番号 06A-001  送信日 06/01/03  差出人 飯田 洋治
件名 池内了「禁断の科学 軍事・遺伝・コンピュータ」放映中

 '05.12月から'06.1月にかけてNHK教育テレビで,「知るを楽しむ」「この人この世界 池内了 禁断の科学」を放映しています。時間は月曜日午後10:25〜10:50です。今年は1月9日からです。現在までにちょうど半分済んだところですが,私は,テキストを読みました。
 軍事・遺伝子・コンピューターなど,今後の科学と科学者のあり方を述べたもので,とても勉強になりました。まだ放映途中ですし,テキストは購入できますので関心のある方にお薦めします。



番号 06A-002  送信日 06/01/06  差出人 加藤 賢一
件名 ヘリウム+水

 添付ファイルの写真を見てください。ヘリウムの風船は普通です。それに水を入れるとつりあって自分の手元に保持できます。水の中に金魚を入れると、もっと面白いでしょう。
 私の隣にいるアメリカ人はALTです。専門は美術ですが、現代の科学技術をつかったアートが得意です。この金魚を入れるというのも、彼のアイデアです。アイデアを聞いて、二人で化学室に直行しました。他の作品もありますので、また、メールします。
 美術の先生は、感覚的に物理と似ていて、発想も豊かなので一緒に話していて楽しいです。では、また。



番号 06A-003  送信日 06/01/09  差出人 田中 英二
件名 弦の定常波発生器と正弦波発生装置

 田中英二です。きょうは休み最後の日です。
 11月の物理サークルで弦の定常波発生器を持って行きました。そのとき、**の理科室には低周波発振器もアンプもないという話をして、作ろうと思っていると話しました。この冬休み低周波発振器を作りました。この作品のいいところは、大変軽いところです。教室に持ってゆくのに手ごろです。スピーカーとつないで弦定常波の実験をしたところ定常波が周波数どおりにできました。
 この低周波発振器は、DDS(ダイレクトディジタルシンセサイザー)という方法で、ディジタル的にサインカーブを作って出力しています。(CR発振器とは方法がちがいます) 詳しい方法を知りたい方は、googleでDDSとタイプして検索しますといくつか出てきますのでそれを参考にしてください。そのうち詳しいプリントを作るつもりでいます。
 ではまた。あすから3学期が始まりますね。



番号 06A-004  送信日 06/01/12  差出人 岡田 晴彦
件名 科教協 冬の合宿討論会報告

2006年 第17回 理科教育論研究会 記録
                           主催 科教協愛知支部

<第1部>私が伝えたいこと−授業づくりで変える高校の教室−
      「授業づくりで変える高校の教室」(明石書店)より

<第2部>私の思うこと、感じること、取り組んでいること

日時  1月7日(土)午後3時〜 8日(日)12時 
会場  ルブラ王山

  参加者は29名・レポート発表者は12名で質疑応答も活発に行われ、今後の理
科教育の指針も具体的に確認できた意義のある研究会でした。(文責 岡田晴彦)

<第一部>私が伝えたいこと
     詳しい内容を知りたい人は「授業づくりで変える高校の教室」(明石書店)
を熟読してください。

   (1)未知への挑戦―意欲と科学観の解放(奥村 弘二)
       新任のときの進学校では、「授業ノート」の「質問リレー」により生
徒たちの「思考の爆発」を引き出すことが出来た。
       二校目は最も困難な高校といわれた工業科の定時制高校。しかし、質
問リレーのエッセンスをアレンジした「未知への挑戦」を授業に取り入れることにより、
全く学習意欲がないと思われていた生徒達が奇跡のように真剣に授業に参加するよう
になった。
 三校目は平均的な普通高校(四校目の進学校でもだいたい同じ)。普通に行われて
いる「確認実験」だけでなく、ときどき(少し工夫した)「発見実験」を実施するこ
とにより、生徒達の学習意欲が飛躍的に向上する。

