番号 00B-001 送信日 00/02/01 差出人 田中 英二
件名 PC/AT互換機を使っての計測の件
こんばんは、田中です。
この冬から、PC/AT互換機を使った計測について考えています。NECのPC98のCバスに相当するのが、ISAバスであることが、船橋さんの連絡で分かってから、ISAバスでの計測を考えています。一番簡単なのは、PC/AT互換機用の(DOS/V用)QUICKBASICがあれば一番はやいのです。それで、どなたかそういう情報があったらぜひ教えてほしいと思います。これがない場合は、VISUALBASICで、プログラムをつくり直さないと使えません。それでもやるのか。それとも、今のPC98を大事にとっておいて使えるまで使って今までの財産で終わるのか。一番問題はソフトを作れるかにかかっています。
今までの財産がすぐに使えるのは、DOS/V用のQUICKBASICを見つけることです。そうすれば、PC/AT互換機でまた今までのようにソフトも開発できますし、VISUALBASICで作りたい人はそれもできると思います。
なぜそんなにPC/AT互換機にこだわるか。もうおわかりですよね。みなさんのパソコンもだいぶ古くなってきてNEWがほしいと思っている人もいると思います。最速マシンを安価に手に入れるには、PC/AT互換機です。この傾向は当分続きそうです。
それと、組み立てが簡単です。自分で組み立てられます。
DOS/V用QUICKBASICを探しましょう。と同時にMASMver6も情報お待ちしています。
番号 00B-002 送信日 00/02/02 差出人 船橋 隆久
件名 紙すきの資料紹介
船橋です。
戸田先生から依頼のあった「紙すきの資料」がありましたので紹介します。
資料1.「ものづくりハンドブック1」(仮説社)P.86 『牛乳パックで和紙はがきをつくる』
資料2.「おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル」(東京書籍)P.178 『紙づくり』
資料3.「紙すきセット」手作り科学実験機器工房(株)メイトウ(Tel.0561-62-8800)
牛乳やジュースの紙パックの表面についている「ポリエチレン」の皮膜をはぎとり、その後ミキサーにかけてこなごなにしてパルプを作る点は資料1,2とも共通しています。資料3は「ケナフの種40粒」もついているので、木を育てるところからスタートする本格派です。
資料1,2では「紙すき用の木枠」も自作するように詳しい解説がのっています。資料3は完成品で販売(ケナフの種+紙すきセットで3500円)していますので、すぐに実験にとりかかれます。私は資料3の「紙すきセット」を1年ほど前に購入しましたものの、一度も試さないでそのままになっています。これを機会に「ケナフの種まき」から挑戦してみようかな思っています。
ではまた。
番号 00B-003 送信日 00/02/06 差出人 久保田 英慈
件名 センター入試の理科の人気について
こんにちは。
先日、過去の新聞の記事をチェックしていたら、本年度のセンター入試では、理科の人気が高くなったと報じられていました。“理科人気を繁栄して”とも報じられていました。
“理科嫌い”が叫ばれて久しいですが、大学入試では理科は人気者なのでしょうか。うちにも高校があるのですが、確かに化学・生物は人気があるような気がします。しかし、高校の授業を最近受け持っていないので、詳しいことは分かりません。
中学校では相変わらず“理科嫌い”なのですが....。生徒から“高校では絶対に理系に行かない”等といわれると、寂しい気分になります。
番号 00B-003 送信日 00/02/07 差出人 林 正幸
件名 塩類の溶解度はどうして温度が上がると増えるか
こんばんは、林です。
今回は大学生の見出しの質問に対する私の返事を紹介します。どうしてというのは、田中さんからしばしば化学熱力学のことを説明してほしいと頼まれていたからです。いきなりその全体像を示すのは私の能力に余りますが、このような形でなら書けると思いました。そしてさらに疑問などが展開していけば、私も勉強できます。
<質問>
僕は19歳の大学生です。さっそくなんですが・・・なんで電解質の水への溶解度は温度が上がると増える場合が多いのですか? 図書館などに行って調べてるんでけど、電解質が水の中で電離して陽イオンと陰イオンに分かれて、陽イオンのまわりには水の双極子の負側が、陰イオンのまわりには水の双極子の正側が配向することは載ってるんです。しかし、温度を上げたとき、それらはどのようになっているかがどうしても分からないので教えてもらえないですか? 温度が上がると分子内の熱振動が増すことは分かっています。
<説明>
