番号 05J-001 送信日 05/10/02 差出人 川田 秀雄
件名 単極モーター集中討議のお知らせ
ご機嫌如何ですか。川田です。
数年前、中国で増子さんに見せてもらった単極モーターの理論的解明の議論が今も続いています。思えば、今まで単的・個別的に議論されてきましたが、我々の中でも共通理解に到達していません。電磁気の基本的認識にかかわる問題も含んでいるように思います。
そこで、一度このテーマに絞った徹底討論をしてみようということになりました。
日時 2005年11月6日(日) 14時〜
場所 名古屋市科学館 8階 電子工作室
(受付で 「山田学芸員の先進科学塾打合せ」、で入館して下さい)
* 意見のある方は実験またはメモ程度でいいですから、紙に書いたものを持参して下さい。
* もちろん当日の自由な発言は大歓迎です。
* 折角の機会ですから、このテーマに関心のある知り合いの方々にも声をかけて下さい。どなたでも歓迎します。
番号 05J-002 送信日 05/10/04 差出人 林 正幸
件名 圧力計の製作に関して
こんばんは、林まさです。
昨日は、圧力計の製作、ご苦労さまでした。また予備の3種の圧力センサーもすべて完売されて、うれしいことです。この圧力計によって増圧も減圧も、1,2%の誤差で圧力を数値で手に入れることができるようになるので、実験のレパートリーが広げられると思います。
設計については事前に2回のバージョンアップをしていたのすが、ちょっと心配していたブリッジ部分の抵抗のバランスが、やはり安価な抵抗では取れないケースが出てきました。それは51Ωの抵抗を補って簡単にカバーできるのですが、未完成の皆さん、調節(校正)のときに可変抵抗を一杯に回しても電流計を0や1mAにできないときは相談してください。ちなみに次々回の名古屋EHC(来年はじめ)は、圧力計と次回(12月17日)のPIC速度計の補習になっています。
ではまた。
追伸:
岡田たかさん、手間を取らせますが、PIC速度計の製作希望者を、10月末あたりを期限に集約の方をよろしくお願いします。
番号 05J-003 送信日 05/10/04 差出人 加藤 賢一
件名 英語勉強法1
静岡の加藤です。
英語を勉強している方いますか? ストレイキャッツのみなさんは、国際会議にも出席しているので、必要を感じる方も多いかと思います。来年は東京が会場らしいですね。きょうは、より実践的な方法を、紹介します。
きょうの6時間目に重力加速度の測定の実験をやりました。そのときに、本校のAltに参加してもらいました。かれは、美術の専攻なので、理科に興味があり、以前から、実験に参加させてくれ、と言ってました。興味をもってくれていることが意外と重要ですが、そうでなくても、面白い実験には参加してもらうと良いと思います。
今回はかれに「動作動詞」を勉強したい旨を伝え、事前に、「打点タイマーをステイに取り付ける」とか「テープをそっと挿入する」とか、「テープを紙に糊付けする」など、教師が生徒に指示をする動作を中心に英語の文章をを1時間でつくり、授業が始まる前に、かれに渡しました。実験のほうは生徒がいるので、殆ど日本語でやりましたが、所々、英語も混ぜてみました。ただ、かれが、はじめて、打点タイマーの実験をやるので戸惑ったのと(生徒は4回目でなれている)、高校で物理を選択してないので加速度の定義がイマイチ飲み込めてなかったので、不消化に終わってしまった。
次は、アメーバの観察の実験などもやってみるつもりです。理化学辞典には英語ものっているので便利だと言うことが分かりました。
愛知物理のhpもそろそろ英語版が必要かと思います。私に出来ることがあれば、準備に携わりたいと思います。いっぺんには無理ですが、少しずつなら出来るのだと思います。
前回の例会には、「いきいき物理」の英訳についてのコメントが書かれていました。英訳は結構むつかしいとのこと。どうしてでしょうか?私は、自分で言うのもなんですが、熱心な読者であり、かつ熱心な「いきいき 実践者」でもあるので、日本だけでなく、世界中の多くの生徒が、より楽しい物理を学べたらと切に願うわけです。どんなもんでしょうか?
