ポピュラー音楽のルーツ 「ポピュラー音楽のルーツ・その8」

 今回はちょっとゴスペルについて・・・。ゴスペルは「ホワイト・ゴスペル」と、「ブラック・ゴスペル」があります。例えば、エルビスがアメリカ北部の育ちだったら、ロックン・ロールのエルビスは絶対にこの世に出現しなかったと思われます。

 18世紀末にニューイングランドから特にケンタッキーに拡がった信仰復興運動が起こっていた間、何百万人もの開拓者がその集会に出席。人々は大声で叫び、思いのまま踊りながら解放感を味わい魂の救いを経験した。その時黒人達も集会に連れて行かれて深く影響を受けます。彼らは18世紀の英語のリバイバル聖歌を、彼ら特有のアフリカスタイルを混ぜて唄いました。1940年にエルビスがミシシッピー州で育っていた頃は「スピリチアル」とはブラックゴスペルを指し、ゴスペルはホワイト・グループに対して用いていた。

 しかし、やがて黒人の間でゴスペルがスピリチアルに取って代わる。ブラックゴスペルはソウル・ミュージックに、そして一方ホワイト・ゴスペルはカントリーに影響され、ゴスペルは一般の世俗ポピュラー・ジャンルと密接な関係を持ちます。

 ちなみに、エルビスは成長の段階で、この二つのゴスペルの伝統に触れていた。しかし、影響を強く受けたのが「ブラック・ゴスペル」だと言われています。

08/4/9/2:00/