化学Uで平衡の学習をしたと思います。溶解度というのは、溶質が飽和したときにどれくらい溶けているかを表します。飽和状態では、溶解という変化と析出という変化が平衡状態になっています。ルシャトリエの原理によると、発熱変化は温度が上がると起こりにくくなり、反対に吸熱変化は温度が上がると起こりやすくなります。電解質の水への溶解は多くの場合に吸熱変化であるわけです。
さて大学では熱力学という学問を勉強したのでしょうか。たいへん難解なのですが、それによると化学的変化は通常の環境(等温等圧系)では、エンタルピーが減少する向きに、そしてエントロピーが増加する向きに進行します。エンタルピーも増加してエントロピーが増加する場合は、両方の影響を天びんに掛けた結果になります(その判断ができる量は自由エネルギーと呼ばれ、変化はそれが減少する向きに進行します)。
固体や液体の溶解に限れば、エンタルピーの増加は内部エネルギー(物質がその内部にもつエネルギーの意味)の増加に一致し、エネルギー保存の法則から、その増加は外部から吸収した熱エネルギーになります。それでは電解質が水に溶解するときにはどうしてエネルギーを吸収するのでしょうか。それは陽イオンと陰イオンを引き離すためと、水分子を引き離すためです。そして他方であなたが書いているように水和、つまりイオンと水分子が近づくことでエネルギーが放出されます。しかし前者が支配的なので、溶解するときに熱エネルギーを吸収して内部エネルギーが増加するのです。そして少ししか溶けなければ内部エネルギーの増加は小さく、多く溶けるほど内部エネルギーの増加は大きくなります。これは溶解という変化にブレーキを掛けます。
それではエントロピーとは何でしょうか。これはよく「乱雑さの程度」と言われますが、もう少し具体的に書きます。電解質と水が別々にあるときに比べて、それらが水溶液になると、電解質も水もばらけて入り混じります。これをエントロピーが増加すると言います。2種の気体が混合する場合もそうです。こうした例から、エントロピーの増加は自然の方向性を示していることが窺えます。他の理由でエントロピーが増加することもありますが、話を溶解に限ることで割愛します。このように溶解という変化ではエントロピーが増加します。これは溶解という変化を促進します。
ところでこのエントロピーの増加が化学的変化に与える影響は温度に比例しているのです。それはどうしてでしょうか。これはあなたが書いている、温度が上がると分子の熱運動が激しくなることにも関係があるのですが、ここで説明するのは無理であると思います。受け入れてください。
こうして温度が高いほど、エントロピーの増加が、内部エネルギーの増加による影響をカバーしやすくなります。つまり電解質の溶解度は温度が上がるにつれて大きくなるわけです。
実のところ、化学的変化がどのようにして起こるかを理解することは簡単ではありません。以上の説明もゆで玉子の殻を剥いた程度です。粘り強く勉強を重ねて、さらに薄皮と白身を剥いて黄身に迫ってください。
<以上>
ついでながら、戸田さんがコンクリートのつららに触れていますが、これは酸性雨
の影響で、アルカリ骨材反応ではありません。後者はまだ炭酸化していないコンクリートの内部で、アルカリが多すぎるセメントと非晶質でアルカリ反応性が高い骨材が反応して水溶性の塩が形成されるものです。言うなればコンクリートの骨粗しょう症です。
ではまた。
番号 00B-005 送信日 00/02/13 差出人 林 正幸
件名 「酸化と還元」に対する生徒アンケート(その1)
こんばんは、林です。
昨日の物理サークルでも丹羽さんのニュートリノの話と研究室見学は面白かったですね。私はそのあと取って返して、新婚の息子夫婦の来訪を受けました。なにせやっと念願の「むすめ」ができたわけで、ついつい話に力が入ってします。
1年生の化学で「酸化と還元、および電子やりとり」という章が終わり、4クラス中余裕がある2クラスで次の3項目でアンケートを取ってみました。
*納得したこと、面白かったこと
*難しかったこと、興味がわかなかったこと
*もっと知りたいこと、感想
まず第1項目についてまとめてみました。
*納得したこと、面白かったこと
「いろいろな電池を作る実験は、電池という身近なものだけに興味が少しあったから
面白かった。
製鉄の話では何となくだけど分かった気がした。
ほとんどの実験は面白かったけれど、皮膚にやけどを引き起こしたりする薬品を使う
実験はなかりこわい。」
「ただの「電子のやり取り」という言葉以外にも、いろいろな言い方があって面白か
った。」
「ボルタの電池やダニエル電池や鉛蓄電池などいろいろな電池があり、反応式に直す
とそれぞれが異なった反応をしていて面白いなあと思った。」
「電池の原理がだいたい分かった。
金属と非金属の違いが分かった。
身近な物で電池が作れるというのが面白かった。」
「電池を自分で作ったこと。