番号 05J-004 送信日 05/10/06 差出人 飯田 洋治
件名 中部大学科学たんてい団秋講座
次の日程で小中学生対象の中部大学科学たんてい団の秋の講座が始まります。2クラス展開の予定でしたが,参加者の関係で1クラス展開に変更となりました。日程で都合のつく方で,余裕のある方は,どんなことをしているか,一度のぞいてみて下さい。
場所は中部大学鶴舞キャンパス(JR中央線
鶴舞駅 名大病院口 目前)
時間は10時〜12時 参加生徒は27名です。
日程および講師は次のとおりです。
10月
8日(土) 「ヘロンの自動ドア」 伊藤亮吉先生
10月15日(土)
「空飛ぶ種(紙の種子模型作り」 伊藤政夫先生
10月22日(土) 「つまようじで作る竹とんぼ」 三原隆雄先生
10月29日(土) 「静電気でモーターになるの?」 川田秀雄先生
11月12日(土) 「重心とコマ マックスウェルのコマ」山本久守先生
11月19日(土) 「電池はどうしたら作れるの」 林 正幸先生
11月26日(土) 「紙ヘビを作ろう」 杉本憲広先生
12月
3日(土) 「パッと変身!マジックキューブ」 飯田洋治
番号 05J-005 送信日 05/10/06 差出人 林 正幸
件名 環境勉強会のお知らせ
こんにちは、林まさです。
二学期はさまざまな企画が目白押しという感じですが、環境問題を勉強する会は次の予定になっています。
10月16日 午後1時30分から
林ラボ(一宮駅から徒歩5分 不明な方は連絡ください)
皆さんの参加を呼びかけます。
私は去る9月14日に、瑞浪の超深地層研究所の見学とそれに関する学習会に参加しました。ご存知のように、高レベル放射性廃棄物を埋めるための「穴掘り」と見受けられます。建前になっている深地層の研究だけなら、いきなり直径6.5mと4.5mの「大穴」を掘る根拠はありません。そして驚いたことにこの研究所は「電源3法」の改正で100万kW以下の原発と見なされており、周辺市町村に1年に合計10億円以上の補助金が20年にわたってばらまかれています(今年で3年目)。処分実施機構(NUMOと呼ばれる)の魂胆と下心が丸見えです。いくつかの資料も入手しましたので、私はこの報告をしようと考えています。
ではまた。
番号 05J-006 送信日 05/10/12 差出人 岡田 晴彦
件名 2007年科教協愛知大会について
岡田です。2007年の科教協愛知大会について、会場校が決定しましたので、お知らせし、ご協力をお願いいたします。
私は今年で教員29年目を迎えております。これまで理科の教員として何とか勤められたのは、いろいろな先生方に教えていただいたこと、いろいろな教育研究会で勉強させていただいたことと考えております。科教協はそのひとつです。そして、そのお礼として、科教協愛知支部の事務局長を引き受けておりますし、今回、全国大会の事務局長を引き受けることにしました。
この何年か科教協の本部より愛知で全国大会を開催してほしいとの要望を受けておりましたが、事務局で相談し困難な情勢なのでとても難しいと断ってきましたが、山口・北海道・鹿児島と愛知よりも困難な県などが引き受けてくれて、断りきれなくなり、事務局として、2007年に引き受けることを決断しました。このことは6月の実験交流会で報告しました。
そして、会場校を引き受けていただける学校をお願いしましたところ、中京大学付属中京高校が引き受けていただける事になりました。お楽しみ広場と全体会には近くの中京大学を使用させていただけることにもなりました。
実行委員会ですが、現在の科教協愛知支部の事務局が実行委員会となり、岡田が愛知支部の事務局長と愛知大会の事務局長をお引き受けすることになりますが、この10名くらいのメンバーではとても足りません。理科実験お楽しみ広場に参加していただいている60名くらいの実行委員がそろわないと大会が開けないと思います。一人でも多くの方に実行委員に参加していただくことをお願いいたします。
番号 05J-007 送信日 05/10/13 差出人 久保田 英慈
