番号 03G-001  送信日 03/07/07  差出人 林 正幸
件名 お楽しみ広場申し込みの現状

 おはよう、林まさです。
 6月29日に次のように「出展調査書」をファックスで送りました。最初よりさらに増えて望ましいことです。
1.申込者  愛知科教協
       担当 林 正幸
2.連絡先  私の自宅
       masasuma@water.sannet.ne.jp
3.出展  愛知のお楽しみ広場
      愛知科教協が総勢10名でさまざまな実験や商品を並べます。
      「音速を超える鞭」(杉本)
      「乾電池1つで動くキックモーター」(川田、林ひろ)
      「球体さいころ」(澤田)
      「ハーフミラーがつくる無限の世界」(戸田)
      「電解で色を付けたり、消したり、変えたり」(林まさ)
      「宙返りねこ」(奥村)
      「バケツバンデグラーフ」(臼井)
      「水のマジック」(山岡)
      「分割型引っ込み思案」(飯田)
      など
4.ブース 6つ並べてお願いします。

 その後ナイター満員騒動があり、林ひろさんから「ナイターに予定していた一部でもお楽しみで見せたい」という趣旨の要望があり、7月6日にブースを7つにするように要請のメールを送りました。本日になるとナイター問題が解消したとのメールですが、もし認可されれば7ブースで行きたいと思います。
 なおブースは都合で分割される可能性もあります。さらに会場は「子ども向けの出展を1階の展示ホールに、すこし落ち着いて話をしたいという要請のあった教員向けの出展を4階にします。」ということで、2つあります。向こうの会場配置の都合もあると思いますが、「是非こちらの会場を」をという要請があれば連絡してくだ
さい。
 展示用パネルは準備されるそうです。そして下にベニヤかビニールシートを敷くこともできるようで、これも希望があれば私に連絡してください。また火気の使用はある程度可能になるようですが、それを受けて出展内容を変更したいということはありませんか。
 最後に、現時点では出展内容は上記のように確認していますが、変更や、広さについての強い要望があれば申し出てください。とくに林ひろさん、変更があれば川田さんと確認の上、連絡してください。
 ではまた。


番号 03G-002  送信日 03/07/09  差出人 林 正幸
件名 サークルの日程など

 おはよう、林まさです。
 サークルなどの日程が混んでいます。私が知っているのは次のようです。できるだけだぶらないように次回を決めましょう。
 7月12日(土) 先進科学塾(「Myモーターに挑戦」コースの最終回)
 7月13日(日) MOLの会、愛知物理サークル
 7月19日(土) 華陽学区の「お楽しみ広場(正確な名称を知りません)」
 7月19日(土)、20日(日) 一宮EHC(H8マイコン)
 7月19〜22日 サマーセミナー
 7月23日(火) 先進科学塾打ち合わせ
 8月2〜4日 科教協東京大会(1日から宿泊多し)
 8月4日(月)、5日(火) アルケ合宿
 8月5,7,9,12,14,16日
      先進科学塾「電子やり取り反応の世界」コース
 8月5,6,9,10,11,12日
      先進科学塾「光と音の速度測定に挑戦」コース
 8月23日(土)、24日(日) 電磁気集中討議
   (確かこの日程でしたよね)
 9月 1日(月) 合同県教研実行委員会
 9月28日(日) 名古屋EHC(キックモーターなど)
10月4日(土)、5日(日) 科学の祭典
10月11日(土)、12日(日) 一宮EHC
10月18日(土) 合同県教研
11月1日(土)、2日(日) 一宮EHC(補習)
11月15日(土)、16日(日)電気科学館で講座(MOLの会中心)
11月30日(日)名古屋EHC(リニアモーター船など)
 1月10日(土)、11日(日) 討論合宿
 2月22日(日) 名古屋EHC(補習)
こんな世話も私の仕事かなと考えました。追加や訂正があれば連絡し合いましょう。
 ではまた。


番号 03G-003  送信日 03/07/10  差出人 林 正幸
件名 電磁推進船

 こんばんは、林まさです。
 先週の先進科学塾で、課題研究の応援のため電磁推進船を工夫してみることになりました。以来今日まで5日間頑張ったところ、ナメクジの速度ですが電磁力で推進される船ができました。磁石はネオジムを4つ、電池は単4を4本、そして硫酸の海を渡っていきます。船体はアクリル板で製作しました。簡単ではありませんでした。
 川田さん、山田さん、12日(土)の科学塾の最終日に持って行きます。材料もありますので、10時から始めるなら完成させられると思います。
 今日は報告のみ。


