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 「MUSICA MUNDANA No.21」をお届けします。

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           MUSICA MUNDANA NO.21
             Oct.30.2002
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史                           
    ギリシア--演劇
 ◎ 数学史
    ギリシア--タレス
 ◎ Homepage Updated (Oct.30.2002)
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 ◎ 随想                 
 ◎ あとがき               
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆ギリシア--演劇◆  

 BC6世紀終わりから BC5世紀の初めにかけて、アテネは、古典様式を創
 りあげた詩人・音楽家たちの中心になりました。BC5世紀の間に、その
 古典様式は、主に演劇で用いられるようになります。

 最も初期の演劇の上演は、ディオニシウスの儀式にその起源を持ってい
 ます。そして、音楽が最も重要な発展を遂げたのは、演劇の分野でした。
 劇--悲劇と喜劇--は、本質的に音楽劇で、その創作者は学校で訓練を受
 けた詩人・音楽家でした。詩と音楽と踊り、この3つの要素が渾然一体
 となって結びつき、野外の円形劇場で演じられたのです。

 詩は、音節アクセントというより、調子(高低)によるアクセントで、
 旋律は言葉のアクセント、すなわち言葉に内在する旋律によって、一部
 制限されていました。音楽のリズムは、音節の数に基づいていて、実際
 のところ、音楽のリズムと詩の韻律との間に何か実際上の区別があった
 のかどうか、極めて疑わしいのです。

 音楽のことは、実はほとんど分かっていないのですが、恐らく、もっぱ
 ら合唱で成り立っていて、無伴奏かアウロスで伴奏されていたでしょう。
 後に、モノディ、すなわちソロの声部が、特に悲劇に加えられました。
 アイスキュロスは、初めて二人目のソロの役者を導入し、対話形式を創
 りあげました。エウリピデスは、悲劇の音楽の大改革をしたのは明らか
 で、合唱は遙かに重要性を失い、ソリストたちがずっと重要になってい
 ます。

 踊り(オルケシス)に関して言いますと、これは舞台の正面にある場所
 でコロス(合唱隊)によって演じられました。この場所はオルケストラ
 と呼ばれ、1600年頃、イタリアの詩人や音楽家たちがオペラを誕生させ
 た時、いくつかのギリシア演劇の遺物と共に、ヨーロッパで初めてオル
 ケストラという用語が使用されるようになりました。オーケストラの起
 源ですね。

 恐らく、アテネで最も偉大な作曲家で、間違いなく最も偉大な喜劇作家
 は、アリストファネスでしょう。彼の劇は、彼の時代やそれ以前の作曲
 家たちのパロディです。彼の形式は、実は、転調、半音階の調音、アウ
 ロスの不安定な演奏様式など、古典形式の衰退を示しています。BC405年
 に上演された「蛙」は、同時に、ギリシア音楽の衰退を予言するもので
 もありました。

━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆ギリシア--タレス◆

 さて、今回からギリシア数学について少し詳しく見ていくわけですが、
 ギリシア数学には、大きく分けて3つの重要な段階があります。第一は、
 ピュタゴラス(派)の影響の及んだ時代。第二は、プラトンとその学派
 に支配された時代。第三は、ギリシア化(ヘレニズム化)されたエジプ
 トで繁栄し、その影響がシチリア、エーゲ海諸島、パレスチナに及んだ
 時代です。

 天文学、幾何学、そして特に数の理論を統合したものとしての数学全般
 に、何らかの学問的関心を抱いた最初のギリシア人は、タレスでありま
 した。ヘロドトスは、タレスはフェニキアの出であったと語っているの
 ですが。

 タレスは、若い頃商人で、中年になって政治家になり、晩年は数学者、
 天文学者、哲学者でありました。商人としての冒険の中で、彼は大きな
 成功を収めたように思えます。アリストテレスは、彼が、オリーブの豊
 作が見込まれるときに、ミレトスとキオスのオリーブ圧搾機のすべてを
 いかに自分の手中に収め、オリーブの季節が来るといかにそれらを転貸
 ししたかを語っています。

