裏付けがあってこのような問題を出されたのか。
A私は第一問は採点から削除すべきだと考えます。
B是非、専門家の意見も聞いて、早急に対処してほしい。

たぶん、「なしのつぶて」だと思います。そこで、同様の文書と実験結果を某新聞社にも出しました。
是非皆さん方のご意見をお聞かせください。



番号 07A-033  送信日 07/01/26  差出人 川田 秀雄
件名 センター試験「第一問」に異議あり、その後

皆様
川田です。某新聞社から返答あり。
入試センターへの質問状を新聞社にも送りました。これを重視した新聞社は配点にかかわる問題と考え、すぐに手を打ったと、我が家へ電話をかけてくれました。それは、
@入試センターへ電話したが、「本人でないと話は出来ないと」といわれた。(電話番号教えてくれる)「すぐに電話してほしい」
A河合と代ゼミに問い合わせたが、「物理に問題なし」といわれた。
そこで、私の返事
@については「すぐ電話します」、と約束。
Aについては私は「塾ではだめです。今更、現場の先生に指摘されて、問題あり、とは言わないでしょう。彼らは受験のプロだと思っていますから。 大学工学部の電気専門の先生に私の実験結果を見てもらい、かつ、その場で実験で確かめてもらってください」と依頼。記者は「某大学の先生に連絡を取り、早速、必ずそうします」と約束。

私の方は入試センターにすぐに電話。タッチの差で「本日の業務は終了しました。平日の9時半以降にお電話ください」と。3日後では遅すぎる。



番号 07A-034  送信日 07/01/26  差出人 奥村 弘二
件名 Re:センター試験屈折問題の問題

 ども、奥村です。
さっそく田平先生からメールが送られてきました。
内容の全文を紹介したいのですが、今田平先生にakknへのメール内容転載の許可をいただく旨のお願いをしていますので、その許可が得ら れたら転載します。
その内容ですが、結論だけいうと、田平先生も、今回のセンターの屈折の出題には「正解なし」とのご判断です。とりあえず、報告まで。
なお、田平先生は、大気を伝わる音の低周波を調べることで地球上の地 震や火山活動との関連を研究されておられる方です。独自の研究方法が魅力的で、いつか物理サークルで講演をしていただければと思っています。
二年ほど前に愛知教育大学を定年退職され、今は同大学の非常勤講師をなさっておられるはずです。



番号 07A-035  送信日 07/01/26  差出人 杉本 憲広
件名 Re:センター試験屈折問題の問題

 奥村様
 ありがとうございます。大変に力になります。とりあえず、センターへは質問書を送付しましたが、個人で、しかも一高校教諭では無視されかねません。といううちに、平均点の発表となりました。こうなっては、みなさんの連名での質問書とかマスコミの利用とかしかないのですかね。どうしたらいいのでしょうか?問題の第1問とともに、このままで済ませていいわけないと思います。間違いはたださなければなりません。どのような方法が可能でしょうか。みなさまのご意見を求めます。



番号 07A-036  送信日 07/01/27  差出人 飯田 洋治
件名 Re:センター試験屈折問題の問題

飯田です。
僕も何とかしなくてはと思って,増子さんに川田さんのメールを添付するとともに,音の屈折の問題も問題となっていることをしらせ,検討の上,問題があれば至急大学入試センターやマスコミなどに(学会として)働きかけてほしいとお願いしました。あわせて,前者については川田さんからすでに大学入試センターのほうに問題点が,後者については杉本さんからすでに大学入試センターのほうに質問がされていることも付け加えておきました。
又,昨年新理科教育メーリングリストに私が加入したこともあって,そちらに川田さんの実験結果と音の屈折問題を知らせました。入試センターや塾の解答に無視されてしまうのは,いかにも残念ですよね。



番号 07A-037  送信日 07/01/27  差出人 林 熙崇
件名 Re:センター試験屈折問題の問題

昨日、日本物理教育学会の通信に2007年度入試センター試験問題アンケートのお願いという通信が入っていました。ここに連名で乗せるのはぜひとも必要だと思われます。締め切りは2/9日になっていますので急がねばなりません。



