番号 01A-001  送信日 01/01/03  差出人 林 正幸
件名 基礎基本をめぐって

 おめでとう、林(まさ)です。
 一宮は寒い正月になっていますが、皆さんはいかが新年をお迎えですか。次男夫婦、姪夫婦と子ども、長男と、いつもの3倍の賑やかな、従って食べることに追われる正月でした。幸い長男も結婚の目途が付いたようです。
 昨年暮れの館山での安房科学塾は実り多いものでした。私は「物質とエネルギー」をレポートして、エネルギーを使い過ぎて温度が高くなる問題に触れるべきであるという。貴重な批判をもらいました。私はエントロピーという用語は使わずに、その内容を伝えようと考えていますが、それにも適った指摘です。
 行きの新幹線で、アルケ通信1号にある盛口さんの資料「いま基礎基本を」を読みました。これは出前教研(今年は仙台の予定)のテーマといことで、安房塾ではとくにそのための時間はありませんでした。しかし私としてはいくつか書いてみようと思います。
<資料p2からの引用1>
 わたし達とわたし達の子孫がこの地球上で安全に「生きる」という観点からみれば原子分子を知ることより「不用意に未知物質を合成し、ばらまくことは危険だ」ということを知る方が、よっぽど基礎基本となる知識ではなかろうか。そしてそういうことを日常的に気付かせるような配慮をすることこそ「教育としての基礎基本」になると考える。しかしそれを補強するものとして原子論に立つ近代化学の素養が必要になってくる、ということが本当ではなかろうか。
<以上>
 盛口さんは前段で基礎基本は次の4つの段階(階層)に整理して考えるべきと書いています。
    教科(物・化・生・地)の基礎基本
    理科としての基礎基本
    教育としての着磯基本
    生きる上での基礎基本
 一方で、21世紀を生きる上での基礎基本として、生活、生産、環境、平和などの側から要請があります。私が30年前にセロハン公害に取り組み住民学習会を開いていたとき、教科書の内容より「臭いのは硫化水素である。しかし臭くない二硫化炭素も下水に流されており、これは神経毒で危険である。」という個別の知識が武器になりました。ところがひとたび工場に乗り込んで交渉を始めると、より総合的な知識や理論を持たないと歯が立たないのです。他方で、やはり学問体系としての基礎基本は存在するし、またそれを学習していく認識体系も存在します。両者を突き合わせる中から、具体的な教科あるいは理科としての基礎基本が浮かび上がってくるように思います。
<資料p3からの引用2>
 ときには小学校においてさえ原子概念が導入できる、という主張がなされ実践が報告されてくる。実践を見るかぎり、こどもたちは嬉々として学習に取り組み、また新しい現象を解明しているように見える。それは「原子論こそ科学」という自身を持たせるものである。しかし、正直なところ私としては「早すぎる論理」の導入はこどもたちを狭い固定観念に誘い込む罠になるという危惧を感じないわけにはいかない。
<以上>
<資料p4からの引用3>
 高校の教科書に戻ろう。せっかく原子認識の歴史をたどり、ドルトン原子に取りついても、その「ドルトン的世界」が次のページでは脆くも瓦解する。全ての基礎であり壊していけないはずの原子に内部構造があるというのである。近代化学の基本があっさり壊れ、何の断りもなく現代化学が結果だけを引っ提げて登場する。近代科学と現代科学では世界を支配している法則ががらりとかわり、整合性を保っていた近代科学的世界に綻びが入るという重大局面である。しかし、そのことは片言隻語も触れられていない。論理的でない日本のこともは教科書を金科玉条にして飲み込んでしまう。もっとも飲み込まなければ大学入学はおぼつかない。幸い大学に入学してもこの矛盾に気が付かないまま、それぞれの専門家に育ってしまう。これが果たして科学であろうか。
<以上>
 学習や認識は本来発展的なものであると思います。ところが多くの教師は意識するしないにかかわらず、受験問題やテストの問題を解けるようになるための「まとめ」ないし「公理系」を準備します。それを例題に取り組ませながら生徒に教え込みます。それは網羅的であり、後から新しいことを追加することは教師の権威に関わります。ドグマ主義的でそこにある論理を徹底するように訓練します・・・。これが果たして科学教育であろうか。こうして教師自身がそれを科学の知識や理論と思い込みます。これで果たして若者が真実とは何かをつかむことができるだろうか。
 ひとつの事実(実験)があり、そこからひとつの自然認識が生まれます。もうひとつの事実があり、そこからもうひとつのより深いあるいはより広いそして前の認識を一部修正する自然認識が生まれます。このくり返しが科学教育の基礎基本であると思います。ときに理論体系を教え込むこともあります。しかしそれで完璧と誤解させることがあってはいけません。授業では毎回に、新しい事実(実験)があり、そして新しい世界が展開されることが望まれます(もちろん復習も必要ですが)。
 私は原子論を小学生に教えて構わないと思いますが、上の前提を忘れてはなりません。知的発達のレベルを考えれは、素朴なイメージに留めておくのが賢明ではないでしょうか。
<資料p8からの引用4>
 あれも必要、これも必要、といわゆる基礎基本を総花的に学ばせる現在の学習は、たとえてみればすべての破壊力を一点に集中させる中飛車のようなもので、駒の配置が終わってみたら将棋に負けていたといったもの。あるいはサイクリングにゆくには自転車の知識がなければならないからといって分解点検しているうちにサイクリングに出かける暇のなくなったようなもの。多少不備でもサイクリングにまず出かけよう。途中不備が見つかったらその時あわてて補充すればよい。学習の基礎基本とはまず目標を定めて学習の旅に出かけること。教科の基礎基本は不備に出会ってあわてて補充するものだと思っている。
<以上>
 こうして教科の基礎基本とは極めて発展的構成的にとらえるべきものです。盛口さんは言います、「ひとりひとり基礎基本は違う。」 まさに目標に向かって進む途中であわてて補充するものでしょう。もちろん多くのものごとに共通している基礎基本もあるでしょう。しかし学習があらゆる分野の基礎基本で埋め尽くされたらどうでしょう。生徒は言います。「私たちはいったい何のために勉強するのだろうか。」 それぞれの生徒にゆとりを持たせ関心を育て、自ら学び始められるように手助けするのが、教育としての基礎基本と心得ます。
 蛇足ながら、安房塾の帰りの29日は東京駅で帰省ラッシュに遭遇。岡田(晴)さんと、思い切ってグリーン車に乗ることにしました。わたしはうとうと、彼はビールを飲んでいました。
 ではまた。