番号 03G-004  送信日 03/07/14  差出人 田中 英二
件名 H8マルチ測定器製作の連絡

 こんにちわ 田中です。
H8マルチ測定器の製作も今週の土曜日と近づいてきました。昨日、モルの会と物理サークルで手渡しできる人には、プリント基板を渡して、0.8mmで穴を開けてきてもらうことにしました。手渡しした人は以下のとおりです。
林正幸、船橋、伊藤昇、戸田、奥谷、山本 この6人です。

さて、もう一度日程の確認をします。
日程:7月19日(土)、20日(日)10:00から
場所:名古屋北高校 物理室(3階です)

持ち物:3万円
    工具、はんだごて(先の細いもの)、リード線、電動ドリル(持ってい
    る人は是非)、ヤスリ(小ぶりのもの)


番号 03G-005  送信日 03/07/15  差出人 林 正幸
件名 反磁性の実験とイオン交換膜の実験

 こんばんは、林まさです。
 先進科学塾は皆さんの協力を得て成功裡に終了することができました。生徒たちの満足度も高く、数名が夏休みの科学塾にも参加すると言っています。
 林ひろさんから材料も方法も手に入れた、黒鉛を使う反磁性の実験を私もやってみました。始め、ネオジム磁石を引き上げるフェライト磁石を1枚にしてコンパクトにしようと試みたのですが、見事に失敗しました。ネオジムが上に貼り付くか下に落ちてしまうかで、宙に浮かないのです。
 そこでよく考えてみると、私の理解が不十分であったことに気付きました。フェライトの下面がN極、したがってネオジムの上面がS極とすると、上の黒鉛の下面はネオジムが近づくとS極になるだけでなく、フェライトによってもS極になっているわけですね。つまり上の黒鉛の下面は二重にネオジムを押し返す力を持ちます。そ
してフェライトの枚数が少ないとその効果が小さく、まるで2枚の木板の間にネオジムを入れたようになってしまいます。
 もうひとつネオジムが黒鉛の間から出てこようとしないのも、黒鉛とネオジムの磁力線を描いてみると理解できました。これはUCASというおもちゃのこまが宙に浮くのを、上下逆さにしたような状態になっているのですね。
 以上のことは物理の人たちはすでに分かっているのでしょうが、私が書きたかったのは自分で実験をやってみる中で考えが発展するということです。「見るだけでなく手を出さなくては」ということです。
 イオン交換膜の実験については、アルケミスト「メーリングリスト」に送信したメールを引用します。
<引用>
こんばんは、林です。
 大学時代の友人の紹介で、イオン交換膜を入手できました。これは厚さ0.3mmほどのプラスチックシートで、陽イオン交換膜が黒色、陰イオン交換膜がほぼ無色です。保存は塩化ナトリウム水溶液に浸けておく必要があります。今日は手始めに次のような実験をしてみました。
 ステンレス板にろ紙2枚を載せ、BTBを加えた2%硫酸ナトリウム水溶液を染み込ませ、イオン交換膜を被せ、ろ紙2枚を載せて同じ水溶液を染み込ませ、またイオン交換膜を被せ、さらにろ紙2枚を載せて同じ水溶液を染み込ませ、ステンレス板を被せて、手まわし発電機で電気分解します。
 陰イオン交換膜2枚を使うと、これは陽イオンは透過できないので、陽極側は黄色になりますが、中間と陰極側がともに青色になります。つまり陽極側で生成する水素イオンが陰極に向かうのを阻止されるわけです。そして陽イオン交換膜2枚を使うと、陽極側と中間が黄色になり、陰極側のみ青色になります。今度は陰極で生成す
る水酸化物イオンが陽極に向かうのを阻止されるわけです。
 非常に明快な結果に満足しました。先日のMOLの会で披露したら、海水の淡水化実験をやったらと言われています。この交換膜は食塩水の電解用ではないので塩素には強くないため、硫酸ナトリウム水溶液の淡水化をやってみるつもりです。もっとも完全に淡水化すれば電導性がなくなるので、硫酸ナトリウムの濃度が減少すればよいと考えています。まだまだいくつもの実験が工夫できそうです。
 ではまた。
<以上>


