2006年1月

ホーチミン市での安全な生活のために

在ホーチミン日本国総領事館


1.序言

 ホーチミン市は年々目覚ましい経済発展を遂げるなかで人々の生活も豊かになる一方、貧富の差の拡大やそれに伴う治安状況の悪化が問題となっています。
その他、世界的にその発生、拡大が懸念されている鳥インフルエンザ等、疾病の流行も内外に大きな波紋を投げかけています。
医療事情についても徐々に改善されつつあるものの、衛生状況にも不安が残るほか、まだ十分とは言えません。
そこでここに、当地における安全かつ健康的な生活・旅行を送るための資料を作成しましたので、参考にして下さい。


2.安全上の基本的心構え

 海外における安全は、何と言っても「自分の身は自分で守る」ということが基本です。
 警察も些細な事件は取り扱おうとしません。これらをよく踏まえ、安全な生活を送る上での基本的心構えとして下さい。


3.ホーチミン市犯罪発生状況(2005年)

(1) 罪種・手口別発生状況

窃     盗 恐喝
ひったくり 侵入盗 置き引き スリ 同居盗 その他
41 件(70.6%) 1 件(1.72 %) 2 件(3.45 %) 6 件(10.34%) 2 件( 3.45 %) 4 件( 6.90%) 2 件( 3.45 %)

(2)月別発生状況【かっこ内は前年の発生数】

項目 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
発生総数 58
53


(3)犯罪発生場所別の特徴

項目 場所  1区 3区 5区 フーニャン区 ビンタイン区 不 明
発生総数 48件 2件 2件 1件 1件 4件 58件
ひったくり 34件 2件 2件 1件 1件 1件 41件

※ 犯罪種別として「窃盗」、中でも「ひったくり」が突出して高い発生率を占めています。発生場所も昼夜に渡り人・車の交通量が多い市内1区を中心として、周囲の環境に左右されることなく、堂々と敢行されていると言えます。

4 防犯のための具体的注意事項
(1)屋外窃盗

ア ひったくり
 当地で最も多い犯罪被害はひったくりです。通りを歩いていると後方からバイクに乗った(1人又は2人組)賊が近づいてきて、追越しざまにバッグ等をひったくり、猛スピードで逃走するといったものが典型的な例です。
    何処からか必ずあなたの行動を見ています。そして、「隙あらば・・」の犯行です。常に周囲の状況に気を配り、隙を与えない行動に心がけましょう。

◆多発地域(別添ホーチミン市中心部略図参照、過去統計も加味) パスター通り、グェン・フエ通り、ドン・コイ通り、ハイ・ バー・チュン通り、トン・ドック・タン通り、チャン・フン・ダオ通り、レ・ライ通り、レ・タィン・トン通り、ベン・タィン・市場周辺等


イ スリ
   ○ 混雑した市場・路上において、知らない間にバッグ等のチャックを開け財布等をすり盗るなどの犯行です。すり犯人も相当のテクニックを持っており、中には腕時計を外してすり盗るといった例もあります。
    「ウエスト・バッグに貴重品を入れているから大丈夫!」のうえに、常にバッグを自分の視界内に入れていることがまた大事です。
   ○ 物売りの子供達が近寄ってきたらバッグを押さえてその場を離れるようにしましょう。1人に注意を向けているうち、他の子供からバッグを開けられ、財布等がすられていることがあります。子供は背が低くその行動を十分注視できないことを利用した犯行です。
   ○ また、歩行中突然目の前で自転車を倒したり、わざとぶつかってきたりして、他のことに注意を引きつけ、別の仲間がスキをみてポケットから財布をすり盗ったりすることもありますので、周囲をよく注意して歩きましょう。

◆多発地域(別添ホーチミン市中心部略図参照、過去統計も加味)ベンタイン市場付近、ドン・コイ通り、グエン・フエ通り等



ウ 置き引き
  ホテルのチェックイン等の手続き、レストランでトイレに立ったときや写真を撮ろうと席を外したとき、その他、空港で入国・出国手続きを行っている時など、貴重品の入っているカバン等をカウンター、テーブル、椅子の上あるいは床において目を離したすきにこれを盗みとるといったものです。絶対、肌身から離さない又は自分の視界内に入れておくなどの注意が必要です。