番号 07A-038  送信日 07/01/27  差出人 杉本 憲広
件名 センター試験の欠陥問題 その後

 みなさま
 杉本です。飯田さんが増子さんに連絡をとってくれましたので、私も増子さんとコンタクトをとってみました。東京の方では話題にはなっていないようですが、物理学総論のコピーとセンターへ送った質問書と川田さんのファックスを送付しておきましたら、何かやってみますとのことでした。物理教育学会が動けばかなり影響力があると思います。やれやれです。では。



番号 07A-039  送信日 07/01/29  差出人 田中 英二
件名 パラメーター共鳴振り子をR8を使って作りました

 こんにちは、田中英二です。
 1月21日(日)に振り子のパラメーター共鳴の実験器を作りましたが、H8マルチ測定器を持っていない人には、できませんでした。H8マルチ測定器を持っていない人でもできるようにするために、R8/C15という20ピンのPICのようなマイコンで、サーボモーターを使ったパラメーター共鳴専用の制御器を作りました。
 R8/C15はH8と同じルネサスから発売されていて、サンハヤトのいうメーカーが20ピンのDIPタイプしてアメ横で690円で売っています。このマイコンは、AD変換器も4チャンネル、タイマーも3つもっていて、クロックスピードは20MHzと一端のマイコンです。このマイコンを使って作りました。プログラムは2種類入っていて、ひとつは、サーボモーター制御用、もう1つはストップウォッチ用です。ストップウォッチで、振り子の10回分の周期を測定し、これから周期を求め、その後、この周期の4分の1の時間をセットすると、単振り子がパラメーター共鳴を起こして、だんだん振幅が大きくなります。
 また、バネ振り子では、周期の半分にして、時間をセットすると、バネ振り子が共振を起こします。機会があれば見てください。だいぶん小さくなったので、持ち運び安く、扱いやすくなりました。
 今ステッピングモーターに挑戦したいと思っています。
 それではまた、メールします。



番号 07A-040  送信日 07/01/29  差出人 川田 秀雄
件名 大学入試センターから返事

皆様
川田です。センター試験第1問の「棒状トランス」にかかわっての「質問状」の返答が電話で来ました。1月29日(月)午後7時05分。ヒロセ氏から。
「センター入試作成委員は全科目で400余名いる。毎月会合をもっている。次回は2月中旬に質問や意見について検討する。この問題についても真摯に対応するので一ヶ月ほど待ってほしい。担当者の見解は伝える」というものです。その場は了解して電話を切りました。
後で思ったのは 「一ヵ月後にあの問題は間違いでした」では済まされません。後の祭りです。ですから、入試センターは何とか言を左右に言い逃れするでしょう。しかし来年度以降の事もあるので、ここでしっかりとお灸を据えておくことも大事です。出来れば今年の配点を何とかしたい。
 皆さんも実験などで確認出来たら、すぐに入試センターに質問や抗議をしてください。我々一人一人の力は弱いが「真実は強い」のです。例の「風下」問題を含めて。



番号 07A-041  送信日 07/01/29  差出人 山岡 世司郎
件名 2007年第1回物理サークル例会は 纐纈 満さん の講演です

山岡です。

***********************************************
 2月17日(土)2007年第一回物理サークル例会のお知らせ

 毎年恒例の講演を、今回は纐纈 満さんにお願いしました。
 講演のタイトルは
  「キッチンサイエンスとコミュニケーション」
    ―企業の科学啓発活動の例―

 以下は纐纈さんの略歴です。

  纐纈 満 (こうけつ みつる)氏
昭和47年4月 ****大学 理学部応用物理学科 卒業
        日本ガイシ株式会社 入社
昭和63年6月 エンジニアリング事業本部 技術開発研究所 所長
平成 2年 7月 研究開発本部 開発企画部 部長
平成4年11月 研究開発本部 オプトプロジェクト プロジェクトリーダー
平成7年 7月 広報室 室長
平成12年4月 秘書室 室長
平成15年6月 取締役 広報部長 秘書室・業務監査部 所管
平成16年4月 取締役 秘書室・業務監査部・広報部・渉外部 所管
平成17年6月 常務執行役員 秘書室・業務監査部・広報部 所管
        CSR委員長
平成18年6月 取締役常務執行役員 秘書室・業務監査部・広報部 所管
        CSR委員長
 現在 サイエンスレンジャーとして活躍中
科学雑誌「ニュートン」で実験ぺージを連載