件名 アルミのイオン化傾向と化学電池
皆さんこんにちは。
おそらくここに質問をするのが一番妥当な答えを得られるのではないかと思い、恥ずかしながらご質問します。
中3で化学電池を扱います。イオンを扱わないのに化学電池を扱うと いう何ともおかしな単元なのですが、この辺りの詳しい話はまたどこか
でしたいと思います。
困っているのは理論ではアルミニウムのイオン化傾向は高く、本来であれば、例えば+極に銅、マイナス極にアルミを持ってくると、もっと
も電流が流れると考えています。が、実際はボルタの電池などもそうですが、アルミの次のイオン化傾向である亜鉛を使っています。
中学校では電解質水溶液に塩酸を使います。ボルタの電池は希硫酸です。おそらく電解質水溶液の問題ではないかなあと思いますが、私のこ
の辺りの知識は大変怪しいです。
どなたか、この辺りをご教授いただければ幸いです。
番号 05J-008 送信日 05/10/13 差出人 林 正幸
件名 Re:アルミのイオン化傾向と化学電池
こんにちは、林まさです。
教科書などの電池教材は理論的にはずっと混乱状態にあると思います。最近やっと、高校化学でダニエル電池を基礎にする展開が出てきました。
化学の基礎的視点のひとつに、平衡論と速度論があります。平衡論は「十分時間が経てばどうなるか」であり、イオン化傾向(より正確には酸化還元電位あるいは標準電極電位)もこれに含まれます。速度論は「その変化がどれくらい速く起こるか」です。電池の電流はこれに当たります。もっとも電流は内部抵抗(たとえば溶液の電導度)や外部の負荷の影響も受けます。そして平衡論的に否定されることは現実にも起こらないのですが、平衡論的に肯定されても現実にはほとんど起こらないこともあります。あるいは触媒を加えると急に反応したりします。
ダニエル電池は
(−)Zn|ZnSO4aq‖CuSO4aq|Cu(+)
電流を抑えればほぼ平衡状態が維持されます。つまりどちらの金属もイオン化したり元の単体に戻ったりする速度が速いのです。したがってその電圧は、亜鉛と銅の酸化還元電位
Zn
←→ Zn^2+ + 2e^- 0.763V
Cu ←→ Cu^2+ +
2e^- −0.337V
の差である1.1Vになります。ちなみにこのような電圧(起電力)は平衡論に含まれるわけです。
ボルタの電池は
(−)Zn|H2SO4aq|Cu(+)
平衡状態から外れています。ダニエル電池と比べると、亜鉛イオンも銅イオンもなく、実際に電子を奪うのは水素イオンです。
2e^-
+ 2H^+ ―→
H2
電圧が1.1Vになるのはまったくの偶然であるのですが(かつて私が電池に関する講演会で質問して確認したことがあります)、このことが誤解を生み出しています。
ボルタの電池のひとつの問題は、水素イオンが亜鉛と隔離されていないことです(ダニエル電池では銅イオンは亜鉛と隔離されています)。当然、亜鉛に生じた電子をその場で水素イオンが奪うことができます。しかしここには水素過電圧という速度論があります。亜鉛の表面は亜鉛イオンで覆われ、内部には電子があります。この2重層を突き破らないと水素は電子を奪えません。この速度は金属の種類によって異なり、亜鉛はこの過電圧が高く電池素材として優れているのです。ちなみにもっと高いのは水銀で、かつてそれを利用した水銀法という水酸化ナトリウムなどを製造する工業がありましたし、かつてマンガン乾電池は亜鉛の純度が低く、銅などが含まれて局部電池ができて放電するのを防ぐために、亜鉛の表面に水銀を着けていました(亜鉛アマルガム)。
アルミニウムは表面が酸化被膜で覆われ、これが取り除かれないとなかなか電池としてはたらきません。水酸化ナトリウム水溶液を使うとうまくいくのですが
(−)Al|NaOHaq|C(+)
その電子を与える反応は次のように変わってきます。
Al
+ 4OH^- ―→ [Al(OH)4]^- +
3e^-
テトラヒドロキソアルミン酸イオン
酸化被膜の問題は鉄(とくに製品はさびにくくしてある)などにもあり、安易に酸化還元電位を計ろうとすると失敗します。
