番号 04C-001 送信日 04/03/01 差出人 林 正幸
件名 環境問題通信を届けます
こんにちは、林まさです。
2月21日(土)に開いた環境問題を勉強する会の通信をメールで届けます。参加した人で訂正、追加などありましたら、教えてください。近日中にホームページにも掲載します。
伊藤(政)さんは物理屋さんですね。そして林ひろさんはまさに実験の虫で、その行動力には脱帽です。チューブ内の音速は面白そうです。質問ですが、開放端補正とか、距離をどのように考えたか、を知りたいです。
ではまた。
04.2
事務局:林 正幸
環境問題通信04−2号
今回は飯田、富田、長瀬、林まさ、林ひろ、宮崎の6名の参加で勉強しました。宮崎脩一さんには日光川の汚染について報告してもらいました。また林まさが、大阪で開かれた「ダイオキシン討論会」のホットな情報を提供しました。今回予定が重なってしまった篠原さんには、道路公害について、次回に報告をお願いすることができました。
環境問題は理科を始め教育にも大きく係わる課題です。皆さんの気軽な参加を呼びかけます。
オウム事件の教訓(林ひろ)
毎日新聞の記事の紹介。オウム事件からどんな教訓を引き出すべきか。何故に理系の一流の頭脳が教祖にからめとられ、いとも簡単に凶悪事件に関与してしまったのか。広瀬被告の指導教官は「今の理科系の学生は無駄なことをしない。人生の意味について考えたり、文学書を読んだりしていないのではないか。」と証言している。
専門一本槍で、人生や社会について考える時間と雰囲気を奪われている。自治会活動も低調である。そこには人間らしい渇きがあるはずである。
これは高校や中学教育についても言える。思春期の真っ只中にあって、受験教育のみが大手を振る。学問とは何か、何のために学ぶのかなどについて考えることが切望される。立場の異なる教師の意見が刺激になって批判精神が生まれる。
これは社会でも言える。本来自主的であるべき福祉組織などにおいてさえ、「綱領」なるものが支配し、もの言う職員の首切りが行われ、うつ病が多発している。
エネルギー政策の転換(林まさ)
日刊工業の記事。経済産業省は、原子力を基幹とする従来のエネルギー政策を大幅に修正する方針を固め、燃料電池などの水素エネルギーを従来の補完的役割から2030年には基幹になるように重点開発することを打ち出す。そのために産業構造審査会と総合資源エネルギー調査会の合同会議を立ち上げ、12月には最終答申を得る。
これは各地の原発反対運動や環境を守る国民世論の勝利と言える。にもかかわらず政府は他方で、核燃料サイクルをどうのこうのと言っている・・・。
中電の原発依存度は9%と小さい。今となっては反対運動に助けられたか! 東海市の最新火力は天然ガス燃料で、効率なんと52%、燃焼ガスと水蒸気の複合発電である。ごみ固形化燃料(RDF)による発電効率は20%が限界。核融合はヘリウム3を使うと放射性廃棄物を避けられる可能性がある。
本の推薦
林まさ
「理科年表」に環境編が出た。長期間の総合的なデータがまとめられていて参考になる。
飯田
森千里著「胎児の複合汚染」(中公新書)。へその緒を分析するとさまざまな汚染物質が見つかる。生まれる前から複合汚染を受ける現実から考える。
きれいな日光川をとりもどすために(宮崎)
支流の目比(むくい)川洪水などをきっかけに、日光川に集中豪雨時のために3ケ所の木曽川に向けた放水路が建設されている。そのひとつの放水口が馬飼ダム内であるいうことで、1997年から日光川の汚染について調べ始めた。そのわずか1キロ上流には名古屋市の取水口がある。
尾張平野には日光川を始め7つの川があり、かつては木曽川につながっていた。それを尾張徳川家が「お囲い堤」をつくって切断した。以来これらの川は犬山扇状地の湧水を集めて流れるようになった。1955年からの尾西地方の繊維産業の隆盛(いわゆる「ガチャ万景気」)は豊富な地下水を利用し、その結果中流域の自噴井戸は姿を消し、下流の海部地方に広大な0メートル地帯を生み出し、7つの川の水源は工場や農業や家庭の排水に代わった。
専門家の助けも借りて調査すると、木曽川に比べて、化学的酸素消費量(COD)が4倍、総窒素5倍、アンモニア性窒素40倍、電導度による汚染度が4倍、ニッケル・鉛は20〜50倍などという測定になった。かつて日光川は日本一汚い川の「称号」を受けたこともある。