番号 03G-006  送信日 03/07/20  差出人 林 正幸
件名 お楽しみ広場について

こんばんは、林まさです。
 科教協東京大会の科学お楽しみ広場は次の内容で受け付けられています。
   「音速を超える鞭」(杉本)
   「乾電池1つで動くキックモーター」(川田)
   「球体さいころ」(澤田)
   「ハーフミラーがつくる無限の世界」(戸田)
   「電解で色を付けたり、消したり、変えたり 電源」(林まさ)
   「宙返りねこ」(奥村)
   「バケツバンデグラーフ」(臼井)
   「水のマジック」(山岡)
   「分割型引っ込み思案」(飯田)
   「鉛筆落としとクロス抜き」(林ひろ ビニールシート)
 ブースは7つ並んでいて、場所は1階です。机は180×90です。単純計算ではひとりの間口は126cmです。これまでとくに要望は届いていませんが、何かありましたら数日うちにお願いします。
 ではまた。


番号 03G-007  送信日 03/07/21  差出人 鈴木 久
件名 サークルの日程つけたし

 林 正幸さん
 貴重な仕事ありがとうございます。鈴木 久です。
昨日、やっと市大会が終わり、ちょっとだけホッとしています。8月24日(月)、25日(火)に愛知民教連の大会があり、25日に理科分科会を任されています。たまに、他の人にお願いすることはあっても毎年、毎年やってきたのでそろそろネタ切れです。どなたか、手伝ってくださる方はみえませんか?
 なお、飯田さんから連絡が入っているように8月29日にいきいきの編集会議があります。


番号 03G-008  送信日 03/07/24  差出人 林 正幸
件名 EHCの予定変更について

 おはよう、林まさです。
 11月30日のEHCはリニアモーターの製作になっていたのですが、昨日講師の藤田さんに会って話をしたところ、この日は抜けられない用件が入ってきて、12月7日(日)に変更したいということになりました。もし不都合がなければ、このように予定変更したいのですが・・・。
 そして藤田さんには、部活動などでも活用できるように、馬力があるリニアモーターをお願いしました。皆さん、期待してください。
 ではまた。



番号 03G-009  送信日 03/07/**  差出人 林 正幸
件名 MOLの会報告

 こんにちは、林まさです。
 夏らしくなくて、私としては助かっています。昨日は科教協のお楽しみ広場などの準備をしました。先進科学塾のプリントの改訂も終わりました。早めにできることは精神的に楽ですね。しかし科教協の始まりの8月1日から先進科学塾の終わりの8月16日まで、かなりの長丁場ですので健康管理に注意しないといけないと思っています(飲み過ぎない!)。
 すこし遅くなりましたが7月13日のMOLの会の通信ができましたので、皆さんに送信しておきます。メンバーが固定されてきているので、まわりの先生に声を掛けてもらえるとありがたいです。
 ではまた。

<ホームページの引用>
                                   03.7
                               事務局:林 正幸
   MOLの会通信03−7号
 今回は岡田、河合、澤田、鈴木とし、林まさ、船橋の6名でした。科学の祭典の具体化や、新しく依頼された電気科学館の企画についても相談しました。

1.メタンとブタンのシャボン玉(岡田、船橋)
 市販のシャボン玉(友田商会)が安価に手に入る。そこで都市ガス(メタン)とライター用ブタンガス(卓上コンロ用は臭いので避けた)をポリ袋に採り、シャボン玉吹きを付けてシャボン玉をつくる。メタンは上にブタンは下に行くので、分子量が体感できる。さらにシャボン玉を追いかけてチャッカマンで点火する。この燃焼は空気がほとんど混ざらないので穏やかで、科学の祭典でもその一部として採用することになった。

2.BB弾で結晶モデルなど(河合)
 生分解性のBB弾を使って、塩化ナトリウム、水素、砂糖、ミョウバン、方解石、雲母などの結晶モデルを作って授業で見せた。溶解や再結晶の興味付けである。一部の生徒には実際にミョウバンの結晶を作らせている。しかし結晶の形が条件によって変化する理由まではなかなか難しい。
 授業では新聞記事も印刷して紹介している。

3.紫外線(河合)
 成長期の18才までに生涯のほぼ半分を浴び影響も大きいので、皮膚の老化やガンにつながらないように過度の日焼けは避けた方がよい。日焼け止めクリームは吸収して化学反応で熱エネルギーに変えるタイプや、散乱によってはね返すタイプがある。ただしその効果は長くは続かないことに留意しよう。ついでにUVチェックビーズを紹介して提供した。

