このページを作ったきっかけ


 私は旅客機が好きで、小学生の頃からときどき東京国際空港まで旅客機を見に一人で出かけました。17歳頃からは足が遠のき、自分が旅行する時以外は空港に行くことも無かったのですが...

 筑波大学から車で40分ほど離れた、茨城県稲敷郡阿見町に「 茨城県立医療大学」があります。私は、研究についての打ち合わせや、研究資料を閲覧するためにこの大学をしばしば訪ねます。

 ある日、県立医療大学へ行ったところ、大学正門の前に見慣れないアンテナが立っていました。アンテナは高さ15m程度の緑色の垂直の棒で、ステーで保持されています。あまり時間に余裕はなかったのですが、車で出かけましたので、正門から100m程離れたアンテナの根本まで行ってみました。アンテナの根本には、プレハブの小屋と3つのコンテナ型の装置が据え付けられていて、そのうちの一つに「CAB NDB ANT」と記されていました。

 元飛行機大好き少年(現:ただのおじさん)は、この略語をみてこの装置が何か気がつきました。


CAB = Civil Aviation Beaureau (of Japan)
NDB = Non Directional Beacon
ANT = ANTenna

 そう、これは運輸省航空局が設置した民間航空機の航空路を示す無線航法支援施設の一種(NDB)だったのです。

 これをみて2つほど思い出したことがあります。
 ひとつめは、以前、手元の道路地図上に航空局と書かれた地点が示されていることに気づき、何があるかと疑問に思ったこと
 2つめは、つくば市からみて東から南に25度から15度程度の高さを民間航空機がしばしば飛行していること
 の2つです。
 自宅に戻ったあと図書館で「現行日本法規」に収載されている航空保安施設の一覧表で、付近の施設を調べてみたところ、阿見には航法支援施設の一種である VOR/DMEがあることがわかりました。そして、この地点(AMI)は東京国際空港へ着陸する東日本発の旅客機の管制が、東京航空交通管制部(tokyo control)から Tokyo approach(東京進入区管制)へ引き渡される地点のようです。

 しかし、同じ航法支援施設でもVOR/DMENDBでは、全く異なります。それに、阿見にNDBがあるとは私の手元の資料には書いてありません。それに地図で「航空局」と記されている地点を見てみると、VOR/DMEがあるとされる緯度経度に一致するのですが、NDBが設置されている場所とは少しことなります。

 その後、また県立医療大学へ行った際、付近を良く見てきました。

 VOR/DMEは識別符号TLEですが、設置されているNDBは350KHzの識別符号TLでした。VOR/DMEを探すと、NDBから見える位置にありました。しかしどうも改修中の様です。VOR/DMEを改修する間に代わりに臨時にNDBを航空局が設置したのでしょう。

 出張などで飛行機に乗る度に、窓の外を見ながらどのようにして目的地へ飛ぶのかを見ていましたが、これをきっかけに航空路や空港への進入、出発管制などについて調べてみました。茨城県にはこのほかにも幾つか無線航法支援施設(Radio Navigational Aids)がありますが、茨城県に限らずあまりこのような施設に関する情報は国内のWeb上にないようですのので、まとめてみることにしました。

 また、管制に使われる無線の周波数についてもリストが入手できましたので、載せました。