番号 03A-001  送信日 03/01/01  差出人 田中 英二
件名 H8/4052Fマルチ測定器

 明けましておめでとうございます。2003年の始まりです。
 昨年から、プリント配線で作っていたH8/4052Fマルチ計測器が完成しました。完成といっても、まだとっても賢くありません。賢くするためにはプログラムと周辺機器を整えなくてはなりません。これのよいところは、この10月のEHCで勝野さんが速度をそのまま測定できると良いと言ったところから始まります。今までのタイマーでは、時間はきちんと計れましたが、速度や加速度は直接測れません。それを計るには、計算できることが必要です。マイコンであればそれができます。H8/4052Fはとても高性能なマイコンです。
 H8/4052Fの特性
1 ROM 512KB(100回以上書き換え可能)
2 RAM 8KB
3 25MHzのクロック
4 76本のポート
5 AD変換10μs(8チャネル)
6 16ビットタイマー4
7 DA変換2チャネル
8 ボード付き完成品4200円
9 書き込み5Vでできる
以上
 このマイコンを使って作りました。今度、1月4日EHC事務局へ持っていきます。


番号 03A-002  送信日 03/01/02  差出人 船橋 隆久
件名 Re:H8/4052Fマルチ測定器

 明けましておめでとうございます。長男の久しぶりの帰省もあって、ゆっくりと3人で過ごしています。
 しばらく途絶えていた「一宮EHC」に明るい話題ですね。田中先生の執念がついに実ったのですね。4日の事務局会議が楽しみです。これは盛り上がること間違いなしです。私は次回EHCのテーマ「小型高圧電源の利用」の宿題(化学平衡モデル)を持ってゆき、みなさんに検討してもらう予定です。
 話は変わりますが、2年半前の自作パソコンの件で、年末からWindowsの終了が時々うまくいきません。エラーメッセージがでてフリーズ状態になり、最終的にはRESETしかありません。以前田中先生から「Windowsの再インストール」の話を聞いた記憶がありますが、まだ試してありません。再インストールでハードディスク内のソフトやデータが消えてしまわないか不安だからです。こうしたソフトやデータが消えないWindowsの再インストールの方法を教えていただければ幸いです。
では、4日を楽しみにしています。


番号 03A-003  送信日 03/01/02  差出人 田中 英二
件名 Windows98の再インストール

 明けましておめでとうございます。今年も皆さんが健康で、気力に満ちて活動されることを心からお祈りいたします。
 さて、船橋さんのWindows98second Edition の再インストールについてお答えします。次のように行ってください。
 1.コンピューターを起動し、Windowsの初期画面にする。
 2.Windows98 Second EditionのDiskをCD-ROM Driveに入れる。
 3.入れたWindows Diskからの画面が表示されるので、そこから、CDの参照をクリックします。
 4.そうすると、その中に、SETUP.EXEがあります。それをダブルクリックすると、後は、自動的に再インストールします。
 5.いままで、インストールされているプログラムはそのまま、変化しませんのでご心配なく。
  この通りにやってみてください。では、1月4日を楽しみにしています。



番号 03A-004  送信日 03/01/06  差出人 林 正幸
件名 あらぐさのように

こんばんは、林まさです。
 必要に迫られて生徒たちに次のような文章を書きました。読んでください。
 ではまた。

  「二つの質問に対して」
                  林 正幸

 生徒からよく二つの質問を受ける。これらは短時間では答えにくいので、不十分な返事をしてしまう。しかしこの校誌の文章が最後のチャンスである。そしてこの返事はある意味で私の生い立ちや生き方を語ることである。