とくに汚染がひどくなるのは、一宮市萩原町の下水処理場からである。ここでは工場排水の処理もしており、排出基準は守っているが、とくに染色工場のため黒い色が抜け切らない。オゾン処理などが考えられるが、コストの問題があり、世論の高揚が待たれている。
昔は日光川は魚やしじみが採れ、夏には泳げた。こうした川に対する過去の価値観を復活し、きれいな日光川をよみがえらせることは夢ではない。すでに尾西市南部では一部の護岸が垂直なコンクリートから芝生の斜面に改修されている。佐屋町でも親水公園の計画がある。県もそういう姿勢を持っている。
人々の協力によって、ホタルが舞う、釣った魚が食べられる日光川をとりもどしたい。
日光川がきれいになって、出水時にはたんぼが遊水池にできるとよい。
ダイオキシン討論会に参加して(林まさ)
2月14日、大阪工大で開かれた
「ダイオキシン 神話の終焉」(日本評論社)をめぐって
の討論会に参加しました。パネリストは著者の渡辺、林両氏と、宮田氏(摂南大)、藤原氏(ダイオキシン関東ネット)で、主催はダイオキシン関西ネットです。
会場は200名定員の教室が300名で埋まり、始まる前から熱気に包まれていました。
私は著書の主張「ダイオキシンは食品を通して体内に入るのが大部分で、ごみ焼却で発生するダイオキシンを規制するのは無駄である」に納得していたのですが、これにかなり疑問が伴いました。塩ビ焼却実験や底質の汚染の農薬由来割合については一部のデータのみを利用しており、焼却施設の大気データが使用停止後のものであり、何よりも環境省の調査で焼却炉対策が始まった1997年からの4年間で大気中の濃度が全国平均で0.55から0.15pg−TEQ/m3
に減少しているデータを無視しています。
同時に本を読んだとき、環境問題を捉える重要な視点の欠落も感じました。彼はさかんに「ダイオキシンで死んだ人はいない」と書いています。彼のリスク評価は半数致死量という急性毒性のデータに依っています。環境問題では、公害問題のときから、基本的に慢性毒性が問題です。この点は討論会でも確認できました。
環境問題の難しさは「予防の原則に立つ」点です。これには科学的なデータは不可欠ですが、それだけでは結論が出にくい問題です。
牧野氏:公害問題は「被害が出てから」対策を考えた。環境問題は「被害が出る前に」手を打とうとする。前者では事実が先にあり、後者では推定による行動になる。推定に誤りがあると、社会に少なからぬ打撃を与える。
科学的であろうとのみすると、ついつい事実やデータがないかぎり否定的になります。そして自分が知らないことがあるという自覚を忘れたり、先入観やこだわりがあったり、多面的な視点を持たずにいると間違いを犯します。著者のグループは化学人として塩ビなどが目のかたきにされるのが許せないのだという印象を受けました。
これをカバーできるのは、すでに70年代はじめに確認された「人間優先」(それまで産業協和)の思想です。これは思想であって、科学ではありません。
発言A:小児科医として1989年からベトナムの枯れ葉剤被害に関心を持ち、調査するほどにその恐ろしさを感じている。そういうこと無視して、コストとリスクのバランスで考えるのは、本当にそれでよいのか。
発言B:油症患者にとって単に塩素挫創がどうこうという問題ではない。患者は人生そもののが破壊されていることに気付かないのか。もっと実態を調査すべきである。
もうひとつは率直な討論です。その点で今回は私にとっても素晴らしい勉強の場になったのです。
なお3月に報告書が作成されるます。次のホームページで確認してください。
http://kyoto.cool.ne.jp/daiokansai/
ちなみに西川著「環境ホルモン」(日本評論社)をめぐっても討論会が企画される気配で、とても楽しみです。
これから
長瀬:ゼロ・エミッションの全体像を知りたい。また食糧自給の方向を探りたい。
富田:ヘルマン・シェーア著「ソーラー地球経済」(岩波)のまとめをしたい。
林まさ:「物質とエネルギー」という講座プランをつくった。エネルギー問題を組み込んだので検討してほしい。
次回は
5月23日(日) 13:30〜
「林ラボ」
(一宮駅から徒歩5分 電話:)
番号 04C-002 送信日 04/03/09 差出人 林 正幸
件名 MOLの会通信
こんにちは、林まさです。