4.ダイオキシンの毒性(河合)
 「ダイオキシン 神話の終焉」という本が出た。慢性的な毒性は明確なデータが出にくい。いたずらに騒ぎ立てるのは問題であるが、国際動向も見ながら慎重に見守っていく必要がある。

5.油性ワックス禁止(河合)
 埼玉の県立校ではシックスクール予防のため、トルエン、キシレンなどを含む油性ワックスを禁止することになった。県教委が作成したマニュアルではパラジクロロベンゼンを含むトイレの消臭ボール、たばこや香水にまで触れている。

6.光の3原色(船橋)
 赤、緑、青色の高輝度LEDそれぞれを、ラップの紙筒(長さ10cmほど)の奥にセットし、3V(単3を2本)そして赤色LEDには56Ωを直列に入れて光らせる。3原色を白壁に当てると、加法混色が見事に観察できる。赤色がやや強そうであるが、他の2色より壁から離せば問題ない。色セロハンの透過光に比べて、はるかに明るい点が優れている。

7.ゲジゲジモーター(船橋)
 100円ショップで大型たわしとボディマッサージャを購入する。あとはたわしにマッサージャを載せて輪ゴムで固定するだけ。マッサージャの位置を変えると、たわしの進む向きも変わる。
 大きいモール付きスチロール球(φ10cmほど)と丸棒(φ5mm)で光学異性体モデルを製作してみた。角度は、スチロール球がちょうど入る正四面体を工作紙で作り、面の中心で直角に穴を空けるようにした。

8.反磁性の実験など(林まさ)
 林ひろさんから材料も方法も入手した反磁性の実験を紹介した。木の枠の上に強力なフェライト磁石4枚を載せ、枠の中に黒鉛角2つを7mmの隙間を作ってセットし、その中にφ10mmのネオジム磁石を入れる。そして両サイドのフェライト磁石の距離を加減すると、ネオジム磁石が宙に浮く。小さいネオジム磁石を使うと簡単にできる。
 他に電磁推進船を披露しようとしたが、陽極側の腐食による抵抗のためであろう、十分な電流が得られず進まなかった。うまく行くときもあるが、もうすこし検討が必要である。
 2つの石を衝突させて爆発音を出す「爆鳴球(と名付けた)」は、開発途上のものを紹介した。赤リン側はリン1g、砂1g、石こう1gを混ぜて水2mlを加え、石に塗りつければ良さそう。これは塩素酸カリウムを貼り付けたセロテープを使って爆発する。問題は塩素酸カリウム側、水ガラスでも試したがはがれやすく結果もよくない。もうひと工夫が求められる。
 イオン交換膜を大学時代の友人の紹介で入手することができ、その実物を紹介した。これについては次回にいくつか実験を披露できる。

9.酸・塩基の定義をめぐって(林まさ)
 大学生からの質問があり、酸・塩基のアレニウス、ブレンステッド、ルイスの定義を整理し、ブレンステッドの定義にもとづいてプロトン得失表も作成してみた。
        プロトン得失表の一部             酸性度(pK)
    HCl     ←→ Cl-       + H+     −7.0
    H2SO4    ←→ HSO4-     + H+     −5.2
    H3O+     ←→ H2O       + H+     −1.7
    H2SO3    ←→ HSO3-     + H+      1.76
    HSO4-    ←→ SO42-      + H+      1.92
    CH3COOH ←→ CH3COO-   + H+      4.78
  H3BO3 + H2O ←→ H4BO4-     + H+      9.23
    NH4 +    ←→ NH3       + H+      9.25
    H2O     ←→ OH-       + H+     15.7
    C2H5OH   ←→ C2H5O-     + H+     16
    CH3COCH3 ←→ CH3COCH2-  + H+     20

この表では、右下がりの斜線で結ばれる酸と塩基は反応しやすい。
 また以前問題になったヨードホルム反応について、それが起こるかどうかは、カルボニル基のとなりの炭素に結合した水素(α−水素)が酸として失われやすいかどうかで決まることも話題にした。
 問題は高校化学においてどの定義をベースにして授業構成するかである。大方の意見はやはりアレニウスの定義である。思うに酸・塩基は電子やり取り反応より難しい。抽象的になってしまってはまずい。

