長谷川さんの洋書の楽しみ方:第2信!
ペーパーバックの達人、長谷川さんから第2信をいただきました。何しろ年季が入っておられ、読まれている作品も渋いです!ロマンを感じる作品が多いという感じがします。おすすめ作品に、私もいつかチャレンジしたいと思います。
今回はウンベルト・エーコとアーサー・ランサムの作品を紹介していただきました。
★@Umbert Eco(ウンベルト・エーコ)★
イタリア人。哲学者・文学者・記号論理学者等等、山のような肩書きを持つ。彼の本は、全世界で翻訳されている。
- The Name of the Rose 「薔薇の名前」
ショーン・コネリー主演での映画でも有名。基本的には中世の僧院での、連続殺人事件をシャーロック・ホームズばりの修道僧が推理解決するというもの。しかし、中身が半端でない。ラテン語の警句や中世の神学異端論争、僧院の構造、修道僧の生活等こみいった記述で、大まかな筋立てはわかったものの、後日訳本を読んで初めて理解できた部分も少なくない。
※彼のこの作品は、前に述べた the Good Book Guide の読者投票で、過去20年間に出版された小説の中でベスト1に選ばれている。
- Foucalt's Pendulum 「フーコーの振り子」
彼の作品ということで、続いて買ったが、前作の方がまだやさしいくらい。場面転換が非常に激しく、後に訳本を読んでも理解できない部分が多くかあった。
- The Island of the Day Before 「明後日の島」
中世、戦争に敗れた貴族の青年が一人船で漂流して無人島に流れ着く。無人島での生活をリアルに綴っていくのだが、どことなく現実の自然環境とずれがあるようだ。というわけで、はじめの数章を読んでいるところです。邦訳はまだ出ていないが、どちらが早いかといったところ。
※自分でも良く読めないのをあげるなとか、全然お気楽でないと非難されそうですが、「薔薇の名前」を読んでいた時の高揚感は確かに別格でした。機会があったら挑戦してみてください。
エーコは難解なので、次は、ぐっと読みやすい児童文学から紹介します。
★AArthur Ransome(アーサー・ランサム)★
「ツバメ号とアマゾン号」という一連の児童冒険小説シリーズの作者ここでは、いくつかの家族の子供達どうしが、夏冬の長い休みに田舎の湖や、山、島等の場で出会い、友達になったりライバルになったり して、いろいろ楽しい経験をしていくというパターンです。よき相談役としては遠縁の叔父にあたるフリント船長がいるだけで、大人はほとんど出てきません。時代的には、戦前の英国の中流以上の子供達が、いろいろな遊びを重ねて成長していきます。あらすじは様々ですが、私はアウトドアの視点からもおもしろいと思います。キャンプ、ボート、ディンギー、クルーザー、オリエンティーリング、バードウォッチング、スケート、手旗信号等どれも皆、専門的で操船の一つをとっても子供らしくないくらいです。
※児童文学の中では著名なので、近くの図書館に行けば、きっとあると思います。
- Swallows and Amazons (有名なツバメ号シリーズの第1作。出会い)
- Swallowdale (アウトドア一杯の冒険小説。)
- The Picts and the Martyrs (フィールドワークとケルト族の物語)
- Winter Holiday (冬休みのアウトドア。氷上ヨットがすごい)
- Coot Club (ノーフォーク地方の運河とヨット)
We didn't mean to go to Sea (偶然外洋に乗り出してしまった子供達の北海航海)
- Great Northern (戦前のバードウォッチングの理解もできる)
※おまけ ランサム・ファンの作家が、アーサー=ランサム自身の伝記やアマゾン号の モデルとなった子供達にインタビューして後日談をまとめています。興味深いのは、背景となった湖水地方を調べるのにウインドサーフィンを使ったこと。
Christina Hardyment ”Arthur Ransome and capt.Flint's Trunk”
それでは、今日はこのぐらいで。
次回は、Ken Follett(サスペンス), Gavin Young(旅行記)を紹介します。
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以上の内容は、長谷川ご本人の了解を得て掲載させていただいております。
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