番号 00I-001  送信日 00/09/02  差出人 船橋 隆久
件名 学研の「大人の科学」

 船橋です。
 夏休みが終わったというのに、本当に暑い毎日が続いています。こんな暑いときは冷房のきいた部屋でインターネットということで、「子供の科学」で知られている学研のホームページにつないでみました。
http://www.gakken.co.jp
 トピックスのコーナーに、おじさん向けと思われる「本格的科学キット・大人の科学」のページがあったので、のぞいてみることにしました。その中の「注文ページ」に、
@エジソン式コップ蓄音機
Aマルコーニ式電池カー
Bボルタ式&備長炭電池実験セット
C地球環境分析キット
の4種類が紹介されていました。そこで申し込み手順にしたがって、@の「エジソン式コップ蓄音機」を注文しました。3日ほどたつと宅急便で品物が届いたので、代金3500円を郵便局から振り込みました。
 これは、かつてNHKの「なんでも実験」で紹介されていた「トラペンシート式蓄音機」の改良版で、「ビニールコップ式蓄音機組み立てキット」でした。部品数は50ほどありましたがキット化されているため作業は簡単で、1時間もあれば完成します。動力源はマブチモーターで、木製円盤のプーリーとゴムベルトを接続し、プーリーの回転速度を落とします。このプーリーにビニールコップをはめ込み、録音部とします。
 ピックアップ部は紙コップに縫い針をとりつけたもので、ビニールコップの側面にーッと置きます。モーターを回転させると、縫い針がビニールコップの側面に溝を掘っていくので、ピックアップ部の紙コップに向かって大声をあげると、紙コップの振動で縫い針も振動し、溝も波状に刻まれていきます。再生はこの溝の部分に縫い針を置き、モーターでビニールコップを回転させると、1〜2m離れたところでも再生音が聞き取れ感動しました。
 このキットで感心したのは、「ビニールコップを回転させながら、刻まれた溝が重ならないように少しずつ移動させてゆく」というアイデアでした。このキットでは、約20cmの長ネジに円盤のプーリーを取り付け、ナットで支柱に固定したのち回転すると、長ネジの溝の幅だけビニールコップが移動してゆくという方法をとっています。これで録音時に縫い針が刻む溝の重なりが防止できます。
 このほかにも、ピックアップ部のアイデアなど感心させられる部分がありましたが、詳しくは実物がないと説明し切れませんので省略します。



番号 00I-002  送信日 00/09/12  差出人 鈴木 久
件名 学童保育からのお願い

 愛科協のみなさん、こんばんは。鈴木 久です。
 きょう、突然学童保育の学芸員の方から以下のような電話を受けました。
「港区の学童の祭りで、外でもやれる科学の遊びをやりたいのだが、物理サークルの人たちに協力願えないでしょうか?」というものです。
 10月15日(日)緑区戸田川緑地公園で行われるそうです。開催は、10時から15時で、その時間の範囲内で自由に活用してほしいということです(多少の制約はあるかもしれませんが)。外のテントでは、伝承遊びのコーナーなどいろいろ取り組まれるそうです。
 こういう、ことは例えば図書館の科学あそび教室などで個人的に引き受けたことがあるのですが、今回はとても1人では無理と判断しました。物理サークルというのは、たまたま本屋さんで知ったことで、akknのみなさんという広い判断でよいと思います。最近、愛知理科の会も機能していませんので、どなたかお力を貸していただける方はみえないでしょうか?都合のよいときだけいろいろお願いしてすいません。



番号 00I-003  送信日 00/09/14  差出人 戸田 亜昭
件名 集中豪雨いかがでしたか

 集中豪雨はすごかったですね。皆さんの家や学校はいかがでしたか。私の家は大丈夫でしたが、ショックを受けています。学校が悲惨な状態になりました。理科室での水位は約2メートルとなり、今までこつこつと作り上げてきた教材が、1日の豪雨で水の中に沈んでしまいました。
 各サークルで教えてもらったり、皆さんの発表をヒントに作ってきた教材がほとんどなくなってしまいました。プリント類も手作り教材もなくなりました。大切にしてきた、古くからの物理サークルの通信もまだ見あたりません。この現実を受け入れるところから始まります。まだ後片づけもあまり進まず、私の机まで到達できずにいます。皆さんからの元気付けをいただきたいと思います。
 どんな教材でも結構です。一つでもいいから、明日からの授業に使えるものを分けていただけませんか。新しいものでなくても結構です。私が今までに発表したものでも欲しいのです。図々しいことですが、ご協力をお願いします。私たち本校の理科の教員が一日も早く立ち直れるようにご援助ご協力下さい。



番号 00I-004  送信日 00/09/14  差出人 近藤 直門
件名 Re:集中豪雨いかがでしたか

 近藤です
 戸田先生はじめ、被害を受けられた皆さん、今まで自分が積み上げてきたものが一晩で消えてしまうなんてほんとショックですよね。「物理サークル通信」は本にまとめられた分CD-ROM化しましたがページがごちゃごちゃになり整理しなおさないといけませんがちょっと待っていだければ提供できます。
 さて、今回の豪雨では、下校途中で帰ることのできなくなってしまった生徒がでたり、次の日の授業についてもどのように対応したのか、今後の災害時学校や教員がどう対応すべきかの多くの教訓を含んでいると思います。淑徳でも、一割をこす130人もの生徒が家に帰れず、親戚や友達の家、駅などで泊まったようです。また家にたどり着いた生徒も午前2時、床上以上の被害を受けた生徒も十数人いるようです。
 我が家も避難勧告がでましたが、幸いにも堤防から水があふれはしたものの決壊はまぬがれ、とくに被害はありませんでした。次の日の出勤が遅れそうなので遅刻連絡を入れようとしましたが、当然のことながら学校の電話は「パンク」状態・話中で何度かけてもつながりません。生徒や親からも多分たくさんの電話があったと思うのですが,このようなとき学校のインターネットが機能しておればその負荷はうんと軽減されたと思うのですが。
 また、淑徳では携帯電話は禁止で、見つけたら即解約させることになっています。しかし、今回のような災害時には、通話が錯綜して役に立たなかった場合もあるかもしれませんが、なんとか親が迎えにきて家にたどり着けた生徒の多くは、携帯電話で最悪の事態から救われていたのではないかと思います。
 学校としても、被害状況などを調査していますが,「地学」担当の教員としてはまさに今授業で扱っている単元なので、今回の教訓をぜひきちんと残すために授業でアンケートも取ろうと思っています。(すぐにとおもったのですが、いまは一番被害の大きかった生徒、たいへんだった生徒は出校できずにいるので来週ぐらいにとおもっています)。
 ところで、淑徳にはホームページはないことになっているので,私も何も対応しませんでしたが,今回の豪雨災害についてインターネットを利用できた例はないでしょうか。あればぜひ知りたいし、共有の財産として各学校の対応にもぜひいかして広めていくべきと思うのですが。
 連絡に電子メール(携帯のメールも含めて)や、生徒・父母への連絡にホームページでも対応したとか、ありましたらぜひご紹介ください。



番号 00I-005  送信日 00/09/14  差出人 山岡 世司郎
件名 Re:集中豪雨いかがでしたか

 山岡です。
 本校は河岸段丘の上にあって浸水は全くありませんでした。天白方面が浸水したとニュースで知ってはいましたが,若宮商業がそんなにひどい状況だとは,戸田さんのメールで初めて知りました。当方にはそれほどの資料はそろっていませんが,あるものならば協力します。何が必要か具体的にわかればいいのですが。



番号 00I-006  送信日 00/09/15  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害2