10.ドラゴン花火(鈴木とし)
 執念で花火業者からドラゴン花火を入手して、生徒たちに実験させた。
 硫黄1g、アルミ粉末1g、松炭0.3g、木粉1gを半紙の上で静かに混ぜ合わす。硝酸カリウム3.3gを加え、さらに静かに混ぜ合わす。これを入手した紙筒に静かにしっかりと充填し、紙の円板2枚を押し込み、ボンドを流し込んで乾燥する。逆さにして紙筒の底の円板に静かに釘で穴を開け、やはり入手した導火線を差し込む。グランドで点火する(倒れることがあるので離れる)。
 サークルではベニヤの上でやりましたが、まさに本物の威力は十分です。材料としては木粉が非常に細かいことに注目しましたが、これは火力の調節用だそうです。また業者からの注意に「静電気防止のため化繊の服は避ける」とありました。

11.リン酸イオンによる水酸化鉄(V)コロイドの沈澱生成反応について(澤田)
 以前に水酸化鉄(V)のコロイド溶液にリン酸ナトリウム水溶液を加えると、一時的に沈でんするがすぐに溶解してしまうことが話題になった。この原因は水酸化鉄(V)のコロイド溶液が未精製であるので、同時に生成する塩酸の水素イオンがリン酸イオンと反応して、リン酸二水素イオンという1価のイオンになってしまうためである。
    PO43- + 2H+ ―→ H2PO4-
 このコロイド溶液を30分流水で透析した後にリン酸ナトリウム水溶液を加えると、問題なく沈でんした。なお未精製のコロイド溶液に対して、過剰な量のリン酸ナトリウム水溶液を加えるとこの場合は沈でんを生成する。それはリン酸イオンが2価のリン酸水素イオンで留まるからであろう。
 また透析したコロイド溶液にリン酸二水素ナトリウム水溶液を加えると沈でんが生成する。これは電離してリン酸水素イオンになるためであろう。
    H2PO4- ―→ H+ + HPO42-
 要するに反応溶液のpHが、リン酸水素イオンが凝析可能な濃度で存在するかどうかを決める。ちなみに塩基性にすればリン酸イオンが存在できるが、その場合は水酸化鉄(V)のコロイドは不溶性の水酸化鉄(V)の固体になってしまい、コロイドの凝析とは言えなくなる。
 フォインディッヒの研究では硫化ヒ素の凝析価が、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオンで10-4 mol/lのオーダーであるので、リン酸の各段の電離定数を使って、pHがいくつなら凝析するという予測はできそうで、それはおよそ3.4より大きい場合と計算された。これについて凝析したものに塩酸を追加する形で実験をしてみると、pHが2〜3ではそのままであるが、pHを1程度にすると沈でんが溶解した。これからするとpHが2より大きい場合に凝析すると言える。

12.球体さいころと鉄玉子(澤田)
 戸田著「おもちゃの科学」を参考に、スチロール球でいくつかの球体さいころを作ってみた。内部を立方体にくり抜き(実際には球を切断して、後で貼り合わせる)パチンコ玉を入れると、8までの目が出るようになる。次に正四面体を試みたが、パチンコ玉がうまく転がらない。正四面体2つをくっつけた六面体では、目の出方に差があるが5までの目を出せる。
 スーパーで南部鉄でできた「鉄玉子」なるものを購入してみた。効能はこれを入れて湯を沸かすと鉄分が補給できるというのである。「湯1リットルに0.042mgの鉄が溶出する」とある。その湯の中にヘキサシアノ鉄(U)酸カリウムとヘキサシアノ鉄(V)酸カリウムを加えてみたが、何の変化も見られなかった。検出限界以下である。
 しかしこれがすべて鉄イオンであるとしても、1日に必要な摂取量10mgあまりを確保するには、286リットルの湯を飲まなくてはいけなくなる。