番号 01A-002  送信日 01/01/04  差出人 川田 秀雄
件名 明けましておめでとうございます

 21世紀明けましておめでとうございます。川田です。新世紀の幕開けです。人類がより質の高い幸せが得られるよう、お互いに頑張りましよう。
 さて、いくつかの情報(案内)を提供します。ご検討ください。
 1.次回愛知物理サークル
    2月24日(土)1時から  名古屋市科学館 (地下鉄「伏見」下車)
                    第一部 館長 樋口敬二氏 講演
                    第二部 サークル交流(実験、論文、カリキュラム、教材販売など)
 
 2.8・13〜17 ICPEC(International Conferrence Physics Education in Cultural Contexts)
    Korea にて。
    詳しくは、Home Page:http://culphy.taegu-e.ac.kr/

3.8月下旬(?)第2回 「カリキュラムを考える会」 in 東京
   第1回は12月24.25日に東京でありました。飯田、川上、山岡、川田が
   参加しました。
   第2回は問題の緊急性より今年の夏休み中に開くことになりました。
   なお、全国サークル交流会は、湯口さん等とも検討していますが Korea
   会議もあって日程的に苦慮しています。 (今年はパスしたらの声もあり)
   いかがいたしましょう?

   また、笠先生から「英国のOgborn 夫妻が韓国の帰りに来日し、アドバ
   ンシング物理、初等・中等教育における数学と科学教育の話をしていただく会
   議を8月20日前後に開く。皆さんに協力していただけないかとのことでした。
   1月13,14日の「理科教育研究会」でもお話します。ではまた。



