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たいしたひと
(Somebody)

めんばあ

「 あどばいさあ」( 麺通)  

  「美味しいラーメン屋をみつけました。」と麺通氏が言った。
 「どういうラーメンかな?」と桃太郎が聞いた。
 「中華そばです。」と麺通氏が答えた。
 「アレンジラーメンは好きでないからなー、味噌とか、バターアとか、もやしとか、というのは、 拙者の対象外だからね。」と桃太郎が言った。
 「醤油味のほうですか。」と麺通氏。
 「味噌とか、醤油ということではなく、支那そば≠ナなければならない。具には、支那チク、ネギ、鳴門、チャアシュウ。その支那そば≠ニいうのには、とんとお目にかからない。いわきで、看板をみつけたことはあるが、入店して、食べたいとは思わない。」 と桃太郎が言った。
 「『○○亭』というのですが、お気にめすとおもいます。そのうち、食べて見て下さい。」と麺通氏。
 「ラーメンの外食は、したいと思わない。休日の伴侶がつくる、ホウムラアメンで十分だよ。麺は、扇屋の鴨南蛮うどん≠ェ一番だ、他店の
鴨南蛮うどんを食する際でも、 扇屋との違いを味うという結果になっているだけだね。」と答えた。
 「『○○亭』は、今、私の意見で味附けしてつくってもらっています。そのうちに、ぜひ、食べて見て下さい。」と強くすすめる。

 
「エーッ!、プロのラーメン店に、味を指導しているの?、いくら麺通でも、ラーメンをつくったことがあるのかい?」
 「有りません。でも、いろいろなラーメン店のを食べていますから。味の指導は出来ます。」
 「そうか、ソムリエだって、自分でワインを醸造するわけでないからなあ、ラメリエか。」
 先日、稲庭うどん製造所から麺通≠フ方にといわれた麺ばあ≠フ一人だから自負しても良いかということにした。
 桃太郎もメンリエ≠ニ自称していたためか、どうやら、桃太郎が休日の伴侶の支那そば風麺≠ニ扇屋の鴨南蛮うどん≠美味しく食しているのを見て か、ラーメンも好きと誤解しているようだ。


 らあめんの外食≠ヘしないとは言ったものの、
仙台のショッピング街で、昼食タイムになった ので、最近の麺通氏が毎日ラーメン店に通っているという話を聞いていたせいか、混んでいる 状況の中華屋食堂が目について、つい、入店してしま った。
 混んでいる=人気がある=味が良いという図式を勝手に描いてしまった。
 支那そば≠イメージしていたが、メニュウの中では、それに合致するものがな かった。
 ネギチャアシュウラーメン≠ニいうのが類似するようだったので、やむなく選択し、注文した。
 結果は、最悪、支那チクナシ、ネギは千切り、チャアシュウも千切り で、鳴門などは、目にも入らぬという中華そばであった。
 伴侶がみるみる変る桃太郎の表情を見て、「桃太郎は、中華店のラーメンというものの味に 、なじんでないのよ。私が選んだものは、普通よ。」とたしなめられた。
 たまらず、店の選択ミスを麺通氏へメイルで報告した。
 「ラーメンを久しぶりに食べた、最悪。選択ミスもあったが収穫なし。」
 「本日の昼食も『○○亭』でした。味がかなり良くなりました。チャーシューだけが70点です。今、一歩!そろそろお勧めしてもよろしいかと思っております。なるとが乗るようになりました。ゴッツァンです。」 と返信メイルがあった。
 どうやら、『○○亭』のこれまでの具には無かった、鳴門を加えてもらったようだ。
 しかし、鳴門以前にスープが何だかでもちがうのだが・・・。と思った
 「『○○亭』、いい名。此方側は、ネギ、チャーシューだっていうが、ネギの具がういていただけです。外食ラーメンはやめました。」とメイルを送信した。

  いわきに戻ると、山形からスキー関係の友人が、いわきにゴルフに来た。
 麺通氏が、同伴プレイの後、二人でラーメンで打ち上げするということになった。
 その成果は、五日間を経過しても報告がなかった。

  そこで 「貴殿の『○○亭』麺バアとして、本日の成果はどうでしたか?。此方側の昼食は、仙台の王室風家族食堂で、サンドイッチ&コーヒー、外食は、これが無難。」とメイルを送信した。


  翌日、麺通氏から電話があった。
 「メイルで返信しようとしましたが、複雑な事情になったので、どのように回答しようかと迷っていまになりました。『○○亭』のラーメンの味、迷走してしまいました。きのうまでの味と全然ちがってしまって、『食べて見て下さい。』というのは、撤回します。もう少し、いや、まだまだ・・・、待ってください。」と いうことだった。
 「なにが、ちがうのかわからなくなりました。まずは、スープとおもうのですが・・・。」と麺通氏。
 「麺通さん、アドバイスに一貫性がないのでは、責任あるよ、それは。」
 「いや、アドバイスは、わたしばかりでないので、それはいいんです。ほかに、寺に勤めている男性と付近の婦人三人組、で、いろいろアドバイスをしています。」
 「おいおい、それじゃ、かしましどころか、かきまぜ、迷走麺になるはずだよ。」
 「チャーシュの作り方にも問題あるとも思いました。『年中無休としているけど、定休日を設けて、他店の味をみたほうが良い。』と言ってみました。」と麺通氏 。
 「それはいいアドバイスだね、いままでのアドバイスで一番、的を射ているとおもうね。」と桃太郎は言った。