◇ 多発地域(別添ホーチミン市中心部略図参照、過去統計も加味) 統一会堂付近、その他列車内での被害も報告されています。

※ 屋外窃盗対策

外出するときは、現金・パスポート等の貴重品を持ち歩かないこと。

被害を防ぐには、まず貴重品を持ち歩かないことです。貴重品を持っていることを他人にわからせないようにすることが大切です。   特にウエスト・ポーチセカンドバッグ、アタッシュケ ス等は、ひったくりやスリ犯人の絶好の的です(ウエストポーチごとひったくられ人もいます)。
貴重品を持ち歩く場合でも貴重品をまとめて持ち歩かなことが大切です。当館への被害報告では、旅券、航空券、トラベラーズ・チックや現金などの全財産を一つのバッグに入れ、持ち歩いていて被害に遭ったケースが良く見受けられます。貴重品は、まとめて常時携行しているのが一番安全で便利だと考えがちですが、逆にこれが被害の傷口を大きくしているようです。 市内の移動だけならば少額の現金だけを持って出来るだけ手ぶらで歩き、パスポートを持ち歩く必要がある時は、他の貴重品とは別の盗まれにくいポケットや盗難防止用腹巻等に入れる等、分散して持つ工夫をしましょう。
周りの人の動きに注意すること!
理由もなく自分に近づいてくる者の動きには十分注意しましょう。    自分は常に狙われているという意識を持つことが大切です。
人前で財布を開け閉めするのやめましょう。
買い物をしてお店を出た後は、一度後ろを振り向いて自分を注視  するバイクがいないか確認しましょう。
絶対に自分の手荷物から目を離さないこと!
ホテルでのチェックイン等の時は、手荷物を必ず身体でガードする   か、友人等に確実に視を頼んでから手続きを行うようにしましょう
公園や統一会堂前の広場ではベンチに座っても、気を抜かずに荷物は肌身から離さないでおきましょう。
見知らぬベトナム人が話しかけてきたら、特に注意して他の仲間の動きにも目を向けましょう。

(2)強盗・恐喝
件数は少ないものの、年間数件ずつ発生しているのが、強盗や恐喝事件です。

ア 強盗の手口
   当館へ報告のあった典型的な手口は、ひったくりの延長線上にあるもので、肩に掛けているバッグを盗ろうとバイクで追い抜きざまショルダー・バッグの紐をつかんで引っ張り、被害者を引きずって無理矢理バッグを奪い取るものです。
その他、タクシーで移動した際、降車時にペーパーナイフ様の物をちらつかせ、料金以上の現金を要求しようとする事案も発生しております。

 イ 恐喝の手口
 恐喝の手口は、見知らぬ日本人旅行者などに英語で話しかけ、ある程度被害者を信用させてから金品を脅し取っている手口が多く、次の二つが代表的なものです。
● 初めて会った旅行者などに英語で親しく話しかけ、親切心を装って通訳や案内などのサービスをしてやり、バイクで自分の家と称するところ(通常市中心部から離れた場所で、旅行者が不安になる場所)へ連れて行く。若干飲み食いさせた後、態度を豹変させ、飲食代や帰りの送り代と称して法外な料金を脅し取る手口。
● バイク・タクシーやシクロに乗車した後、法外な料金のことでトラブルとなり、相手の仲間が加勢して被害者を取り囲み、現金を脅し取る手口。

  ※強盗・恐喝対策

見知らぬベトナム人に声を掛けられても、絶対についていかない
初めて市内を観光するときは、多少金額が高くても、きちんとした旅行会社へ頼んで、信用できる通訳を頼むようにしましょう。
道を知らなくても表情に出さない。
犯人は、何とか相手の弱みを見つけてお金を取ろうとします心細くても不安な表情は顔に出さないようにしましょう。 
路上で地図を広げるのは、相手に言い寄られる口実になりまから、出来るだけ避けましょう。
買春は絶対にやらない。
この国は、ベトナム人でさえ買売春時は泥棒などの被害に遭います。買春が犯罪であることから、買春時に被害に遭っても警察に届けられないという弱みをついて盗んだり恐喝したりしてきますから気をつけましょう。

(3)侵入窃盗
 当地でも、空き巣(家人不在中に侵入し金品を窃取)、忍び込み(夜間家人就寝中に侵入し金品を窃取)、居空き(昼間家人が居るにもかかわらず、同人に発見されないよう侵入し金品を窃取)などの侵入窃盗被害が発生しています。
 これらの犯罪は、ほとんどの場合複数の犯人によって敢行され、手口が非常に大胆であり、凶器等を所持していることが多く、時には生命、身体にまで被害が及ぶことも考えられます。
 また、ホテルやゲストハウスの客室に侵入し、金品を盗む事案の発生も見られます。