    次回は
  9月14日(日) 13〜17時
  **高校  化学室


番号 03G-010  送信日 03/07/**  差出人 船橋 隆久
件名 Win98からWin2000へ

 船橋です。
 四半世紀近く続いている一宮EHCの集大成ともいえる「H8/3052Fマルチ測定器の制作」に7月19,20日と挑戦しました。田中先生が設計されたプリント基板のおかげで本体部分のテストにも合格し、充実した二日間になりました。田中先生に感謝!ありがとうございました!
 この測定器は「USBケーブルでパソコンとマルチ測定器をつないでプログラムを転送する」ということで、7月に思い切ってノートパソコンを購入しました。Win98とWin2000での転送確認はできていたといことで、Windows XPでのテストを昨日(28日)午前十時から我が家で始めました。送信テストは期待通りの結果で、何の問題もないこともわかりました。
 さらに「デスクトップパソコンとノートパソコンのネットワーク接続によるプリンタの共有」という難しい作業も順調に進行し、「今日はこのまま無事に終わり四時前には解散か」と思った矢先に、とんでもないトラブルが二人を待ち受けていました。そのトラブルとはこの「H8/3052Fマルチ測定器のテスト」とは全く関係ないところから発生しました。
 作業もほぼ終了し、デスクトップパソコンを使って文章を印刷したところ、文字の下の部分がほんのちょっと欠けるのです。1週間ほど前にはフォントがうまく使えないというトラブルもあり、Win98を上書きして解決したばかりなのです。田中先生から「Win98は不安定な部分があるから、思い切ってWin2000に書き直したら!」との話になりました。私はかつてOSのアップグレード作業で痛い目にあった経験があることから一瞬とまどいましたが、「ここはパソコンの大家がそばにいてくれるから大丈夫かな」と思いアップグレードの作業に入りました。
 これが悲劇の始まりで、「AKKNのデータが行方不明」「プロバイダのウィルスチェックが不可」「プリンタの使用不可」「ドライバが見つからない」「苦労してつながった無線LANも反応なし」と大トラブルが続出です。なにがいったいどうなったのかさっぱり分からない私の頭の中は真っ白になり、完全にパニック状態になってしまいました。「パソコンをいじっていればよくあること!ゆっくり解決していけば大丈夫!こういう経験が大切なんだ!」と言われて予定より11時間近く遅い深夜三時にいったん中断。AKKNのデータとウィルスチェック(これは私のIDの記憶間違いのため)は回復しましたが、大変な作業が残ってしまいました。
 「このままでは何も手につかない!」ということで、朝から孤独な作業が始まりました。プリンタの共有と印刷は回復しましたが、また新たな不具合が3点見つかり、ますます闇は深くなってきました。AKKNのホームページを作っているソフト「ホームページビルダー」が、フォルダを認識しなくなっているのには困っています。
 このメールは送信できると思いますが、状況はかなりの重傷と思われます。田中先生にまたご無理をお願いすることになるかと思いますが、助けてください!
 ではまた。


番号 03G-010  送信日 03/07/31  差出人 船橋 隆久
件名 パソコンで見る動く分子事典

 船橋です。
 書店で講談社ブルーバックス「パソコンで見る動く分子事典」を購入しました。付録CD-ROMには、「メタン」「エチルアルコール」といった基本的な分子から、アミノ酸・ビタミン類・環境ホルモン関連分子といった複雑な構造の分子など1200種類の分子データが収録されています。
 Windows98の場合は、付録CD-ROMをCD-ROMドライブに挿入し、CD-ROMドライブをダブルクリックして開きます。「Chime」と書いてあるフォルダを開き、インストールプログラム「ch203w32.exe」をダブルクリックすればインストールが開始されます。詳しくは上記の本に書いてありますので、その通りに操作します。
 インストールが終わったら、Windows スタート画面で「エクスプローラ」をダブルクリックし、「BLUBACKS」と書いてあるCD-ROMドライブをクリックします。そのなかに「index_cd」と書いてあるオブジェクトをクリックすると、「パソコンで見る動く分子事典」のスタート画面が現れます。その中にある「分子事典・入口」をクリックすると基本分子から複雑な分子まで1200種類の分子名が日本語で書いてあります。そこで見たい分子名をクリックするとブラウザ上で「ChemscapeChime」が起動し、いわゆる「分子モデル」を見ることができます。この分子モデルはモニター画面上で3D表示され、自由に回転することもできます。詳細は上記の本を参考にしてください。定価は1800円でしたが、内容からして決して高くはないと思いました。
 今回私は手持ちのパソコンをWindows98からWinndows2000にアップグレイドしました。いろいろトラブルが発生しましたが、このプログラムも起動しなくなりました。そこで「ChemscapeChime」の最新版(Windows 2000、Windows XP版)を本に書いてあった以下のURLからダウンロードしました。

http://www.mdli.com/

 ダウンロードするには登録が必要で、指示に従って必要事項を記入して送信すると、6文字のパスワードを送り返してくれます。
 最新版は「MDLChime26sp4.exe」(2.94MB)で、自動解凍ですから「yes」「next」と指示通りにクリックしてゆけば自動的にインストールされます。98版と比較して分子モデルの回転がスムーズになったように思いました。9月の「モルの会」(9/14)で紹介できればと思っています。
 ではまた。