酸化数の見つけ方。」
「電池の構造が分かったのは面白かった。
電池が簡単に作れるというのが意外だった。
これといった計算問題がなかったのはうれしい。」
「昔作られていた電池というのは歴史を感じて面白い。
電池や電気分解のしくみがよく分かった。
どの物質が電子を得たり失ったりするのか、ということを考えるのは推理していくよ
うで面白い。」
「実験で電池を作ったり、乾電池のしくみを知るのが面白かった。
アルミ缶を作るのに電気を使うのを納得した。」
「いろいろな電池のしくみについて学べてよかった。今までは電池はボルタの電池し
か知らなかったが、いろいろな種類があることが分かった。
電子を得たりとか失ったりとか、どうもよく分からないところもあるが、このような
小さな世界のことも分かった気がする。」
「電子得失表が全ての鍵になっていることが分かった。
第9章はとにかく実験がたくさんあったので、それにもとづいて授業をやってくれた
ので、分かりやすかった。でも、内容は難しい。」
「電子のやり取りと、酸化・還元に酸化数という共通点があるのを発見した人はすご
いと思った。
いままで還元という言葉を何となく使っていただけで、どういう意味か全然分からな
かったけど、この章をやって「酸素原子を失う」ということが分かった。
宿題のときに、その章にやった内容を理解していると、それを思い出したりしてけっ
こう面白いけど、分かっていないところは、やってもあまり効果がないと思った。」
「テルミット反応の実験は花火みたいで面白かった。
相手物質を酸化する薬剤を酸化剤と言い、相手物質を還元する薬剤を還元剤と呼ぶこ
とが分かった。」
「酸化数の増減が納得でき面白かった。
酸化されると還元されるっていうのがよく分からなかったけど、反応式を書いてみる
と分かりやすかった。」
「電池のしくみがよく分かった。中学生のころ、自分たちで分解したら、ぐちゃぐち
ゃになっちゃって分からなかったから。
反応を起こす時は、私たちが見えない小さな世界で、こんな複雑な反応が起こってい
るなんて、ビックリだった。」
「第9章の実験は、硫酸に過酸化水素水を加えると豆電球がついたりして、不思議に
思った実験ばかりだったので面白かった。」
「ボルタの電池、ダニエル電池、鉛着く電池の実験が特に面白かった。電池のしくみ
が分かったこともよかった。」
「実験をした時にはその物質がどんな反応をしたか分からないけど、授業で説明を聴
いて納得したことがたくさんあった。
ボルタの電池の実験で、過酸化水素を加えたら、電池がパワーアップして面白かった
。あと、減極剤というものについてよく分かった。」
「最初は、e-とか2e-とか出てきて全然分からなかったけど、プリントで何度も何
度も出てきて、少し理解することができて、電子のやり取りが面白くかんじられるよ
うになったと思う。」
「積み算で計算すると反応式が簡単に求められること。
電子得失表があり、左辺の金属は上から電子を得やすいことや、陽イオンは下から電
子を得やすいなど・・・という表を見ると、反応式など作る時に見ると便利というこ
と。」
「自分たちで電池を作ってメロディを流した実験はとても面白かったし、こんなこと
で電池が作れるのにもビックリ!!しました。
またこれを何個か作ってつなげるとかなり強い電気にあることも驚きまた感動した。」
「いろいろな電池をつくる実験は手まわし発電機などを使ったので面白かった。
酸化数を求める問題はなんとなく納得した(分かった)と思う。それになんだかこの
問題は楽しかった。」
「金属には、電子を得やすいもの、失いやすいものが順序よく決まっていることがす
ごいなと思った。
酸化還元反応には、電子のやり取りが深く係わっていて、本当の反応のしくみを知る
ことができた感じがした。
電池の原理も、勉強したことが係わっていて、身近にあるもので、触れることができ
て感心したし、分かりやすかった。」
「ほとんど、やったとこ、全部面白かった。」
「電子得失表が良かったと思った。左辺の金属は上から電子を失いやすい順番に並ん
でいたり、ふへんんお陽イオンは下から電子を得やすい順番になっているところや、
矢印を両方向きに書くところなどはよく理解できた。」
「電子得失表を覚えればたいていの問題ができることを確信した。」
「面白かったのは実験で、分かりやすいし、とても面白い。
先生の授業は間に、実際の物や反応を見せるので、とても分かりやすい。
でも、自分は実験は分かっても、他のことが分からねえよ。」
「電池はだいたい理解できました。
化学そのものが好きなので、習っていることは全て面白いです。」
「宿題が当たってたので、先生にききにいって、時間は分かるけどなんとかできるよ
うになった(気がするだけかも)。やり方が分かったらちょっと楽しかった。」
「他の章と違って実験が多かったので楽しかった!