   (2)友だちがすごい!私も科学者(原 弘良)
       最初に赴任した高等養護学校で、体の不自由な生徒たちから「教育の
原点」を教えてもらった。@「学校」へ行けて、「教室」にいるだけで、大きな喜び
です。A「授業」で、賢くなる自分が嬉しく、友だちにほめられたり教え合うのが、
メチャ楽しい。これが、授業です。Bみんなと一緒にいると「居心地がいい気分」に
なるのが「教室」です。
       二校目の工業高校では退学者が続出していたにもかかわらず、担任し
たクラスからは一人の退学者を出さない教育実践ができた。
       在職最後の商業高校では、二人の理科教員で3年間の教育課程を自主
編成し、3年生最後の7ヶ月は「生徒個人別テーマ・課題研究」を実施した。その結
果、『自分さえ未知だった本物の自分を発見し、自分に惚れ直したり、研究友だちと
の人格交流の過程において、「自分の尊厳や自信」を、身に付け自覚したことです』
というように、目指した教育が実現できた。

   (3)地域の力で授業が変わる(成島 有史)             
       平成14年度からはじまったCT(クリエイティブタイム)活動は、
毎週金曜日の5・6限に3学年が同時に開講されている。資格取得系・進路を考える
系などの他に、生徒要求系の「やとみっ子ハウス」などがある。「やとみっ子ハウ
ス」では、地元の畑を借りて無農薬野菜を作ったり、サマーセミナーでは模擬店を体
験出店したりしている。
       その他、生徒会が地元の盆踊り大会に参加して協力することにより、
地元からの信頼を得てきている。
       生徒たちが地域とつながり活動をすることにより、また生徒たちの自
主活動への参加率が向上することにより、特別指導件数や退学者が減少し、学校が落
ち着いてきた。


<第2部>私の思うこと、感じること、取り組んでいること

   (4)今年は備長炭電池だ!(加藤 進)
       備長炭の上部を少し出す(備長炭電池ホルダー型、戸田一郎氏発案)
ようにアルミホイルで包んだ電池は、直列つなぎも分かりやすく、ムギ球もつけるこ
とができる。
   (5)探究科学を実施して(高木克仁)
       2年目の理数科単独の県立高校での2年2単位の「探求科学」の実践
報告。二期制の前期で、総時間数は約24時間であり、内訳はテーマ決め約4時間、
探究活動約10時間、プレゼンの作成約6時間、研究発表会4時間である。1班4人
前後で、教員が示した「課題A〜E」からひとつ選び、その課題に沿ったテーマを決
める。例えば、課題「B食品と科学、産業を支える科学」から、テーマ「スポーツと
食品の関係」を決めた。生徒たちが作成して発表した内容のいくつかをパワーポイン
トで報告された。

   (6)科学館と学校教育・社会教育との連携を模索して(園原 誠) 
       小学校へ「生命の海科学館」の学芸員さんに来てもらい出張授業「化
石の授業」を実現した。1回目は行政区分の違いから出張の許可が出ず、ボランティ
アで来てもらったが、2回目は出張で来てもらうことができた。
       小学校の理科主任の研修会も「生命の海科学館」の見学が実現した。
       また、毎年実施している夏休み親子理科教室をバス巡検で実施した。
水晶山・石切り場での実習やバス内授業や「生命の海科学館」の見学は大変好評で
あった。               

    (7)「化学の世界」への誘い(林 正幸)              
       先進科学塾1日コース「元素を自分で取り出してみよう」の報告。
       この講座には高校生から熟年までの15名が参加し、2人1グループ
で実験した。また、講師陣は7名という豪華版。     
       取り出した元素は、金属元素が鉛・鉄・リチウム・銀、非金属元素が
ヨウ素・水素・硫黄の7種類であった。
       鉛は、酸化鉛(U)と木炭の粉をるつぼに入れ、強熱して取り出す。
鉄はテルミット反応、銀は銀鏡反応で取り出す。リチウムは電気分解で取り出す新実
験。ヨウ素は、ヨウ化カリウムと過マンガン酸カリウムに濃硫酸を加えて発生させ
る。水素は亜鉛に希硫酸を加えて発生させる。硫黄は硫化ナトリウムと亜硫酸水素ナ
トリウムを水に溶かし、これに塩酸を加えたものを煮沸し、ろ過することによって取
り出す。

