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  The System of the World

by Neal Stephenson
The System of the World



<あらすじ>

本書の舞台は1714年。

 アン女王治世下のイングランドはスペイン継承戦争でフランスに勝利したものの、アン女王の次の王位を巡ってジャコバイト、ハノーヴァーをそれぞれ推すトーリー、ホイッグ間の争いが起こっていた。これに絡んで、ホイッグと縁の深い造幣局長官のニュートンと、ライプニッツを和解させるべく、ハノーヴァーからの密命でダニエルはアメリカからイングランドへ呼び戻される。その直後ダニエルは爆弾で吹き飛ばされそうになる。それがニュートンを狙った陰謀ではないか、と思ったダニエルは、仲間を集め、真相究明に乗り出す。その犯人と思われる人物は、かつて「キング・オブ・ヴァガボンド」と呼ばれていたジャックで、今は「贋金作りのジャック」としてニュートンの敵となっていた。ニュートンも彼を追っていたが、それにはある理由があった。

 女王の死が近づき、トーリーとホイッグの対立が激化していく中、ジャックが造幣局を襲撃し、ニュートンとそのバックにいるホイッグは窮地に立たされる。ジャックを追うニュートン。彼らの運命は。


<感 想>

 『バロック・サイクル』三巻本の最終巻です。本書は1714年の一年に満たない期間をじっくり描いていて中身が濃いです。主な舞台はロンドンで、この時代のロンドンがたっぷり味わえます。

 最終巻ということで、一体どういう結末に持っていくのか、と思いましたが、きれいに着地しました。タイトルにもなっている「世界のシステム」というのは前巻までにエリザやイングランド銀行やニュートンの大改鋳などを中心に描かれてきた新しい経済のシステムであり、またそのニュートンやライプニッツ、その他ロイヤル・ソサエティの科学者たちの描く新しい思想体系であり、ダニエルの作るコンピュータの原型ともいえるマシンやニューコメンの蒸気機関であり、それら新しい世界のシステムをめぐる話、と言ってしまえば簡単ですが(笑)。ただそれら新しいシステムが完全に古いものを駆逐することはない、として、一巻以来の錬金術も健在です(笑)。

 大変個性的な登場人物たちと、大活劇も含めた道具立てのおかげで飽きずに読めます、と言い切れればいいのですが、やはり長いものは長いですね(笑)。とはいえ、各所におそらく作者の好きなある話を思わせる部分がちりばめられていたり、ニヤリとする仕掛けもあって、面白かったです(ラストはそのまんまパロディになっていたりする)。『クリプトノミコン』にリンクしてるんじゃないかという仕掛けもあったりして。

 しかし何といっても、ラストパートが怒涛の展開で、圧巻でした。
2005/3/19
ジャンル:歴史・時代小説
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