酸化数についてはよく分かった!
フラスコにヨウ素と亜鉛粉末を入れて、紫色のけむりが発生した実験は面白かった。」
「中学のとき習ったことで「何でこーなるんやろ?」って思ってたことが、電子のや
り取りでなっていることが分かって、よかったです。」
「酸化数が増えるか減るかによってその物質が「酸化される」とか「還元される」が
決定されること。
電子を失いやすいものと得やすいものがあること。
いろいろな方法で電池が作れること。」
「銅の電解精練がよく分かった。銅と銅でイオン化傾向を使って不純物を取り除くの
は面白いと思った。」
「製鉄とか電池など身のまわりのことのしくみが分かったのが面白かった。特に乾電
池はよく使うので、すごい技術工夫がしてあるんだなあーと思ったし、電気はすぐで
きるんだなあーと思った。」
「やっぱり実験!! 真剣に実験に取り組んで、次の授業でプリントをやっていくと
き、少し自分でも書き入れていくことができるのが、なっかうれしかった。あと、事
件プリントが印刷されてみんなにまわったこきも、なんか「やったあ!」て感じでう
れしかった。」
「アルミニウムの電解製錬。
電池の原理。
電池のことは身近なこともあって結構分かりやすかったです(とくにまんがん電池)。
実験はいつも自分の目で見たりできるからとても面白いし、納得できます。だから好
きです。」
以上です。第2項目まで読まないと授業の実態はわかりませんよ。
ではまた。
番号 00B-006 送信日 00/02/13 差出人 林 正幸
件名 「酸化と還元」に対する生徒アンケート(その2)
おはよう、林です。
書き忘れましたが、この「授業プリント」は私のホームページにありますので、参考にしてください。
http://www.zzz.or.jp/masasuma/
大まかに言うと、まず酸素原子のやり取りを酸化還元の概念と結んで扱い、次に電子やり取りをイオン化傾向、電池、電気分解と多様に扱い、最後に酸化数で電子やり取りも酸化還元に組み込む展開です。正直、最後の部分は不必要と考えているので、わずか1時間で終了します。
今日は「アンケート」
*納得したこと、面白かったこと
*難しかったこと、興味がわかなかったこと
*もっと知りたいこと、感想
の第2項目のまとめです。
*難しかったこと、興味がわかなかったこと
「酸化数が難しかった。どのようにして求めるかが分かったつもりでも、実際に問題
を解くと、全然分かっていなかった。
イオン化傾向に興味がわかなかった。これを知ってて何の得になる? まず最初にこ
う思ってしまう。」
「反応式や電子得失表を覚えるのがつらい。
物質名がたくさんある。」(この種の意見多数)
「酸化数の変化の考え方が分からなかったので、もう一度教えてほしいと思った。」
(この種の意見多数)
「受身形、能動形の言い換えがややこしくて大変だった。」
「電気分解と電池のしくみがごちゃごちゃになってしまって、いまいち理解できない
。電池だけなら理解できたけど、電気分解は何となくしか分かっていないので、ちが
う電気分解の反応が出てくると分からなくなってしまう。今までで一番むずかしいと
思う。」
「いろいろな電池のところ。実験をやったけどよく分からなかった。いろいろあった
ので、グチャグリャしてきた。減極剤がいまいち分からない。」
「酸化数とか式で求めるやつや、電子のやり取りが、よく分からない。
反応式、分解式を見るとやる気がしない。」
「化学式を覚えるのが難しかった。化学式をあまり覚えなかったので、化学式が出て
くるところは難しかった。」
「日本語でははっきりしない「能動形」と「受身形」が難しかった。
塩化鉛の実験は簡単だったけど、鉛を含む物質を沢山使って鉛が出てきても、面白く
