<Y>
おんたけさん、くりあきんさん、こんにちわ。
まさかお二人が『ラストコンサート』を見たことがあるとは夢にも思いませんでした。今までこの映画を見たという人にあまり出会ったことがないからです。だからひどく感動しています。
実は『ラストコンサート』、僕の恋愛映画部門
bPの映画なのです。そしてパメラ・ヴィロレージ扮するステラは全ての映画の中で最も好きなヒロインです。 この映画、決して秀作ではありません。陳腐なストーリー、たどたどしい映画構成、くどいまでの甘いせりふ等欠点を挙げたらきりがない、『ある愛の詩』などには到底及ばないと思います。しかしこの映画はそういった欠点など問題にならない程の魅力が溢れています。例えば、ヒロイン、パメラ・ヴィロレージの初々しい演技、スティルヴィオ・チプリアーノのさわやかな音楽など。そして何よりも恋愛映画の究極のテーマである『自分の全てを捧げて人を愛することの大切さ』をこれほどロマンティックに描き切った映画が他にあったでしょうか?
僕の大好きなシーン。
ステラが制止するのも聞かず、リチャードは作曲を諦め故郷のイギリスへ帰ろうとします。
希望を失ったステラがパリの街をさまよいアパートへ戻ってくると、リチャードのピアノの音が聞こえてくる・・・。その音に気付いたステラは階上を見上げるのですがこの時彼女の目からはうれしさのあまり涙が溢れている、あのステラの表情、何て美しいんだろう!
(この場面、映画のポスターにもなってました。)
白血病が悪化してもう手の施し様がなくなるとステラはリチャードに黙ってそっとアパートを去ってしまいます。リチャードは必死になって探し、ステラが入院していることを突き止めます。病院を訪れたリチャードに死を間近にしたステラは微笑みながらこう言います。
「リチャード、黙って出てごめんなさい。あなたを煩わせたくなかったの。」
「私、あなたに会えてよかった。だって愛することを知ったのですもの。」
「私って、きっとあなたの為に生まれて来たのね。」
そしてラスト・コンサート。あの甘く切ないピアノ・コンツェルト!(この曲の題名は『ステラに捧げるコンツェルト』です)。悲しい結末なのですが何故か人生って素晴らしいなあ!ということを実感させてくれ、生きる勇気を与えてくれます。しかもこの映画、見れば、見るほど、ステラの美しい性格に引きつけられ、、感動の度合いが深くなってしまうのです、本当に!
とにかく僕にとっては大切な宝物のような作品です。誰が何と言おうと恋愛映画の隠れた傑作だと信じています。レンタル店でも時折見かけるので、未見の方は是非ご覧になってみて下さい。
最後にパメラ・ヴィロレージについて。
彼女はフィレンツェ出身、父親が織物会社の社長という良家の出です。 ミクローシュ・ヤンチョーの『快楽の罪』(日本未公開)という映画で注目され、数多くの出演依頼が来たのですが、その中で彼女が選んだのがこの『ラストコンサート』だったそうです。その後、トニーノ・ヴァレリの『サハラ・クロス』で女ゲリラ役を演じるのですが、何と自らも本物の女ゲリラへと転身、女優業を廃業してしまいます。そしてその数年後、映画界へ復帰して出演したのが『太陽は夜も輝く』でした。又、エットーレ・スコラの『スプレンドール』にもイタリア人の教師役で出演しています。
『ラストコンサート』のことを語り始めるとキリがないので、この辺で止めておきます。
最後まで読んでくれた方、本当にありがとう!
<おんたけ>
Yさん、こんにちは!