番号 01A-003  送信日 01/01/05  差出人 林 正幸
件名 部活動と私

 こんばんは、林(まさ)です。
 校誌の原稿を書きましたが、皆さんにも面白いのではないかと、送信することにしました。ではまた。

部活動と私
           林 正幸
 高校時代、はじめはテニス部と物化部に二また掛けていたが、やがて後者にのめり込むようになった。物化部とは物理化学部の略である。活動内容は化学、写真、模型、天文などである。写真は写真部と同じで、白黒フィルムで撮影し、現像し、プリントする。模型はエンジン機の製作と飛行である。エンジンは電動ではなくオイル(種類は忘れた)であり、バッテリをつないでプロペラを指で回してかける。機体はワイヤでつながれており、グランドで円形に飛行させ、手元で昇降舵をコントロールして曲芸飛行させる。しばしば地面に激突して分解した。天文は夜間に天体観察する。これは卒業した先輩が同好会をつくっており、一緒に活動していろいろ教えてもらった。
 しかし何といっても私をとりこにしたのは化学だった。化学的現象は日常ではあまり見ることがないので、化学実験はすべてが新鮮そのものだった。実験書を参考にして手当たり次第に自分たちで実験した。今と違って当時は大らかで、生徒が自由に薬品を使うことが許されていた。それどころか、私が忙しい先生に代わってすべての薬品を整理したこともあった。
 とくに印象に残っている実験は、絵入りの鏡づくりと炭酸水素ナトリウムの合成(ソルベー法)などである。前者はパラフィンろうを融解してガラスに刷毛でうすく塗り、絵を下に敷いて鉄筆で輪郭を写しとるようにろうを削る。次にフッ化水素酸を塗って輪郭の部分のガラスを溶かして溝をつくる。このあときれいにろうを落とし、ガラスを洗剤で洗う。次にブドウ糖を使った銀鏡反応で鏡にする。このときガラスの表面に盛り上がるように乗せた銀液を、こぼさないようにすこしだけ傾けて流動させ続けるのがポイントである。続いて絵の部分の銀を取り除くと、輪郭の溝には銀が残る。そして今でいうセル画の要領で色付けをする。最後はペイントを塗って保護してでき上がり。
 後者は教科書にも出てくる化学工業のミニチュア版である。太い50cmほどのガラス管にゴムせんをして反応塔にし、濃アンモニア水に食塩を飽和するまで溶解して注ぐ。これにひたすら二酸化炭素を吹き込み続けるのである。二酸化炭素は石灰岩に塩酸を加えて発生させるのでたいへんである。それが1時間ほどがんばると、生成した炭酸水素ナトリウムが雪のように沈殿してくる。この瞬間はまるで自分もひとかどの技術者になったような感動を覚えた。
 失敗も無いわけではない。1年の始めは反応式を見つけると何でも薬品を混ぜていた。あるとき酸素が発生する反応式があったので、試験管に過マンガン酸カリウムと濃硫酸と35%の過酸化水素を入れた。目に見える変化がなかったのでバーナーで加熱してみた。すると突然爆発した。反応混合物は私の右胸を目掛けて飛んできた。一瞬にして服はとけて無く、露わになった皮膚がちょうど原爆の熱線を浴びたように垂れ下がった。医者に行ったら、「おまえは何をしているんだ!」と叱られたが、先生には内緒にしておいた。今から思えば随分無謀なことをしたものだが、私は全然懲りなかった。 1年の夏休みは部長の指導のもとで、一宮市内130ほどの地点の水質検査に取り組んだ。検査項目は15と本格的だった。当時はまだ井戸があったのでその水をもらいに、自転車にビールびんを積んで炎天下を走った。「水をください」と頼むとジュースを出してくれる家もあった。「結果を知らせてほしい」と期待されることもあった。水温はその場で計るのだが、慣れてくると手の感覚で0.2℃まで正確に分かるようになった。戻ってくると実験室で分析である。毎日朝9時から夕方5時まで勢力的 に活動した。
 打ち上げは家庭科からかき氷機を借り出し、氷を買ってきて、蜜は先生の砂糖を無断で借りて作り、ビーカーを容器に食べも食べたり、私は13杯という記録を残した。そのあと裸で学校のプールで泳いだが、当時は本当に元気だったと思う。
 2年のときは防火塗料の研究と称して、障子紙にいろいろな薬品の水溶液を塗り、乾燥してから端に点火して燃焼の様子を調べた。そんな中で炭酸ナトリウムがたばこの紙のように、じわじわ燃えるが決して消えないこと、硫酸アルミニウムが泡を形成して燃焼を妨げることなどを発見した。
 こんな中で私は化学が、物理に比べて理論が貧弱であることを意識するようになった。そして大学に行って化学の理論的研究をしたいと思うようになった。先生からは「おまえは偉い」とおだてられた。子供の頃から父親の発明好きに感心し、中学ではひとりの理科教師に理屈の面白さを触発された私は、こうして化学分野に進路を定めることになった。3年になっても三学期まで部活動を続けたが、それは私にとってたいへん有意義であったと考えている。