なかった。」
「難しかったのはほとんどのコトで、興味がわかなかったことはとくにない。」
「金属の電子やり取りのところで、電子得失表が出てきたけれど、さっぱりわけがわ
からない。積み算が出てきて、難しい反応式などが出てきて難しい。
水を吸い上げる粉に対しては、水を吸い上げることに興味がわかなかった。」
「電子得失表で初めは右下がりしか反応できないと言っていたのに、授業が進んでい
くにつれて反対でもはんのうができると言われ、よく分からなくて難しかった。」
「酸化剤とか還元剤とかであまりよく理解できなかった。」
「金属のイオン化傾向のイオン化列が、あまりふだん触れない物質とかあったので、
なかなか覚えにくいと思った。」
「とくになかった。でも酸化数はちょっと難しかった。」
「酸素原子を失う=還元される=酸素原子を与える=酸化する=酸化剤
〃 得る=酸化される= 〃 奪う=還元する=還元剤
の表現が、能動形なのか受身形なのがを納得するまで大変だった。」
「スベテです。面白くなる方法教えてください。全部ムズカシイです。
化学式を思えるのはマカセテ!!!(ちょっとホント でもちょっとうそだったりす
る。)
「電気分解のあたりから陰イオンが登場して、ややこしくてよく分からなかったが、
決して説明が悪かったわけではありません。」
「その実験の中身は分かっても、その実験をやる意味というか、うまく言えないけど
、そーゆーのをよく分からずに実験をやっているから、スッキリしないと思った。」
「すべて(でもこれは先生じゃなくて、自分が悪いです。)」
「いつも難しいと思うのは”反応式” 覚えてしまえば”話”が分かると思うけど、
どんどん増えて頭はパンクしてしまって・・・。ただの化学反応式が出たときは覚え
よう!と思ったけど、電子得失表が出たとき、これはもうだめだーと思ってしまった
・・・ので全然覚えてないし、先生が「前に出たよねー」と言っても、「は?」と思
うだけで、どうしても勉強する力がわいてこない・・・。
「右上がりとか右下がりとか分からん。
反応式で、還元される物質と還元剤が違っていて、自分は同じものだと思っていた。
酸化剤と還元剤の見つけ方が分からん。ごめんなさーい。」
「酸化と還元の拡張が全然分からなかった。」
「すべて難しかった。でもちょっと分かるようになった。」
これをまとめて、試験のときには「電子得失表」は載せてやろうと思いました。
ではまた。
番号 00B-007 送信日 00/02/13 差出人 林 正幸
件名 「酸化と還元」に対する生徒アンケート(その3)
こんにちは、林です。
今度は「アンケート」
*納得したこと、面白かったこと
*難しかったこと、興味がわかなかったこと
*もっと知りたいこと、感想
の第3項目のまとめです。
*もっと知りたいこと、感想
「今まで分からなかったことが分かったのでよかった。」
「もっとほかの電池があるか。」
「覚えることがいっぱいありそうで”大変”だと思った。テストで苦労しそう。」
「分かりやすい実験と分かりにくい実験があって、成功するとどういうことか理解し
やすいけれど、実験に失敗すると、どうして失敗したのか、本当はどうなるべきなの
か、分からないので理解しにくかった。」
「化学式とか反応とか全然分からないから、もっと勉強して分かるようになりたいと
思うし、この「酸化と還元」でいろいろ難しかったので大変だった。」
「実験をすると普通に授業をしているより私は頭に入ると思った。
これからも、化学計算のまとめのプリントのように「まとめ」にしたプリントをぜひ
作ってください。」
「33円電池よりももっと簡単で身近にあって、大きい電流が流れるものはないので
すか?