  今回の講演では、企業人から見た科学教育についての考えを述べていただく予定です。
 私達の実践や研究が、仲間内の閉じたものにならないように常に心掛ける必要があると思いますが、なかなか他の分野の方とお話する機会が得られません。企業で要職についておられ、かつボランティア講師として子供たちに科学の楽しさを伝える教育者でもある纐纈さんから、社会に必要な科学教育についての貴重なご意見をいただけると期待しています。

纐纈さんからのメッセージです。
「若干の会社紹介と、自己紹介、続いて企業の広報活動や
何故小職がこうした活動をしているのか、
子供達に伝えたいことは何かということなどについての
お話を申し上げたあと、キッチンサイエンスの例として
万博でも使いました「水のふしぎ」の実験(シナリオ)の展開例や
ニュートンでこれまでに扱ったテーマの例などを
お話し申し上げようかと考えております。」

 皆様の万難を排してのご参加をお願いします。

参考:以下のページに纐纈さんの記事が記載されています。
(第3回)
http://www.kenis.co.jp/education/index_intev.html



番号 07A-042  送信日 07/01/30  差出人 林 正幸
件名 環境問題通信案

こんにちは、林まさです。
 一昨日開いた「環境問題を勉強する会」のまとめである「環境問題通信」の文案です。いつものように、不足や間違いなどありましたら指摘をお願いします。一週間ほどしてホームページに掲載したいと思います。なお次回は
    5月13日(日) 13:30〜 林ラボ
です。
 ではまた。

<通信案>
                                   07.1
                               事務局 林 正幸

   環境問題通信07−1号

 今回は飯田、岩田、臼井、鈴木久、長瀬、林ひろ、林まさの7名でした。環境問題は複
眼的に捉える必要があり、科学を越える視点もあり、簡単に結論の出せる課題ではありま
せんね。その意味でみんなで議論しながら学ぶのが本来と思います。その積み上げが未来
を照らす光になっていくことを願います。なお塚田さんから寄せられた「Let’s 
try 4R」(No14)も紹介しました。

温暖化問題(飯田)
 「二酸化炭素で温暖化」という仮説が鵜呑みにされ、だから「原子力発電しかない」と
いうキャンペーンが張られることに危機感を抱く。温暖化はコンピュータのシミュレーシ
ョンによってはじき出されるが、そのプログラムが根拠にしている考え方を検討する必要
がある。
 今回は勉強した次の本
林ら「地球温暖化を防止するエネルギー戦略」(実況出版)
近藤「温暖化は憂うべきことだろうか」(不知火書房)
槌田「二酸化炭素温暖化説は間違っている」(ほたる出版)
伊藤「地球温暖化」(日本評論社)
薬師院「地球温暖化論への挑戦」(八千代出版)
から抜き出した10あまりのグラフ(図表)を検討して欲しい。つまりデータそのもので
考えたい。
 図表1〜3(勝手に番号を付けました)によると、ここ150ないし200年で二酸化
炭素濃度(およびメタン、酸化二窒素)が急激に増加したことは間違いない。とくに最後
の50年の伸びは大きい。図表4から、過去140年間の地表気温の変動には明らかに上
昇傾向が確認できる。しかし1940〜1980年の40年間は気温が下がっている。こ
れは二酸化炭素濃度の増加と矛盾する。気温を支配するもっと別の要因があるだろう。図
表5によると、最近30年あまりのデータで、海面温度の変動に追随して二酸化炭素濃度
の増加量が変動している。海が二酸化炭素を放出・吸収しているのではないか。
「それは事実であろうが、温暖化とどう係わるのか(林まさが後で書き加えた)。」
 図表6は、20万年の間、気温と二酸化炭素およびメタン濃度が密接に関係しているこ
とを示している。しかしこれではどちらが原因でどちらが結果であるという結論は出せな
い。図表8は、10年ほどの2地点(日本)における二酸化炭素濃度であるが、ピナツボ
火山噴火の3年間だけは増加が止まり水平になっている。つまり気温が低いと濃度は上が
らない。
「濃度の年変化は光合成の季節による盛衰のためだね。」
「都合のよい部分だけ取り出している。他の領域の直線からのずれも説明しなければ科学
的とは言えない。」
図表9は、地球放射のスペクトルであるが、二酸化炭素吸収領域の放射強度が、黒体放射
で期待される180に対して40になっている。今の濃度ですでに8割方を吸収している
ので、これからの濃度増加の影響は少ないのではないか。
「もしそうなら、金星が高濃度の二酸化炭素で温暖化し、数100℃になっているという
説明は間違いということになる。」
 図表10〜15によると、黒点数と気温や海面温度の間にかなりの相関がある。黒点周
期の長さと気温や海面温度の間にも負の相関がある。太陽活動に目を向けるべきではない
か。
「EUなどは予防原則の立場から、二酸化炭素削減を目指している。」
「藤田さん(アルケミスト)は、二酸化炭素は過去の最大値を遙かに超え、地球サイクル
の変動幅を逸脱し、これまで体験したことがない気候環境に突入したと書いている。」
「2010年には名古屋でCOP10が開かれるとか・・・。」