番号 01A-004  送信日 01/01/08  差出人 船橋 隆久
件名 ホームページへの登録を再開しました

 船橋です。
 私の家庭の都合で、1ヶ月半ほど愛知科学教育ネットHPへのメール登録が中断していました。その間も多くのメールを送信していただきありがとうございました。サークルへの参加もむずかしい中、仲間のみなさんからいただくメールは何よりの励ましになっています。我が家の状況としては今後も厳しいことが予想されますが、できるだけ速やかにホームページに登録するつもりでいます。今後ともよろしくお願いします。なお、実験装置等の画像はakkn経由では送れませんので、直接私宛に送信してください。HPにはメールと一緒に登録します。私のメールアドレスは以下の通りです。
tfuna@mtb.biglobe.ne.jp

 林先生、
 「部活動と私」楽しく読みました。40年ほど前の探求心あふれる林少年の姿が目に浮かんできます。それにしても危ないこともいろいろやってきたのですね。大きなけががなくてよかったです。今でも林流のびっくりするような実験を開発されますが、これは今に始まったことではなかったのですね。しかしこれからは、爆発で皮膚が垂れ下がるようなことは止めましょうね。
 校誌に掲載された「部活動と私」を読んで、林ファンがまた増えそうですね。生徒の感想が届いたらまたお知らせください。



番号 01A-005  送信日 01/01/11  差出人 船橋 隆久
件名 マイクロソフト社からの返信

 こんばんは、船橋です。
 この冬休みに、田中先生と「PC/AT互換機での物理計測と使用言語」について話し合う機会がありました。NECのPC−9800シリーズはすでに市場からほぼ消えているため、EHCとしてはPC/AT互換機での計測装置の開発を検討しています。いろいろ解決しなければならない課題はありますが、その中の一つとしてソフト開発のための使用言語があります。PC−98を使った計測の場合は初期はN88BASICで、途中からQuickBASICでソフトを作ってきました。PC/AT互換機でもQuickBASICが使用できれば今までのソフト財産が活用できるのでは考え、DOS/V用のQuickBASICを探してきました。しかし今はWindowsの時代で、DOS用の言語は市場から消え去る運命にあるようです。そこでマイクロソフト社にメールを送り、「DOS/V用のQuickBASICの入手方法」についての問い合わせをしたところ、以下のようなメールが届きましたので紹介します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(引用開始)
船橋 隆久 様
E-mail: tfuna@mtb.biglobe.ne.jp

マイクロソフトへのフィードバックをいただきありがとうございます。

===== Your Feedback =====
QuickBASIC Ver4.5 US版 を探していますが、見つかりません。購入する方法を教えてください。また、過去の製品をもう一度販売する計画はありますか? Borland社では過去の製品の販売(たとえばBolrand C++ Suite)が行われています。

ご返事を待っております。
=======================

日頃より弊社製品をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。
誠に申し訳ございませんが、Quick Basic 4.5 は、販売内終了させて頂きました。
Quick Basic 4.5 は、出荷を終了させていただきましてから、かなり時間がたち
ますので、市場在庫等でも現在はご案内できるものがございません。
お役に立てず恐縮でございますが、何卒ご了承いただけますようお願い申し上げま
す。

弊社では、マイクロソフト製品を購入していただく前の製品内容のご案内、
購入方法のご確認、カタログ請求に関するお問い合わせを下記窓口にて承って
おります。製品の機能やライセンス等ご不明な点につきましては、下記窓口に
お問合せいただけますようお願い申し上げます。

マイクロソフト カスタマーインフォメーションセンター
東京 : 03-5454-2300
受付時間 : 9:30 - 12:00 13:00 - 17:30 (弊社休業日、土日祝祭日を除く)

今後とも弊社製品をご愛顧いただけますようお願い申し上げます。

マイクロソフト インフォメーションセンター
Web Feedback 担当
(引用終了)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 残念ながら「DOS/V用のQuickBASIC」は入手が極めて困難な状況であることが分かりました。しかし、田中先生はBorland社の「Borland C++ Suite」のなかにある「Turbo C++ for DOS」を使ってのソフト開発を考えておられます。田中先生からの今後の情報に期待しています。
ではまた。