※侵入窃盗対策

一般的に、独立家屋より集合住宅等のセキュリティーがしっかりした物件を選択するほうが無難です。
住居選択においては、侵入されにくいかどうかをよくチェックして下さい。
窓に鉄格子は付いているか。
扉、窓の錠はしっかりしているか。
周囲の建物、工作物を伝って侵入できる場所はないか。
侵入が容易と感じられる場所には2重、3重の錠を取り付ける。但し、火災、賊に押し入られた場合等に避難しなければならない場合もあるので、内側から開けやすい錠を利用することも考慮に入れる必要があります。
鍵の管理をしっかり行って下さい。
新居に入る際は、錠を新しくしてもらうのがより安全です。
使用人に鍵を渡すことはできる限り避けましょう。
夜間・外出時は、面倒でも施錠を確実に行って下さい。
センサー等を設置することも考えて下さい。
現金等の貴重品、鍵等を誰も居ない場所に置くこと(例えば、家人が2階に居るのに、1階に財布や鍵を無造作に置くこと)は避けて下さい また、使用人の目に付くところに貴重品を置いておくこともやめましょう。
住居に侵入された場合に備え、身を守るための絶対に犯人に入られない部屋を1室(主寝室等)作っておきましょう。
部屋のドアの錠を二重、三重にしましょう。

(4)シクロ、バイクタクシーに関わるトラブル
 シクロは、当地でしか乗れないものとして、旅行者は話のタネにと乗車することが多いようですが、最もトラブルの多い乗り物です。
 また、バイクタクシーも、街角に多数居て向こうから声をかけてくる等、安価で一見利用しやすそうですが、種々のトラブルがあります。
● 乗車中又は乗降時の隙を狙われ、所持品をひったくられる。
● シクロは値段交渉が必要であり、降りる際、交渉額以上に金を請求される。
● 人気の無い場所や、依頼した場所と違うところに連れて行かれ、恐喝される。
● 「おもしろいレストランへ連れていく」等と誘い、暴力バー等へ連れていき、店員らと共謀して法外な飲食代を請求される(ビール10本で500ドル前後)。
   支払を拒絶すると、5〜6人の男に囲まれ、パスポートや時計等を盗られる。
● 仲間数人と数台のシクロに分乗しても、すぐにバラバラにされ、見知らぬ所へ連れて行かれ、一人になったところで現金を奪い盗られる。
などの被害が過去に発生しています。

※シクロ対策

● シクロには乗車せず、料金メーターのあるタクシーを使用しましょう。



(5)その他の犯罪
  ア トランプによる「いかさま賭博」といった詐欺事件も発生しています。これは、自称フィリピン人や自称インドネシア人の女性が、親しげに話しかけ言葉巧みに食事に誘う等して自宅に招き、そこで「いかさま賭博」で金持ちの男から大金を巻き上げようと持ちかけて賭博をさせて、多額の現金を賭けさせ、掛け金を騙し取るというものです。ベトナムにおいても賭博は犯罪であり、被害者が警察に訴え出ても賭博の共犯として警察ではあまり相手にされないという弱みにつけ込んだ巧妙な犯罪と言えます。
    犯人グループは、被害者が断れないような様々な方法で自分たちのアジトに引き込んだり、賭博をさせるように仕向けたりします。これまでの被害報告では、凶器を使って脅された等の報告はありませんが、被害者以外は全てグルであり、強く断ると強盗に発展するおそれもあります。

※知能犯罪対策

相手は親切かつ言葉巧みとのことです。甘い言葉に乗せられず、また、見知らぬ人を簡単に信用しないことが必要です。また、簡単に他人を信用して多額の現金を渡したり、預けたりすると、後で大きな怪我をします。 当たり前のことのようですが、当地事情が判らないから人任せにするのでなく、判らないからこそ自分の目で確かめながら慎重に行動するようにしましょう。


イ 買春で警察に摘発されると、実名入りで新聞に報道されることがあります。
● ベトナムは買春が刑法で禁止され、違反すると罰金・懲役刑等直罰が下されます。法定手続きが未熟なベトナムでは、買春をしているホテル等へ警察機関が乗り込んできて、斡旋業者から客まで全て検挙します。
 検挙されるとパスポートを保管され、処分が決定されるまで出国できなくなるほか、事件が新聞に実名入りで掲載されることもあります。
● 買春時の盗難被害も発生しています。
 ★ オートバイに乗った女性(一部女装した男性もいる)から誘いを受け、ミニホテル等に行ったところ、シャワーを浴びている間に所持金品を窃取される。
 ★ 見知らぬベトナム男性と知り合い、誘われるままカラオケ屋へ行き、買春を持ちかけられ、ためらっているうちに服を脱がされ、財布入りのズボンを盗まれるといった被害もあります。