 当時、交易は名誉ある職業で、タレスは交易の目的でエジプトに行った
 ように思えます。初期の著述家たちは、また、クレタとアジア(中近東)
 を訪れたとも語っています。このようにして、イオニア学派を創設する
 のに必要な富を蓄積したのかも知れません。しかし、彼は学ぶことを楽
 しみ、彼がギリシア七賢人の第一の者としてあげられるほどの名声を得、
 ギリシアの天文学、幾何学、算術の父と見なされたのは、この学ぶとい
 う道楽からでした。

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前回、分離型テトラコードのオクターヴ音階の弦の比について書き、そ
 の比率で弦を張れば、簡単にオクターヴ音階が得られるとお話ししたの
 ですが、27/8(第2弦)や 243/64(第3弦)、81/16(第6弦)、
 729/128(第7弦)は、実際どうやったら得られるのかという疑問を抱い
 た人がいたようですね。

 考えてみれば(それほど考えなくてもですが)、それはそうですよね。
 大雑把に考えれば、それほど気にすることもないのですが、でも、実は、
 それを簡単に得る方法があるのです。

 オクターブ下のの弦(第8弦)は、第1弦を二倍の長さにし、第5弦は
 一倍半(1.5倍)の長さ、第4弦は 4/3倍にするというのは理解できますよ
 ね。では第2弦はといいますと、第5弦を 1.5倍にして半分にすればい
 いのです。つまり、3/2 x 3/2 x 1/2 = 9/8となりますね。前回の比率で
 言いますと、9/2 x 3/2 x 1/2 = 27/8です。

 次は、この第2弦を 1.5倍しますと、27/8 x 3/2 = 81/16で、第6弦に
 なるでしょう。そして、この第6弦を 1.5倍して半分にしますと、81/16
 x 3/2 x 1/2 = 243/64となって、第3弦になります。さらに、第3弦を
 1.5倍しますと、243/64 x 3/2 = 729/128となって第7弦になるわけです。

 第1弦、第5弦、第2弦、第6弦、第3弦は、1.5倍したり、1.5倍して
 半分にしたりと、基本的比率が2:3になっていることにお気づきでし
 ょう。これは、ピュタゴラスのペンタトニック(5音音階)と言われて
 いるようですが、この音階が古代ギリシア音楽で用いられていた証拠が
 あるという記述には、全く出会ったことがありません。

 上述のように、調弦するのに便利ではあったと思うのですが、何か後の
 時代の産物のような気がします。

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 ◇「企画展記念講演会」
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 企画展「古代のわざ」の開催を記念して,正倉院宝物の復元に携わって
 こられた前宮内庁正倉院事務所保存課長の木村法光氏に,「正倉院宝物
 に見るいにしえのわざ」と題して,正倉院宝物の復元の歴史や調査や復
 元を通してわかったいにしえの優れたわざ等について講演していただき
 ます。

 ○日  時  11月3日(日)13:30〜15:00
 ○場  所  文化の森イベントホール
 ○講  師  木村法光氏(京都市立芸術大学教授)
 ○定  員  300名
 ※申し込みは必要ありません(直接会場へおこしください)。

 徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ホームページ update情報

 落書き帖第137号
 音楽史/Oxford/第2部/14世紀のアルス・ノヴァ/フォヴェール物語
 音楽史/Pelican/第一巻/単旋律聖歌/序論:キリスト教聖歌
 数学史/Smith/第六章/1000年から1200年までのキリスト教ヨーロッパ
       宗教的政治的影響・ゲルベルト・マイナーな教会の著述家
       ヘルマヌス=コントラクトゥス・プセッロス
 語学/ロシア文学/喜劇「未成年(親がかり)」/
                教師たち・スタロドゥーム 
 語学/ロシア語/初級コース/lesson27

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 重くて仕方のない方は、[SIMPLE版]をご覧ください。

━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 十月ももう終わりですね。気がついてみると、結構寒さを感じたりする
 ようになりました。

 紅葉情報によりますと、徳島では、標高1000メートルあたりでは見頃を
 迎えているようですね。1500メートル迄行きますともう散っているかも
 知れませんが。

 最近は、山へ行く元気もあまりありませんが、里(町)にいて、紅葉の
 山やそこに生息す動物たちに思いを馳せるのもまた、趣のあることでは
 ないでしょうか。

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   ■発行人:文責:相原寛彰   ■発行:相原基礎学習所
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