3月5、6日と夫婦で神戸に行って来ました。長男の子どものお宮まいりのためです。8月には3人目の孫が誕生の予定で、もうすっかり「おじいちゃん」世代になってしまいました。息子の方も「自分が親になるなんで・・・」と言っていました。要するに順番なわけです。お宮参りの場所は中山寺で宝塚の近くでしたので、ホテルをそこに取り、ついでに宝塚歌劇を鑑賞しました。これは結構楽しいものです。そこには女性のロマンがあるのです。
2月29日に開かれたMOLの会の通信ができましたので、メールにてお届けします。サークルの魅力は仲間の視点をすべて我が物にできることです。
ではまた。
04.2
事務局:林 正幸
MOLの会通信04−2号
今回は伊藤、岡田、澤田、鈴木とし、豊田、林まさ、船橋、堀の8名でした。今回も新しい仲間の参加がありました。
「でんきの科学館」での「なるほどサイエンス」は今年度も依頼があり、11月ということです。テーマは「色と遊ぼう」という案が出ました。
綿火薬(船橋)
かつて入手した同朋高校の実験書に従って綿火薬をつくってみた。濃硝酸10mlと濃硫酸20mlを混ぜ、20℃になったら脱脂綿0.5gを10分ほど浸ける(冬場は15分)。その後よく水洗いしてから乾燥する。手のひらで見事に燃焼した。
綿火薬は丁寧につくらないと出来が悪く、手のひらで燃やすと危険です。
マグデブルグ半球(船橋)
前回紹介の簡易減圧ポンプを利用してマグデブルグ半球の実験道具を開発中。すこしつばのあるボウルが100均で手に入った。これに1.5mmの穴を空けて試したが、ティッシュを燃やして減圧する場合は10回ほどで変形して駄目になる。すこし小さいボウルで、減圧ポンプ使用に限定して試してみる。なお注射器の先に取り付けるキャップはエチレンゴム製がよい。
なおこれは5月16日(日)のEHCで製作講習会を行います。希望者は連絡を!
共振実験転じて(船橋)
ビールの500mlの空き缶を単独、2つつないだもの、3つつないだものを板に載せて揺すり、2つつないだもののみを倒させる。よいアイデアのつもりが、生徒たちはそれを積み上げて「クロス抜き」にしてしまった。クロスの代わりはプリント。最高は9個だった。やれやれ。
表面張力(船橋)
紙の風車の羽根(3つ)の一方の側に修正液を塗って液が染み込まないようにして、他方の側にエタノールを染みこませ、銅線でつくった台を使って水に浮かべるとクルクルまわる。修正液を裏表に塗ると速くまわった。さてこの実験の実践者はその理由を表面張力としているが、エタノールが溶出する反作用ではないのか(愛知物理サークルより)。
そこでシャーレにエタノールを入れ、羽根に水を染み込ませたが、まわらない。風車が重くて沈むので、発泡スチロールを貼り付けて浮かせたが、駄目である。スチロールの板の両側にろ紙を貼って水とエタノールを染み込ませてエタノールに浮かべても動かない。
考えてみると、水がエタノールに溶けるとその部分はエタノールより比重が大きくその場で下に沈み、水面に拡がることはない。水にエタノールなら、エタノールが水に溶けて表面に拡がる可能性がある。どんな実験が結論を出すのでしょうか。
ヘスの法則1(林まさ、伊藤)
かつての実験を復活させた。スタートは水酸化ナトリウム4.0g(a)五酸化二リン2.4g(b)、水100ml(c)である。容器はポリコップを2つ重ねると、断熱性が高くかつ内部が観察できる。これに発泡スチロールのふたをつくり、温度計を差し込む。 1コースはaをcに加えて振り混ぜると温度が11.0℃上昇、ここでBTBを加えて塩基性を確認し、続いてbを加えて振り混ぜると12.0℃上昇した。合計23.0℃の温度上昇である。2コースはbをcに加えて7.4℃上昇、BTBを加えると黄色になり、続いてaを加えると16.2℃上昇、合計23.6℃の上昇となり、かなりよく一致する。
aもbも薬包紙でおひねりにしておき、aは中身を加える。溶解に少し時間がかかる。bは首のところで切り、中身がすこし見えるようにして投入してすぐに混ぜる。
温度上昇だけでも納得できるが、水の熱容量を使えば変化熱も求められる。
ヘスの法則はエネルギー保存の法則から当然であり、改めて確認実験をすることはないようにも思われる。しかし私の「講座プラン」の「物質とエネルギー」では、物質が持つエネルギーは状態量であり、その物質、その状態の身分証明書のようなものであるとしてスタートする。したがってそのことを確認する実験として位置づけます。
伊藤さんは水酸化ナトリウム水溶液、五酸化二リン、純粋な水をスタートにして実験してみた。