電池の電流を大きくするには、電子のやり取りの速度が大きい反応を利用すべきです。その点でもダニエル電池は正解ですが、多くの実用電池ではいわゆる「減極剤」を使っています。ボルタの電池もしかりですが、マンガン乾電池では電子を奪うのに次の反応を利用しています。
MnO2
+ H+ + e- ―→
MnO(OH)
水酸化酸化マンガン(V)
ちなみに減極剤という用語は、汎用性がなく死語になりつつあると思います。なお乾電池では電子を与える反応も次のようになっています。
4Zn
―→ 4Zn^2+ + 8e^-
4Zn^2+ + 8H2O ―→ 4Zn(OH)2 + 8H^+
4Zn(OH)2 + ZnCl2
―→ ZnCl2・4Zn(OH)2
積み算して
4Zn + 8H2O + ZnCl2 ―→ ZnCl2・4Zn(OH)2 + 8H^+ +
8e^-
かつて電池は「電解質水溶液に2種の金属を浸けるとできる」とよく言われましたが(東書の教科書の影響)、私は「電子を与える反応と奪う反応を組み合わせてできる」と教えるように主張しています。詳しくは私のホームページ
http://www.water.sannet.ne.jp/masasuma/
の「講座プラン」の中の「電子やり取り反応の世界」を参考にしてください。
ではまた。
番号 05J-009 送信日 05/10/18 差出人 林 正幸
件名 環境勉強会の報告
こんばんは、林まさです。
10月16日に、8回目の「環境問題を勉強する会」を開きました。以下はその「通信」の案です。参加者は、間違いや追加修正がありましたら教えてください。なにせ内容が豊富で多岐にわたるので、私一人ではまとめきれない面があります。そして1週間後にはホームページに掲載したいと思います。
次回は来年の1月22日(日)13時半からです。
ではまた。
<引用>
05.10
事務局 林 正幸
環境問題通信05−10号
今回は岩田、飯田、鈴木ひさし、富田、林まさ、林ひろの6名でした。参加はできませ
んでしたが塚田さんが
Let’s try 4R No.10
11
を届けてくれました。それには松河戸の産廃処理場建設(「環境問題通信5−1号」を参
照)をめぐる春日井での活動の様子も紹介されています。また鈴木ひさしさんが「ダイオ
キシン討論会」(「環境問題通信4−2号」を参照)の記録冊子を取り寄せてくれます。
皆さんの協力でこのサークルも8回目となりましたが、環境問題はまさに人間そのもの
の問題(飯田さんの発言)、生き方の問題であり、教育に是非とも反映させるべき問題で
あると、改めて強く感じた例会でした。
アジアの子供たちを巡る
講述録の紹介(飯田)
NGO「沖縄アジアチャイルドサポート」の池間さんが、愛知県の北方中学校で講演し
た記録「閉ざされた世界の中で懸命に生きる子供たち〜アジアの子供たちは今」の紹介で
す。
アジアの子供たちを支援する活動をしています。世界には63億人が住んでいますが、
6億の人々が飢えています。1日1食が普通です。毎日4万人が死んでいます。その90
%以上が子供たちです。栄養状態が非常悪く、風邪を引いても死にます。
日本を含め世界人口の20%の先進国が、食糧の70%以上を消費してしまいます。そ
して日本では2〜3割の残飯を捨てています。だから、世界的に食糧が不足しているので
はありません。
フィリピンのスモーキーマウンテンでは子供たちがゴミ拾いをして働いています。10
時間働いてやっと50円程度。15歳まで生きるのは3人に1人。モンゴルでは寒さを避
けてマンホールチルドレンがいます。大人の暴力におびえ、ねずみに唇をかじられながら
寝ています。12歳の少年が「早く人間を終わりたい」と言いました。「僕は次に生まれ
る時には、人間ではなくて犬になって生まれたい。」 タイの北方山岳地帯では、少女の
半分以上が17歳までに売られます。売春させられ、エイズに感染し、村に帰るのは発病
して死ぬとき。少女は「お父さん、お母さんのためだからしょうがないよね。」と笑うん