 近藤さん、山岡さん、早速お見舞いのメールをありがうございます。このようなメールが何よりも励みになります。自分たちだけではない。私たちを支えてくれる仲間がいる。このように感じるだけで、今日も元気に片づけに行けると思います。
 山岡先生、私は今まで何を一生懸命がんばってきたのか、考えるいい機会だとは思います。しかし、まだ何を欲しいといえる状況にはありません。君ならばこんなものが要るのではないかとの想像で結構です。プリントでも、手作り教材でもすぐに使えそうなものが欲しいです。その他の皆さんからもよろしくお願いします。
 近藤先生ありがとうございます。物理サークル通信の目次をxlsファイルで検索できるようにしたものは家に残っていたので利用していただけると便利かと思います。各発表者のメールアドレスも入れてあります。公開するためには、各個人の了解が必要だとは思いますが。今後のためにも。
 水害調査など本校でないとできないことがあると思います。学校としてもどのような調査をすればよいか、教えていただきたいと思います。学校の正式なものではなく私の記憶で書きます。間違いもあるかも知れませんが、少し書いておきます。
 11日には3人か4人学校に泊まった職員もいましたが、非常持ち出しも何もできない状態で水に浸かってしまったようです。9年前?の経験が生かされ、マンホールから水が噴き出すのをきっかけに、水没することを察知でき、先生方の自動車は高台に避難し、ほとんど無事でした。
 12日 学校は1階が天井近くまで水に浸かり、通勤できるものは隣の桜台高校に招集がかかりました。17か19人の簡単な打ち合わせの後、水没した学校に向かいました。職員全体でどのように取り組むか管理職の腕の見せ所ですが、桜台には連絡要員もおいてないため、苦労して午後3時頃出勤できた職員も家に帰らざるを得ない状況でした。堤防沿いに徒歩で学校に向かいました。つりやアウトドアを趣味とする先生のボートで東の古川公園となりの道路よりボートで出勤しました。道路より2メートル位高い公園の中をボートで進み、生け垣や自転車置き場の上を通り、体育館の階段を船着き場にして校舎に入りました。その日はただ水の引くのを待つことしか何もすることはありませんでした。前日金属ナトリウム、金属カリウム、金属リチウムをしようしたため、爆発の危険があると考え、管理職にこのことを伝え、学校にも電話を入れようとしたがつながりませんでした。メールでもそのことを学校に連絡を入れておきました。電話も電気も切れていてサーバーも機能していませんでした。インターネット用のISDNが一本直接校舎の3階に入っていることに気づき、乾電池で動くTAをつ なぎ職員や外部との連絡ができるようになりました。
 13日 水も引き、自宅の被害に遭われた方以外ほとんとの職員は学校にたどり着くことができたようです。学校の被害備品も一つずつ写真に撮らないと、補充もしてもらう申請もできないとのことで、水浸しの顕微鏡も50台くらい、すべて箱から出して、写真を撮らされています。被害状況を写真に納めないと、片づけもしてはいけないといわれ、皆が憤慨し各部屋に使い捨てカメラを買うようにさせ、12日午後やっと自分たちで写真を取りながら片付けられるようになりました。役所からの指示は自助努力とのことです。しかし薬品庫の中も浸水し危険のため、専門家に後片づけをしてもなうように要請をしました。この日のうちに金属ナトリウムと金属カリウムの缶が見つかりました。中を見ると瓶の中ぶたがしてあったため爆発は免れたようです。缶の中まで水が入っていました。
 14日 遅々として進まない。しかし、爆発の危険のある金属リチウムの缶も見つかりほっとしました。やはり缶の中に水が入っていました。本日は理科室の復旧の遅いのを見て業者を入れてくれたが、何の知識もない解体屋さんと清掃業者がアルバイトと連れてきただけです。(4名)
 15日 代休など何も権利の保障もない中で、片付けに出勤します。自分で代休をとらないと参ってしまいそうです。 出勤してきます。



番号 00I-007  送信日 00/09/15  差出人 鈴木 久
件名 Re:集中豪雨いかがでしたか

 こんにちは 鈴木 久です。お返事遅れてすいません。 
 いつもお世話になっている戸田さんにすぐお手伝いできることはないか考えてみました。いつごろから授業が再開されますか?そのときを目指して整理してみようかと思います。おそらく今すぐ持っていける少ないものを慌てて持っていっても役にはあまりたたないでしょう。みんながあまり持っていないもので自分にあるものは、遠い愛知科教協の2冊冊子、これなら今すぐ差し上げられます。
 次は、過去の理科教室のバックナンバー。これは創刊号から1960年代か70年代くらいまで(はっきりしないけれど)は三井先生の所に預かってありますので、戸田さんが、教職を辞められるまで御貸しするという形で持参しても結構です。
 後、生徒さんがこれまで作られたいくつかのミニ作品もどこかにありますが。私としては、理科教室のバックナンバーがもし活用されるなら行動をはじめます。そのときは、何時頃になれば持参しても迷惑にならないかだけお伝えください。
 本当は、どこかボランテアに行かなければと思いつつ何もできない自分でしたがこれくらいのささやかなことならやらせていただきます。くれぐれもからだを壊さないように行動されますように。



番号 00I-008  送信日 00/09/15  差出人 船橋 隆久
件名 Re:集中豪雨いかがでしたか

 船橋です。
 戸田先生からのメールを見て、若宮が大変な状況になっていること、そして長年にわたって蓄えてきた貴重な手作り教材や実験装置が流出したことをはじめて知りました。心よりお見舞い申し上げます。そして、サークルや教研等を通していろいろな資料をいただいている一人として、先生のご要望にできるだけ応えられるよう努力したいと思っています。とりあえずの明日の朝職場に行って、以前に先生からいただいた「授業プリントや実験資料」「すぐに使えそうな教材・プリント」などを探してみます。コピーした資料は自宅宛に来週早々に郵送します。ほかの仲間からも同じ資料が届くかもしれませんが構いませんよね。
 EHCで作った貴重な計測装置も、職場に置いてあったものは使えなくなっているものがあるかもしれませんね。物理の授業は1クラスしか担当していませんので、いつでも必要なときに若宮に持っていきます。帰宅時にちょっと寄り道をすればいいですので、遠慮なくお知らせください。計測用のフロッピィーディスクもいつでもコピーしてお渡しできます。化学の「結晶格子モデル」は流失していませんか。予備がありますので必要でしたらお届けします。市販品は業者から補充できますが、サークルの共有財産として蓄えてきた手作り教材は、AKKNやサークルの仲間と連絡をとりながら補充していきましょう。
 今日もお休みを返上して作業と聞きました。無理をして疲れから体調を崩さないよう、くれぐれも注意してください。



番号 00I-009  送信日 00/09/15  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害3

 船橋さん、鈴木さんメールをいただきありがとうございます。まだ何を欲しいか考える余裕がありません。EHCでつくったほとんどの作品がなくなりました。マルチカウンターも12,3台すべてなくなりました。デジタルマルチメーターとアナログメーターは学校に持っていってなく助かりました。指南車とアンパンマンのブランコも哀れな姿となっていましたが、感傷に浸る余裕もなく大忙しです。斜方硫黄の結晶模型は何とか助かりましたが、ドラアイアイスは見あたりませんでした。軽いため結晶模型は浮かび上がり助かったものが多くありました。
 今日は自分の席まで片付けられると思っていたら、業者の人数が増え、一気に片付けられ、取捨選択の自由もないまま準備室の中身は全部なくなりました。岩田先生は10月に出かける修学旅行のしおり原稿が見つからず、たいへんです。教材研究に時間をかけられません。実験室を使わずにすぐできる教材はありませんか。物理でも化学でも生物でも結構です。準備に時間のかからなく、生徒に喜んでもらえるものが欲しいと思います。そんなのたくさんあれば日頃苦労をしないよね。手品もいいと思います。誰か東急ハンズで超極薄ゴムシートを買ってきてもらえませんか。コインがゴムシートを通過する手品ができるのです。投げ込み教材大歓迎です。この際皆さんのお薦め教材を適当に送って下さい。
 業者の仕事をストップすることなく、破損備品の写真を撮り、その備品名などメモを残すのが精一杯でした。デジカメが大活躍でした。小さなメモリーカードにたくさん撮れるので便利でした。作業をする人たちと仲良くできたため、契約をしていない仕事までやってくれました。元本校職員はじめ、名古屋市立の仲間達からもボランティアで応援をいただき、一人でたくさんの仕事をこなさなくてよいため、楽になりました。一人補助についてもらうだけで写真を撮るときメモをしなくてすみ仕事がはかどりました。備品の調査を終えることができ、一段落となりました。
 科教協で聞いた話を思い出したので書きます。日大の野口先生に見せてもらった資料で驚きました。あの臨界事故のとき科学技術庁の職員は私たちのようにボランティアで働くようなことはしないそうです。放射線の測定が日曜日には行われなかったデータを見せてもらいました。
 まだ電気もつかず、授業はありません。18日(月)から授業を行うようです。16日(土)は自分で代休をとろうと思います。