※ 対策
● 買春行為は絶対にやらない。
● いかがわしい誘いには乗らないこと、危険な場所には近づかないように心がけましょう。甘い誘いには、大きな落とし穴が待っています。 いかがわしい場所に近づけば近づくほど大きなトラブルがあると思って下さい。

ウ 同居盗
ホテルの部屋1室を共有したフィリピン人に、貴重品から目を離した隙に、現金・カードを盗まれ、後日、別れた後、被害事実が発覚したというものです。
ホテルによっては、1室に複数人(2〜4人)が投宿できる宿泊形態をとっている所があります(1泊:数ドルという非常に安価であるということ)。

※ 対策

● 道中、知り合った外国人との投宿は危険が伴います。ホテルの宿  泊形態もよく確かめ、同室利用による宿泊は避けることです。

5 交通事情と事故対策
 当地では、経済発展とともにオートバイ・自動車の数が増加しています。ベトナム政府も対策を講じようとしていますが実効が上がらず、道路事情、信号機等の交通インフラは決してよいとは言えません。また、オートバイは歩道を歩く感覚で乗られているなど、市民の交通マナーも日本人の常識では考えられないものです。
 市内にはレンタル・バイク屋がたくさんあり、店側もパスポートと引き換えに簡単にバイクを貸しますが、この国では50ccを越えるバイクの運転には免許が必要です。そして、ひとたび事故が起これば無免許運転は厳しく処罰されるか、被害者との示談に非常に不利な材料になります。
 このほか、自分で自動車の運転をしない場合でも、乗車している車やバスが事故に巻き込まれることがあります。最近、邦人が絡む大きな交通事故はありませんが、過去には(2002年には)次のような例が当館に報告されました。
● 当地旅行社が企画したメコン川ツアーに参加した日本人旅行客十数名(他に外国人数名)が乗ったツアーバスが交通事故に遭い、重軽傷者十数名が出た。この内、重傷者は、日本人男性が首の骨を折る怪我、日本人女性が腕の骨を折るほか、顔を数十針縫う怪我に合われた(3名)。
 この事故では幸い死者は出なかったものの、バスは大破し、一 歩間違えれば死者が多数出る大惨事となっていた可能性もある。

※ 交通事故防止対策

オートバイ・自動車、共に運転することは避けた方が無難です。
オートバイに乗る場合には必ずヘルメットを着用しましょう。(自分の身を守る)
無理な旅行計画は怪我のもとです、特に地方には整った施設の病院はありません 旅行する場合は、準備を万全にし、余裕ある計画を立てることが大切です。
道路を横断する場合は、出来る限り信号のある交差点を利用して下さい。その際も前後左右をよく確かめ、信号無視の車両や逆行してくるオートバイには十分注意して下さい。
ベトナムでの運転免許を持たない人は、レンタル・バイクの利用はやめて下さい。

6 テロ・誘拐等から身を守るために
当館開設後、今まで当地において日本人等個人を標的としたテロ・誘拐の被害に遭ったことはありませんが、今後も絶対にないという保証はありません。日頃から次のことに心がけて下さい。

(1)情報収集と危険の早期察知
普段から当館をはじめ、在越日本大使館、海外安全相談センター等から安全情報の収集を行うとともに企業間、邦人間との連絡を密にし、自らに忍び寄る危険を早期に察知することが必要です。また、危険に近づくことのないよう危険の所在や規模を的確に把握することが必要です。

(2)被害を受けない環境・生活づくり
 ア 住居、企業事務所における警備強化
住居、企業事務所は生活の基礎となる場所であり、当地の事情にあった警備強化をすることが必要です(住居等の選択については前記参照)。
イ 常に整理・整頓に心がけ、不審物が置かれてもすぐ判別できるようにしておくことが必要です。また、不審物を発見したときは絶対に触ることなく、警察等に知らせ処置をしてもらうようにして下さい。動かしたり、触ったりするだけで爆発する爆弾もあります。
ウ 生活の中に一定のパターンを作らない。
個人テロや誘拐を避けるためには、平素の行動に定まったパターンを作らないことです。通勤、通学、買物への経路なども、時々変更するようにしましょう。

(3)常に警戒心を持って下さい。
ア 自分だけは、大丈夫という気持ちは禁物です。常に警戒心を持ち、外出時に追跡を受けていないか、家の周りに不審者が居ないか、不審物は置かれていないか等をチェックしてください。
イ 子供に対しても、不審な人物についていかないこと、来訪者に対する警戒等安全対策を十分指導して下さい。

(4)その他
米国における同時多発テロ事件以降、世界各地のどこでテロが起きても不思議ではない時代となりました。この種の無差別テロは、自分自身がテロの対象者ではなくても突然発生したテロ事件に巻き込まれる可能性があることから、テロ被害防止のため、人が多く集まる場所、米国関連施設等、テロの危険が予想される場所へはできるだけ近付くのを避けましょう。