紫色のけむりについて、他の色のけむりは作り出せないのですか。」
「宿題プリントはテストのときに役に立つのでよいと思います。
電子得失表を覚えるのが大変そうです。」
「電池のくわしいしくみを知れてよかった。電池のことをもっと知りたい。銅の精練
以外のものも知りたい。」
「電池の効率のいい利用法が知りたいです。電池をセットした時、使わなくても使え
なくなってしまうのは、電源をoffにしてもやっぱり電気が流れ続けているのです
か。」
「この範囲はもう之れ以上は深入りしたくないと思った。
実験の量が増加していくので、やるのが大変だった。」
「酸化数のところをもっと時間をかけてやってほしかった。」
「授業の進度は早くも遅くもなく、ちょうどいいと思います。」
「もうほとんど付いていけないと思う。授業の途中とかでやった実験とか・・・。
授業が会った日に理解できるよーに努力しようと思います。」
「授業でもっと自分自身理解して、テスト直前じゃなくて、授業その日にすべて覚え
るぐらいの意気込みでやろう。」
「化学は役に立つと思うけど、どうしてもスキになれません。スキになるにはどうし
たらいいの?」
「今回は範囲が広いので大変だと思います。
実験は、目の前で結果を確かめられるので、楽しいしとても分かりやすい!」
「先生の説明が理解できないところもあった。得に反応式で、積み算して答えるとこ
ろとか(自分がきいてなかった、というのもある)。」
「化学は覚えることも多くので、やったところをすぐに忘れてしまって困ります。た
まには、前にやったところを振り返ってほしいなあなんて思いました。」
「黒板にはったボール紙に書いてあったこと(図など)を、プリントにしてほしい。」
「宇宙のこと、地球の誕生について」
「少し進んだら要点を皆でまとめたりしたらきっと覚えられるだろうと思った。
小テストをやると言うと聞こえが悪いけど、そういうことしないと、バカな私は覚わ
らないのです。
大事なところをもっと強調してほしーい!!」
「実験は楽しいけど、反応式は分かりにくい。数学的なこては苦手で嫌!!
教えていただいたことは丸暗記で、応用問題はまったくできません。どうしましょう?」
「電池についてもっといろいろな種類のものを知って、環境問題を考えてみたかった。
理解する時と分からない時がはっきりしてるんで、何とかなんないかなー。
くさい実験も多かったんで、寿命がちぢまったのかな!?と思った。」
「授業をまじめにちゃんと聞いてもなんか頭の中がごちゃごちゃしてきて、終わりの
方には「もう・・・」って感じになる。
どうにかしなければ、と思うけど、理解できるアタマではないみたい・・・。」
「いろいろなことができる水分子のことについて知りたい。
計算はやっぱり難しいと思った。
頭がなかなか付いていけないので、もう少し・・・沢山がんばらないとイケナイなあ
と。」
「ゴチャゴチャして理解不明なところが点々と残っているから、どうにかしなければ
いけないけどなかなか・・・。」
苦労している生徒もたくさん居ます。自分でまとめるべきと言わずにまとめプリント作ったり、復習は自分でせよと言わずにそんな時間を設けることも必要なんでしょうね。やや反省!