そんなに感動なさるとは、本当にファンなのですね。
私はこの映画を映画館で見ました。大分前ですので、Yさんの書き込みを読みながら、思い出すシーンもありました。
な、なんとこの映画のサウンドトラック(もちろん、レコード)も私は持っています。たぶん、とても聞けるような状態にはなっていないでしょうが、今手元にはないので(^_^;)
この曲が好きでした。ラスト・コンサートで流れるピアノは切ないものがあったように記憶しています。
<Y>
おんたけさん、こんにちわ。僕は中学の時、テレビで見ました。その時すごく感動してそれ以来熱烈なファンになってしまいました。それにしてもまるで少女漫画のようなメロドラマなのに何故こんなに好きになってしまったのか今でも不思議です。それからこの映画、マイナーなんですよね。”パメラ・ビロレージ”を検索してもIMDBに載っていない!『サハラクロス』『太陽は夜も輝く』『スプレンドール』等は載っているのに。とても悲しいです。
>な、なんとこの映画のサウンドトラック(もちろん、レコード)も私は持ってい
>ます。たぶん、とても聞けるような状態にはなっていないでしょうが、今手元
>にはないので(^_^;)
>この曲が好きでした。ラスト・コンサートで流れるピアノは切ないものがあっ
>たように記憶しています。
おんたけさん、すごい!このサントラを持っているという人には実は生まれてはじめて出会いました。もうこれだけでおんたけさんが如何に素晴らしい人であるかということがよくわかります。僕も持っています(CD)が、このサントラは客観的に見てもかなりの傑作だと思います。
特に以下の曲はもっと評価されても良いのではないでしょうか?
1.「ラストコンサート」
この映画のテーマ曲。これはかなり有名で今でも喫茶店や書店なんかでよく耳にします。さわやかな本当にいい曲です。
2.「ステラの夢」
ステラの父の別荘でリチャードが弾くピアノ曲。この曲を聞いたステラは貴婦人のように着飾ってあなたのコンサートを聞きたいとリチャードに自分の夢を語ります。
3.「ステラに捧げるコンチェルト」
ラストコンサートでリチャードがステラの為に弾く曲。感動的な曲で、この曲を聞くだけで胸が一杯になります。
このサントラですが、今でもBMGビクター社からCDが発売されています。この映画を見て気にいった人は絶対欲しくなる程すばらしいCDなので、是非購入してください。
<くりあきん>
おんたけさん、Yさん、こんにちは。
しばらく投稿さぼってたんですが、「ラストコンサート」で盛り上がってますねー。
私はこの作品、映画館でみました。
カップリングがなんと「カサンドラクロス」!
(名古屋では昔、ロードショーでもこーゆーはちゃめちゃな組み合わせが多かった)
あと、サントラですが、このメインテーマ、有名ですよね。
私はラジオからエアチェックしたものを死ぬほど聴いたおぼえがあります。
しかし、「ラストコンサート」、このとき以来一度もみてないんですよ。
だけどなあ、今みたらきっと泣いちまいそーだー!
そんな映画だった。
70年代の映画って、B級だけど、いい映画がいっぱいあった気がします。
<おんたけ>
くりあきんさん、お久しぶりです。
「ラスト・コンサート」の盛り上がりには、びっくりですね!
ところで、私もカップリングが「カサンドラクロス」でした。もしかしたら、くりあきんさんとは、同年代かもしれませんね(^_^)
「カサンドラクロス」といえば、監督がジョージ・P・コスマトスでした。他に、オフサイド7、ランボー/怒りの脱出、コブラ、リバイアサンなどがありますが、「カサンドラクロス」が金字塔だったように思います。
出演者が、豪華でした。バート・ランカスター、リチャード・ハリス、ソフィアローレン、エバ・ガードナーなど。すごいですよね。よほど、プロデユーサーのカルロ・ポンテイに見込まれたのかどうか(?)