   (8)界面化学と高等学校の化学(澤田紳一郎)             
       ここ数年、泡を含む界面化学を研究した成果として、『高等学校でも
「界面化学」の項を立ち上げ、その中でコロイド、界面活性剤、吸着、触媒などを扱
うことにすれば、それらの理解がより進むのではないかということである』と提案し
ている。さらに、それぞれの項の概要と実験も具体的に説明されている。

   (9)不飽和結合へのハロゲンの付加(岡田晴彦)
       カーバイドと水から生成するアセチレンには不純物として硫化水素な
どが微量含まれている。ここへ薄い臭素水やヨウ素液を加えると退色する。
      このアセチレンを硫酸酸性の硫酸銅(U)水溶液に通した純粋なアセチ
レンで実験すると、臭素水は退色するが、ヨウ素液は退色しない。つまり、硫化水素
が臭素やヨウ素を還元していることになる。臭素の場合は、硫化水素との酸化還元反
応もあるが、アセチレンへの付加反応もあるので問題ない。しかし、ヨウ素の場合
は、アセチレンへの付加反応は極めて起こりにくいため、硫化水素との酸化還元反応
だけと考えられる。
       したがって、アセチレンやエチレンへの付加反応は、ヨウ素とは極め
て起こしにくいので、臭素を使用するべきである。

   (10)物理学実験 共通課題 風船の「おもさ」の測定(林 熙崇)
       名古屋大学の物理学実験の第1回目に実施した、考えることを主体と
したプロジェクトX実験。風船の「おもさ」を化学的な方法で求められた値を物理学的な
方法で確認する実験。与えられるのはストップウオッチなど
のわずかな実験道具だけで、あとはグループで議論して実験方法を工夫す
る。学生達は初めての学生実験のため最初は遠慮しているが、議論を始め
ると夢中に取り組むようになる。実験結果は必ずしも満足のできるものば
かりではないが、実験方法を考えることへの学生達の反応は良く、評価は
高い。

   (11)口がものを言う(山本久守)
       口で発生するときに母音の音は、声帯は関係なく、口の形で決まる。
発泡スチロールを加工することにより、ア(a)〜オ(o)の形をつくる。これに
ストローをつぶして切ることによってリードを作り、これに空気を吹き
込んだ風船をくっつけると、ブーブーという音を発する。これを、ア〜オの口の形に
吹き込んでやると、確かに、ア〜オに聞こえる。

   (12)地震防災資料など(戸田亜昭)
       1億倍の分子模型で作成したDNAモデルなどの紹介があった。次
に、地震防災資料(災害救援(岩波新書)から徒歩帰宅支援マップまで膨大な数)の
紹介があった後、「スマトラ島沖地震による津波映像」を見た。



番号 06A-005  送信日 06/01/13  差出人 林 正幸
件名 1月22日は環境勉強会

 こんばんは、林まさです。
 雨は厭ですが、明日から暖かくなりそうですね。私は、昨年大雪のためできなかった庭掃除に時間を割いています。そして林ラボでは勝野さん設計のPIC速度計を製作しています。今日その1号機が完成し、無事作動しました。かなりの作業量ですが、引き続いて4号機まで一機に完了するつもりです(すでに3号機までは半完成)。さすがにマイコン組み込み機は格好いいですね。しかも1台たった3000円、勝野さんらの努力に感謝します。ただ、PICマイコンは温度に弱いのでしょうか。低温では調子が出るのに時間がかかります。試しにドライヤーで温めると、即快調でした。
 9回目の「環境問題を勉強する会」を次のように開催します。
    1月22日(日) 13:30〜
    林ラボ(一宮駅から徒歩5分)
林ラボが分からない人には、メールをもらえば地図を送ります。皆さん、気軽に参加してください。
 ではまた。



番号 06A-006  送信日 06/01/16  差出人 田中 英二
件名 振動を回転に

 昨年の県教研で奥谷さんがやってたと思うのですが、棒の先端にプロペラをつけて、棒に刻みを入れて、擦ると棒が振動して、プロペラが回るおもちゃがありますね。あれなんて名前なんでしょうか。あのおもちゃを私も作ってみたのですが、擦り方や刻みの入れ方で、プロペラが時計回りに回ったり、反時計回りに回ったりします。でもよく考えるとなぜそのようにプロペラが回るのかよく分かりません。分かる方があったらぜひ教えてください。