番号 00I-010  送信日 00/09/15  差出人 林 正幸
件名 水害お見舞い

 こんばんは、林 正幸です。
 戸田さん、たいへんな被害を受けましたね。私もMOLの会のファイルなどを探して船橋さんと連絡しながら、すぐ授業に使えそうなものを送ります。
 私に関しては、家は無事でしたが、その夜(11日)課題テストの採点に精を出していたら、11時ころに息子夫婦から電話が入りました。二人とも名古屋で働いているのですが、鉄道がすべて不通となり、地下鉄で上小田井まで来たが皆がそこで家族に迎えを頼んでいて大渋滞しており、やむなくタクシーを探して西春まで歩いたが、どうにもならないから迎えに来てほしいとのことでした。家内と二人で雨の中を出発したのですが、用水に落ちた車、動かなくなった車があちこちにありました。そして幹線道路沿いはなお大渋滞、側道は所々冠水していて気が気ではありませんでした。
 12時半ごろ二人を拾い、彼らの住まいの稲沢に向かったのですが、進むほどに深くなりヘッドライトに水がかぶりそうになり車内も水浸しになりました。引き返して道を探し、揚げ句は嫁さんの実家も同じ市内ですのでそこまで送り届けて、家に戻ったら1時半、それから採点の続きをしました。車の方は手に負えず自動車屋に掃除を依頼しました。叔父の家が新川の決壊場所のすぐ近くで、3日間の避難生活を余儀なくされました。私が高校2年のときの伊勢湾台風を思い出しました。



番号 00I-011  送信日 00/09/15  差出人 杉本 憲広
件名 教材提供できたら・・・

 戸田先生
 実験装置なら桜台が近いですから何でもお貸ししますよ。気楽に連絡してください。といっても、僕も自動車がないんですが・・(下記)
 教材ですか?素材としては、木切れ、板、カン、ペットボトル、例の超薄型ゴムシートもありますよ。あと、すぐできるといえば、生物生き残りカードゲームとか、ボトルの中のボルトのパズル(現在青少年の・・に向けて材料集め中)とかですかね。
 はなしは変わり、すごい雨でしたね。僕が住んでいるのはズバリ天白区でそれも天白川沿いなので大ピンチだったんですが、幸運にも浸水したのがもう少し下流でして私のマンションは無傷でした。でも、学校から帰る途中で冠水地帯に車が突っ込んだ時にエンストし、そのままエンジンが生き返らず今修理中です。直るかどうかは今のところ不明。おまけに夜中に残した車が気になって自転車で大雨の中をこぎだしたのは良かったが、途中でこけて自転車だけ流される始末。腰まで水があるところだったのでもうだめかと思いましたが、水が引いてからこわれた自動車に引っかかっている泥だらけの自転車を何とか発見。大笑いでした。通勤途中が浸水地帯なので毎日自転車で(車がない)通るんですが、泥がすさまじいですね。そして異臭がします。でも、日々急速に街らしくなるのが不思議な気持ちがします。たくましい努力があるんですね。
 ではまた。



番号 00I-012  送信日 00/09/17  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害4

 杉本さん、林正さんお見舞い申し上げます。一番被害を大きく受けそうな私は、勤務時間が終わるとすぐに逃げてくる間は無事でした。遅くまで学校にいた本校の教員も9年前の経験で自動車の被害はほとんどありませんでした。この災害をみんなの教訓にしないと行けませんね。低いところにいるときは速く逃げること。
 さて、なんとか解体して部屋の中を空にするところまで来ました。岡田晴さん、沢田さん、奥村さん夫妻他市立高校の方たちが助けに来ていただきました。ありがとうございます。また見舞いの電話をいただいた方にもお礼を申し上げます。おかげで少し授業のことも考えることができるようになりました。水害にあった本校でなければできないこともあると思っています。昨日のNHKの番組で水害を扱っていました。疲れてボーとしてみていたようです。断片的にしか記憶に残っていません。飯田さんよりこの番組で扱っていた内容を教えていただき、実地教育をするのがいいと提案されました。何らかの形で水害の授業をしたいと考えていたので、皆さんからのアドバイス、資料をいただけませんでしょうか。
 次の資料が参考になると思うが、水没してしまいました。どなたかお持ちでしたら、資料を貸していただけませんか。他にもいい資料があれば至急教えてください。
 1.土地条件図
 2.名古屋市地高図
 3.名古屋市地質断面図集 名古屋市公害対策局1987年
   これは私が10冊くらい買ってきて皆さんにお分けしたことがある。持っている方は協力をお願いします。
 4.伊勢湾台風被害状況図
 次のように教材かできないか、意見をお願いします。余裕がないので誰かが本校でも出来そうな穴埋め問題を作っていただけるとありがたいと思います。ご協力を!
なぜ大きな水害が起こったのか。(案)
 1.温暖化よりエルニーニョ現象が起こり、気象の変化、集中豪雨
 2.水は低いところに流れる。地形や土木工事のやり方
   西枇杷島では昔、遊水池となっていた田圃が住宅化
 3.被害にあった生徒の家を地図にプロット、被害に遭わなかった生徒も調査



番号 00I-013  送信日 00/09/17  差出人 飯田 洋治
件名 物理サークルに水害被害支援教材の持ち寄りを

 「9/23物理サークルの日に、水害被害を受けた学校を支援するための教材を持ち寄りませんか。」
 今日、林ひろさんから上記の内容の連絡がありました。彼は独自に印刷物を刷って配ってくれるようです。私の方からはメールでお知らせします。水没した若宮商業は長い間、物理サークルの会場としてお世話になっていたところでもあり、私としてもできるだけのことをしたいと思います。

物理サークル例会
日時 9/23(土)1時〜
場所 愛知県立惟信高校物理実験室

戸田さんへ 
土地条件図は持っていますのでお貸しします。あと、メールにあったものはありませんが、伊勢湾台風の時のものなどいろいろ探すとでてくるかもしれません。探してみます。



番号 00I-014  送信日 00/09/17  差出人 川田 秀雄
件名 集中豪雨被害のお見舞い

 戸田先生、杉本先生お見舞い申し上げます。
 川田です。あの日私は41号線で途中まで行き、引き返し車の中で寝ました。凄い雨で眠れませんでした。初めての経験でした。
 ところで、若宮が2mの水害に遭い、理科の教材が水没したことを知りました。サークルでお世話になったところでもあります。戸田先生やサークルの財産が泥にまみれた事を思うと悲しくなります。
 今朝、林ひろさんから飯田さんのメールにある話があり、23日のサークル例会にお渡しできる教材を持ち寄りたいとおもいます。戸田先生も大変だと思いますが頑張ってください。
 杉本先生も車大変でしたね。お見舞い申し上げます。
 学校祭で忙しく、メールを今日開けました。返事遅れごめんなさい。