<どうして先生になったか>
 小学生の頃、今は亡き父がよく工作をつくってくれた。夏休みの宿題は大いに助かった。今でも印象に残っているのは、月の満ち欠けの理由が分かる装置と、よく見えるガリレオ式地上望遠鏡である。前者は地球の位置に回転する鏡を取り付け、まわり八カ所に配置した半分黒く塗ったピンポン球をのぞくのである。後者は眼鏡屋で凸レンズと凹レンズを買い、厚紙を水で濡らして円筒を作った。私はこのようなアイデアに感心した。
 中学校では土屋先生に出会った。先生は授業で次々に「これはどうなる?」と質問を積み重ねていく。たとえば「上弦の月は夜の一二時にはどの方向に見えるか」というようである。私はその理由を考えて答を出すことに知的快感を覚えた。すぐに手を挙げて指名されるようにした。手を挙げてから考えていたので、あるとき指名されても答えられないことがあった。こうして私はものごとに対して「どうして?」と考える力が身に付いた。
 高校になると自分で動き出した。「物理化学部」のことは2年前の「たまきはる」に書いたが、他にはラジオづくりなどに夢中になった。当時はダイオード、トランジスタが登場した時期であるが、主力は真空管であった。今のようにキットになっていないので、部品店をめぐって材料を集めた。そしてこのときの経験が、二〇年あまり前に理科教師のためのエレクトロニクス工作サークル(EHC)を立ち上げるのに結び着いた。
 私は物理も化学も好きだった。とくに物理の、ものごとを理論的、数学的に解明する魅力はたまらないものであった。しかし同時に、このような方法が人間の生き方や社会のあり方に適用できるかについては、大きな疑問を感じていた。だから一時、大学は哲学か宗教学に進もうと考えたこともあった。話を戻して物理に比べて化学が理論的でないと感じた私は、大学で研究者になり化学の理論化に貢献したいと決心し、化学系を志望した。
 大学に入ると、化学が理論的でないというのは間違いであることが分かった。それは化学がより複雑な対象を研究するので、高校段階ではその理論をとても教えられないのであった。そして研究者への夢はふくらみ、大学院まで進むことにした。私が取り組んだのは有機化合物の反応機構(分子がどのように反応していくか)の解明である。
 しかし、科学研究は誰よりも早く新しいことを発見してその栄誉を獲得することが最大の目的であるように見えた。それは人間関係を損なう面もある。自分は一生をこのようなことにささげるのか。そしてあるとき決心をした。化学好きを活かすもうひとつの道に高校教師がある。この仕事は人間性豊かである。そこであわてて免許状の取得に必要な科目の単位を取った。

<どうして作業服を着ているか>
 私が教師になって最初にしたのは化学教育の研究サークルを立ち上げることであった。それはみんなの知恵を持ち寄ってこそ、よい授業実践が生まれると考えたからである。これは「MOLの会」と名付けられ、いまなお続いている。
 私が教師になった一九六〇年代後半は、公害が社会問題になり始めていた時期である。もちろん水俣病などはすでに発生していた。私は仲間と、名古屋市北区の二つのセロハン工場の公害に反対する住民運動に参加した。それには二つの理由があった。
 一つは「化学(科学)を何のために教えるのか」というテーマの具体的な解答が欲しかったのである。生徒は「先生、何のために理科を勉強するんですか」と質問する。そして高校生の公害問題に対する関心は高かった。地域では住民運動を抑えるために必ずデマが流される。これに対して住民運動ではくり返し学習会を開いた。そこから「公害に立ち向かうためには、科学で武装する必要がある」という教訓が引き出された。これはひとつ公害問題に限らず、すべて国民が抱える問題を解決するために共通することである。
 二つは「教師の社会的責任」という課題のためである。教師は学校でしっかり授業していれば十分であろうか。教師も一社会人として、そしてその能力を活かして地域の問題に係わるべきである。セロハン工場は悪臭のある硫化水素と、もうひとつ臭いはそれほどでないが神経を冒す二硫化炭素を排出していた。住民学習会において化学の教師である私の果たすべき役割は重かった。こうして学校が終わると地域に出かけて夜遅く帰る日々が続いた。住民運動は二つのセロハン工場を廃業および移転に追い込み、当時全国的に見ても第一級の成果を上げた。現在跡地にはアパートが建ち並んでいるが、この北区セロハン公害対策協議会の運動を知る人たちは少ない。
 公害問題との係わりは、さらにいくつかの教訓を生み出した。ひとつはセロハン工場に乗り込んだときのことである。私は住民から期待されていた。しかし現実には工場の装置のほとんどが理解できなかった。悲惨であった。理論偏重で実際的知識に乏しい自分は根本的に問題があることに気付いた。私は泥にまみれながら、にわか勉強をした。そして私の授業は大きな変革を迫られた。ひとつの課題を実際にやり遂げられる能力を修得することが大切である。
 二つは科学研究者の社会的責任である。現在大学のあり方が問われているが、国民の立場からすると、その専門性を活かしてもっともっと地域や国全体の問題に係わって欲しいものである。言い換えると、科学者あるいはエリートは立身出世や私利私欲のためではなく、社会や人類の未来のためにこそ活躍してほしい。幸いセロハン公害では三人の研究者が参加してくれた。
 さらに言うと、君たちは何のために学ぶのか。それは何よりも、獲得した能力をみんなのために活用するためにこそ学ぶのだ。他人を押しのけて有名大学に入るためではないだろう。自分だけの豊かな生活を追求するためではないだろう。看護を目指す生徒などは自覚しているだろうが、自分も社会に奉仕できるようになるために学ぶのである。そう考えたら、誰もが学ぶ意欲を獲得できる。夢を持って協力し合って学習できる。
 さて教師十一年目で、自分の希望もあって私は工業高校に転勤した。そこでは多くの先生が作業服を着ている。生徒も実習のときは作業服を着る。この服こそがものを作り上げる! そして国民の生活の基礎を支えている! こうして私も作業服を着るようになった。愛用してみると白衣より薬品に強い。丈夫で長持ちする。ときに「工事の人かと思った」と冷やかされる。そう、それでよいのだ。私はそのような立場に立ってものを見ていることを、そのことの重要性を分かって欲しいのだ。君たちが喜ぶたくさんの実験も、私のそういう姿勢があってこそ生まれたものだ。