<くりあきん >
おんたけさん、こんにちは。ナイスなレスありがとうございます。
さて、「カサンドラクロス」ですが、おんたけさんのおっしゃるとおりと思います。
当時やたら流行ったオールスターものパニック映画の中でも「ポセイドンアドベンチャー」や「タワーリングインフェルノ」と並ぶ傑作。コスマトス監督にしても、彼のその後からするとやはり出来すぎの感がありそうです。
その他、「カサンドラクロス」に関しては、マーティン・シーンが売り出し中だった頃の作品として、とても懐かしいです。
<Y>
以前(4月)書いた「ラストコンサート」の記事ですが、意外な反響がありました。7月以降見知らぬ方からいただいたメール数は9通。どれも心のこもった内容でした。改めてこの映画の素晴らしさに自信を持った次第です。一応返事のメールは差し上げたのですが、今回それらのメールに勇気を得て再び「ラストコンサート」について話したいと思います。
まず最初にこれまでいただいたメールの中で多かった質問について答えたいと思います。
1.「以前見てとても感動した。もう一度見たいけれど、どうしたらよいか?」
この質問は意外と多かったです。具体的な方法としては
(1) 再上映を待つ。
(2)テレビで放送するのを待つ。
(3)中古ビデオ、LDを購入する。
(4)レンタル店で借りる。
の4通りが考えられます。
まず(1)(2)ですが、これは絶望的です。過去5年間で再上映、テレビ放送されたことは僕の知る限り1度もありません。したがって今後もその可能性はきわめて低いと言わざるを得ません。
次に(3)ですが、中古ビデオ、LD共にたまに中古ビデオ店、中古レコード店等で見かけます。僕は頻繁にそういった店に出入りするのですが、ここ2、3年に関していうと、中古ビデオは年に1、2度、LDは1度見かけた程度です。だからこの方法もなかなか大変かもしれません。もしこれから探そうと思っている人は気長にがんばってみてください。
最後に(4)の方法ですが、おそらくこれが最も手っ取り早い方法だと思います。開店時期が比較的古いレンタル店、中規模以上のレンタル店等をあたってみて下さい。置いてある場合があります。またもし店頭にない場合でも在庫にあるケースが多いようです。例えば僕の近所のレンタル店もクリスマスの時のみ店頭に置いてたりします。ですから店頭になくても店員さんに在庫の有無を確かめるようにしてみて下さい。ちなみにそれでも見つからない場合は、僕宛てにメール等下さい。場合によってはお力になれるかもしれません。
ところでここで一つ注意しておきたいことがあります。かつてこの『ラストコンサート』はビデオ、LD共に出ていた(現在は両方共廃盤)のですが、僕の知る限りビデオの方は日本語吹き替え版しか出ていないということです。僕自身が所有しているビデオも吹き替え版だし、何件かのレンタル店で見かけたビデオも吹き替え版でした。したがってレンタル店で借りる場合もおそらく吹き替え版になると思います。といっても吹き替え版もとても良くできています。日本人向けにかなり台詞を変えているのですが、字幕版よりも更にロマンチックな内容になっているので人によっては吹き替え版の方を好む人もいると思います。ですから吹き替え版だからといって気にせず借りてみてください。ちなみに以前僕が書いた感想は実は吹き替え版に関する感想でした。
2. 「LPを録音してほしい。」
これも多かったです。これについては実は以前『ラストコンサート』のCDがBMGビクター社から今も出ていることを書いておきました。ですから最寄りのレコード店で注文して購入してください。ただし、LPとCDではやや異同があるようです。例えばLPの方はステラとリチャードの台詞がそのまま入っているらしいのです。したがってどうしてもLPの方が聞きたいという人はこのHPと相互リンクしている WONDERさんの所でお願いしてみるとよいと思います。
ところでこのWONDERさんのHPは『ラストコンサート』を扱った貴重なHPです。皆さんの応援よろしくお願いします。
ところでこれだけ僕が声を大にして叫んでいる『ラストコンサート』ですが、そんなに良い映画なら何故今では忘れ去られてしまったのか?という疑問が湧くと思います。この疑問についてきちんと答えるとかなりの分量になるのでここでは詳しく書きません。
簡単に言うと
(1) 当時の日本ヘラルド社の宣伝戦略がまずかった。
(2) 日本が資金等で協力した日伊合作映画だったのでその分軽く見られた。
(3) 映画の内容が1970年代という時代に全く合っていなかった。
(4) 極甘の恋愛映画なので、比較的年配の多い映画評論家から支持されなかった。
等の理由ががあげられます。最近、この問題に関するとても良い文章を見つけました。
1976年12月下旬号「キネマ旬報」に載っていた
A ROMANCE 「ラストコンサート」が評価されない理由は何か?