番号 01A-006  送信日 01/01/15  差出人 田中 英二
件名 ISAバスの件

 こんばんは、田中です。
 1月13日〜14日の科教協の新春一泊学習会は大変勉強になりました。みなさんとお話をすると大変刺激になり、やる気が出てきます。
 本日2時間の空き時間があったので、ISAバスによる変換ボードを、サンハヤトのプリントボードで作りました。成功です。これで、かって、EHCで作った、PIF95インターフェースがDOS/Vでも使えます。製作時間は、大変ゆっくり作って、3時間です。速い人は、2時間でできます。
 話を戻して、DOS/Vで、ISAバスをつかって計測できるようになりました。しかしまだ二つ問題点があります。
(1)DOS/Vでは、ISAバス変換ボードを使う場合は、プログラムをC言語もしくは、C++言語で書く必要があります。QUICK BASICのDOS/V版はありません。
(2)DOS/Vノートパソコンでは、ISAバスは使えません。ノートパソコン用には、USBでの開発が必要になると思います。
 こういう問題点がありますが、一つひとつクリアーしていきましょう。
 では本日はこの辺で。



番号 01A-007  送信日 01/01/17  差出人 田中 英二
件名 TURBO C++ Ver.4.0J について

 こんばんは、田中英二です。
昨日、「TURBO C++ VER.4.0J for DOS」 が手に入りました。 船橋さんからのメールにもあったように、Quick BASIC のDOS/V 版はもう手に入りませんので、これからDOS/Vでプログラムを組むためには、DOS/V版のTURBO C++を使うしか手がありません。それで、EHCの方は、C++言語の勉強を始めてください。50の手習いとなるかもしれませんが、ボケ防止には結構いいかもしれません。(冗談)
 それから、鈴木久さんから、音速を、コンピューターで測定できないかとの要望がありましたので、検討しようと思います。できないかといわれればできます。もちろん。C++言語の勉強にちょうどいいかもしれないので、早いうちにやってみようと思います。ISAバスの変換ボードもできたので、98に拘らずにできそうです。
では。



番号 01A-008  送信日 01/01/23  差出人 林 正幸
件名 「物質とエネルギー」の授業アンケート(その1)

 こんばんは、林(まさ)です。
 今年の科教協京都大会のレポートは「物質とエネルギーの授業」に決め、本文はほぼ完成しました。そして3クラスで採った授業アンケートの整理をしているところです。 アンケートは次の項目で書かせましたが、
(1)納得したこと・面白かったこと
(2)難しかったこと・興味がわかなかったこと
(3)もっと知りたいこと・授業に対する感想
今回は(1)の内容を紹介します。
 直接に実験に関係することは、すでに12月14日付けメールで実験レポートの「考察or感想」を報告していますので、重複になるので割愛しました。
 全体のとしての印象は、生徒は関心はあるが、私が意図しているより深い理解はいま一歩」というところでしょうか。授業プリントは私のホームページにありますので、時間があればご批判ください。
 ではまた。