 春が来る。再び緑がよみがえる。「あらぐさのように」生きよう! あらぐさとは雑草のこと。雑草はちやほやはされないが、したたかに生きている。そして光合成によって生命を支え、地球環境を守り続けている。いま人類は大きな課題に直面している。経済第一主義を乗り越えて、環境を守り人間が助け合える地球にしていく思想が必要がある。それを生み出していくのは他ならぬ君たちと、そして私たちである。この思想は「あらぐさのように」してこそ生み出されるものであろう。
              (二〇〇三年一月)



番号 03A-005  送信日 03/01/06  差出人 岡田 高明
件名 次回EHCの案内

 あけましておめでとうございます。
 次回のEHCの企画は「小型高電圧電源利用キットの製作」です。キットは電源部とガイガーカウンター、化学平衡モデル、ブラウン運動モデル(浸透圧モデル)からなります。電源部はコンパクトなプラステック容器に小型高圧電源と8本の乾電池を収納しています。ピン端子で入力電圧を6、9、12Vを切り替えて出力電圧(最大5000Vを変化させることができます。
化学平衡モデルやブラウン運動モデルとも墨汁処理スチロール球が底のアルミテープと蓋の金網との間をかかる電圧に応じて上下運動の繰り返します。中のスチロール球の動きも金網を通してはっきり確認する事ができます。
一方ガイガーカウンターはフィルムケースにブタンガスをつめ放射線による放電をラジオで受信するもの(米村傳治郎式)です。

日時   2003年2月23日(日)10:00〜17:00
テーマ  小型高電圧電源利用キットの製作
講師   船橋 隆久
      奥谷 和彦
会場   **高校物理実験室(3F)
準備   30cm定規、大型カツターナイフ、万能はさみ、
      電気工具セツト(半田付け道具、ラジペン、ニッパ、リーマー)
予算   3500円程度

製作を確認した方は次の方です(敬称略)
 林ひろ崇、林正幸、田中英二、戸田亜昭、岡田高明、
製作を希望される方は1月18日までに事務局岡田までメール(taka-oka@tcp-ip.or.jp)をお願いします。



番号 03A-006  送信日 03/01/08  差出人 戸田 亜昭
件名 ウクライナよりの手紙2002年12月

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 その後のアレキサンダー カザチコフさんからのメールをご覧下さい。ホームページを覗いてみたら,日本と同じような状況があるようですね。昔ながらの教え方ではうまくいかないとのことです。物理教育に関する交流にウクライナへ行きたい人はご連絡下さい。8月の始めに3,4日の会議を計画しているようです。会議中,同伴者の面倒も見てもらうようお願いできると思います。その後,少し観光旅行もしましょう。でも,チェルノブイリは恐いですね。
 日本で現在,ウクライナ語についての本は次の二冊しか出版されていません。
『ウクライナ語基礎1500語』 黒田龍之助編 大学書林 3000円
『ウクライナ語入門』 中井和夫 大学書林 ?円 A5判224ページ
ロシヤ語の方言みたいな言語です。
歴史的にはウクライナ語からロシヤ語がでてきたようです。D. I. メンデレーエフの周期表のついている彼の化学の本に同じような文字がでてきます。その他ウクライナについてなにか情報をお持ちの方は教えていただけるとありがたいです。