という南部圭之助の評論です。以下その文を掲載します。
★ イタリアの新人、ルイジ・コッツィの第1回作品「ラストコンサート」は、実にいいラヴ・ストーリーだし、愛し合う二人だけで、あとは短い場面に二つ三つほんの傍役が二人、そのユニークな表現と映像が素晴らしいのだが、意外にも評価が低い。ヘラルド自身が、古川社長(製作出資者でもある)の「二人だけで、費用も安く、あんな映画が出来るのかいな」という程度。宣伝部がどの程度評価しているのか全く疑問だ。女性に百パーセント売れる佳作だがそれも「どうかな」と半信半疑な様子なのは、「ある愛の詩」と違って男が二枚目でないという点にあるのだろうか。
★ これも白血病のカタストロフィ(悲劇的破局)を終局的に抱えているから、誰もがそういうパターンで作品を決めてしまう。然しそのラストは<そうなる>約束だけの問題で、それまでの女と男の<行きつ戻りつ>した愛の交錯における、それぞれの映像の掴みかたがユニークで素晴らしい。つまり、一つの優れた曲を与えられた愛の物語は、小説でなく、映画でなければ描けない世界なのだ。
★ テーマがどうしたとかこうしたとか、評論家の<業>であるバカな癖で見る映画ではないのだが、結局は女に愛されたことがない、あるいは男に愛されたことがない人にはこの珠玉のような<愛の行きつ戻りつ>は分かるまい。女に愛されてみたい、あるいは男がそれに気がついて呉れたら、というイマジネーション(想像力だが、ここでは空想としてみる)をいだける人でないと、この限りなく美しい映画は分からないのか。
★ 女が男と喧嘩分れして、父の邸を尋ねる。窓を通してみた室内の情景に失望して彼女は帰る。そのとき美しい青葉のトンネルのような道を曲がって、男が直線コースでやってくる。自分の非に気がついて、父を訪ねた筈の彼女の結果を心配してやってきたのだが、この切返しのカットを迎えるコチラのリアクションのうれしさは、これがメロドラマの様相をみじんも持っていないからだ。そして彼女はここで初めて男の愛を確認して、抱き合いながら、歓喜のキスをする。この作品の最も重要なキー・シークェンスである。
★ 「ある愛の詩」を見れば分るように、普通は最少あれだけの傍役の副ストーリーをつけねばならぬ。それをスカッと処理したスマートな脚本技能と、カットとカッティングの鮮かさ。改めて映画におけるシンプリシティの価値を考える。
最後に一言、この「限りなく美しい映画」を、恋愛映画の大好きなロマンチストの方々に捧げたいと思います。今回も長くなってしまいました。それでは!
P. S.「ラストコンサート」ファンからのメール、これからも待ってます。
<POMME>
>以前(4月)書いた「ラストコンサート」の記事ですが、意外な反響がありました。
>7月以降見知らぬ方からいただいたメール数は9通。どれも心のこもった内容でした。
>改めてこの映画の素晴らしさに自信を持った次第です。一応返事のメールは差し上げ
>たのですが、今回それらのメールに勇気を得て再び「ラストコンサート」について話
>したいと思います。
また書いてくれてどうもありがとう、Yさん!