 「『きのう、店の客が早く引けたので、よその店の味を確かめてきました。』と 言うので、『どこの』と聞いたら、『ラーメン屋に行こうと思っていたのですが、豚カツ屋に行 って食べてきました。』と言ううんです。何が∴痰、のかを知ったほうが良いと思っ て、他の店のラーメンの味見をしたらと言ったんですが・・・、スープを特にね・・・。よその店といっても、豚かつの味見とは・・・。」と麺通氏。
 
そして、「チャーシューとは焼豚というぐらいですから、焼くんですよね。」と麺通氏が聞いてきた。
 「エッ、拙者も作り方はわからないけれど、焼くというのも程度の問題だよ。これはこれは、チャーシューの作り方までアドバイスとは、大丈夫、スーパーで、出来合いを買ったほうが無難ならーめんてん、になるね。カップラーメンだって、チャーシューでなく、ハムでもおいしいことがあるからね。」

 「奥さんは、チャーシューの作り方が上手らしいのですが・・・」
 「エッ、奥さんがつくっているのではないの。それなら作ってもらえばいいのにね。」
 「そうなんです。だんなさんがチャーシューを作るらしいんです。それで、きのうのは臭くて食べられなかった。もう、 あの店に行くのは、怖いもの見たさですね。」
 桃太郎は、これはなにが問題点か推測が困難で、不規則な事態と分類した。


  「きょうは、休みということだったのですが、スープが新しくなったので 是非とも味見をして下さい。という電話があって、今、行ってきたのですが、いまいち、ということで、これからまた行きます。 その結果をまた報告します。」と麺通氏が、佐渡の浜ちゃん≠フ 佐渡のおみやげといってもらったという、平柿を置いて再び『○○亭 』へ戻って行った。
 未だ連絡はない。(平成15年11月25日 20時現在)


 麺通氏からの連絡途絶えて中一日、桃太郎も気になって、遂に麺通氏に電話した。
 「『○○亭』スープの結果報告がなかったが、どうかしたかい・・・。連絡なしということは、向上なしということだね。」と桃太郎。
 「きょう『○○亭』から電話がありました。『きようのスープの出来がわるいので、来ない方が・・・。来ないでください。』ということでした。」と麺通氏。
 「『○○亭』は、それは立派だ。事前に来ないで下さいと案内があるなんて、此方の近所では、道路通行止めを事前に連絡がなくて、車どころか人までの全面通行止めにして、付近の人を怒らせているからね。いつも通行している道路が使えないことは支障があるのに、それを平気で連絡もしないで封鎖、そんなふうさ。それを事前に麺を食べに来ないでという通告、それは立派。しかし、スープを上手くした方がもっといいというのが本来だけどね。年中無休の看板に偽り有りだね。」と桃太郎は言った。
 「毎日行ってますから、連絡をよこしたんです。しかし、来ないでといわれても、昼食時になると、行きたくなるんですよ。」と麺通氏
 「それは、現今で俗にいう嵌る(はまる)≠ニいうものだね、『怖いもの見たさ』とこの前もいっていたね。旧聞では、宗教に凝る。禁断症状に近いので要注意ですよ。」と桃太郎。
 「鶏がらの仕入先、麺の仕入れ先も変えるか、注文を厳しくしたらとアドバイスしました」と麺通氏。
 「それでは、やはりソムリエと同等のラメリエ≠フ称号の有資格者だよ。」と桃太郎。
 どうやら麺通氏は、一日一麺≠フ結界に取り込まれているようである。
 「此方も、なんだか、行ってみたくなったね、これは悪魔のささやき≠セね。佐渡の浜ちゃん≠ノ初対面した時の前兆という感じた。」と桃太郎。
 「行くのはまだ早いです。やめて下さい。桃太郎さん。本当です。」と麺通氏。
 悪魔の囁き=A沸騰しているやかんを熱いと分かっているのに、触れてしまいアッチッチィのような事態か、GOHIROMI
(平成15年11月27日 10時現在)

 夕方、麺通しから電話があった。
 「今、電話をくれたということは、
『○○亭』に行きましたね。」と桃太郎。
 「やっぱり、気になって昼頃に、また行ってしまいました。食べると、野菜系の味になっていました。奥さんも店に出ていました。『変えましたね』というと『どうですか。』ときかれたので、『ウゥー』とうなってから『まあま、ですね。』と答え、代金を差し出すと、『もらっていいんですか』と店主が言いました。『もちろん』と言いましたよ。いままでお金をいただけないとは思っていたんでしょうね。」と麺通氏は言った。
 「それはよかった。きょう行って良かった。助言の甲斐があったね。」と桃太郎。

 「しかし、桃太郎さん、お出ましはまだですからね。」と麺通氏は、保護者のようであった。

                                          (暮れ今)


ソムリエ【sommelier】 フランス料理などで、ワインの仕入れ・管理を担当し、または客の相談を受けて
             ワインを選定・提供する専門職。
(広辞苑より)

加筆修正 2003.11.27

麺通氏の紹介 本名 森五欄丸、司会業、趣味は、目下ゴルフ、冬スキー、水質検査 。
 特技というのか、自動車にも詳しい。
 ラーメンについては、国内では、北海道から九州まで、西は、佐渡どころか対馬で も食べて、カナダ、フランスでもラーメン?ヌードル?を口にしている。
 彼を、ある時は、ラメリエまたは、らあ麺比較学者と、
桃太郎は呼んでいる。

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