番号 03A-007  送信日 03/01/12  差出人 近藤 直門
件名 航空写真公開

 近藤です
 国土地理院が航空写真を試験公開し始めています.名古屋周辺のものも公開が始まりました。濃尾平野全域があるといいのですが、1946年から50年に米軍がとったものと2000年にとったカラーのものがあります。米軍がとったものでは微地形が非常によく分かります。2000年のものと比べてみると、いかにすさまじい勢いで都市化が進んできたかがよく分かります。東海豪雨水害の被害地域も見比べてみると、よく分かります。
 利用は無料です。HPのURLは
http://mapbrowse.gsi.go.jp/airphoto/indexmap_japan.html



番号 03A-008  送信日 03/01/13  差出人 山岡 世司郎
件名 Re:次回EHCの案内

 山岡です。
 物理サークルでの船橋さんの発表した、分子運動模型を作るということで、2月23日のEHCに参加するつもりでしたが、残念ながら(?)その日は大安で、別件で参加不能になりました。
 そんなわけで、ということではないですが職場で同様な装置を作り試してみました。金網でなくとも、透明なアクリルに銅線を網状に貼り付けることで、スチロール球は十分飛びまわることがわかりました。銅線の間隔はかなりあいても(数センチ)OKでした。
 ついでに、平面電極の中心部に大きな穴をあけてやってみました(電子銃のモデル)。けっこううまく穴から飛び出るスチロール球もあります。ただ、あまり高く飛び出さないので一工夫必要ですが・・・・。
 最後に船橋さんに質問です。
 単1を8本入れる電池ケースが見つかりません。インターネットの通販などにも見つかりません。どこで売っていますか?それとも手作りでしたでしょうか・・・・・



番号 03A-009  送信日 03/01/13  差出人 加藤 賢一
件名 清水の加藤です

 はじめまして。 ときどき、愛知の物理サークルに顔を出して、勉強させてもらっています。清水市の加藤賢一です。
 現在、工業高校で授業をしているので、「生徒にとって面白い物理」を目指して、授業をしています。いままで、科教協の実践には大変お世話になってきたのですが、やや、「アカデミックすぎる」「真面目すぎる」、と、感じる今日この頃です。
 教育実習のときの指導教官の授業は、高校のときに受けた受験の物理と違って、身の回りにある自然の生の事実や、工業的なものをふんだんに取り入れたもので、現在のわたしの授業のひとつの視点となっています。(教官の授業は、受験校〕

<飯田洋治先生にメールしたものを下につけます。>
 あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 熱学集中討議は日程と場所は以下のようにして、押さえたいと思いますが、いかがのものでしょうか。
日時:2003年 8月23(土)・24(日)
場所:清水市 旅館「伯梁」