というのも5月ごろ前のコメントは読ませていただいたのですが、レンタル店に行ったときはいっつも思い出さなくって。
ついにビデオでみることができましたよん。泣くまいと思いながら3回位泣いてしまったのですが‥‥
>★ イタリアの新人、ルイジ・コッツィの第1回作品「ラストコンサート」は、実にい
> いラヴ・ストーリーだし、愛し合う二人だけで、あとは短い場面に二つ三つほんの
> 傍役が二人、そのユニークな表現と映像が素晴らしいのだが、意外にも評価が低い。
> ヘラルド自身が、古川社長(製作出資者でもある)の「二人だけで、費用も安く、
> あんな映画が出来るのかいな」という程度。宣伝部がどの程度評価しているのか全
> く疑問だ。女性に百パーセント売れる佳作だがそれも「どうかな」と半信半疑な様
> 子なのは、「ある愛の詩」と違って男が二枚目でないという点にあるのだろうか。
うーん、ほんとうに全然二枚目ではありませんでしたねー。でも彼の表情は実に奥深いものがありました。あんなかわいい女の子がまるで小犬のようになついてきてまんざらでもないし、だんだん愛情を感じるようになってきても、今の自分の境遇を考えると素直に彼女の感情を受け止めるわけにいかない彼の心情が、仏頂面を通してよ〜くわかりました。
>★ これも白血病のカタストロフィ(悲劇的破局)を終局的に抱えているから、誰もが
> そういうパターンで作品を決めてしまう。然しそのラストは<そうなる>約束だけ
> の問題で、それまでの女と男の<行きつ戻りつ>した愛の交錯における、それぞれ
> の映像の掴みかたがユニークで素晴らしい。つまり、一つの優れた曲を与えられた
> 愛の物語は、小説でなく、映画でなければ描けない世界なのだ。
これも同感。
物語の冒頭に「白血病」という切り札がどかんと出てきて、流れ的にも目新しい筋ではないので「泣かないぞー」と思いながら観たのにやっぱりあのメロディにはやられてしまいました。見終わったころには鼻まで詰まってしまいました。
シモーヌおばさんもよかったですよ。このおばさんリチャードのことをまるで自分の子供のようにおもってて彼がステラを連れてきたときなんかはほんとにあたたかく迎えてくれます。最後のコンサートのシーンでもこのおばさんがついててくれてほんとよかったです。ホロリ。
>最後に一言、この「限りなく美しい映画」を、恋愛映画の大好きなロマンチストの方々
>に捧げたいと思います。今回も長くなってしまいました。それでは!
自分ではロマンチストと思ったことはないのですが、この映画を観て泣ける私もまだまだすてたもんじゃないぞ!とヘンな自信がわいてきました。
シンプルながらもしみじみとした情感あふれるステキな映画を紹介してくれてどうもありがとう!
ちなみに私が借りたのも吹き替え版でした。ステラの情熱的なアプローチはイタリア語でも聞いてみたいような気もするんですが‥‥
レンタル・アコム北浦和店で借りたので、もしお近くの方で借りたい方がいたら行ってみては?(来週の月曜日までは私がレンタルしてるのでそれ以降ね!)
<Y>
POMMEさん、どうもお久しぶりです。
わざわざ『ラストコンサート』を見てくださったのですね。
本当にありがとうございます。もうそれだけで恐縮してしまいます。
実はこの映画、POMMEさんのようなフランス映画通には向かない映画ではないかと心配でした。
フランス映画といえば、何といっても洒落た会話、新鮮なストーリー、深い内容が身上。
一方『ラストコンサート』は上記のどれにも該当しません。
だから正直言ってこの映画、POMMEさんには少し物足りなかったのではないでしょうか?
それを、こんなにもあたたかいコメント(涙)!