番号 00I-015  送信日 00/09/18  差出人 近藤 直門
件名 Re:集中豪雨いかがでしたか

 近藤です
 水害時の対応について地学の授業でアンケートをとりはじめました。5クラスあるので150〜180のデータは集めれる予定です。とりあえず土曜日に一クラス集めた結果から興味ある点をいくつかピックアップすると
1.携帯で家族に連絡した生徒は54%、公衆電話が25%、連絡せず21%でした。(ということは半数強の生徒が実際に持っているということ)
2.携帯がつながらなっかた生徒は21%、なんとかかかった生徒は53%、つながった生徒26%でした。
3.携帯が役にたったという生徒は58%、あまり役に立たなかったが33%、まったく機能しなかった11%
4.携帯を利用しなかった生徒で携帯があるとよかったとこたえた生徒は1名のみでした。
5.高校生にとって携帯は 必要 73% 持ってもよい 21% 必要ない 8% でした。
 6月に指導部が「携帯は援助交際などにも使われるし、お金もかかるのでやはり禁止」という方針を打ち出したばかりですのでなかなかむつかしいでしょうね。しかし、実際半数以上の生徒が利用しているわけですから、「持つな」というよりは有効な
利用法を指導する法が前向きと思うのですが…
 あと驚いたことにインターネットの家庭への普及がさらに進んで
家庭で利用できる 61%  携帯メール 12%  できればつなぎたい 12% ない12% 未記入 3%
という数字でした。4月のころの感じでは3割くらいかなと思っていたのですが、すでに半数以上の家庭で利用が始まっているというのにおどろきました。ホームページや電子メールで学校の対応を知らせてほしいというのも41%ありました。
 でも、それ以上に驚いたのは、このような災害がおこりうることを知っていたかという問いに対して。
 知らなかった 76%   知っていたが実際そうなると思わなかった 15%  その他 6%
 知っている と答えたのは 3% (1人)のみでした。
 地学の授業でさんざん警鐘をならしていたつもりなので、この点にはインターネットの普及以上に愕然としました。
 災害時、どんな事態が予想されるかを知っておくことは防災のもっとも基本です。テレビの報道でも「避難勧告を聞いても大半の人は深刻に受け止めず、朝になって目がさめてからきづいた人もいる」といっていました。今回の災害も予想をはるかにこえた豪雨が原因ではありますが,災害の危険性を住民に周知させていなかった責任は重大だと思います。
 この点は、理科教育としても重要な点だと思いますので、今回のような災害について生徒が災害の発生に対してどのような認識をしていたかをいろんな学校で調査していただけるとありがたいです。このことは行政の防災に対する広報のありかたにもぜひ意見していきたい点です。
 10年ほど前に春日井市で内津川が切れて災害がおきたあと、市議会や住民団体から、「具体的な災害危険性が示された地図、ハザードマップを作成し、市民に示してほしい」と要望しました。でもできてきたパンフには避難所は書いてあるものの、危険性については「低い土地では浸水」「崖の近くでは崖崩れ」などといった一般的な注意だけで、まったく具体性のないものでした。今回の災害を次の災害を少しでも防ぐために生かさなければならないポイントのひとつと思います。
 アンケートは集約できましたら、どこかのWebページで見れるようにします。



番号 00I-016  送信日 00/09/18  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害5

 飯田さん 資料をよろしくお願いします。
 川田さん メールをありがとうございます。返信をいただいたようですが、手紙の返信部分が入っていないようで、残念です。Outlook Expressの使い方がどこか間違っているように思います。
 今日も岡田晴さん、新美さん、加藤英さんなどたくさんの方の応援をいただき、何とか部屋の床を消毒するところまで来ました。でも金属ナトリウムなど危険な薬品がまだ処理されていません。まだ爆発する危険性はなくなっていません。岩田さんのがんばりで、備品の被害状況の報告も何とか夜8時過ぎに提出することが出来ました。
 しかし、消耗品や消耗性備品はほとんどすべてなくなりました。どうやって授業をやればいいのでしょう。皆さんから知恵をいただきたいと思います。
 ゴム手袋をしていたが、そのすぐ上のあたりに腕輪をしたような湿疹が出来た。しんどい思いをして何もない出発点に達しました。苦労しても新しく何かが生まれるのではないのがむなしく思います。この現実を受け入れるところから始まるのですね。本日より授業も始まります。代休が一週間くらいは欲しい。疲れて思考能力がありません。



番号 00I-017  送信日 00/09/18  差出人 加藤 聡也
件名 Re:水害被害4

 戸田先生、お見舞い申し上げます。
 4通のメールを読ませていただきました。想像を超える、被害に遭われたようで、こころからお見舞い申し上げます。
 4つ目のメールで、戸田先生がこの水害の教訓を教材化しようと思い立ってみえることを知り、すばらしいことだと感じました。物質的には支援できませんが、心より応援します。



番号 00I-018  送信日 00/09/18  差出人 飯田 洋治
件名 9/15 NHKTV 水害はなぜ広がったかについて

 今日、学校祭の代休日でしたので、杉本さんの呼びかけに応じて西枇杷島町の職場の同僚の所へ出かけました。今は水が引いていますが、すべての世帯が首までつかる浸水で、1階部分の家財道具などはどこの家もすべて全滅でした。新川の堤防決壊場所も見ましたが、堤防の高さに対する民家の低さを改めて実感しました。その堤防が切れればどうなるか一目瞭然なわけです。
 9/15、文化祭で疲れて帰宅。バタンキューと寝て、目を覚ますと(オリンピック開会式後)、『緊急報告・東海豪雨「突然の濁流・水害はなぜ広がったか」』というNHK番組を放映していました。これを見て大変ショックでした。記憶に残った内容を感想を含めて書くと、次のようなことだったと思います。
1.新川の堤防決壊について
 江戸時代に作られた新川上流はほとんどすべてが田圃で大雨が降るとその田圃が遊水池になっていた。ところが最近急激に市街化がが進みほとんどすべてが宅地に変わり、遊水池がなくなってしまっている。この水はすべて新川に流れるがすでに限度を超している。堤防を高くしようとすると、川にかかった橋や鉄橋をかけかえなくてはならない。多額の費用がかかる。2級河川はすべて地方自治体(県)だという。深く浚渫しようとすれば橋脚が持たない。これにも多額の費用がかかる。そのため全く手つかずの状態になっている時にこの被害がでたというのだ。
 これを見て思った。昔の人は水の流れを考慮しなければ生きられなかった。新川という庄内川のバイパスまで苦労して作った。しかし最近の都市開発は遊水池をなくし、その水のいき場所を全く考えに入れてこなかったようだ。
 遊水池がなくなれば、それ相当の河川の改修が必要なのに。無策。放置。費用は、便利さを追求する土木建築工事(高速道路)や万博などに回されてしまっている。お金のかけ方が全く違った方向を向いている。
 このところの堤防決壊事故は2級河川に集中しているとは思いませんか。
2.避難勧告の問題
 ほとんどの人が知らなかったという問題。これも確かに、大きな問題。特に地震や火山の爆発など不可抗力の自然災害の場合には特に大切。でも今回の場合、新川はすでに限度にきているということがわかっていたから、自然災害というより、人災に近い。避難勧告を出さなくてもいいような対策の方が大切だったのではないか。もちろん、避難勧告はどうでもいいというわけではないが。
3.ハザードマップを作っているのは県内では豊橋だけだそうだ。これがあるだけで、自分はどうすればいいかずいぶん違ってくる。大雨やどこの堤防が切れたらどこが浸水するか、今回の経験を生かした地図づくりはできるのではないか。教材にもなる。
4.野並(若宮高校を含む)浸水
 10年前の教訓が基本的には生かされなかった。新設したポンプが1/5しか稼働しなかった。理由は燃料の水没。これでは多額の金をかけた意味がない。しかしたとえ稼働していたにしても、オーバーフローした川へどうやってくみ出すのか。やはりどこかが根本的に狂っている。西枇杷島町と同じような問題があるのではないか。
 感想を含めて内容を思い出しながら書いてみましたが、今回の水害は多くの問題が含まれているように思います。
 誰かビデオに撮られた方はいませんか。



番号 00I-019  送信日 00/09/19  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害6

 岡田高さんお見舞いのメールをありがとうございます。あなたの所もたいへんですね。愛知県は自宅待機をさせたとは違いがありますね。アルカリ金属が気になり無理して出勤したけれど、私たちの方は12日には水に浸かったままの学校に行っても何もすることはなかったから疲れただけでした。お互いに身体に気をつけてがんばりましょう。あの川は私の小さい頃からよく決壊する川でした。
 杉本さん車は大丈夫でしょうか。できればお願いしたいことがあります。放射線カウンターを急いで貸して欲しいです。もう一つ、理科器具のカタログです。お願いします。余裕がなくもらいに行けません。他の方でも結構です。持ってきて欲しいです。
 生徒を出校させ、授業を始めたというのに未だ爆発の危険は取り除かれていません。あまりにも役所の対応が遅いのでイライラします。臨界事故や雪印などと同じ問題があると思います。一週間ぶりにやっと理科室の周りが工事の都合で立入禁止になりました。これも私たちがしてきた科学教育の結果かもしれません。すべての人に自然科学の基礎を教えることが大切か分かりました。
 今まで気になっていたが書かなかったことがあります。誰か調べて欲しいのです。火災検知器に使ってあるアルファ線源と教育用のアルファ線源が丸一日水に浸かってしまっています。カタログによれば、確かアメリシウムだったと思いますが、水に浸かっても大丈夫なのでしょうか。きちんと調べてください。アルファ線源だから、単体ならばさびて空気中に飛び散ったときにはプルトニウムと同じようにほんのわずかでも危険だと思います。