1.ストローを袋から抜き取って、箔検電器に近づけると、箔が開く。
  摩擦して、何度も、箔検電器の頭部にくっつけると箔が開いたまま閉じない。
  手で触ると、閉じる。
  それでは、箔検電器の頭部に手で触りながらストローをくっつける。そして、
  まず、手を離してから、ストローを離すと。箔が開く。しかし、このとき、た
  まった電荷は前やったものと逆になります。というのは、摩擦した、ストロー
  を再度近づけると、箔が閉じてしまうからです。溜まる電荷が逆になるのか。
  ・箔検電器の<箔破れ>の修理は業者に頼むしかないですか?
2.旅行中、バイクのエンジンがかからなくなった。鹿児島で16年ぶりの大雪に
  なり気温が低かったため。
  原因としては「プラグのガソリンのかぶり」「バッテリーの電圧低下」
  電圧低下は温度が低く、反応速度が遅くなったことも原因のひとつなんでしょ
  うか。
  鹿児島のガソリンスタンドで無料で対応してくれた。しかし、考えることがあ
  った。バッテリーをチャージするときに、まず、マイナスから抜く。そして、
  プラスをぬく。つけるときは、逆。なぜか、ショートしないようにということ。
  なぜ、その逆だとショートしないのか。
  ショートすると何がいけないのか。肝心なことは、書物に書いていない。
  バイク屋のメカの人や、電気科の先生がたの話を総合するとこういうことらし
 い。
  1、まず、マイナスからはずす訳。逆に、プラスから外すと、外すときバッテ
    リーと車体によっては、ドライバーなどの金属と車体が接触する恐れがあ
    る。マイナスがつながったままだと、車体がマイナス極とおなじ電位にな
    り、ショートする危険性がある。
<授業では> 回路において金属でつながれた部分は等電位。もしくは、アースのところで触れたい。ちなみに、機械科の生徒は興味津々。
  2、なぜ、ショートするとまずいのか。大電流が流れヒューズが切れたり、電
    線が切れたりする。もっとも、ヒューズは切れてこそ意味があるのだが。
    また、エンジンルームは引火物(気体)があるそうで、爆発の恐れがある。
    たとえば、鉛蓄電池からは水素が発生すると聞きましたどうでしょうか。
  3、物理的にはショートは教科書にでてこないけど、面白そうですね。電圧が
    15vでも、抵抗が小さければ、大電流が流れてしまう。生徒にとっては、
    電圧は電池によって直接経験しているなじみのある量ですが、電流はそう
    は行かない。ヒューズは熱現象や金属の融点にも関係している。イギリス
    の教科書では扱っている。ちなみに、私は、車のヒューズボックスなるも
    のを、長いこと知らないでいた。そういうことは工業の生徒は良く知って
    いる。一般の生徒には、そういう、車の部品など役にたつ知識から物理に
    戻る事が必要なんじゃないかと思う。また、ショートで火花が散るのは、
    電圧で考えたら良いのか、電流で考えたらよいのか。どちらにしても、窒
    素や酸素の束縛された電子を電場が引きちぎって、電流を流すわけ。つな
    いだとき、または、きるときのファラデーの法則で、高電圧がかかったと
    考えるのが良いでしょう。
3.電気科の先生によると、バッテリーの電圧が、時間たって、電圧が低くなるの
  は、起電力は12vのままで<内部抵抗が大きくなった>と考えるらしい。内
  部抵抗は私自身入試問題でしか、実感することができない量だったが面白そう
  。どちらかというと化学の先生むけかしら。要するに、電極を決めると、すで
  に、電極間の電圧は決まっている。これは、多分、電極に使われる金属の電子
  を吸引する能力によって、決まってしまう値なのでしょう。
  また、バッテリ-は並列に使うと、弱いほうの電圧になってしまう。バッテリー
  間で循環電流が流れる。(バッテリー間に電圧の違いがあるため)そして、電極
  に腐食が始まり、酸化したりして、抵抗が大きくなって、バッテリーがいかれて
  しまうこともあるそうだ。バッテリーは難しいらしい。
4.わたしは、おっちょこちょいなので、よくバッテリーをあげてしまう。車にブー
  スターケーブルを備えている。バッテリーのつなぎ方などは女子でも一度聞いて
  おいても良い知識だと思う。
  長くなりましたが、ここで終わります。<ここまでが、飯田先生へのメール>

:皆さんにお願い。この、電気のショートのことや、電磁気に関することで、面白いネタが、あったら、メールしてください。私が思うには、趣味の世界のなかや、遊びの世界に生徒が興味を示す、物理があるのではないかと思います。(物理とか化学と分けるのは人間であって、バッテリーはバッテリーでしかなく、自然を丸呑みで捉える視点も大切だと、思います。)そこには、教科書ナイズされる前の、混沌とした世界、つまり、人間が失敗したり、悩んだり、思い込みだったり、泣いたり笑ったりがあるから生徒に受けるのだと思う。どちらにしても、「実用的な物理」は、イギリスでは大変に重要視されています。それでは、また。



番号 03A-010  送信日 03/01/13  差出人 加藤 賢一
件名 ジャンピング

 清水の加藤です。  
 ジャンピング(バッテリーの救援)について、質問があったのでお答えします。
(株)ナツメ社 「オールカラー版 カー・メンテナンス百科」
   ISBN4-8163-2402-x」p134より抜粋。

1 ブースターケーブルには接続する順番がある。絶対に守らなければならないわけではないが、この順番で接続すれば、もっとも安全にブースターケーブルを接続することができる。
2 車を近づける。
3 救援車のバッテリーが弱るといけないので、エンジンを始動しアイドリング状態にしておく。さらに、不必要な電装品はすべてOffにしておいたほうが良い。
4 最初に故障車のプラス端子に赤いブースターケーブルを接続する。クリップをしっかり端子に挟む。
5 救援車のバッテリーのプラス端子にそのコードをつなぐ。「そのとき、クリップの金属部分をボディーなどに触れさせないように注意する。」(「  」は強調:加藤がつけた)
6 救援車のマイナス端子に黒いブースターケーブルを接続する。
7 故障者のバッテリーのマイナス端子にではなく、エンジンのシリンダーヘッドやブロックなどに接続する。
8 しばらく放置しておくと、故障車のバッテリーに充電が行われる。
9 故障車のエンジンを始動するときは、救援車のエンジン回転数を2000回転以上に高めて、発電能力を高めておくといい。故障車の始動能力が高まり、救援車のバッテリーも保護することができる。
10 すべての電装品をオフにした状態で、故障車のエンジンを始動してみる。一発で無理の場合、しばらく、充電してから、再度チャレンジする。