(1)納得したこと・面白かったこと
「物質が循環していて、使い方によっては永久に使えることは初めて知った。
人間は数百年という地球の歴史では短い間に自然破壊をしていて、一人一人が協力し
て破壊を止めないといけない。
エネルギー資源は掘りに掘っていつか必ずなくなる時がくる。一年後はまだ石油は残
っていると思う。でももし「明日地球上から石油がなくなります!」そんな時にどう
するんだろうか。「別の惑星に掘りに行こう」なんてことになっているのかもしれな
い。」
「自然破壊のところは、けっこうためになったと思う。地球の温暖化とか、フロンの
排出でオゾン層の破壊とかは、今、けっこう話題になっているから、ためになったと
思う。」
「便利で快適な環境になっていくことはすごいよいことだけど、便利な環境にするた
めに、たくさんの二酸化炭素や放射性廃棄物を生産することになって、いずれ枯渇し
ていってしまうということが分かった。」
「自然のおきての所が、なんか面白かった。
自然はかいは本当にもうそこまで来てる気がした。」
「エネルギーは使い捨てにするしかないということ。
エネルギーが熱エネルギー、運動エネルギー、電気エネルギーに変わっていくのはお
もしろいと思う。
太陽エネルギーは極地方をすどおりしてくから寒く、赤道地方は温かいと分かった。
面白かった。」
「納得したことは、この地球はエネルギーなしではやっていけないということ。」
「太陽は明るくするため(だけ)にあるのだと、小さいころ思っていた。実際は太陽
はいろいろな働きをしていたので、驚いた。太陽あっての地球、と言うよりか、太陽
あっての生物環境だ。太陽は、あと何十万年後かにその働きを終えるらしい。太陽が
滅びるときは生物環境も終わる時だと思った。」
「自然破壊の例を上げてみようのところで先生の説明を聞いて、地球はこのままでは
いけないなあと私も何か考えさせられました。このはなしは他の教科でもけっこう出
てくるけど、先生の話が一番なんか説得力がありました。」
「光合成と酸素呼吸の熱化学方程式。光合成はエネルギーを与えるっぽいのに実際は
奪う反応で不思議だった。」
「これからエネルギーをどうやって使っていくべきかということを先生が話した所が
一番楽しかった。」
「エネルギーとは何かの内容は全体的に納得でき、高さとエネルギーなどの所は個人
的にも好きである。
エネルギー変化グラフなども、一応は理解できた。」
「地球の温暖化について面白かった。自分はこのテーマが大好きであります。興味あ
ることが授業に出てきたので楽しかったです。」
「発熱反応と吸熱反応の実験をやって、発熱、吸熱についてよく分かった。」
「太陽ってとてもすこいんだなあと思いました。
風って太陽と関係ないと思っていたけど、太陽があってこその風なんだあー。って思
いました。
自然の物は人間のせいでどんどんなくなっていってしまうから変な化学物質とか使わ
ないで、天然物を使って地球にやさしくしてほしいけど、やっぱ便利には勝てないな
って思いました。」
「エネルギーのところは今までで、一番、身近にあることでもあるので、けっこう興
味がわいて面白かった。」
「人間も含めてすべての物質がエネルギーを持っていることが分かった。」
「エネルギーの流れ方がどうやって、流れていくか、よくわかった。」
「ずっとエネルギーのグラフが理解できなかったけれど、何回も書いたり聞いたりし
ていたら、少しずつだけど理解できるようになりました。」
「話を聞くだけでは、よく理解できなかったことも、エネルギー変化グラフや光合成
や酸素呼吸、生命活動、核融合などのしくみを図に書くことによって、納得すること
ができた。」
「反応熱のグラフは理解できた。値が分かってたら書けそう。」
「運動・位置エネルギーのところ。」
「エネルギー問題のところで、今本当に問題になっていることだから、勉強できてよ
かったです。」
「エネルギーの流れ系は簡単で分かりやすかった。ほとんどがテレビや新聞で取り上
げたこと+さらにくわしいことだけなので、簡単にのみこめた。」
「熱化学方程式が納得した。」
「自然破壊についてはこれから一番大切な勉強だと思いました。」
                     (以上)



番号 01A-009  送信日 01/01/27  差出人 林 正幸
件名 「物質とエネルギー」の授業アンケート(その2)

 こんばんは、林まさです。
 授業アンケートの整理の2回目です。実にいろいろな生徒がいます。そしてレポートの本文にも書きましたが、燃焼熱の計測や熱化学方程式が分かりにくかったのは「それはひとつには宿題でさらに練習する前に授業アンケートを採ったためであろう。それにもともと熱化学方程式の演算で第3の反応熱が導き出せるのを納得することは深い思考が必要である。」
 万歳! これでレポートが完成だ。
 ではまた。

(3)もっと知りたいこと・授業に対する感想
「自分で実験をしてみる事で、勉強の内容が理解できたりするので、もっと実験を増
やしてほしいと思った。」
「理論的に理解することはできるが、計算の応用が出ると対応がつらい。
 エネルギー問題で、エントロピー増大の原理というのがひっかかった。すぐに理解
できないだろうが、少し位は熱の一方通行性の秘密を知りたいとも思う。」
「物質の循環の所で「おきて」に背いて自然破壊をしていると書いてあったけれど、
「おきて」というのをもっと知りたいと思いました。そして、それをたくさんの人に
知ってもらったら、自然破壊を防げるのではないかと思いました。」
「人間は化石燃料をどんどん使い、人に悪い二酸化炭素や放射性廃棄物などをたくさ
ん作っている。
だから、エネルギー問題についてきちんと考えないといけないと思う。」
「エネルギーをうまく利用するには、どうしたらうまく利用できるか。
もう少し言葉を理解して授業を受けたかった。」
「どんなふうに物質を循環させて使えばいいのか。
この分野は中学校の時少しやったけど、やっぱりあまり意味が分からなかった。」
「化学の授業はとてもいいです。このままがいいです。」
「やっぱり、環境問題についてです。私の身の回りのことで、環境に害を与えること
が分かりました。私てきには、”環境”には興味があったので、楽しいというか、も
っと勉強していきたいです。やっぱり、自分が好きな項目は、意欲がわいてきます。