番号 06A-007  送信日 06/01/17  差出人 田中 英二
件名 (再)振動を回転に

 田中です。鈴木久さん名前を教えてくださってありがとう。
 このがりがりトンボに少し懲りました。ふつうは、プロペラが一つですが、もっとたくさん回せないかとやってみました。写真を添付しますので、興味のある方は見てください。4つのプロペラが一緒に回りました。もっと回せると思います。ちなみにTの字の反対側のプロペラは、反対方向に回ります。興味のある型は写真を見ながら作ってみてください。
では、こんばんはこの辺で、



番号 06A-008  送信日 06/01/19  差出人 林 正幸
件名 4機の速度計

 こんにちは、林まさです。
 4機のPIC速度計が完成しました。うち2機は配線トラブルですぐには動作しなかったのですが、おかげで点検能力が着いたかもしれません。とくに1機はレギュレータの出力とアースがショートしていて熱くなっていましたが、直すと何事もなかったように動き出しました。それは電源が単3だったこともあると思います。
 今日はカーテンレールで斜面の運動の計測装置をつくって試してみました。たとえば
    0.1    0.4    0.9    1.6[m]
    0.251  0.502  0.703  0.975[m/s]
でした。使った鋼鉄球は直径20mmで、最後は摩擦の影響と思われます。直径40mmくらいの鋼鉄球を入手して、もう一度試してみたいです。これは29日(日)のEHC(圧力計と速度計の補習)で紹介したいと思います。
 いま22日(日)の環境勉強会に向けて、本多著「産業廃棄物のリサイクル」(文栄社)を読んでいます。もっと早く読んでいたら授業の視点も広がったと思える、現場に根ざした内容です。当日はこれを含めて報告したいと考えています。
 ではまた。



番号 06A-009  送信日 06/01/21  差出人 船橋 隆久
件名 運動量保存の法則をPIC速度計で

 船橋です。
 勝野先生の力作「PIC速度計」2台を使って、同じ質量(1kg)の台車2台による「衝突(合体)前後の運動量の総和」と「分裂前後運動量の総和」をみる実験をしてみました。
 一定の速度で動いている台車を、静止している台車に衝突(合体して質量は2倍に)させると、合体前後のPIC速度計の値は見事に2:1に。次に合体している2台の台車を左右に分裂させると、PIC速度計の値はこれも見事に1:1に。あまりの見事さにただただ驚きです。
 勝野式「PIC速度計」はm/s単位で速度が表示されるので、1kgの台車を使えば表示される値は運動量の値でもありますよね。この種の実験はパソコンを使った計測装置を用意するなど準備も大変でしたが、手のひらサイズの「PIC速度計」を使うことにより、実験の準備や操作が本当にシンプルになりました。
ではまた。



番号 06A-010  送信日 06/01/23  差出人 林 正幸
件名 環境勉強会の通信案

 こんにちは、林まさです。
 昨日は「環境問題を勉強する会」を開くことができました。あまりの発言の多さに悲鳴を上げています。次のまとめでよいでしょうか。参加者の皆さん、誤り、不足などご指摘ください。1週間後にはホームページに掲載したいです。
 なお次回は
    5月14日(日) 13:30〜
    「林ラボ」
です。
 ではまた。

                                   06.1
                               事務局 林 正幸

   環境問題通信06−1号

 今回は岩田、飯田、臼井、鈴木ひさし、林まさ、林ひろの6名でした。また塚田さんが
    Let’s try 4R No.12
を届けてくれました。
 臼井さんが「技術で道徳の代行ができるか」という新聞記事(池内 了)を紹介してくれ
ました。たとえば万博では生物分解性の使い捨て食器が使用された。しかし使い捨てその
ものを戒めるのが本当ではないか。また教室にクーラーは必要か、扇風機程度で十分でな
いか。・・・技術の陰で生きる知恵が喪失していく。
 昔の戻れと言うわけではないが、引き継ぐべき文化を見落としていないか。エネルギー
効率と共に省エネルギーも必要である。新幹線に乗らざるを得ない社会(熟年は青春切符
が使える!)。しかし他方で神戸のルミナリエは震災復興を支えた。・・・地球人という
分にふさわしい生活、それはどのようなものでしょうか。
 また土が人間に不可欠な要素であることも話題になりました。