以上が、本に載っていたものの抜粋です。単に1つのバッテリーを取り外す場合と、基本的には同じですが、ジャンピングの場合、救援者のマイナスがボデーと接続されていますので常に、ショートの可能性があるわけです。その辺が、ひとつでやった場合と違うと思います。ひとつの場合は、かなりの確率で危険なショートを防ぐことが、可能になると思います。この本は、写真が多く分かりやすいので、学校の図書室に一冊入れておくと、生徒が見ると思います。(おわり)



番号 03A-011  送信日 03/01/15  差出人 林 正幸
件名 「環境・公害と教育」に参加して

 こんばんは、林まさです。
 今年の討論合宿の、白井先生の「新しい進化観について」は久し振りに概念の洗礼を受けることになりました。
 多くの理科教師は素朴にネオダーウィニズムなっています。つまりDNAの変化で突然変異が起こり、適者が生存することで生物は進化するというわけです。しかし彼女の話は全く違っていました。生物はエネルギー的に余裕を持っており、DNAにランダムに起こるさまざまな変異を貯め込むことができ、環境に合わせて有用な遺伝子を活用し、生活の中で獲得した形質が長い時間をかけての自然選択の結果としてDNAに固定していくというものでした(表現が正確でないかも!)。それに加えて、数時間に及ぶ質問の繰り返しに、何度でも丁寧に説明する彼女の人柄に、頭が下がりました。
 さて私は12日の朝食後、すぐに全国教研の「環境・公害問題と教育」分科会に参加するために土岐市に向かいました。幸い遅刻せずにすみました。
 本部から依頼される形で参加することになったのですが、天神川の自然と共存する運動(岐阜)や、給食婦さんから始まる小学校における米づくりの総合学習(東京)など、やはり実践から学ぶことはたくさんありまた。
 私のレポートは、新任の頃に取り組んだ名古屋市北区のセロハン公害に反対する住民運動の教訓とそれに基づく12時間をかけた「公害の科学」という総合学習、および最近手がけてきた化学全体にわたる授業プリントの中の関連部分とその背景の環境問題のとらえ方を内容としたものです(合同県教研でも資料として配布した)。
 私としてはやや間に合わせ的に考えてきた環境問題を、人類の展望を見い出すためにしっかり捉え直していこうという決意が固まった3日間でありました。
 ちなみにこのレポートの最後に掲載したエネルギー計算は間違っていないことが、日刊工業新聞の記事で確認できました。補足して整理すると次のようです。
  太陽からのエネルギーを1,000,000とすると
    光合成で植物に吸収されるのが          880
    化石燃料で消費するエネルギーは         54
    (食料として消費するのは               7程度かな)
    (人類が消費する全エネルギーは         90程度かな)
反射ですぐに宇宙に放射されてしまうのが290,000です。海洋が吸収するエネルギーは380,000であり、地球環境の安定化に大きな役割を果たしていることがうかがえます。そして大陸が受けるエネルギーは90,000であり、これは身近に利用できます。また風のエネルギーになるのが7,000であるのに対して、水の位置エネルギーになるのは30であり、その意味でも「脱ダム宣言」は正しいようですね。
 いまや環境問題は、社会的問題であると同時に、限られた資源とエネルギーを人類ひとりひとりが互いに相手を尊重しながら民主的にどう活用していくかという、個人的問題でもありますね。つまり私たちの便利快適志向の生活を見直すことが避けられないと思います。
 ではまた。



番号 03A-012  送信日 03/01/18  差出人 船橋 隆久
件名 Re:Re:次回EHCの案内

 船橋です。
 山岡先生から質問のあった「単一8本を入れる乾電池ケース」の件ですが、私は「単一4本を入れるケースを2つ両面テープで接着」して作りました。EHCで作る予定になっている電源部では、生徒実験用に準備することも考慮して、単三のアルカリ乾電池を8本使用することにしました。この場合も4本入りの乾電池ケースを2個使用します。準備等でかなりの時間この電源を使用していますが、単三でも大丈夫です。
 それから、昨年末の物理サークルで提案のあった「OHP用ブラウン運動モデル」も作ってみました。拡大してみるのも迫力があって、おもしろい物ができました。EHC事務局で話題になった「水の沸騰モデル」など、アイデア次第でさらに楽しいものに発展できそうです。
 ではまた