ヘスの法則2(伊藤)
盛口さんらの実験を生徒実験させた。スタートはマグネシウムリボン0.24g、2mol/l塩酸50ml、空気中の酸素。容器は熱量計測用のスチロールカップ、温度計はサーミスタ利用のデジタル温度計(0.1℃刻み)を使用する。目指すはマグネシウムの燃焼熱である。
マグネシウムを希塩酸に溶かすと温度が21.6℃上昇した。この反応熱は水の熱容量4.2J/g・℃を使って454kJ/molとなる。発生する水素はその燃焼熱286kJ/mol与えて、ゴールの塩化マグネシウム水溶液(と水)までに740kJ。他方で酸化マグネシウム0.40gを希塩酸に溶かすと7.3℃上昇で、この反応熱は153kJ/molとなる。したがって目的の燃焼熱は587kJ/molと求められる。化学便覧の数値は602kJ/molである。
水溶液の温度上昇を利用するこの種の計測は、正直なものである。
メタノールの燃焼熱(林まさ)
人類は物質のエネルギーを燃焼によって熱エネルギーに転換して利用してきた。その意味でぜひ生徒にも燃焼熱の計測をさせたい。かつての菓子の缶に入れた水をアルコールランプで暖める方式では、まわりを発泡スチロールで包んでも効率が60%を越える程度であった。これを改善したいと工夫する中で、Lアングルを切断したアルミ片を加熱する方式を思い付いた。
菓子の缶にアルミ片を600g(缶の熱容量も含めて)入れて温度を測ると16.4℃であった。水1[l]を準備して温度を測ると9.6℃であった。丸くつくった金網を被せて逆さにし、メタノールが入ったアルコールランプで5分ほど加熱する。缶を元にもどして水を加えて到達温度を調べると15.0℃である。そして燃焼したメタノールは1.23gである。
アルミニウムの熱容量0.88J/g・℃と水の熱容量を使って計算すると燃焼熱は570kJ/molとなる。文献値は727kJ/molであり、効率は78%である。
エタノールやアセトンなどの燃焼熱も計測してみたい。
チーズづくり(鈴木とし)
牛乳1カップ(180ml)を加熱し、沸とう前に火を止めて食酢15mlを加え、10秒ほどおいて静かにかき混ぜる。液が透明になったら固形部分をふきんに移して、水道水でもみ洗いする。そして皿に取り出して食塩を振って混ぜると、おいしいチーズのでき上がり。クラッカーに付けて試食するとなかなかの美味であった。
実際のチーズは乳酸菌による発酵でできた乳酸で牛乳が固まるのを利用する。これはヨーグルトも同じ。
プラスチックへの銅鏡反応について(澤田)
銅の薄膜は透過光が緑色になる。これに期待して今回は浅野さん(山形県立鶴岡工高)の方式で実験してみた。この背景には野曽原さんや藤田さんの研究がある。
PETボトルを切り出した板を洗剤できれいに洗い、六一〇ハップを2、3倍にうすめた液に2分間沈める。取り出して水洗いし、0.02%塩化パラジウム水溶液(塩酸酸性)に30秒沈める。続いて1%ビタミンC(薬局で入手すると安価)水溶液に30秒沈める。最後に0.1mol/l硫酸銅水溶液15mlに2mol/lアンモニア水12mlを混ぜてPETの板を沈め、ビタミンCの粉末を加えて容器のシャーレを揺する。すると1、2分で銅鏡ができて来た。
アクリル板や塩ビ板はこの方式ではうまくいかない。ビタミンCは飽和溶液にしてもうまくいかない。さらにきれいに確実にできるようにしたい。
なお刺激臭のアンモニアを使わずに済む方式がないだろうか。そのためにはこの還元反応の条件を調査・研究する必要がある。代わりにアミノ酸というアイデアもある。
話の中で、洋金は真ちゅう(黄銅)のこと、洋銀は銅と亜鉛にニッケルを加えた合金で銀色であることを確認しました。
滴定曲線(伊藤)
ユニバーサル指示薬を利用して滴定曲線を描く実験がある。どうせならpHメーターを使ってはどうかと実験してみた。
0.01mol/l塩酸20mlに、ビュレットから0.02mol/l水酸化ナトリウムを1mlないし中和点付近では0.5mlずつ加えて、その都度pHを計測する。数値で出るので明快である。計器は秋月電子のデジタルpHメーターキット(5000円)を製作して利用した。センサー部(オメガ社製pHセンサPEH−78604)のみ(3000円)を購入することもできる。
数値が安定するのに1分ほどかかるのがややまどろこしい。そして20ml加えてもpHが10にしかならない(本来12に近いはず)。こちらは調整の問題のようである。
