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  The Smoke Jumper
by Nicholas Evans
The Smoke Jumper



 ニコラス・エヴァンスの新作PB、"The Smoke Jumper"を読みました。私は、彼の第一作目、"The Horse Whisperer"が大好きで、これを読んで以来、エヴァンスの小説は全部読んでいます(と言っても、まだ彼は三作品しか発表していませんが...)。 "The Smoke Jumper"ももちろん、楽しみました。では、簡単なあらすじから。

 主人公、コナー・フォードはカウボーイの仕事をしながら、もういっぽうで、スモーク・ジャンパーをしています。スモーク・ジャンパーとは、山火事などのとき、上からパラシュートで下りて、火事を消したり、山に取り残された人を助ける仕事です。彼の親友、音楽家で、同じスモーク・ジャンパーをしているエドと、その彼女、ジュリアは、彼の一番心を許せる仲間です。

 コナーは密かに美しいジュリアに恋心を抱いていましたが、親友の彼女のため、黙っていました。三人の関係はうまくいっており、このままずっと彼らの関係は続くはずでした。ある事故が起きるまでは。それは、家庭に問題を抱えた子供たちの世話をする、カウンセラーのジュリアの身に起きたことです。山火事で、彼女の生徒の一人が亡くなったのです。それもジュリアの目の前で。

 スモーク・ジャンパーとして、コナーとエドはジュリアを、その山火事から救いましたが、生徒の女の子は救えませんでした。しかもエドはこの火事によって、両目の視力を無くしてしまうのです。ジュリアは目の前で女の子を救えなかったこと、恋人の視力を失わせてしまったことで、自分をひどく責めます。それまで、少しずつコナーに愛情を持ち始めていたジュリアは、その後、義務と責任からエドと結婚するのですが、コナーは二人から去って行きます。三人の関係はこれからどうなっていくのか、というのが、この本のプロットです。

 正直、"The Horse Whisperer"で著者を好きになった私としては、この"The Smoke Jumper"は、少し甘ったるい作品ではないか、と思いました。プロットを読んだだけで、まるでお昼のメロドラマを観たような感じです。ですから、彼の第一作目を好きになった方には、うまくはまるかどうか疑問です。ただ、エヴァンスの作品に一貫しているテーマは、この作品にも色濃く残っています。

 そのテーマは、「大自然の中で、それぞれ心に深い傷を負った主人公たちが、真摯にその傷に向かい合うことで、お互いに癒されていく」というものです。わたしがこの著者の作品が好きなのは、その心の傷を癒そうとするキャラクターたちの描写が細かく描かれているからだろうと思います。そういう意味ではこの作品を読む価値があるかもしれません。ただ、甘ったるいメロドラマ風になってしまっているので、評価が好き嫌いはっきり分かれるのも仕方ないでしょう。

2003/1/25

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