本当にありがとうございます。
>うーん、ほんとうに全然二枚目ではありませんでしたねー。でも彼の表情は実に奥深い
>ものがありました。あんなかわいい女の子がまるで小犬のようになついてきてまんざら
>でもないし、だんだん愛情を感じるようになってきても、今の自分の境遇を考えると素
>直に彼女の感情を受け止めるわけにいかない彼の心情が、仏頂面を通してよ〜くわかり
>ました。
さすがPOMMEさんですね。
実は彼は元々はイギリスでシェイクスピア役者として名を上げた人なのです。
だから当然芸達者。
渋い演技を見せてくれてます。
容姿にも人格的な深さを感じさせますね。
女性から見ると二枚目ではないかもしれませんが、男の僕から見ると、ああいう風貌には憧れます。
ちなみに彼、あのキム・ノヴァクの元夫としても有名な人です。
そういえばステラ演じるパメラ・ヴィロレージもよく見ると美女ではないです。
ただ時々ハッとするような素晴らしい表情を見せてくれます。
この映画の魅力はそういう二人の表情を楽しめるところにもあるのではないかと思ってます。
>>★ これも白血病のカタストロフィ(悲劇的破局)を終局的に抱えているから、誰もが
>> そういうパターンで作品を決めてしまう。然しそのラストは<そうなる>約束だけ
>> の問題で、それまでの女と男の<行きつ戻りつ>した愛の交錯における、それぞれ
>> の映像の掴みかたがユニークで素晴らしい。つまり、一つの優れた曲を与えられた
>> 愛の物語は、小説でなく、映画でなければ描けない世界なのだ。
>これも同感。
>物語の冒頭に「白血病」という切り札がどかんと出てきて、流れ的にも目新しい筋では
>ないので「泣かないぞー」と思いながら観たのにやっぱりあのメロディにはやられてし
>まいました。見終わったころには鼻まで詰まってしまいました。
POMMEさんもあの音楽にはやはりやられてしまいましたか?
あの音楽、当時はかなり流行したそうです。
僕がもらったメールでも、この音楽が好きで、今でもピアノやギターで弾いているという人がいました。この映画、上映当時は大部分の劇場であの『カサンドラ・クロス』の併映作品(つまり“B面")だったのですが、この音楽が若い女性に言い伝えられて、どこでも『カサンドラ・クロス』を上回る話題だったそうです。また『カサンドラ・クロス』を見に行った人が『ラストコンサート』を見て泣きながら映画館を後にするという光景がよく見られたそうです。
>シモーヌおばさんもよかったですよ。このおばさんリチャードのことをまるで自分の子
>供のようにおもってて彼がステラを連れてきたときなんかはほんとにあたたかく迎えて
>くれます。最後のコンサートのシーンでもこのおばさんがついててくれてほんとよかっ
>たです。ホロリ。
本当にそうですね。
シモーヌおばさんのあのあたたかさは格別です。
この映画、傍役はほとんど出てこないのですが、そしてシモーヌおばさんもほんのわずかしか出ないのですが、そのわずかのシーンがとても印象的でした。
ラストシーンも彼女につられて思わず涙が出そうになります。
>自分ではロマンチストと思ったことはないのですが、この映画を観て泣ける私もまだま
>だすてたもんじゃないぞ!とヘンな自信がわいてきました。
いえいえ、“へんな自信"なんて、とんでもない!
この映画を見て美しい涙を流せるPOMMEさんは立派なロマンチストです。
僕が保証します(えっ、僕に保証されても仕方がないって?)。
大いに自信を持ってください。
“ロマンチスト・オブ・ロマンチスツ"の称号を差し上げましょう!
そしてわざわざ見てくださったそのやさしさに敬意を表して“ジェントル・ウーマン・オブ・ジェントル・ウィミン"の称号も進呈致します。
>シンプルながらもしみじみとした情感あふれるステキな映画を紹介してくれてどうもあ
>りがとう!