です。それほどまでに貧しいのです。カンボジアは1970年代から内戦が続き、ポルポ
トは国民の1/4の200万人を虐殺しました。プノンペンでは子供たちがやはりゴミ捨
て場で働いています。中に4歳の女子がいました。母親は一人食べる分さえ稼げないと言
います。この女の子はまもなく亡くなったと聞きました。靴がなくて、けがをして破傷風
で死ぬ子も多いのです。
しかし貧しいことと、心が貧しいことは違います。たまたま子供たちをピクニックに連
れて行き、弁当をおごりました。叫び声を上げ飛び上がって喜んだ後、全員がふたを閉じ
てしまいました。「こんなご馳走は私一人で食べることはできません。だから、家に持っ
て帰ってお父さん、お母さんと一緒に食べていいですか?」 マンホールに住む子供の一
人に1枚しかなかったガムを上げました。すると5つにちぎって仲間5人と分け合ってい
るのです。
私たちは豊かです。でも、人間を愛するとか、人間の生きる力、こんな大事なことをど
こか遠くに置いてきたような気がします。3つ、お願いがあります。まず事実を知って理
解してください。次に100%の愛は要りません。0.1%だけでいいから分けてください。
そして何よりも、あなたたちが一生懸命生きてください。真剣に生きる人でないと人の苦
しみや悲しみは分かりません。
(私たちはこの講述録を飯田さんから分けてもらいましたが、取り寄せることもできま
す。)
「日本と米国で世界の食糧の半分近くを消費しているとは、信じ難いことだ。」
「コンビニでアルバイトしていた卒業生によると、賞味期限が切れたおにぎりなどを恐ろ
しくなるほど捨てている。」
「肉を食べることは、飼料になる大量の穀物を消費することだ。」
「ペットフードも貧しい人々から食糧を奪っている。」
「日本の食糧自給率25%は、世界的に見て異常だ。」
「前回の富田報告によると、エネルギーも世界人口の1/4の工業文明諸国が全体の80
%を消費している。」
「その意味では原油高騰もよいかもしれない。なにせオイルショック以来、日本は省エネ
を心掛け、日本が1消費することに、米国は1.5を、中国は4を消費している。」
「それでも、アジアの貧しい子供たちの目は輝いているとよく言われる。それに比べて日
本では、小学校に向かう生徒の顔は朝から疲れている。」
「昨年のノーベル平和賞のマータイさんが書いている。『もったいない』というすばらし
い言葉がありながら、大量の食糧を食べずに捨てている。風呂敷というすばらしいものが
ありながら、大量のレジ袋を浪費している。」
「環境問題は、人間そのものの問題である。」
なお「世界国勢図会(2004/05)」を調べてみましたが、食糧消費に関するデー
タはありませんでした。
超深地層研究所を見学して(林まさ)
去る9月14日、愛高教退職者の会の例会の、瑞浪市にある超深地層研究所の見学とそ
の後の学習会に参加し、いくつかの資料も入手しました。
核燃料サイクル開発機構(10月から日本原子力研究所と統合して日本原子力研究開発
機構)は、昭和48年に土岐市の東濃(ウラン)鉱山の試掘を始めたが、その後は放射性
廃棄物の「地層処分」のための研究をし、平成16年に終了した(現在は第2立坑が無重
力研究所になっている)。そして処分地として密かに東濃・下伊那地域の伊奈川花崗岩帯
を選んでいた(資料の存在に気付いた兼松さんが、裁判闘争の上で公開させた。そればか
りか瑞浪市内の正馬様(しょうまさま)には「用地」を取得している。
そこから2キロほどにできた超深地層研究所は、平成16年から6.5mの主立坑と
4.5mの換気立坑の掘削を開始し、現時点でそれぞれ約160mに達している(17年度
中に300mまで)。計画では1000mまで掘削し、そこや中間ステージ(深度500
m)で水平坑道も掘削する。ねらいは深地層では地下水がほとんど拡散していない(予備
調査では「滞留時間50000年以上」と推定)という「データ」を手に入れるためであ
る。しかし地下には月吉断層が斜めに走っている(そして木曽川、庄内川、矢作川の上流