番号 00I-020  送信日 00/09/19  差出人 近藤 直門
件名 Re:水害被害6

 近藤です
 戸田さん たいへんですががんばってください。
 地層処分の話を聞いたときに、ウランやプルトニウムなど地下水にはほとんど溶け出
してこないという話を聞いたので地層処分のWebページを見てみました。
 http://www.jnc.go.jp/kaihatu/tisou/entry/entry11.html
にアメリシウムはとけにくいものの例としてあげられていますので大丈夫と思います。



番号 00I-021  送信日 00/09/19  差出人 林 正幸
件名 放射性同位体と原子力発電

 こんばんは、林です。
 このところ第12章「遷移金属元素の単体と化合物」の授業プリントを作成しています。まだ完了はしていませんが、ここで是非取り上げたいと考えていた「放射性同位体と原子力発電」の部分がまとまりましたので、一度皆さんから意見を聞かせてもらいたいと、その全文を紹介してみました(図は省略しています)。ちなみに私はここで初めて同位体を扱います。そして3時間の授業でやるつもりです。なお日本科学者会議編「原子力発電〜知る 考える 調べる〜」(1988年、合同出版)が役に立ちました。
 ではまた。


<授業プリントの引用>

4.放射性同位体

[A]同位体
 これまで水素、炭素、酸素などすべての元素は、ドルトンが考えたようにただ一種の原子、つまり水素原子、炭素原子、酸素原子などからできていると説明してきた。しかしより厳密にはすべての元素はそれぞれ数種の原子から構成されている。原子の(種類)は原子番号つまり陽子数で分類されるが、(陽子数)が同じで中性子数が異なる、つまり(質量数)が異なる原子が存在し、それらは互いに(同位体)と呼ばれる。
次に同位体の例と自然における存在率を紹介する。
       水素              炭素
    1H    99.985%    12C   98.89%
    2H     0.015      13C    1.11
      マグネシウム          塩素
    24Mg  78.99%      35Cl  75.77%
    25Mg  10.00        37Cl  24.23
    26Mg  11.01
同位体の性質は互いに(極めて)似ており、通常の化学的方法では区別することが難しく、したがってただ一種の元素として扱われる。

問1 元素が本当にただ一種の原子からできておれば、その原子量は質量数に近いつまり整数に近い数値になるはずである。しかし実際には質量数が異なる同位体に混合物である。塩素について、35Clが75%、37Clが25%であるとして、それから原子量を県債してみよ。
    35×0.75+37×0.25=35.5
                    答 塩素の原子量 35.5

[B]放射性同位体
[1]1898年にマリー・キュリーは夫と協力して、強い放射線を出す(ラジウム)という元素を発見した。
[2](放射線)とは原子から電子をはじき飛ばしてイオンにするだけの高いエネルギーを持つ粒子のことである。主な放射線には
    ヘリウム4の原子核(2価の陽イオンであり、
                 アルファ線またはアルファ粒子という)
    電子(ベータ線という)
    中性子(中性子線という)
    (ガンマ線)、エックス線(紫外線より波長が短い光子)
がある。
参考:放射線を出す性質は(放射能)と呼ばれる。

[3]ラジウムには10種以上の同位体が存在し、そのすべてが放射線を出して別の元素に変化していく。自然に放射線を出す同位体は(放射性同位体)と呼ばれる。たとえばラジウム226(226Ra)はラドン222(222Rn)とアルファ粒子(4He2+)に 変化する。
    226Ra −→ 222Rn + 4He2+
このように原子核が変化して別の元素が生成する反応は(核反応)と呼ばれる。この反応では2個の電子も放出されているが、原子核の変化に注目しており、それに関わりがない放射線と呼べない電子は無視される。
[4]人工的に核反応を引き起こすこともできる。たとえば(ベリリウム9 9Be)にアルファ粒子を照射すると炭素12(12C)と中性子(n)に変化する。
    9Be + 4He −→ 12C + n
上のようにアルファ粒子を 4He と表すことが多い。
 92番のウランより原子番号が大きい元素は天然には存在しない。ウラン238(238U)に中性子を照射するとベータ線(e-)2つを出して94番の(プルトニウム239 239Pu)が生成する。
    238U + n −→ 239Pu + 2e-
この種の人工元素の同位体はすべて放射性である。

[C]トレーサーと年代測定
[1]放射線は粒子1個1個を検出することができるので、放射性同位体を利用した分析は極めて高感度になる。たとえば非放射性の金片の表面に放射性の金198(198Au)を含む金を押しつけ、時間をおいてからもとの金片を薄片にして調べたところ、内部の薄片から放射線が検出された。このようにして金属(結晶)の内部でも、原子どうしが入れ替わってゆっくりと(拡散)していることが分かった。このように放射線によってその 振る舞いを追跡するために利用する同位体は(トレーサー)と呼ばれる。
[2]放射性同位体が放射線を出して変化し、もとの半分の量になるまでの時間は(半減期)と呼ばれる。半減期はその原子核の性質の基づいており、一切の外的条件に左右されない。
 (炭素14 14C)という放射性同位体の半減期は5760年である。これは大気上層において宇宙線の作用でわずかずつ生成し、大気を拡散し、他方で放射線を出して別の元素に変化していく。その結果大気中に含まれる炭素14は炭素全体の1兆分の1という濃度に常に(保持)されている。それは二酸化炭素を取り入れた植物体の炭素についても同じことである。ところがそれが地中に埋もれて現在に至ると、その間は炭素14は減少するだけであり5760年で半分になる。こうして炭素14の濃度を測定することにより、およそ5万年前までの(年代)を知ることができる。

[D]放射線の被害
 放射線がどんなに重大な被害を人体に及ぼすかは、広島・長崎の原子爆弾による惨禍を見れば明らかである。
 放射線はその高いエネルギーのため原子を(イオン化)し、それによって分子を破壊し、細胞の構造を破壊する。放射線を大量に被爆すると、下痢、おう吐、発熱、脱毛、出 血、衰弱、そして死に至る。
 しかし放射線がこわいのは、それがたったひとつの粒子でも決定的な影響を与える可能性がある。つまり遺伝子を損傷させて、白血病を始めとする(がん)を引き起こしたり、子孫に(遺伝的)影響を与えたりすることである。
 アルファ線、ベータ線は貫通力が小さいが、ガンマ線、エックス線、中性子線はコンクリート壁も突き抜ける。しかし放射性同位体が、呼吸、飲食、接触により(体内)に取り込まれると、前者も重大な影響を与える。
 よく問題になる放射性同位体には、トリチウム(水素3の別名 3H)、ストロンチウム90(90Sr)、ヨウ素129(129I)とヨウ素131(131I)、セシウム137(137Cs)、プルトニウム239(239 Pu)などがある。

5.原子力発電

[A]核反応のエネルギー
 核反応に係わる(エネルギー)は桁違いに大きい。たとえば(ウラン235 235U)の原子核にスピードが遅い(中性子)が衝突すると、図のように分裂して2つの原子核と1〜3個の中性子に変化する。この種の核反応は(核分裂)と呼ばれる。そしてこのとき発生するエネルギーは炭素が燃焼するときの25万倍(1g当たりで)である。

                   図1

 このエネルギーが最初に利用されたのは、不幸にも広島に投下された(原子爆弾)であった。このとき発生したエネルギーは1.6×1014Jで、TNT火薬2万トンが発生するエネルギーに相当する。