自動車2題(林ひろ)
 JAF(日本自動車連盟)の会誌より。セルモーターを使わないでエンジンを始動する
技術が開発された。ポイントは停車するときに、ひとつのピストンが吸気の中間位置に来
るようにすること。そのシリンダーにガソリンを直噴して点火し半ストローク動き、次か
らは通常の爆発で動力を得る。これでアイドリング・ストップもバッテリーの消耗を気に
せずにできる。そしてバッテリー自身が軽量なもので済む。
 リチウムイオン電池を使って軽では電気自動車にできるようになった。

「燃料電池車は触媒が白金である限り実用的ではないね。」
「充電が必要だ。発電所での環境問題は残る。」
「ちなみに、燃料電池は水素をどのように生産するかが問題になる。」

環境配慮の商品(臼井)
・鉛フリーのはんだ。
「これまでは鉛が40〜50%含まれていた。」
「EUのRoHS(05−7号参照)規制を受けてだ。」
「スズの方は、ブリキの缶詰に使われ、鉛ほど毒性がない。」
・PVC(ポリ塩化ビニル)を使わない縄跳び。
「塩ビは優れた性質を持ち、かつてはプラスチックの50%以上を占めた。」
「パイプは今でも塩ビ製だ。」
「ラップも、業務用はサランラップ(ポリ塩化ビニリデン)だ。」
・振ると点灯する懐中電灯。電磁誘導とコンデンサー、LEDを使っている。
「コンデンサーの性能アップも忘れていけない。」
・エアコンの効率も上がってきている。電圧を高くし、サイリスタで動力を加減する。
COP(動作効率)が数倍になっている。
「電気は発電と送電で効率が1/3になっていることがある。例えば暖房では3倍以上な
いと、石油ストーブには勝てない。」
「天然ガス(メタン)ではどうか。」
「これは排煙脱硫が不要で、複合発電でき、効率が高い(05−5号参照)」
「年々天然ガスの比率が上がってきている。二酸化炭素の発生も少ない。」
「これを使った家庭用燃料電池は電熱併用で70%を実現している。」
「天然ガスも化石燃料であるには変わりない。」
・液晶テレビも40インチでは消費電力が200Wにもなる。プラズマでは300Wだ。
「液晶はバックライトの電力、室内の照明に対抗する必要がある。」

テレビ「禁断の科学」より(飯田)
 教育テレビ「知るを楽しむ」シリーズの中の、池内さんの「禁断の科学」のテキストよ
り、「原子力の現在」を紹介。
 日本での事故、「もんじゅ」のナトリウム漏出、JCOの臨界事故などを取り上げ、問
題点として、原子炉破壊の危険性、放射性廃棄物、廃炉処理、従業員の被爆、プルトニウ
ム保持(核兵器とプルサーマル)などを指摘している。
 続く「情報化社会と監視社会」も面白い。

「NHKに批判が来ている。」
「ETCも個人の生活を監視できる。コンピュータの発達はそれを可能にしている。」
「対抗するには、競争で分断されるのでなく、またマスコミに踊らされることなく、大同
団結するしかない。」