である)。
高レベル放射性廃棄物の処分実施主体として、平成12年に設立された原子力発電環境
整備機構(NUMO(ニューモ)と呼ばれる なんとあいまいな名称!)は
平成20年代前半:「精密調査地区の選定」
30年代後半:「最終処分地の選定と施設の建設」
40年代後半:「最終処分の開始」
というスケジュールを立てている。そして平成14年からは電源3法を改正して、この研
究所を100万kW以下の原子力発電所と見なし、周辺10市町村に年間総額13億円以
上が20年にわたって交付されている。
瑞浪市 4億3千万円
土岐市 3億6千万円
恵那市 2億5千万円 など
研究所のパンフは、「この地域を放射性廃棄物の処分場とするための研究でもありませ
ん。」と書いているが、その魂胆は精密調査地区および最終処分地にしてしまうことでは
ないか(そもそも東濃研究学園都市とは何もの?)。現在、岐阜県議会に向けて「『高レ
ベル放射性廃棄物処分場をつくらない条例』の制定を要望します」という署名活動が行わ
れている。
高レベル放射性廃棄物はガラス固化して、直径40cm、高さ130cm、厚さ5mm
のステンレス製のキャニスターに収められる。このガラス固化体の表面温度は300℃以
上で、1本当たり広島型原爆30個分の放射能(120万キュリー)があり、そばによる
と10秒でショック死する強さである。これを30〜50年放置すると100℃ほどにな
る(現在はフランス帰りのキャニスターが六ヶ所村の高レベル貯蔵管理センターにある)。
これを鉄のオーバーパックに入れ、それを粘土でかためて300m以深に埋設するという
のである(漏れだしても最早手の施しようがないという責任放棄)。ガラス固化体は
2010年で2万5千本、2020年で4万本になる計算である。
「瑞浪市もさることながら、木曽川流域の私たちや伊勢湾などの方が危険だね。」
「原爆より原発の方が大量の死の灰をつくっているんだ。」
「チェルノブイリ原発事故では世界中が汚染された。」
「かつては日本海溝に沈める案もあった。」
「米国では砂漠に放置しているが、日本にはそんな人里離れた場所はない。」
「まず原発を止めることだ。」
「それでもすでに生じた膨大な放射能の問題が残る。」
「電力会社はいまや原発が重荷になってきている。原発だけ切り離して国に面倒を見させ
ようという動きがある。」
「高速増殖炉もんじゅ」まとめ(富田)
今では絶版になっている小林著「高速増殖炉もんじゅ」(七つ森書館)の、1〜9章・
終章のうち、3章までのまとめです。
1951年に実現した最初の原発は高速増殖炉であった。以後軽水炉が開発され、
2004年現在、世界で434基になっている。しかし商用高速増殖炉は0基であること
が、その性格を象徴している。
日本の「もんじゅ」は、1991年に建設されたが、設計ミスやトラブルでやっと94
年に臨海に達した。そして95年に発電を始めるや、その年の暮れにはナトリウム漏れ事
故を起こして停止した。しかし今年になって高裁の差し止めを最高裁が覆し、福井県も改
造を受け入れてしまった。
当初の目標では1990年代には実用化されているはずが、見直しの度に先に伸び、現
在では2050年も危ぶまれている。
高速増殖炉は発電しながら燃料も増殖できると夢のように宣伝されているが、理論的に
はそんなに単純ではない。高速の中性子は核分裂を起こしにくいので、20%ものプルト
ニウム239を含む燃料を必要とする(臨界を超えて暴走しやすい。核兵器の場合は99
%)。そして炉心をウラン238が99.7%の劣化ウランのブランケットで囲み、核分裂
を起こさずに飛び出してきた中性子によってプルトニウム239にする。その増殖比は公
称でも1.2倍に過ぎない(もんじゅの場合)。増殖比を上げようとすると核分裂が起こり
にくくなるという二律背反になっている。
そしてプルトニウムを取り出して再度燃料にするには、軽水炉よりはるかに難しい再処
理が必要であり、時間も掛かり損失も伴う。こうして燃料の倍増時間は50年とか、NH