番号 03A-013  送信日 03/01/22  差出人 田中 英二
件名 EHC事務局グループへ

 こんばんわ。田中です。
 1月4日のEHC事務局会議から3週間ほど経ちましたが、お元気でお過ごしでしょうか。H8/3052Fを使ったマルチ計測器で音速測定をしてみました。音速測定カードは、林正さんの方式をそのまま使いました。最低単位1μsの測定をしたところ、多少ばらつきはありますが、331.5+0.6Tの公式にほぼ合う測定が出来ました。また、速度と時間をプッシュスイッチで切り替えることも出来るようになりました。だから、速度がそのまま表示できます。
 いままでのところ、出来るようになったのは、
 1.振り子の周期の測定
 2.速度の測定
 3.音速の測定
この3つです。
 つぎは、重力加速度の測定に挑戦したいと思っています。また、ディジタル電圧計としても使えるようにしたいので、表示にマイナス表示が出来るようにしたいと思っています。
 もう一つは、シリアル通信をして、パソコンとのインターフェイスを作りたいと思っています。また、出来ましたら連絡します。



番号 03A-014  送信日 03/01/25  差出人 戸田 亜昭
件名 旅行会社からの情報と from Alex, Ukraine

 ウクライナの会議,旅行について旅行社に少し調べてもらった情報を送ります。
 ウクライナに行くためにはビザを取らないといけないそうです。その決定は大使館の判断によって行なわれるそうです。手続きは旅行社が代行してくれますが,お金と日にちが余分にかかるようです。だから,参加確認を早めに行なった方がいいと思います。 日本からウクライナに行くルートはロシア経由とトルコ経由があるとのことです。(同僚の話ではオーストリア経由もあるそうです。)但し,ロシア経由の場合にはさらにトランジットのビザも必要になるそうです。航空機の運航表も調べてもらいました。ワードのファイルを添付します。
 8月の始めに会議をするようにお願いしてあるので,8月6日以前の飛行機についても調べてもらうように連絡しました。いっしょにウクライナに行ってみたいという方は私の所までご連絡してください。また,旅行社に調べてもらうことがあればご連絡下さい。2月11日の物理サークルのあとでこの旅行について話し合いませんか。



番号 03A-015  送信日 03/01/26  差出人 林 正幸
件名 ヒートポンプについて

 こんばんは、林まさです。
 林ひろさんからエコキュートの話があり、自分なりにヒートポンプについて考えてみました。まず可逆的なヒートポンプは、カルノーサイクルを逆向きに運転すればよいわけです。
 まずカルノーサイクル自身を整理します。図が書きづらいので、文で行きます。高温の熱源(温度T2)から熱をQ2奪い、仕事Wをして、低温の熱源(温度T1)に熱をQ1与えて、もとの状態に戻ります。すると熱力学の第1法則から
    W = Q2−Q1
第2法則から
    e(効率)=(Q2−Q1)/Q2 = W/Q2 =(T2−T1)/T2
 次に逆向きに運転すると、低温の熱源からQ1奪い、Wの仕事をされて、高温の熱源に熱をQ2与えます。すると上の関係式から
    e'(ヒートポンプの効率)= Q2/W = T2/(T2−T1)> 1
これから可逆的なヒートポンプでは、熱源の温度差が小さいほど効率が高くなることが分かります。
 しかし現実のものは不可逆的であり、いくつかの要請があります。実際の装置は、冷媒を低圧にして低温の熱源から蒸発熱を奪い、コンプレッサーで高圧にして高温の熱源に凝縮熱を与えることをくり返します。エコキュートの場合は、冷媒は二酸化炭素で低温の熱源は大気です。大気は熱容量が小さくかつ0℃より低くすると水蒸気の凝結を伴うので、比較的ゆっくりと熱を奪う必要があります。実際にエコキュートの湯を蓄積するスピードは、かなりゆっくりしています。たとえば−5℃で蒸発させるなら、それは低圧側を30atmにすることです。
 エコキュートでは高温の熱源は90℃の湯です。高温の熱源に能率的に熱を与えるためには冷媒をそれより数10℃高い温度にする必要があります。そうでないとすこし熱を与えるともう熱源より温度が下がってしまいます。しかし温度を高くするのは効率を下げてしまうことでもあります。その意味ではスペースが許されるなら、
60℃くらいの湯を貯めた方がよいことになります。しかし我が家のものは370[l]ですが、それでも裏の通路をふさいでしまうほどです。なお90℃に下がった時点で持っている熱エネルギーは、蒸発熱の一部として利用され、循環していくはずです。
 また高い温度で凝縮させるには高い圧力が必要です。手元には50atmで15℃というデータしかありませんが、それからするとかなりの高圧を必要とするでしよう。なお沸点が低い冷媒ほど、高圧下で凝縮すると高温が得られますから、その点で二酸化炭素は有利です。
 以上は手元に冷凍機に関する情報が全くないので、技術的に欠落させて考えている部分があるかもしれません。何かあれば、教えてください。
 ではまた。