ではまた。
番号 00B-008 送信日 00/02/14 差出人 田中 英二
件名 VisualC++ と VisualBasic について
こんばんは、田中です。
この冬休みから、なんとか、Windows98に取り付けないかと思い、少し勉強を始めました。Windows95-98ではDLLを使って、ランタイム型の実行ファイルを使っています。このランタイム型のライブラリーが作れないかと少し勉強を始めました。
船橋先生が、2年ほど前にトラ技に載ったVisual Basicでの計測プリンターポートを使ってやりましたね。あのとき、Visual
BasicにはIN OUT命令がないので、そのDLLを手に入れてやったと思います。
そういうDLLを自分たちでも作ることができるようになりました。このDLLを作るためには、Visual
C++のお世話にならなくてはなりません。しかし、やってみるとそれほど難しくないことが分かりました。この3連休で、入出力用のDLLをアセンブラーを使って作りました。別に、アセンブラーを使わなくてもできますが、C++にはラインアセンブラがありますから、C++の中で使えます。もっと簡単な方法は、C++には、入出力用の関数がありますから、それを使えば1行でできます。
それから、Basicには、あったけれどVIsual Basicにはなくなったpeek,poke関数も作ってみました。また、前に、Quick
BasicのときにEMSメモリーの使い方を勉強しましたが、アセンブラーを使って大変難しかった覚えがあります。これも、WinAPIを使うと(はじめは諦めていましたが)割合簡単にできて、Visual
Basic上で自由にメモリーを確保してそのメモリーに書き込んだり読み込んだりできるようになりました。しかも、何MBでも確保できるのです。そのうえ、Visual
Basic で使えるように関数化すると、MSDOSの時より簡単になりました。
これも船橋先生から教わった話ですが、PC/AT互換機のISAバスを使うと、PC98のCバスと同じパラレルの1バイトデータの送受信ができることも分かりましたので、いままで、PC98MS−DOSでやってきたことをPC/AT互換機windowsでできるようになるのではないかという気がしてきました。ただ、多くの人がVisual
BasicとVisual C++を使ってそうなるまでには、大変かもしれません。プログラムは、トライアンドエラーですからあとはやる気さえあればどんどん進歩するものですが・・・・
windows時代です。MS−DOSからそろそろ1歩足を踏み出す頃かもしれません。では今夜はこの辺で、
DLLをほしい人があったら連絡ください。送ります。説明文がまだ作ってないのでそれを作ろうと思っています。忘れやすい自分のために
(追伸)
林先生、熱力学についてのメールはゆっくり読んでまた書きます。
番号 00B-009 送信日 00/02/23 差出人 林 正幸
件名 生徒からの指摘
こんばんは、林です。
今日から学年末試験です。生徒の質問にうれしい悲鳴を上げています。先週の土曜日も「カップヌードルを食べる3分だけ待ってくれ。」と下校時刻の4時まで、とうとう今日は昼食が家に帰って4時過ぎになってしまいました。家まで車で2分と掛からないのが救いです。
そんな中でひとりの生徒から次のような指摘を受けました。
「 CaO + 2HCl −→ CaCl2 + H2O
この反応がどうして酸化還元反応でないのか。酸化カルシウムが塩酸に酸素原子を与えている・・・。」
私たち教師はこの種の問題は酸化数で片づけて納得していますが、考えてみるとこれは酸素原子のやり取りに見えます。たとえば次の反応とどう区別が付くのでしょうか。
MnO2 + 4HCl −→ MnCl2 + 2H2O + Cl2
確かに上は塩基性酸化物と酸の反応で酸素原子のやり取りではない。それに対して下は次のように酸素原子をやり取りしている。
MnO2 −→ MnO + O
O + 2HCl −→ H2O + Cl2
MnO + 2HCl −→ MnCl2+ H2O
しかしこれは生徒にとっては「ためにする」説明に映ります。上の反応式だって同じように書けます。
CaO −→ Ca + O
O + 2HCl −→ H2O + Cl2
Ca + Cl2−→ CaCl2
酸素原子のやり取りという酸化と還元の概念も、生徒に分かりやすく使いやすいものでなければ教える価値が疑われます。そこで私は下のような反応にはこの概念を使わないようにしようと思います。つまり酸素原子を失う側がそれ以上の変化をしない次のような例に
CuO + H2 −→ Cu + H2O
H2O2 + H2 −→ 2H2O
あるいは酸素原子を得る側がそれ以上の変化をしない次のような例に
SO2 + 2H2S −→ 2H2O + 3S
SO2 −→ S + 2O
2O + 2H2S −→ 2H2O + 2S
NH4NO3 + Zn −→ 2H2O + N2 + ZnO
NH4NO3 −→ 2H2O + N2 + O
O + Zn −→ ZnO
限定するのです。言い換えると、酸素原子のやり取りが明白で、2段階で書き終えられ、それを積み算すれば全体の反応式が完成する例だけを取り上げるのです。酸素原子のやり取り反応とはそういうものだと教えるのです。
酸化マンガン(W)と塩酸の反応を、あるいは銅と硝酸の反応を酸素原子のやり取りとして説明できなくても、構わないと考えます。
ではまた。
番号 00B-010 送信日 00/02/27 差出人 船橋 隆久
件名 松坂投手とマグヌス効果
船橋です。
昨年の10月頃だったと思いますが、西武の松坂投手に関する特集番組が組まれました。その中で天才バッター・イチローとの初対決で、イチローが三振するシーンが放映されました。松坂が投げたボールの約1個分下をイチローのバットが通過したのです。バッターはボールがピッチャーの手を離れた直後にそのコースを予測しバットを振り出すそうですが、松坂のボールはそのバットの上を通過したのです。テレビでは松坂投手のもっている人並みはずれた筋力と、150km/hを越えるボールが打者の手元でのびてホップする様子を、スローモーションを交えながら解説していました。
先々週久しぶりにNHKの「やってみよう、なんでも実験」を見ていたら、手作りの「回転おもちゃ」を使って「回転しながら飛ぶと表面に気圧差が生じて揚力が生まれホップするマグヌス効果」を紹介していました。「松坂ボールもこのマグヌス効果」と思い、さっそくこの「回転おもちゃ」をまねて作ってみました。
【回転おもちゃの作り方】
@厚さ3mm,巾50mmのアガチス材(ホームセンターで入手)を14cmの長さに切断.