安価な計器を気軽に利用するのはひとつの手法ですね。
発泡スチロールの実験(豊田)
プラスチック教材として発泡スチロールを選び、はじめ東急ハンズの「カラーペレット」を使ってみたが行き詰まり、(株)JSPにサンプルを送ってもらった。
http://www.co-jsp.co.jp/
それは透明な直径1mmのビーズで発泡剤としてブタン、それを溶かす助剤としてシクロヘキサンを含んでいる。
まず予備発泡として沸とう水に投入すると、白色になり2分ほどで直径3mmまで膨らんだ。ちなみにシクロヘキサンの沸点は81℃で、ポリスチレンの軟化温度も75〜100℃であるので、このあたりから発泡が始まる。このままでは弾力性がないので1日乾燥熟成する。すると水分が除かれ発泡剤と空気が入れ替わり、弾力性が生まれるようだ。これを100均のはさみ型茶こしに詰めて、やはり沸とう水に5分ほど浸けておくと、丸く成形できる。これから成形の鋳型をつくりたい。
さらに減容処理も実験する。ハンズでリモネン95%以上という「オレンジX」(1500円)という洗剤を購入して、手のひらで発泡スチロールをすり込むと溶けてしまった。ちなみにリモネンは単環式モノテルペンで沸点が178℃であり、スチレンに似た構造をしている。
ついでに乳濁液のオレンジXを試験管で加熱すると黄色透明のリモネンになった。試験管の上部には水滴が付いた。このリモネンにはスチロールが速く溶けた。
授業では発泡スチロールが
・氷の融解速度から断熱性がある。
・燃える。消してピンセットで引くと糸になる。
などの実験も加え、
・包装材、軽量コンクリート、生鮮食品の容器、インスタント食品のカップなどに利用される。
・また衣類、フィルターにも利用される。
・炭素と水素からできている。
・金属の型に入れて成形される。
またリモネンは
・柑橘系の植物油であり、香料や洗剤にも利用される。
・似ているからポリスチレンを溶かす。
・ポリスチレンのリサイクルに利用される。
などについて説明する。
次回は
6月6日(日) 13〜17時
**高校 化学室
(東門から入ってください。)
番号 04C-003 送信日 04/03/10 差出人 長瀬 好文
件名 まとめをありがとうございます
長瀬です。
最近の中日新聞に,林さんが参加された大阪でのダイオキシンの研究会のまとめが新聞記者によって書かれたのが出ました。読んでみると,記者の方の理解度が低いのか,両論をただ併記しただけというもので,結果的には安全性にそう問題はないのではないかと読者は読み取りかねないと感じました。予防の原則・未知の問題に対する考え方という大事な点が抜け落ちていると思いました。
番号 04C-004 送信日 04/03/11 差出人 川田 秀雄
件名 GIREP会議について
今日は、川田です。
正月、不摂生(呑みすぎ)から体調を崩しました。今は酒のない日々の生活にも幾分慣れてきましたが、ストレス解消と健康のため、近くのプールでほぼ毎日1000mくらい泳いでいます。
さて、先日笠先生から連絡がありました。2年前SwedenのLund大學で開かれたGIREPの会議が今年ポーランドで開かれる予定でしたが、あまり準備が進んでいないのか、笠さんにも連絡がないそうです。笠さんが知り合いのBrenda氏やZofia氏に尋ねたが、わからいとの事でした。
計画が遅れれば我々の参加もだんだん困難になるかもわかりませんね。分かり次第また連絡します。
ハンガリーのエステル・トスさんとサンドーラさんが8月22日から26日迄長崎の「放射線教育学会」に出席のため日本にきます。笠さんから「学会の前後で名古屋でも歓迎してもらえないか」との事でした。
どのような歓迎・交流がいいのか、具体的な日程がわかった段階でまた相談しましょう。
ではまた。
番号 04C-005 送信日 04/03/13 差出人 川田 秀雄
件名 Girep 2004 International Conference について
川田です。
うららかな春の到来です。いかがお過ごしでしょうか。
昨日、Girepの案内メールが届きました。今年はポーランドと聞いていましたが、チェコのようです。会議の概略は以下のとおり。
[Teaching and Learning Physics in New Contexts]
Tem:19-23 July 2004
