Genchan さんが
洋書読みの極意を伝授します
Genchanさんは洋書を読むなら、Junk Bookでなく読んだ後に心にずっしりと残る良質な作品を読むべきであるというお考えです。掲示板へのご意見から掲載させていただきました。
★Grisham vs. Steinbeck
「グリシャムがスタインベックの影響を受けている」ということは私は知りませんでしたが,なるほど両者を比べると題材は異なりますが類似点はあるかと思います。どちらも男の内面美を追求している感じがします。また、文章が短めで、直接言及せず間接的に人物の心情を描き出すという手法は似ているのではないでしょうか。私も、グリシャムも好きで彼の本はほとんど読みましたが、確かに「読んで面白い本」とはなるものの,「一生忘れない本」になれるかというと疑問を感じます。
スタインベックの本は、現在2冊目を読んでいるところですので、スタインベック論を述べるには早すぎますが,流行のベストセラーのような「ハリウッド」を意識したような盛り上がりや,派手さはないものの,読み終えたとき不思議な感動を覚えます。
なんといっても、スタインベックが本の中で描きだすアメリカの町(モントレー、カーメル、サリーナス、サンタクルーズ)は最高です。絵の具で描いた絵より、彼の文字で描いた町並みはリアルで,まるでThe Wayward Busのバスが今でも走っていて,古ぼけたドライブインで客がコーヒーを飲んでいる風景が目に浮かぶようです。
もし私が死ぬ前に「今まで出うれしかったことを3つ述べなさい。」と神様が尋ねたら,1番目は「素敵な妻と出会えたこと。」、あとは、2番と3番は甲乙つけがたいですが,「ラジオ英会話の大杉先生の講座を拝聴できたこと。」そして「スタインベックの本に出会えたこと。」と答えるでしょう。
★お勧めの一品:"Snow Falling on Cedars"

"Snow falling on cedars"はすばらしい本でした。特にアメリカへ移民として渡った日本人の苦労やその心情が繊細に描かれています。作者は日本人ではありませんが,川端康成を思わせるような心理描写には脱帽です。映画にもなるそうですが、本に忠実に映画を作っていただきたいものです。
邦題「ヒマラヤ杉に降る雪」から受ける印象と、原文から想像する世界とはずいぶん違う気がします。このタイトルは、主人公が刑務所に入れられ,真偽にゆれる複雑な思いを胸に眺める外の景色から取ったものと思いますが,個人的にはどうしてもなじめません。奇抜な意見かもしれませんが、「SNOW」は、苦難や苦しみを、「Cedar」は、日本人をあらわし,「主人公の日本人に苦難が降り注ぐが、それは雪のように純白で,次第に季節とともに消えていく。」そんな意味が英文では暗示しているのではないでしょうか…邦題からイメージできるかなあ…
女性役の工藤さんも、英語がうまいからしかたないけど、イメージは、もっと苦労人の味を出せる「石田あゆみ」あたりのほうが適役だったかもしれませんが。ともあれ映画を楽しみにしてます。
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以上の内容は、Genchanさんから、ご本人の了解を得て掲載させていただいております。
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