A厚さ5mmの発泡スチロール板(スーパーのトレーを使用)を直径10cmの円盤状に切断.
Bこの円盤の中央部に3mm×50mmの切れ目を入れる.
Cこの切れ目に@のアガチス材を通し、ビニールテープで固定する.
こうして作った「回転おもちゃ」(円盤は飛行機の垂直尾翼のはたらき)を進行方向に対して後ろ向きの回転(ゴルフでいうバックスピン)を与えるようにして投げると、クルクル回転しながら安定して飛んでゆきます。一方、回転しないように投げるとすぐに落下し、「マグヌス効果」を体験的に学習することができます。安定したバックスピンをかけて「回転おもちゃ」が投げられるようになるにはかなり練習が必要ですが、授業で野球部のピッチャーに投げさせたらすぐにこつをつかみました。
そこで、この「マグヌス効果」を持続して観察できるように、次のような「回転おもちゃ2」も作ってみました。
@厚さ3〜4mm,長さ25cmほどの発泡スチロール製トレーを縦に1/2に切断.
A両端の折れ曲がった部分を切断し、長さ20cm程の「く」字型のものを2枚用意する.
Bこの2枚を「S」字型になるようにはりあわせ、真ん中に竹串(24cm程度)を通す.
Cトレーから切り取った直径10cm程の円盤を両端に通し接着する.
Dそれぞれの円盤の外側にビーズ,ストロー片,ビニールテープの順に通し、凧糸(約 15cm)をストロー片に接着・固定する.
こうして作った「回転おもちゃ2」の凧糸部分をビニールテープで机に固定し、ほぼ水平方向からブロワ(日立KB30V)の強風を吹きつけると、固定したむきで「回転おもちゃ2」は2通りの回転方向になります。まず、風向きに対して「回転おもちゃ2」が後ろ向きに回転した場合は、ブンブンうなり声を上げながら空中に浮かんでいます。一方前向きに回転した場合は、手の支えを取り去った瞬間にガクッと下に落ちます。
これら2つの「回転おもちゃ」の作り方は、NHKのFAX情報を利用して入手した3枚のニュースレターを参考にしました。FAXさえあれば3分程で情報が入手でき大変便利だと思いました。詳しくは3月5日の「モルの会」(**高,13時から)で紹介できればと思っています。
ではまた。
番号 00B-011 送信日 00/02/28 差出人 清水 祐樹
件名 Re:松坂投手とマグヌス効果
清水です。
「松坂投手のストレートは、ボールの進行方向と回転軸の方向が平行になっているので、いわゆるジャイロ効果で失速が少なくなる」
ということです。また、伸びのあるボールといっても、ボールが浮き上がっているのではなく、純粋な放物運動により近いのでそのように見える、ということも驚きでした。発泡スチロールの玉に回転が見えるよう印をつけ、実際にこのようなボールが投げられるか試してみましたが、私の技術ではできませんでした。簡単に投げられる方法はないものでしょうか。
あと、1月頃「プロ野球ニュース」で横浜の川村投手が、回転のよいストレートを投げるために、かまぼこの板を投げて練習したという話をしていました。
これも、まっすぐに飛ばすのは難しく、プロの投手の技術のすごさが感じられます。
船橋先生の実験を興味深く読まさせていただきました。