[B]連鎖反応と臨界
 ウラン235の濃度が高くなるにつれて、核分裂で発生した中性子が外に抜ける前の別のウラン235の原子核に衝突して再び核分裂を起こすようになる。このようにひとつに反応が次の反応を引き起こす反応は(連鎖反応)と呼ばれる。そしてひとつの核分裂で発生した中性子のうち平均1個が次の核分裂を引き起こして核分裂が継続するようになる状態は(臨界)と呼ばれる。臨界を越える濃度では核分裂は(ねずみ算)式に拡大して一気に膨大なエネルギーが発生する。これが原子爆弾の原理である。99年に日本で起きたJCOウラン加工施設の事故でも、くり返し臨界を越える核分裂が起き、中性子などの放射線が発生した。

[C]原子力発電
 ウラン235の核分裂を臨界ぎりぎりに(制御)して持続的にエネルギーを発生させ、それで発電機を回すのが(原子力発電)である。核分裂を起こす部分を原子炉と言い、その多くは図のような軽水炉と呼ばれるタイプである。(水)を入れた圧力容器に(濃縮ウラン)を詰めた燃料棒とホウ素などを入れた(制御棒)が差し込まれている。水は核分裂で発生する中性子の速度を(減らして)核分裂が起こりやすくすると共に、発生する熱エネルギーを熱交換器で別の水に伝えるはたらきをする。制御棒は中性子を吸収して核分裂が(起こりにくくする)。
 また核分裂生成物には(放射性同位体)が多く含まれ、発生する中性子によっても新たに生成するので、これらが外部に(漏れ出さない)ようにする必要がある。

                   図2

[D]ウランの濃縮
 天然のウランには核分裂を起こすウラン235は0.7%しか含まれておらず、残りはウラン238である。このままでは臨界にするのが難しいのでウラン235を濃縮してその濃度を高くする。同位体の性質は極めて似ているので、これには高い技術が求められる。またこれは核兵器の開発に結び付いている。日本は濃縮ウランをすべて米国から輸入している。
 ガス拡散法では、気体分子はその(分子量)が小さいほど拡散しやすいことを利用する。製錬したウランを(六フッ化ウラン UF6)にし、加熱して気体にして多孔質の隔膜を通すとわずかにウラン235の濃度が高くなるので、これをねばり強くくり返す。このあと
(二酸化ウラン UO2)などにして成形して(核燃料)となる。軽水炉にはウラン235が3%になった核燃料が使用される。
問2 ウラン235を含む六フッ化ウランと、ウラン238を含む六フッ化ウランのそれぞれの分子量を計算せよ(F=19)。
    235UF6=235+19×6=349
    238UF6=238+19×6=352

[E]運転中の事故
 1979年に米国で(スリーマイル島)原子力発電所が事故を起こした。このとき原子炉内の水が減少した状態で温度が2000℃まで上昇し、水素爆発が起きた。非常用炉心冷却系はうまく作動せず、原子炉の破壊を防ぐために大量の放射性ガスが放出された。
 1986年に旧ソ連で(チェルノブイリ)原子力発電所が事故を起こした。これは黒鉛炉と呼ばれるタイプで、核分裂を制御できなくなり、大爆発で発電所全体が破壊され、膨大な放射性同位体が国境を越えてまき散らされた。半径10kmは居住不可能となり、今だ公式な報告はないが、原爆に匹敵する被害が出たとも言われている。
 日本でも1981年の敦賀原子力発電所の放射性廃液漏れなどの事故がある。事故原因のひとつは、過酷な条件で運転される原子炉に用いる金属材料がその技術が追い付かず、(応力腐食割れ)を起こすためである。加えて日本では事故のたびにそれが(隠ぺい)され、国民の不信を招いている。

[F]再処理と放射性廃棄物
 使用済み核燃料には、燃え残りウラン、プルトニウム、核分裂生成物などが含まれ、これらを分離する操作は(再処理)とよばれる。日本ではこの技術が確立しておらず、現在はフランスなどに依頼している。
 (プルトニウム)は強い放射線を出し、半減期が長く、体外に排出されにくいので、取り扱いが難しい。これは(高速増殖炉)というタイプの燃料にする予定だが、このタイプの開発は行き詰まってしている。またプルトニウムは(核兵器)になるので、日本で大量に保管することは許されない。
 核分裂生成物は強い放射線を出し、半減期の長い同位体を含み、高レベル(放射性廃棄物)と呼ばれる。この放射線が収まるには何万年という時間を必要とする。これの処分技術は世界的に確立しておらず、現在は貯蔵タンクに保管している。
問3 私たちは原子力発電をどのように考えたらよいだろうか。

<以上>



番号 00I-022  送信日 00/09/20  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害7

 授業は再開されているのに未だに金属ナトリウム、カリウム、リチウムと毒物劇物など片付けてもらえません。さらにアルファ線源や劇物毒物も一緒にそのまま放置されています。未だに処分されていない転がった放射腺源保管庫の写真や水素爆発の危険を放置し、授業を再開する神経は何でしょうか。私たち理科の教員はこのような危機管理能力のない国民を育ててきたのですね。理科室の周りには荷造りテープを貼って工事のため進入禁止となりました。昨日はった「進入禁止 火気厳禁 散水禁止」の張り紙ははがされていました。
 埼玉の湯口さんにも助けて欲しいとのメールを送ったら他のサークルにも転送していただき、ICU高校の滝川さんから早速本、教材、事務用品などを送っていただきました。
 後になりましたが、林正さん、船橋さん早速プリントを送っていただきありがとうございました。作りたいと思っていた周期表の色塗りや、突然の休みになるときに使うといいような教材までいただき嬉しく思います。準備に時間のかからないものからそのまま使わせていただきます。
 緊急性の高い備品調査もいいけれど少し身体を休ませろ。α腺源は水に浸かったまま一週間以上も放置していても大丈夫なコーティングがしてあるのでしょうね。先回も書いたことですが、α腺源は肺に吸い込んだとき一番深刻な被害を受けるわけですが、大丈夫でしょうか。誰か早く調べてください。行政は現状をすべて知っていても撤去は20日(水)以降となりました。今までのことを見れば分かりますが、19日(火)本校に派遣された業者は放射腺源があることを知らされていないし、その資格がないと言って帰っていきました。長い間危険を放置しその校舎の2階以上では正常に?授業が行われています。重なって書いてしまったけれど、お許しを下さい。倒れたときのためにも事実を記録しておかなくてはならないので、過激な書き方をし、失礼しました。
 林ひろさん物理サークルニュース緊急アピールをいただきました。ありがとうございます。但し、天白川は決壊していません。もっとひどい人災というのが現状だと思います。



番号 00I-023  送信日 00/09/20  差出人 久保田 英慈
件名 Re:水害被害7

 戸田先生、申し訳ありませんが、今になってゆっくりと、メールを読めるようになり、先生のところが大変なことになったことをやっと知りました。遅ればせながら、お見舞い申し上げます。
 メリーランド大のCD-ROMは、まだ私のところにありますので、お返ししてもよろしいですし、MOに落とすかCD-Rを焼きましょうか?また、先生からいただいた多くの資料がありますので、是非ともお渡ししたいです。ただ、まことに申し訳ありませんが、9/23は行けない可能性が強いですので、折に触れて、持って行きたいと思います。
 気付くのが遅れ、申し訳ありませんでした。



番号 00I-024  送信日 00/09/21  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害8