「これからぼく達はどのようにして地球で住んでいけばいいか? あと、エネルギー
をどのように使ったらいいか? いろいろ考えたよ。」
「酸素呼吸以外の呼吸があると聞いた。酸素以外に何を使うのかを知りたいと思いま
す。二酸化炭素を酸素の代わりにする方法はないのだろうか、と思ってしまうが、そ
ういった話も是非聞きたい。」
「楽しい授業だと思った。たまに息抜きとしておもちゃ(遊び)みたいな実験を教室
でやってくれてとても楽しかった。
もっと知りたいっていうか、もう1回易しい問題から計算を教えてほしいっす!!」
「授業を聞いて環境がどんどん破壊されていることを、あらためて実感できたので、
自分も気をつけなければなあ・・・と思いました。」
「地球のエネルギーの流れや自然破壊が問題になっていることがいろいろ分かってよ
かった。」
「なんか社会っぽくてわりと分かりやすかった。
やっぱカロリーとか濃度とか数字が出てくると分からない。
偏西風は聞いたことあったけど、貿易風って初めて聞いた。
もうすぐ石油もなくなるっていってるし・・・。21世紀なのに課題はいっぱいです
。」
「エネルギーを奪う反応、与える反応とあったけど、全体で統一して吸熱反応、発熱
反応とした方が分かりやすいような・・・。」
「プリントで図とかを書くので分かりやすい。」
「エネルギーは全て太陽からのエネルギーだということを知った。授業をやって、自
然破壊やエネルギー問題に関心を持った。」
「温暖化の話をちょっとした時に思ったんだけど、二酸化炭素の量が増えて、地球の
熱が出ていかないのなら、入るときも二酸化炭素がかべになるのじゃないかなあ?と
疑問に思った。」
「何か身近な不思議なことについて知りたい。今の授業のことは、生活している中で
あんまり関係ないってゆーか、実感がないことだからなあ・・・。」
「どんなことが自然破壊につながっているのかがよく分かった。
エネルギー資源がいつか枯渇するってのはこわいなあと思いました。
エネルギーは使い捨てにするしかないのは、もったいないからもっと大切にしなきゃ
いけないなあと思った。」
「授業はよくきいていれば分かりやすいと思います。」
「目に見えないこととかが多くて、考えにくかったり、覚えにくかったりする。」
「もっと復習してほしい。」
「もっと知りたいことは、エネルギー問題についてくわしく知りたいし、これからの
地球の環境について考えたいと思った。
授業は、少しペースが速いのでもう少しゆっくりペースにしてほしいです。授業その
ものは分かりやすいです。」
「太陽は人間が生きていくためにはすごく大事な存在ということがわかった。けど、
その前にエネルギー問題や自然のことも考えなければならないと思う。
紙の無駄使いをしないようにするとか、ほんの少しのことを1人1人が気をつけたら
いいと思った。
この授業で自然破壊などの深刻な問題を考えさせられた。すごく良い機会だったと思
う。」
「もっと知りたいことは、今日少しだけやった気象です。私は天気とか気候とかが好
きなのでもう少しくわしく知りたいと思いました。」
「今までエネルギー問題について考えたことなんて、あまりなかったけど今回、化学
の授業で「エネルギー」について勉強したことによって、少し考えるようになった。
私達人間が便利で快適な環境をつくり出す為だけに、自然がだんだんと破壊されてい
くなんて、今まで考えたこともなかった。だから、もっと地球の環境を守っていく為
に私たち1人1人が気をつけていかなければならないと思った。」
「自分があたらない時はあまり話を聞かなくなってしまう。プリントを使うのはいい
と思う。」
「授業を聞いてて、空白の部分をうめることはできたけど、エネルギーについて、む
ずかしすぎて理解はできなかった。「ちょっと自信がない。」
「エネルギーが流れるしくみをもっとくわしく説明してほしいな。」
「燃焼熱の計測のところの、計算の仕方をもう一度教えてもらいたい!!」
「難しいとこもたくさんあったけど、面白かったこともたくさんあってよかったです
。」
「内容的には難しいところだったけど、すでに知っていることや。自然破壊やエネル
ギー問題などこれから考えていかなければならないことを交えて進められていたので
理解しやすかったと思う。」