番号 03A-016  送信日 03/01/27  差出人 山岡 世司郎
件名 理科カリキュラムを考える会に参加して1

 1月25日26日の理科カリキュラムを考える会全国大会に参加しました。
 文部科学省の教科調査官の清原さんという方が、「これからの理科教育」で話されましたが、話しの内容は特に面白いことはなかったのですが、本人の弁によれば、現職についたのは1年前で、それまでは現場にいた、とのこと。
 現場で優秀な(?)人が、文部科学省に出向して教科調査官になるのでしょうか・・・。
 苅谷剛彦さんの、「教育改革と公教育の役割」
 今回の文部科学省が行った小中のテストについて、独自の視点で分析し日本の学生の学力などが低下しつつ分散が広がっていることを解説してくれました。結論は、日本に階層分化が起こっている。ということになるでしょうか。
 日本社会は少数の科学エリートが最先端に進めば良い、残りはほどほどで良い。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)、サイエンスパートナープロジェクト(SPP)など、最近文部科学省が行っている企画はこの線に乗っているかもしれません。
 さらに、その文部科学省ですら、経済産業省などに追い詰められている、とのこと。産業を担う人材の育成を文部科学省にまかせておけない、独自に行う動きがでている。 そういえば、東海地方でJRやトヨタが共同で全寮制の学校を作る動きがありますね。国民の平均レベルを高めて行くという教育は困難な場面に向かうかもしれません・・・。
 その他、左巻さんの「検定外中学理科教科書」の話とか、各地のうごきなど。べんきょうになりました。



番号 03A-017  送信日 03/01/27  差出人 山岡 世司郎
件名 Video Point

 1月25日26日の理科カリキュラムを考える会全国大会に参加しました。
 新潟大学の小林昭三さんが、VideoPointというソフトについての発表をされました。デジタルビデオでとった物体の運動の映像からs−tグラフや、v−tグラフ、a-tグラフを簡単に作るソフトです。
 何度でも見なおせて、違う視点での数量化もできるようです。これはいい!。という印象です。
小林先生のWEBのURL
http://kakuda.ed.niigata-u.ac.jp/semi/semi.html
  ページの中に、韓国での水ロケット発射の際の運動の分析があります。



番号 03A-018  送信日 03/01/27  差出人 山岡 世司郎
件名 理科カリキュラムを考える会に参加して2

 山岡です
 1月25日26日の理科カリキュラムを考える会全国大会に参加しました。その会でのこと。
 東洋大学の長浜先生から、愛知で環境教育を研究しているサークルがあったら紹介してほしい、との依頼を受けました。私自身は他のグループの活動についてよくわかりませんので、ご存知の方いらっしゃいましたらお知らせください。


番号 03A-019  送信日 03/01/30  差出人 加藤 賢一
件名 バンデグラフについて

 清水の加藤です。質問です。
 バンデグラフの説明書を読みました。バンデグラフの中にはゴムベルトと上部のローラーと下部のローラーが二つ着いてます。下部のみにモーターが付いていて、駆動しています。驚いたことに、上と下でベルトにできる電荷が違うのです。つまり、ローラーの材質は上下で違うものなのです。下部のローラーとゴムの摩擦で、ゴムにはマイナスの電荷が、ローラーにはプラスの電荷が溜まります。上に行って、刃物のような部分で、マイナス電荷が剥ぎ取られていったんゴムの電荷は0になります。そのあと、ゴムは上部のローラーと摩擦されゴムにプラスの電荷がたまり、上部のローラーにはマイナスの電荷が溜まります。ゴムは、プラスの電荷(電子の欠乏状態)を下に運びます。そして、ふたたび、下部の刃物部分で、プラスの電荷が剥ぎ取られ、いったんゴムの電荷は0になります。そして、また、下のローラーとの摩擦と相成ります。
 さて、このプラスの電荷はためてどうするのでしょうか。アースして逃がすのか。それとも、何か意味のあることなのでしょうか。よく分かりません。誰か教えてください。