 同僚には迷惑をかけるけれど、今日は通勤拒否をして自分で代休を取り医者にかかり、腕の湿疹の治療をし、点滴をしてもらいました。毎日立ったままの仕事ばかりで、足にも浮腫が目立つようになりました。学校に電話をしたら、やっと爆発物と放射腺源の処理が出来たようでしたので、一日休むことにしました。先回も書いたが、爆発がいつ起こってもおかしくないものを処理せずにその上の教室で二日の授業を行い、口止めをするとは未だに納得できません。内部告発をしたい気分です。危険の扱いや復旧も危険なものから片付けるなど今後の問題として、教訓を引き出さないといけません。私は電話で若い女性の先生には片付けにつきあわせるなと指示をしたのに、立ち会わせていたようだ。爆発でα線源が粉になって飛びちったときの被害が特にひどくなる。このような国民教育しかやってこなかったのだ。どの分野の人でも、特に主導的な立場の人はイマジネーションを働かしてもらいたい。金属ナトリウムが25グラムあればだいたい少なくとも1000倍の体積となることを考え、温度の上昇も考慮しなければならないので放射線のα線源飛び散り肺の中に吸い込んだら、大変なことになる。
 近藤さん
 放射線源の危険の調査をありがとうございます。
 久保田さん
 お見舞いありがとうございます。メリーランド大学のCDは今とても取り組める状況にはありません。翻訳を済ませた部分のバックアップをとってあったので今までの仕事が助かりました。どなたかボール盤とかジグソー盤などの載っている技術関係の道具のカタログがあればいただきたい。
 林正さん
 放射線源問題についても、うかがいたいことがあります。



番号 00I-025  送信日 00/09/23  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害9,10

水害被害 9
 9月21日(木)
 水害の被害状況の画像を送ろうとしましたが、失敗しました。画像が大きすぎるのか、送信中にエラーが出ます。どのくらいのファイルにすればいいのでしょうか。今日は寝ることにします。

水害被害 10
 9月22日(金)
 9月21日(木)まで爆発物や放射線源をそのままにして授業が行われている。危険であるとの意見を何度となく言ってきた。なお、言い足りないのか。現場の教員としてやるだけのことはやったと思います。でも爆発が起こっていれば現場は何をやっていたのだと責められるのだろう。アルカリ金属類を何とか片付けるように動き出した。まだα線源は取り除いていない。専門家が来て、放射線源はアメリシウムとラジウムと判明した段階です。何とか動き出したので、20日、21日と続けて勤務を休み医者の診察を受けました。疲れのとれる点滴をしてもらい、身体は少し回復しました。ごろごろと寝ころんでいると、思い出すことがあります。今日も過激なことを書きます。お許しをいただきたいと思います。まとまったわけでもないが、記憶のあるうちに気のついたことを書いておきます。
1.劇薬毒薬爆発物などを早く片付けること。
 同僚に聞けばはっきりすると思いますが、日にちはもうはっきり覚えがありません。準備室の中には危険なもの以外スチールの机しかありませんでした。泥棒に窓をこじ開けられていました。何を盗られたか分かりません。管理職は教育委員会には報告したようですが、警察には届けていません。
2.新美さん夫妻、三浦さん、加藤英さん、杉村さん、工業の物理の先生(名前を思い出せない)。岡田晴さんは、二日続いてきてくれた。サークルでいつも一緒の方に来てもらうと心強いものです。彼には他のボランティアの方たちにはゴミとしか見えないけれど、私にとっては大切な教材をいくつも復活させてもらいました。
3.被害にあった現場の教員はゴミの片づけはするべきではない。自分の大切なものを少しでも復活させるようがんばった方がよい。ボランティアの人たちに仕事の指示をするだけで、彼らに甘えればよい。
4.バッテリーなど鉛を含むもの、重金属の化合物、気圧計の水銀など危険なものを分けていたが、一部は一般ゴミと一緒に処分されてしまった。

 このようにいろいろと思い出すが、一番ショックを受けたことを書きます。たくさんの仲間が見舞いの言葉をかけてくれたり、名前も知らない方たちが復旧作業に参加していただいた中でのことです。組合の役員が顔を出し、最初に聞いた言葉が一番きつかった。自分としては退職を目前にして荷物を皆さんに手伝って片付けてもらったと思い、現実を受け入れようとしていた。しかし彼の口から「君のゴミをみんなで片付けてもらってよかったね。」との主旨のことを聞いたときただ笑って答えるより他なかった。教員組合の目的は何か。団結して、労働条件などを改善し、よりよい教育を求めことがまず大切なことではないか。そのためには組合員の一人の喜びをみんなのものにしひとりの悲しみをみんなの悲しみとしていく、仲間を大切にするそんな組織ではないのか。こんなときこそ現場の意見を最大限に尊重し、心の支えとなるものではないか。
 私は分会会議も開けない中、一組合員として組合に電話をしました。次の二点を組合として教育委員会に要求して欲しい。
1.危険物の撤去を最優先してやって欲しい。爆発の危険があり、α線源は体内にはいると一番危険。
2.現場の要求を最大限尊重せよ。被害調査など後でも出来ることを急ぐな。現場の教員が勤務時間を大幅に超えて働いている。たくさんの方が休日や日曜日も復旧にがんばっているのを当てにし、代休もいっさい与えない中で、備品の被害調査の報告を日曜日の夜12時に出すよう指示された。
 これに対して現場の気持ちになって動いて欲しかった。それは学校として要求しなさい。分会としても意見をまとめれば動くとの返事だった。分会会議を開かなくても職場の意見であると思うのだが・・・
 この程度のことも組織としてはすぐに行動に移れないのだろうか。
 こんなことを書くので、また精神的にどっと疲れが出ました。立ち直れるのだろうか。



番号 00I-026  送信日 00/09/24  差出人 船橋 隆久
件名 想像以上の若宮の被害状況

 船橋です。
 戸田先生からの「水害被害」メールで、若宮の状況をある程度は分かっていたつもりでしたが、物理サークルで「若宮の被害状況」を記録したビデオテープを見て、あまりのひどい状況にショックを受けた一人です。帰宅後、高三の息子にもこのテープを見せたところ「これが学校?ひどすぎる!」と言ったまましばらく会話がとぎれてしまいました。
 バスケットボールのボード近くまで水没したグランド、無数のスリッパが浮かんでいる玄関ホール、畳がめくれあがり障子がビリビリに破れてなくなってしまった作法室、机や椅子そして冷蔵庫などがひっくり返って粗大ゴミ置き場と化した数学準備室、どれを見ても胸が締めつけられる思いでした。
 そして物理サークルでお世話になった「物理化学準備室」も、机椅子がひっくり返り、備品の電源装置、冷蔵庫、フーコー振り子、ボール盤、パソコン、オシロスコープ、ウェーブマシンなどが泥だらけになって転がっているのを見たとき、本当に情けない思いがしました。
 土地条件図や1/2.5万地図を使った飯田先生の「天白川流域OHPシート」は、今回の集中豪雨による野並周辺の被害を大きくした要因を、わかりやすく説明した貴重な資料だと思いました。その土地条件図等の資料によると、「若宮商業は天白川の旧河川上に立てられた高校」だったのですね。今の野並周辺はすっかり宅地化され、昔の面影を知ることはできないわけですが、今回のような集中豪雨でひとたび洪水が発生すると、あっという間に昔の状態つまり遊水池としての姿を復元してしまうのですね。そして「2つの河川が合流する上手(若宮、西枇杷島町等)は上流の堤防が決壊でもすれば、堤防がかえって水をためてしまう」という説明も納得できるものでした。
 私が住んでいる小牧市小木という地域の約200m西側は、市街化調整区域として住宅の建設が規制されており、岩倉まで水田が続いています。今回の集中豪雨でも、この地域一帯の水田は完全に冠水しました。しかし翌日の夕方には水田の水もほぼなくなり、遊水池としての役目を十分に果たしていることを実感しました。つまりオーバーフローした水を徐々に川に流して堤防への負担を軽くし、決壊という最悪の状況を回避しているのですね。
 ではまた。



番号 00I-027  送信日 00/09/25  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害14(被害画像あり)