Place:Ostrava Czech Republic Deadline for the registration:31 of March
2004
Deadline for the abstract :30 of April 2004
日程的に1学期末にかかり苦しいかなとも思いますが、いかがいたしましょう。詳しくは
Conference website:http://www.girep2004.cz
をみてください。
参加希望があれば、3月25日ごろまでに川田に連絡してください。希望者が何人か出れば改めて広く呼びかけ、3月末頃に参加希望者で集まり、とりあえず申し込みをしましょう。会議後の旅行等については業者を交えて検討したらどうでしょうか。
急な展開で心の整理がつきませんが取り急ぎ連絡まで。
ではまた。
番号 04C-006 送信日 04/03/18 差出人 林 正幸
件名 エントロピー考
こんばんは、林まさです。
1年ほど前から手を付けていたエントロピーについてのまとめをつくることができました。以下はアルケミストの会に送ったメールですが、愛科教ネットの中にも関心のある人たちがいると考えて、転送します。
ではまた。
<メールの転送>
こんばんは、林です。
冬が一時戻ってきてしまいました。しかし明日は終業式、そして明後日は春分の日ですね。あぜ道を歩くとつくしを見かけます。そして東京では桜が開花したとか・・・、春は確実にやってきています。
前のメールで触れたエントロピーについてのまとめができ、ホームページにも掲載しました。298K(25℃)、1atmの下におけるさまざまな物質1molの生成エントロピーについては、単体を基準にする数値なら化学便覧のデータから簡単に計算できます。具体的には次の関係式を使います。
ΔS
=(ΔH−ΔG)/T
しかし、いちいち絶対温度 T で割るのは面倒ですので、TΔSの数値を中心に見ていきます。
TΔS =
ΔH−ΔG
私はこれを原子を基準にする生成エントロピーに換算してみたのです。それには便覧にある単体が原子に分解するときのデータを利用すればよいわけです。そしてその結果は私にとって驚くべきものでした。そこには「個数の原理」が貫かれているのです。このことは単体を基準にしていては見えてきません。
気体の生成エントロピーについては、次のような関係式にまとめられます。
TΔS
= −32×( 原子数 − 1 )[kJ/mol]
(エントロピー自身に直すと、 ΔS = −107×( 原子数 − 1
)[J/K・mol])
たとえば四原子分子のアンモニアは
−32×3=−96
と計算できるのですが、実際には−90.9であるといった具合です。
定温定圧の下における気体のデータですから、アボガドロの法則が成り立ちます。したがって原子を含めて気体では、298K、1atmの下において、粒子1molが持つエントロピーは107J/Kであり、粒子がいくつの原子からできているかには概ね無関係であると言えます。
固体の生成エントロピーについては、 次のような関係式にまとめられます。
TΔS
= −42×(原子数)[kJ/mol]
(エントロピー自身に直すと、 ΔS =
−141×(原子数)[J/K・mol])
たとえば4原子組成の塩化アルミニウムは
−42×4=ー168
と計算できるのですが、実際には−164.6であるといった具合です。この場合も原子1molあたりエントロピーが141J/K減少するという「個数の原理」が見られます。
気体の場合と結びつけると、1原子組成では、気体が固体になるとき物質1molあたりでエントロピーが141J/K減少する。2原子組成では、原子が気体になる段階で107J/K減少するので、それが固体になるとき(141+34)J/K減少する。3原子組成では、原子が気体になる段階で(107×2)J/K減少するの
で、それが固体になるとき(141+34×2)J/K減少する・・・。
定温定圧の下における気体と固体の生成エントロピーの差は、融解エントロピー
ΔSm と蒸発エントロピー ΔSv の合計です。
ΔSm + ΔSv = 141 + 34( 原子数 − 1
)[J/K・mol]
つまり、298K、1atmの下において、融解エントロピーと蒸発エントロピーの合計は、原子が1つ増えるたびに34J/K・molずつ大きくなる。
液体はやはり複雑な面がありますが、それでも「個数の原理」はそれなりに貫かれています。液体の生成エントロピーについては、原子数が小さい(3まで)場合は