Kスペシャルでの電力会社の計算では90年とかいう数字が出ている。いったいそんなに
時間が掛かって、その前にウラン235が枯渇するのではないか。
もうひとつの問題は、こうして蓄積されるプルトニウム239が核兵器になることであ
る。もし六ヶ所村の再処理工場が稼働すれば2010年で100トンにもなる(米国、旧
ソ連並)。それは非核3原則の国是に反し、世界が許さないはずのことである。最近プル
・サーマルが導入されようとしているが、性質の異なる2種の燃料の制御は困難を伴い、
原子炉が不安定になり暴走しやすくなる。
現在再処理を行っているのはイギリスとフランスのみであり、フランスの高速増殖炉ス
ーパーフェニックスも増殖させることは中止した。世界のすう勢は、むしろ原発そのもの
からの撤退である。
「私も若いときには原子力の平和利用を信じたが・・・。」
「高速増殖炉が、増殖と発電が矛盾するなんて、聞いたことが無かった。」
「原子力は科学を装ったごまかしで塗り固められてきた。研究者を目指した若者はどんな
に情けなかったことだろう。」
「米国やIAEAが、北朝鮮やイランの核開発には目くじらを立てるが、日本には何も言
わないのはおかしい。」
「一般に核分裂は遅い中性子(熱中性子)でないと起こりにくい。それは原子核が一度中
性子を捕捉吸収する必要があるから。また核分裂で発生する中性子はいずれも高速である。
軽水炉も軽水がエネルギーを受け取ると共に、減速剤のはたらきをしている。」
「原子力資料室の原子力年鑑(七つ森書館)も役に立つ資料だ。」
「スリーマイル島原発事故はどのように起こったのか。」
次は林まさが後で調べた、日本科学者会議編「原子力発電」(合同出版)の詳しい説明
の簡単なまとめです。
「事故で給水ポンプが止まったことから始まった。原子炉は核分裂を停止し、緊急炉心冷
却系も作動した。しかしさらにミスや事故が重なり(制御室では100以上の警報が鳴り
大混乱していた)、格納容器から大量の放射能を持つ水が漏れ出した。また1時間後には
炉心が冷却水から露出し、崩壊熱によって2000℃に達した。10時間後には水素爆発
が起こり、1000万キュリーの放射性ガスが放出され続け、3日後には妊婦と幼児に避
難勧告が出された。」
<以上>
番号 05J-010 送信日 05/10/26 差出人 加藤 賢一
件名 簡単な実験
静岡の加藤です。
きょう英語のプライベートレッスンを受けてきました。
光の話になり、そのカナダの理科教師(Alt)から実験を教えてもらいました。
1.A4ぐらいの紙を用意する。
2.縦長に丸め筒をつくる。大体直径1cmか2cm位。
3.これを左眼にあて、5mほど離れたところの対象物をみる。対象物は、光っているものの方が良いかもしれません。いろいろやってみてください。
4.このときに、右目を閉じています。
5.そうすると、左眼にだけ、その対象物が見えます。
ここまでは、何ら不思議はありません。
6.このあと、右手の手のひらを、筒に横付けします。
数学的にいいますと、右手の平面に対して、筒が法線方向になります。「筒」と「手のひら」の接点は、小指の少ししたあたりが良いでしょう。
7.まだ、右目は閉じたままです。
8.そこで、「ぱっと」右目を開きます。
9.そうすると、右手の手のひらに丸い穴があきます。そして、先ほどの、左眼の像が、その穴に見えます。
以上。簡単ですので、お宅で試してみてください。
番号 05J-011 送信日 05/10/** 差出人 ** **
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番号 05J-012 送信日 05/10/** 差出人 ** **
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番号 05J-013 送信日 05/10/** 差出人 ** **
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