 画像を送ろうとしたらサーバーに拒否されました。エラーメッセージを見ると、20000バイトを越えては受け付けてもらえないようです。メーリングリストでは画像を送れないことがやっと分かりました。
 今回は水害による被害の画像を船橋さんの所へ一つ送ります。ホームページでご覧になってください。東京の滝川さんや湯口さんから実用品や実験道具をすぐ送ってくれました。水没して残念だったものが復活したり嬉しく思います。滝川さんは我がことのようにいろいろアドバイスをいただいています。サークルの仲間にやってもらうこと、行政がやり出す前に民間でどれだけ援助が出来るか考えなさい。自分でやること、記録を残すこと、このようなことを言ってもらうだけでありがたく思います。愛知の皆さんも自分が水害を受けたとき何をなすべきか、自分の問題として考えてください。この水害を何とか実地教育をする材料としてまとめたい。
 飯田先生が社会の先生の知恵を借りて、一つは分かりやすい資料を作っていただいた。もっと地学や地理の先生の知恵を借りたいなあ。新修名古屋市史第八巻自然編にいくつか資料が載っているが、縮尺がまちまちで比べにくいと思います。どなたかすべて二万五千分の一の資料に合わせてもらえるとありがたいです。OHP用の薄いカラーシートがあると飯田さんのまとめも分かりやすくなると思います。皆さんで協力していいなぜ水害がひどくなったかを考える教材を愛知で作りませんか。各学校の生徒やその親戚知り合いなどの浸水状況を調べて集めると、飯田さんの話にあった堤防を作る前の級河川の地形や土木技術の問題点が浮かび上がってくると思います。近藤先生の調査も併せて、全市的に調査をしませんか。どなたか中心になってまとめていただきたいと思います。気象の問題もありますね。
 水害被害調査を物理サークルで手伝ってもらうことも考えましたが、中止します。業者のデーターベースが使わせてもらえるようです。皆さん水害の教材の仕事をやっていただけませんか。現場では授業をやりながら、夜遅くまでにかかって被害状況の調査報告を何度でも金の出所毎にやらされています。消耗品の調査まで積算して予算請求をしなければなりません。一つ新設校をつるほどかかるものを短時間にそんな書類を出来る分けないですよね。
 物理サークルのとき皆さんが持ってきてくれたような簡単ですぐ、自習課題と出来るもの、一つ授業に持っていけば授業で使えるもの、(出来れば簡単でもそれをます刷りすれば授業できるようなものが一番優先でいただきたい。)大きな器具などはどち道教室に持っていくことは出来ないし、実験室が改装されるまで使えないと思います。そのころには新しい実験道具が入ってくるでしょう。今のところは実験室を使うのは一年以上先になることでしょう。




番号 00I-028  送信日 00/09/25  差出人 近藤 直門
件名 Re:水害被害14

 近藤です
 画像ファイルは,メールを読む環境がいろいろで、もらってもうまく表示できなかったりします。添付ファイルはテキストファイルに変換されて送られるので,受け取った側で、元に戻す作業が必要です。これを自動でやってくれるメーラーもありますが、戻してくれない場合は復元させるソフトを使って見れるようにしなくてはなりません。
 もうひとつは,ファイルサイズが大きいので、メールサーバーに過大な負担がかかるからです。100人のメーリングリストの場合,サーバーは100通のメールを出さなくてはなりませんが、ファイルサイズが大きいとたいへんです。
 画像は、Webにおいて公開するのが適切です。他に公開したくない場合は、パスワードをつけたり、公開されたページからリンクを作成せず、メールで直接画像ファイルや画像を閲覧するためのHTMLファイルへのURLをしらせればよいでしょう。
 私も、春日井市南西部、自宅周辺の記録と、淑徳での対応をまとめています。まだ、西枇杷島や天白川周辺など、水害がひどかった地域にはでかけれていませんが、土地条件図などと対応させて、ふだんあまり気にしてないことの多い地盤高と水位の差のデータもわかりやすいデータとして集めておくといいですね。
 淑徳では地学IAの「みのまわりの地学」の部分を濃尾平野を題材に実施していますが,今回の災害のアンケートでは、一学期にその授業を受けた生徒でも、60%以上が「あのような災害がおきうることを知らなかった」と答えています。伊勢湾台風や17号台風(長良川安八水害)の例では、今の生徒には生まれる前の「歴史上のできごと」です。
 また、行政に対しては、災害を防ぐための物理的な方策(堤防の強化やポンプ場の整備など)と同時に、災害がおきたときどうなるかを住民にきちんと伝える責任があると思います。そのためにハザードマップの作成と公表が必要と思います。
 淑徳では、校長には学校の対応について、父母から相当きつい電話などがあったようで、学年会議で「この機会に東海地震も含め災害時の学校としての対応を具体的に検討しましょう」と提案したら、「あの時点ではしかたなかった」「大雨警報で生徒を下校させることにしたら休校ばかりになる」「あの災害は特別なものであれを基準にしたらこまる」などちょっと過剰な反応がかえってきておどろきました。
 もちろん、学校の責任者としての校長の責任はありますが,災害に対する教職員全体の意識の甘さや、生徒の安全をどう確保するかというマニュアルの不足なども問題です。恥ずかしいながら、私自身も、当日は私学のパソコン研究委員会があり、そのレポートの準備でたまたま前日も,朝も天気予報をきいていませんでした(車通勤だとこうなります)。研究会にはびしょぬれになって到着された先生も見えたのですが,「自転車でちょっと雨が強かったかな」と思ってました。なかにはインターネットでひまわりの写真をだしていた先生もみえたのですが気に留めずにいました。5時くらいに研究会がおわり会場をかたずけたころには生徒はもうかえっていました。そのあと帰途の車中、テレビのニュースでひまわりの写真や警報を聞いて、「これはたいへんなことになる」とはじめて気がつきときすでにおそしでした。警報がでて生徒を下校させるときには、降雨や風の状況、道路の状況、交通機関の状況をできるだけ情報収集し、生徒にもその情報を伝えて返すべきだったと思います。
 いずれにしろ、この災害を次の教訓として生かすためには、きちんとまとめておく必要がありますね。



番号 00I-029  送信日 00/09/26  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害15 カタログリストありがとう

 早速カタログリストを送っていただいた方ありがとうございます。すぐ使え助かります。その後、業者の協力もあり、何とか見通しがよくなりました。まだファイルを作っていない方は、仕事を中断してください。
 また急に仕事を頼むかもしれませんが、よろしくお願いします。数百枚もある写真とそのリストから該当する物品を探すという仕事はまさにコンピュータのする仕事です。期限に追われ、こんな仕事をさせられているかと思うと疲れを感じます。今まではコンピュータのする仕事を手作業でしていました。
 明日9月27日(水)国庫補助の備品について見積もりを取って提出するところまで来ました。芯の疲れがとれないが、中間考査の問題を作るところです。



番号 00I-030  送信日 00/09/27  差出人 戸田 亜昭
件名 水害被害16 至急アイデアをいただきたい

 至急ご意見を下さい。助けてください。お願いします。
 今後の理科室はどうあるべきか。至急ご意見をいただけたらありがたいです。IT革命にふさわしいといえば予算が付くのでしょうか。現場ではゆっくりと考えたいが、役所の人間はすぐに復旧してやる。明日までに意見を出せといわれています。どんなことでも結構です。予算をつけさせてよりよい教育が出来るためにはどんな理科室にすればいいのでしょうか。大まかな意見でいいのですが、知恵をいただけたらありがたいと思います。キャッチフレーズだけでも結構です。
 役所の人間は何のための復旧を考えているのか。被災者が立ち直れるよう援助するのが行政のすることではないのか。このことについていっぱい書きたいことがあるが、その余裕がありません。皆さんも自分のこととして考えてみてください。
 役所は組織として動いています。国庫補助の備品の係りがいるでしょう。名古屋市の単独でお金を出している備品を管理する係りもいるでしょう。施設を管理する係りも電気設備の係りもいっぱいいるでしょう。しかし、すべて被災した理科室の現場では一人の人間が対応させられています。一升瓶には一升の水しか入れられないのです。このままでは殺されてしまいます。昨日は深夜2時過ぎまでかかって国庫補助の備品のリストを作り、それを今日提出したところです。それも皆さんや業者の方の協力があって初めて出来たところです。新設校を作るときは長い間かけて準備していることを一人前に授業をやり試験問題も作らないといけないのに、同じことをすべて短期間のうちに報告しろという。この気持ちを組合にも分かってもらえない。非常時に分会会議ももてないのにどうやって意見をまとめればいいのか。現場に負担をかけるなといって欲しい。復旧などゆっくりでよい。私とおなじ組合のかたは代わりに意見を出してください。ほんとにこのままでは殺されそうです。
 至急アイデアを下さい。