TΔS
= −30×(原子数)[kJ/mol]
原子数が大きい(4から)場合は
TΔS =
−33×(原子数)[kJ/mol]
という関係式にまとめられます。たとえば14原子組成のn−ブタンは
−33×14=−462
と計算できるのですが、実際には−459.6であるといった具合です。そして水素結合がはたらいたり、分子の対象性が高いとより減少する傾向があります。
より詳細な内容については、ホームページを参考にしてください。
http://www.water.sannet.ne.jp/masasuma/masa/nc2-2.htm
なおこれも次のアルケ資料として送るつもりです。
ではまた。
<以上>
番号 04C-007 送信日 04/03/23 差出人 川田 秀雄
件名 Girep の会議について
川田です。
皆さんいかがお過ごしですか。人事異動、入試発表、合格者登校、新年度準備と忙しい毎日だと思います。
さて、 girep会議に参加してはどうか、と言う声があがりました。そこで、希望者を募り、できればstray catsとして参加(発表)できたらと思いますが、どうでしょう。
会議の日程が7・19から7・23ですから、出発は遅くとも7・17ごろになるかと思います。今までのパターンですと、会議の最終日(役員さんの会議が多いので)はドロンして研修旅行に出かけていました。およそ10日めどの旅ですから、帰国は7・27ころになるかと思います。研修旅行の中身は後日,参加者と業者でよく相談して決めることになると思います。
来年度を展望していただき、申し込みが3・31日までですので、早急に決断して頂かなければなりません。
是非、 http://www.girep2004.cz を覗いていただき検討して下さい。見ればお分かりのように、申し込みはインターネットで行います。一人ではなかなか難しいので、顔合わせを兼ねて、参加希望者が集まり一緒に申し込みをしてはどうでしょうか。(何人の方がお集まりになるか、私も全体を把握している訳ではないので、わかりません。。)
日時:3月27日(土)2時から(都合で遅れての参加もOK。ご一報を。)
場所:飯田さん宅(**町。分からない人は飯田さんに電話してください)
参加予定者又は、はっきりしない方で3月27日に出れない人は川田または飯田さんまで連絡して下さい。
どうしょうか迷っている方も、顔を出して下さい。皆さんの参加をお待ちしています。
番号 04C-008 送信日 04/03/24 差出人 岡田 高明
件名 次回EHCは再々度リニアモーター
前回の3月14日(日)「リニアモーターカーの製作」では、抵抗を挿入したりコンデンサーを変更したりして、より完成度の高い回路の製作が行いました。ただ参加者が10名で、この段階に至って工作の進捗状況にばらつきがみられます。そこで再々度補習を行うことにしました。日時はマルデブルグの半球の予定日5月16日(日)をあてます。従って製作テーマが1つずつ順延となります。「リニアモーターカー」を頑張って完成させましょう。
日時 2004年5月14日(日)10:00〜17:00
テーマ リニアモーターカーの製作(4回目)
講師 藤田順治先生(名大名誉教授)
林ひろ崇先生
林 正幸先生
会場 ***高校物理実験室(3F)
予算 なし
前回(3月14日)回路設計変更に伴う部品代がさらに
2000円が必用となります。
準備 電気工作セット。
なお、当日都合により欠席される場合は原則として費用を出席者にことづけてください。どうしてもそれが困難な時は事務局まで電話またはメール(taka-oka@tcp-ip.or.jp)にて必ず連絡お願いします。事務局で預かり、後日代金と引き替えでお渡しします。
今後名古屋EHCの予定
9月26日(日)マルデブルグの半球
11月28日(日)強力電磁石
番号 04C-009 送信日 04/03/29 差出人 加藤 賢一
件名 清水の加藤です
こんにちわ。
今年度の集中討議の要項を送ります。
ふるって参加してください。
『 高校物理・<第二回>電磁気学集中討議2004 』
〜モーター・電磁誘導・電波〜
1.目的
旧課程では、物理TBの静電場などの知識の土台のうえに、この分野が教えられていた。それが今回の改訂で、モーター・電磁誘導・電波が教科書の一番はじめにくる。このことを念頭に、授業実践を踏まえた教育研究をおこなう。