エネルギー特集(林ひろ)
 サイエンスが1990年11月号で「地球にやさしいエネルギー」、2016年12月
号で「エネルギーの未来」という特集を組んでいる。比べてみると16年間で大きな変化
はないが、風力は立地条件や騒音などの課題も取り上げられ、燃料電池の比重が小さくな
り、原子力に核融合が取り上げられた。自分としてはバイオエネルギーと農業の関係が気
になる。

「燃料電池は水素をどのようにつくるかが問題だね。」
「ダイレクトメタノール型がノートパソコンなどの小型電源として注目されている。天然
ガスの家庭用燃料電池も実証試験に入っている。工場では高温リン酸塩型が稼働している。
「自動車はハイブリッドか電気自動車の方がよいのではないか。」
「本格的にバイオ燃料が追究されると、食糧生産と競合してくる。」
「休耕地や山地を活用するのはよい。」
「食糧と矛盾しない、セルロースの活用を基本にすべきだ。」
「間伐材でエタノールというのがある。」

 他には、「非常識」と思われ誰も手をつけないことに、時間を気にせず取り組んで「常
識」を変える、そういう研究が求められる。宇宙の泡構造を発見したラバランと、そのよ
うな研究者を求める丹羽教授の講演の紹介もありました。

国産バイオエタノール(林まさ)
 1月15日付け日刊工業の記事。バイオエタノール・ジャパン・関西が、ハードバイオ
マス(廃木材)を原料にエタノールを生産する世界初の商用プラントが堺市に建設して、
国産バイオエタノールの生産が始動する。糖化工程では希硫酸を使って加水分解するが、
将来は酵素を活用して価格を1gあたり50〜100円に持っていきたい。
 ただしE3は水との相分離が起きやすく、ETBE(エチル・t−ブチル・エーテル)
でつないで相分離しにくいE10を目指す。
 農水省の助成を受けて北海道JAグループが新会社で年1万5000キロgプラントに
着工、農村再生をバイオエタノールで実現する。
 政府は年600万キロgに向けて、技術ロードマップを作成する。
 米国は2010年に2840万キロgを実現、現在はトウモロコシ主流だが、セルロー
ス系に移行する。
 研究としてはエタノールは峠を越え、現在はエネルギー密度とオクタン価が高くガソリ
ンとの融和性に優れるブタノールに移行している。

「石油業界がE3は受け入れないと言っている。」

TOSSの中の原発教材(長瀬)
 向山洋一が提唱する「法則化運動」に基づく教育研究運動TOSSのホームページの
「環境・エネルギー」の中に、原子力発電に係わる気になる教材が掲載されている。

