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  The Silmarillion
by J. R. R. Tolkien

The Silmarillion



■あらすじ

 神々が世界を作った時、その中で最も力が強く欲望に満ちた神のひとりがその全き世界を妬み、破壊せんと欲して最初の闇の王となった。そのため、世界の最初の住人である神々とエルフたちはミドル・アースのはるか西の祝福された地に逃れた。だがそこにも闇の手が伸び、世界を最初の光で照らしていた木が枯らされてしまう。残された木から神々は太陽と月を作ったが、もうひとつ、エルフの作った宝玉・シルマリルにもその光は残されていた。それを巡る神々とエルフの対立、そしてシルマリルが闇の王に奪われた時、その対立は神への反逆と呪われた誓いとなって、一部のエルフたちをミドル・アースへ旅立たせる。そこで新たに目覚めた人間やドワーフたちを巻き込み、シルマリルとエルフたちの物語はついには世界のファースト・エイジを終わりに導いてしまう。


■感 想

 「ロード・オブ・ザ・リング」の前史というのか、「ロード〜」の世界では神話・伝説とされているファースト・エイジの話です(私の持ってる本はファースト・エイジの終わりと指輪前史の話もおまけで入ってました。これはトールキンの残した原稿をまとめた話らしいので、「シルマリル」以外は本によって入ってる話が違ってるかも)。「ロード〜」に出てくる怪物や歌や物語(映画版では見事なほど省略されている(笑))がここには出てきます。しかし、トールキンのイマジネーションはすごい!! 世界創造が、なんかすごくきれいです。ファースト・エイジの終わりと共に世界も変わっちゃうんですが、そのカタストロフィもまた、すごいんですがきれいです。言葉や名前も不思議にきれいだし、「ロード〜」を気に入った人は、読んで損はないです。

 ただ、楽しいファンタジーを求めている人にはちょっとつらいかも。「ロード〜」もわりとそうでしたが、シビアというか過酷な物語です。例えば、エルフと人間の創造についていえば、エルフは不死の命を持つ代わりにこの世界に縛られ自由はない。人間は反対に神からの贈り物としての限りある命によりこの世界から解放される自由を持つ。それに対してエルフの中には自由を求める者もいるし、人間はエルフのような長命を求める。それが結局闇の王に付け入られる隙を作ってしまうことになる。しかしその大元のこの世界の神様は呆れるほど何もしない連中で(笑)、どんな争いが起ころうと何だろうと手を出さない。それでも自力で闇の王や運命に立ち向かうエルフや人間、えらいぞ!!(笑)。

 ちなみに「ロード〜」の登場人物何人かも「シルマリル」に出ています(闇の王もエルフも不死ですから。そこまで長生きでない人間の場合、ご先祖様が(笑))。


ジャンル: ファンタジー
2002/12/25

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