いえ、本当にPOMMEさんのお手を煩わして申し訳ありませんでした。
またPOMMEさんの方でもお薦めの映画等どんどん教えてくださいね。
僕にも“美しい涙"を流す機会を与えてください(笑)。
>ちなみに私が借りたのも吹き替え版でした。ステラの情熱的なアプローチはイタリア語
>でも聞いてみたいような気もするんですが‥‥
実はこの映画、劇場公開版は英語なのです。で、リチャード演ずるリチャード・ジョンソンは正真正銘の英国人なので、きちんとした英語を渋くしゃべっているのですが、ステラ演じるパメラ・ヴィロレージはイタリア人。だから彼女のしゃべる英語はかなりイタリア訛りなのです。でもそこがひょうきんで、前半のあのステラの“情熱的なアプローチ"がよりコミカルに描けています。機会があれば、是非劇場公開版の方もご覧になってみてください。
>レンタル・アコム北浦和店で借りたので、もしお近くの方で借りたい方がいたら行って
>みては?(来週の月曜日までは私がレンタルしてるのでそれ以降ね!)
うーん、ここまでしてくれるなんて、POMMEさんは何て親切な人なんだろう!
大感激です!!!
POMMEさんには“カインド・ウーマン・オブ・カインド・ウィミン"の称号を差し上げましょう!
(これで称号のグランド・スラムですね(笑))
最後にまた一言。
心の底から美しい涙を流してみたいあなた!美しいおとぎ話に酔ってみたいあなた!
そういったあなたにこの映画を捧げたいと思います。
<ばな>
POMMEさん、Yさん、こんにちわ。
>ちなみに私が借りたのも吹き替え版でした。ステラの情熱的なアプローチはイタリア語
>でも聞いてみたいような気もするんですが‥‥
>レンタル・アコム北浦和店で借りたので、もしお近くの方で借りたい方がいたら行って
>みては?(来週の月曜日までは私がレンタルしてるのでそれ以降ね!)
「ラストコンサート」見たいと思っていたので、来週の月曜日に借りに
行きます(実は近所です(笑))
<POMME>
>POMMEさん、どうもお久しぶりです。
>わざわざ『ラストコンサート』を見てくださったのですね。
>本当にありがとうございます。
>もうそれだけで恐縮してしまいます。
>実はこの映画、POMMEさんのようなフランス映画通には向かない映画ではないかと心配でした。
>フランス映画といえば、何といっても洒落た会話、新鮮なストーリー、深い内容が身上。
>一方『ラストコンサート』は上記のどれにも該当しません。
>だから正直言ってこの映画、POMMEさんには少し物足りなかったのではないでしょうか?
>それを、こんなにもあたたかいコメント(涙)!
>本当にありがとうございます。
Yさんたらも〜お礼をいうのは私のほうだってば。いい映画はどんどん紹介してほしいもの。
さて、フランス映画は“洒落た会話、新鮮なストーリー、深い内容”と思わせてしまうところがフランス映画のズルイところなんですけど、実のところ超B級映画大国だと思うんですよ。“下品でくだらない会話、ひとりよがりなストーリー、ナンセンスな内容”の作品もイッパイです。でもそんな作品でもそれなりにいとおしいっていうか愛着を感じてしまうのはなんていうか、単に私が“通”というより“ファン”だからなんでしょうね。
ただ、フランス映画=小難しいと思い込んでる人も多いのも確かです。どこの映画でもそうですが、いろいろな表現方法があるのでなかには難解な作品もあるけど、へんにアートだなんだと飲み込もうとしないでわからない、つまらないと声高に言ってしまってもいいと思います。踏絵じゃないんだから。
ビデオになってる作品のなかでもシンプルでわかりやすく、心にひびく作品がたくさんありますが、あまりメディアで話題にのぼらないのはたしかですね。
私はほんとはそういう作品を紹介していきたいということで、そのうち自分のHPを作りたいと思ってるんですよねー。いつのことになるやら。
>>シンプルながらもしみじみとした情感あふれるステキな映画を紹介してくれてどうもあ
>>りがとう!