7 当地衛生・医療事情等

 (1)衛生事情
 ホーチミン市の衛生事情はまだまだよいとは言えません。日本人が赤痢や腸チフス、食中毒等に罹患した例があり、生水を飲むことを避けるのは勿論のこと、特に旅行者などはローカルのレストランや屋台等での飲食や生物(野菜を含む)、コーヒーやジュース、ウイスキーなどに入った氷等は避けた方が無難です。
 その他、日本脳炎、デング熱、マラリア等の蚊が媒介する伝染病や、狂犬病、破傷風、肝炎などにも注意が必要です。長期滞在者は、可能な限り予防接種などを受けておいた方がいいでしょう。また、毎年のようにベトナム南部地域ではデング熱が大流行します。この病気には予防接種や決め手となる薬がなく、原因となる蚊に刺されない備えが必要です。
 2003年初頭に流行したSARS、未だ、拡大が懸念される鳥インフルエンザ等、これまででは予想できない感染症等の流行のおそれがあるので、常に最新の衛 生情報の入手に心掛けましょう

 (2)医療事情
 ホーチミン市には医療機関として「SOSインターナショナルクリニック」、「コロンビア・インターナショナルクリニック」、「ファミリー・メディカル・プラクティス」、「フランス心臓病院」、「フランコ−ベトナミーズ病院」、「チョーライ病院」等がありますが、設備及び医薬品等は満足できるものではなく、重病患者や大きな手術が必要な場合は、シンガポール、バンコック、日本等へ緊急移送を行っているのが現状です。
 したがって、旅行者は無理な日程は避けるよう、長期滞在者は日本帰国時等には定期的な健康診断を受けるなど日頃から健康管理に努めましょう。
 なお、緊急移送には多額の費用がかかりますので、長期滞在する場合は保険に加入しておきましょう。長期滞在者で、緊急移送の費用が払えず、危うく一命を落としそうになった日本人もいますので、真剣に考えて下さい。

 (3)エイズ事情
 感染の主な原因は、麻薬、売春にあります。当地において、いかがわしい場所への出入りは避けるとともに、甘い誘いは必ずトラブルの原因となることも肝に銘じて行動することが大切です。
 8 終わりに
   前述したように、各自が「自分の身は自分で守る」ということを基本念頭に置いた行動に心がけるようにしましょう。安全且つ快適な生活を送るため、本資料がその一助となれば幸いです

主要機関の連絡先
【在ホーチミン日本国総領事館】
代表 8225314

夜間・休日の連絡方法(緊急時を含む)
夜間・休日は上記代表電話が留守番電話に変わりますので、用件のある方は同留守番電話に伝言して下さい。人命に関わる緊急時は、留守番電話のメッセージから緊急連絡先の電話番号が流れますので、そちらへ連絡して下さい


【緊急時】
警察113(113は夜間等人が出ない場合があるので、居住地等の最寄りの警察署の電話番号を調べておいた方がよい。)
消防署 114
救急車 115
【官公庁等】
ホーチミン市警察 9200882
ホーチミン市警察刑事部 9200028
ホーチミン市警察警備隊 9201150
ホーチミン市入国管理局 8299398
ホーチミン市税関 8297529
ホーチミン市中央郵便局 8244244
【病院】
チョーライ病院 8554137
SOSインターナショナルクリニック 8298520
フランス心臓病院 8654025
フランコ−ベトナミーズ病院 4113333
コロンビア・インターナショナルクリニック 8238455
ファミリー・メディカル・プラクティス 8227848
厚誠会デンタル・クリニック 8235918
【旅行会社】
サイゴン・ツーリス 8298914
ベトナム・ツーリズム 9326276
ウェンディーツアー(日本人スタッフあり) 8219451
ICC(日本人スタッフあり) 8220452
APEX(日本人スタッフあり) 9103690〜1
SAI TRAVEL(日本人スタッフあり) 8225741
OSCツアー(日本人スタッフあり) 8444668
【タクシー会社】
ビナ・タクシー 8155154
エアポート・タクシー 8446666
サイゴンツーリスト・タクシー 8458888
カイ・ホアン・モン・タクシー 8454545
サイゴン・タクシー(グリーン) 8448888
ダビ・タクシー 8290290
ベン・タイン・タクシー 8260260    ザーディン・タクシー 8989898
チョロン・タクシー 8363636
タナコ・タクシー 8226226
V・タクシー 8202020
マイリン・タクシー 8226699


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