(2)難しかったこと・興味がわかなかったこと
「どんな分野もそうなんだけど、計算のところとか、〜の法則などわけ分からなくて
いやだった。」
「計算や、熱化学方程式がよく分からなかった。難しいなと思った。」
「燃焼熱とヘスの法則」(この意見多し)
「エネルギー変化グラフ」
「エントロピー増大の原理が分からなかった。プルトニウムって何?と思った。」
「エネルギーの名前がたくさん出てきてどのエネルギーがどういうのかがちょっと分
からなかった。」
「だいたい計算と化学式が出てくると興味がわきません。」
「エネルギー問題などは、いまいち興味がわかない。わかないというよりも、どうし
たらいいのか分からないと言うべきであろうか。自分の生活の中でよく考えたことが
ないため、これからの対応などは考えにくかった。」
「エネルギー変化グラフの書き方がいまいちよく分からんかった!
熱化学方程式の表し方とかが難しい。」
「光合成と酸素呼吸のことがすこし分からなく難しかった。」
「2つの熱化学方程式をたして求める方程式の解き方が難しかった。」
「エネルギー問題の所がけっこう分からない。
それとエネルギーの流れもよく分からない。」
「発熱変化と吸熱変化の違いがあまり分からなかった。」



番号 01A-010  送信日 01/01/28  差出人 林 正幸
件名 今年の科教協大会は8月3,4,5日

 こんばんは、林まさです。
 昨日はMOLの会があり、7名参加で1時から6時までやりました。私はそこでナトリウムの金属光沢を観察する方法を紹介しました。ナトリウムをカッターで切ると切り口に銀白色の金属光沢が観察できると言いますが、実際にはいまいちです。私は前に生徒に、試験管にナトリウムのブロックを入れて窒素ガスを満たし、ガラス管付きゴムせんをして半密閉にして加熱させる実験をしたことがありますが、これも表面の不純物(「てんぷらのころも」)が丸かってうまくありません。そこで思いついてのが今回の方法です。
 試験管に灯油を数cm入れ、5〜7mm角ほどのナトリウムを沈めて加熱して灯油が十分に沸とうするようにします。ただし持っている指が熱くならない程度に留めます。するとナトリウムは融解して玉になり、不純物と分離します。これを室温まで冷やしたらシャーレに空けます。そしてピンセットでナトリウムの玉をつまみ、新しい灯油が入った試験管に移します。これをもう一度沸とうさせると水銀のようなナトリウムを観察できます。もちろんナトリウムは融解していることも分かり、低融点(98℃)であることも確認できます。1日置くと表面が肌色に変わりますが、また加熱すれば復活します。ポイントは怖がらずに十分に沸とうさせることです。
 例会のときに話題になったのですが、科教教京都大会の日程は確認したら8月の3、4、5日でした。皆さん、間違えないように予定を立て、できるだけ参加していきましょう。
 ではまた。



番号 01A-011  送信日 01/01/28  差出人 川田 秀雄
件名 物理サークルの案内

 多忙な毎日かと思います。川田です。21世紀初のサークル例会を科学館で開きます。樋口さんの講演は、昨年の秋、科学館で開かれた「青少年科学の祭典」でご尊顔を拝見したことがきっかけでした。楽しい、有意義な会にと思っています。地学の先生の参加も期待しています。
 当日の予定は以下のようでいいですか。ご意見があれば川田までお知らせください。
  2001年2月24日 1時から  名古屋市科学館 (これは決まりです)
* 1時〜1時半 :実験等の発表(part1)
* 1時半〜3時半:樋口先生の講演(質疑を含めて)  タップリと話を聞きます。
* 3時半〜3時45分:休憩タイム、次回日程、諸連絡、ちょとした情報交換など。
* 3時45分〜5時:実験等の発表(part2)
  5時には終了

 そのあと、都合のつく方は、近くの飲み屋で、樋口先生と一杯やりながら、学問の話を聞いたり、理科教育について語り合いたいと思っています。これは強制ではありませんが、たくさんの方が参加されるとうれしい。



番号 01A-012  送信日 01/01/30  差出人 山岡 世司郎
件名 ヘロンのタービン

 ヘロンの蒸気タービンというものがありますが、これは噴出する蒸気の反作用で回るというものです。
(装置の概形わかります?)
 では、この装置が、蒸気の噴出ではなく、空気を吸い込んだらどちらの方向に回るでしょうか。
 噴出のときと同じ方向?
 噴出のときと逆方向?
 千葉県の千葉南高校の朝生邦夫先生のおもしろい実験レポートが啓林の340号に載っていました。追試しましたので次のサークルに持っていきます。