2.日時・場所
2003/8/28(土)、29(日) 〒424-0901静岡県
静岡市清水 三保
2993−5
旅館「伯梁(はくりょう)」 〔TEL〕0543-34-0105 〔FAX〕0543-35-4946
3.申込み (5/1〜受付)
[参加形態] @レポーター Aオブザーバー B実験発表
[参加費] @宿泊する場合10000円 (宿泊費8000円・運営費2000円・お振込み)
A宿泊しない場合2000円 (運営費2000円当日払い)
[〆切] 第一次〆切:6/15 第二次〆切:7/15 キャンセルについてはJTBの規定に従う。(当日の申込みは受け付けない。)
あ) 申し込みは必ず、FAXでJTBへ(宿泊する人も,しない人も)
JTB静岡支店 〒420-0857 静岡県静岡市御幸町5−9〔TEL〕054-251-2398
〔FAX〕054-253-4135
【担当】 営業1課 古田島
い)宿泊する人は参加費10000円を下記口座にお振込みください。〔宿泊しない人は当日払い〕
『UFJ銀行 振込集中錦支店 (普)5596087(株)ジェイティビー静岡支店』
う)お問い合わせ **県立**高等学校
物理担当 加藤賢一
え)注意事項 ・レポーターの一般公募と実験発表は6月15日で締め切ります。実験発表は一人5分以内。
時間によっては発表できないこともありますのでご了解ください。一般公募のレポートは発表時間が少なくなることもありますので、ご了解ください。6/15現在で35名に達している場合、受付を終了する予定でいます。
4.日程(案)
8月28日(土) 8月29日(日)
13:00〜13:30 受付 8:00〜9:00
朝食
13:30〜18:00 開会式・自己紹介・レポート(3.5h) 9:00〜12:30 実験交流(1h)
@14:00〜15:10 レポート1 :レポート(一般公募・2.5h)
A15:20〜16:30 レポート2 12:30〜12:45
閉会式・解散
B16:50〜17:30 レポート3
18:00〜20:00 休憩・食事・入浴
20:00〜22:00 集中的な討議(2h)
22:00〜
自由・就寝
5.その他 ・大学・予備校で物理を教えている方も参加することができます。
・当日、レポート及び実験の説明などの資料を50部印刷して持参して
ください。
■
運営委員 ・加藤(静岡)企画運営、旅館業務 ・飯田(愛知)司会進行、写真記録
・右近(神奈川)司会進行、記録 ・湯口(埼玉)司会進行、写真記録
申し込み用紙(高校物理・<第二回>電磁気集中討議2004 モーター・電磁誘導・電波)
氏名(
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自宅住所(〒 )
自宅Tel(
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自宅FAX(
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メールアドレス( )
勤務先名 (
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勤務先Tel(
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勤務先FAX(
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参加の形態 (レポーター・実験紹介・オブザーバー)・・・丸をつけてください。
<レポートの要旨> 約( )分
<実験の内容> 約( )分
番号 04C-010 送信日 04/03/** 差出人 ** **
件名 ***********
番号 04C-011 送信日 04/03/** 差出人 ** **
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番号 04C-012 送信日 04/03/** 差出人 ** **
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番号 04C-013 送信日 04/03/** 差出人 ** **
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