「誘導尋問になっている。どんな科学者が係わっているのだろう。」
「原発の見学に行って「公式」に得られる情報を鵜呑みにした内容で構成されている。否、
さらに意図的でもある。」

 当事者は信じ込んでやっているのだろうか。もっと多くの理科教師などに呼びかけて、
批判運動を展開すべきではないでしょうか(林まさが後で書き加えた)。

廃棄物の再資源化技術(その1)(林まさ)
 廃棄物の資源化についてより具体的に知りたいと本箱を捜していると、村田「廃棄物の
再資源化技術」(オーム社)が出てきた。1999年に出版され、目次は次のようである。
  1章 廃棄物資源化と自然
  2  焼却に頼らない有機系廃棄物の資源化技術
  3  低水分有機系廃棄物の資源化技術
  4  廃棄物のエネルギー化と燃料電池
  5  超臨界水熱分解による資源化技術
  6  溶媒抽出法による資源化技術
  7  廃酸の資源化技術
  8  廃アルカリの資源化技術
  9  重金属系廃棄物の資源化技術と実例
 10  非重金属系廃棄物の資源化技術
 11  廃プラスチックの資源化技術
資源を循環するための具体的な技術は、エネルギーと並んで、環境問題では不可欠である。
今回は2章まで紹介をする。
・イギリスの素人数学者W.F.ロイドは「共有の放牧地に、各人が自分の利益を最大にし
ようとして、家畜を際限なく放牧したら、たちまちにして牧草はなくなり、共倒れになっ
てしまう」と、アダム・スミス理論の誤りを指摘した。
・ごみ処理手数料の無料化は、住民サービスではなく、実は使い捨て製品をつくるメーカ
ーへのサービスだった。
・OECDは「廃棄物処理費用の製品価格への内部化」を基本理念とする「拡大生産者責
任(EPR)」を打ち出した。EPRは生産→消費→廃棄・処理にいたる全過程の環境コ
ストを製品価格に上乗せすることにより、その製品の購入者(受益者)に支払わせる。環
境負荷が高い製品は市場価格も高くなり、消費者から敬遠され、需要が減少し、市場から
閉め出される。
・動植物性残さ・残飯のような高水分有機系廃棄物は、まず家畜・養魚・ペットなどの飼
料に加工し、飼料化できないものは、乾燥して油かすのような有機質肥料にする。肥料に
ならないものは高温メタン発酵によりメタンを回収して、燃料電池などにより熱と電力の
回収を行う。さらにメタン発酵残さを堆肥化(コンポスト化)する。一方、有機系廃棄物
を超臨界水熱分解して、メタンや水素を製造し、燃料電池やマイクロガスタービンを用い
て電力と熱を回収する新技術が注目されている。
・油温脱水法は、ポテトチップスや即席麺の空揚げ調理法として工業化されているのもの
の応用で、家庭やレストランなどから発生する高水分の残飯を廃食用油で空揚げにして乾
燥する処理法である。80%以上ある水分は5%程度まで下げることができ、高圧プレス
や遠心分離で搾油する。廃食用油は約15回循環使用すると油の酸価が5.0以上になり、
それ以上は使用できないので、クッカーの燃料にする。
・メタン発酵を起こす菌には、32〜37℃で活動する中温性菌群と55℃前後で活動す
る高温性菌群とがある。炭水化物はClostridium属の嫌気性菌が出す酵素によって酸とアル
コールに分解される。生成した酸やアルコール類は、メタン発酵菌が生産する酵素により
メタンに変化する。エチルアルコールと二酸化炭素が酢酸とメタンになる反応はメタン発
酵の典型的な反応である。
    2RCH2OH + CO2 ―→ 2RCOOH + CH4
・有機物を分解する速度が速い好気性分解を利用して、有機系廃棄物を分解させる方法が
高速堆肥化技術である。生物分解可能な有機系廃棄物は、炭水化物・脂肪・タンパク質か
らなるものであり、生物分解が容易でないリグニンなどは堆肥中に残存し、団粒構造をつ
くる補助資材になる。
<以上>



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