リサイクル(その1)(林まさ)
 これまで勉強会ではエネルギーを多く取り上げてきた。もうひとつの柱になる物質の方
にも目を向けていきたい。もっと早くこの分野に踏み込んでいれば、現役のときの授業も
視点が広がったのにと悔やまれる。
 今回は次の本を参考にした。
本多著「産業廃棄物のリサイクル」(省エネルギー・センター)
 〃 「ゴミ 資源 未来」(  〃  )
エコビジネスネットワーク編「リサイクルのことがわかる事典」(日本実業出版社)
1.資源の流通(90年のデータ すこし古いが)
 日本で流通する資源は17億トンで、世界の1/4に相当する。その1/3は、燃料、
鉄鉱石、食糧、木材などの輸入である。
 日本の陸地は世界の1/300、人口は1/50であり、輸出は約5%に過ぎない。
 消費で見ると、ごみ、し尿などの一般廃棄物は0.9億トン、鉱滓(こうさい)、建築廃材、
汚泥、家畜糞尿、金属くず、廃酸など産業廃棄物は2.7億トンであり、土木・建築の構造
物が9.7億トン蓄積される。またエネルギーとして3.2億トン消費する。
 リサイクルはわずかに1.6億トンである。土木・建築の構造物も数10年の内には廃棄
物になるので、このまま放置すると、20年で可住地(全国の26%)に10cm降り積
もる計算になる。
2.製鉄 (具体例のひとつ)
 鉄鉱石にコークス、石灰岩を加えて還元すると、銑鉄(せんてつ)と高炉滓になる。銑鉄
に石灰を加えて酸素を吹き込むと鋼と転炉滓になる。高炉滓は約2500万トン、転炉滓
は約1000万トンである。
 昔はこれらの鉱滓を埋め立てに使い、広い工場敷地が必要だった。現在では路床材、骨
材(セメントに混ぜる砂、砂利、採石)、高炉セメント(硬化に時間がかかるが)など
100%利用できている。転炉滓もエージング(放置して安定化させる)して83%を利
用している。
 高炉ダスト(主成分は酸化鉄)は整形して高炉に戻し、転炉ダストは浮遊選鉱して、黒
鉛と鉄にしている。
 鉄くずは電気炉で石灰を加えて鋼に再生し、キューポラでコークスを加えて鋳物に再生
する。しかし現在は人手不足で海外から鉄くずを輸入して利用している。
3.日本の法体系
・循環型社会形成推進基本法
 00年に制定され、この年は循環型社会元年と呼ばれる。廃棄物の抑制、再生資源の適
正な利用の促進、廃棄物の適正処分、天然資源の消費抑制と環境負荷の低減などを目指す。
 生産者には、拡大生産者責任(EPR)、つまり販売後も製品の再資源化、適正な廃棄
の責任を求める。
・廃棄物処理法
 一般廃棄物と産業廃棄物に分類。ダイオキシン類と放射性廃棄物は別枠。
 管理表(マニフェスト)制度により、排出者や処理業者を明確にし、処理の流れを追跡
するシステムつくる(不法投棄は排出者の責任)。
・資源有効利用促進法
 リサイクル中心のこれまでのリサイクル法を00年に改正して、リデュース(発生抑
制)、リユース(再利用)を加える(3R)。全廃棄物の約5割をカバーする10業種
、69品目が対象。
・容器包装リサイクル法
 旧法は95年に成立し、00年に改正。
 消費者に分別排出、自治体に分別回収、事業者(製造業者とは限らない!)に再商品化
が規定される。原材料の識別マークの表示を規定。
・家電リサイクル法
 当面はテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンが対象。消費者は再商品化と回収費用を負担
し、小売業者は引き取り、引き渡しを、メーカーは再資源化(リサイクル率は50〜60
%)を義務づける。家電リサイクル券システム。特定フロンも回収、破壊される。
・食品リサイクル法
 食品の製造、流通、販売のほか外食産業、ホテルなどが対象事業者。リサイクル率を5
年間で10%から20%に引き上げる目標。
 ちなみに日本の食品廃棄物は全体年間で約2000万トン、世界食糧計画(WFP)の
食料援助は82か国7700万人に約420万トン。
・建設リサイクル法
 コンクリート(鉄筋を含む)、アスファルト、木材を特定建設資材とし、分別解体、再
資源化を義務づける。20年にはリサイクル率95%を目標とし、国の直轄事業では05
年までにゼロ・エミッションを実現する。
・自動車リサイクル法
 02年に成立し、今年から本格施行。
 すでに部品のリユース、鉄や非鉄金属などの回収、再資源化はできており、残りのシュ
レッダーダストやカーエアコンのフロン類、エアバッグを対象にした。リサイクル料金は
ユーザーが新車購入時に支払う。15年までに95%以上の再資源化を目指す。
・グリーン購入法
 国や自治体が率先して環境配慮型製品をグリーン調達するよう定めた。

「基本は、自然の循環を活用することと、金属のようなものは人工の循環を確立すること
である。」
「リサイクルにもエネルギーが必要である。」
「コンクリートのリサイクルはできるのか。」
<以上>



番号 06A-011  送信日 06/01/**  差出人 ** **
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番号 06A-012  送信日 06/01/**  差出人 ** **
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