>いえ、本当にPOMMEさんのお手を煩わして申し訳ありませんでした。
>またPOMMEさんの方でもお薦めの映画等どんどん教えてくださいね。
>僕にも“美しい涙"を流す機会を与えてください(笑)
称号もたくさんもらったことですし、わたしにもみなさんにおすすめしたい映画を一本紹介させていただきましょう。
くしくもタイトルは“ラスト”が頭につき、そして“白血病”っっ!もしや‥‥とお思いの方もいらっしゃるでしょうか?
『ラストファンタジー』1992/仏 GAWIN
制作:ジャラール・ルバン
監督:アルノー・セリニャック
脚本:アレクサンドル・ジャルダン
出演:ジャン=ユーグ・アングラード/ブリュノ/カトリーヌ・サミー/
ボイチェク・プショニャック/イヴ・アルフォンソ
この映画ビデオでもちゃんと発売されましたが(イメージファクトリー・アイエムより)、邦題のためか子供向けのコーナーに置かれてしまったり、さっさと店頭からかたずけられてしまったりで、アングラードのファンの方でもみてない人が多いです。お涙チョウダイストーリーの一言でかたずけられるとけっこうムカつきます。
フェリックス(ブリュノくん)はまだ小学校にあがったばっかりぐらいの男の子でSFが大好きで、というかもういっぱしのマニアなのですが、なかでも子供向けキャラクターの宇宙人ガーウィンが大好き。彼はふだんは普通の男の子とおなじように元気に遊んでいますが、白血病に冒されていて、父親ニコラ(ジャン=ユーグ・アングラード)に医師から告げられる病状も、例によって残酷なものでした。
最後のクリスマスになるかもしれないと、ニコラは息子に最高のプレゼントをしようと試みます。それは『夢』。彼はフェリックスが大好きなガーウィンのぬいぐるみを着込み、遊園地の友人から本物そっくりの宇宙船を借りて、フェリックスが薬で眠ってるうちにシャモニーに車で行き、宇宙に旅立ったかのようにみせます。奥さんは「バレたら逆に夢をこわすことになる」といって反対しましたが、その心配ももっともで、フェリックスはSFマニアだけあって、その知識は父親のそれをはるかに凌駕してて、するどいツッコミにパパはヒヤヒヤドキドキ。
しかし、ついにはフェリックスの病状が悪化してしまい‥‥。(以下略)
ジャン=ユーグ・アングラードはどちらかというとエキセントリックな役柄が多いですが、ここでは子供を思う優しいフツーのパパ。この役柄、本人はいたく気に入って印象にのこったのでこの映画の回想録まで執筆したそうです。(たぶん邦訳はされてないと思います)父親以上にフェリックスの良き友人って感じでときどきまるで子供のようにスネたりいじけたりもします。(マヌケなぬいぐるみ姿で!)
ブリュノくんも天才子役というフレコミどおり、ものすごく自然にのびのびやってます。フェリックスが悪い宇宙人と勘違いする謎の老人役のプショニャックはあのコルチャック先生ではありませんか。とうぜんこの映画でもキーパーソンでもあります。ネタばれ投稿になってしまうと興ざめなので結末までは書きませんが、親心ファンタジーというカテゴリーにしておきましょう。
脚本で参加のアレクサンドル・ジャルダンは若手ベストセラー作家ですが、映画とも深いつながりをもち、以前ティエリー・レルミットがらみで紹介した「妻への恋文」の原作者でソフィー・マルソー主演の「恋人たちのアパルトマン」では原作のみならず監督までやってしまいました。情熱的なロマンティシズムがウリ。
この作品でもそこまでするぅ?ってとこがちょっと彼らしいですね。
何度か繰り返してみたくなるほど、見終わったあとの後味がいいことは保証します。
ぜひぜひビデオさがしてみてくださいね。ファミリーでもOKだし。
PS.ばなさんがご近所さんだとは!てっきり中南米の方だとおもっていました、な〜んてね。
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