初等数学史69

  ピタゴラスは、また、五度とオクターブの音程は、同じ弦をそれぞれ 2/3, 1/2のところで留めて出すことができることを発見したと言われ、このハー モニーは、それ以来「調和比率」の名の起源であると言われています。

   1:1/2=1−2/3:2/3−1/2

 彼は、エジプトから何らかの音楽の知識を得たようにも思えますが、一般には、 彼が音楽科学(学問)、すなわち調和(倍音)の法則(harmonic canon)の発明 者だと言われています。どんな記譜法を使ってどんな体系を築いていたのか何も 分かっていませんが、調和比率で音楽と数との二つを結びつけたことを誇りに思 っていたことでしょう。天体間の距離は、音楽の調和の法則によって決められて いると思っていたようにも思えます。

 ピタゴラスの影響は非常に大きくなり、彼の結社は解散させられますが、その 後も、ギリシア中で、彼の学派の教義は広まっていきました。ピタゴラスは、ク ロトナからの亡命中、恐らくタレントゥムで死んだものと思われます。
 数世紀後、BC343年、第一サムニウム戦争の災難のさなか、元老院によって、ロ ーマに彼の彫像が建立されます。そして、人々は彼のことを「ヌマ(Numa)王の 教師」と呼ぶようになりました。

 さて、ピタゴラスも今回で終わりです。次回からは、ピタゴラスの教義の影響 を受けたプラトン以前の時代の人々を取り上げます。

やさしくない英語85

『 6. All the village cattle (five) died in the last floods. Now only half as much land can be farmed as before. New cattle cost 100 crowns apiece.』
『 7. A wagon that could be pulled by one of the cattle to carry things to market would cost 100 crowns to buy. If one of the men went on the tool-making course he would learn to make a wagon as well, and it would only cost 50 crowns for the materials he would need to make one.』

 今回も『The New Cambridge English Course 4』からです。
 第六の計画案は、新しい家畜(牛)を買うこと。第七の計画案は、牛に引かせ る荷車を手に入れることですね。経済の建て直しはどこでも重要なことですね。

 単語をいきましょう。half as much〜as〜=〜の半分の〜、apiece=一人一人 (ひとつひとつ)に対して、materials=原材料、です。訳しておきましょう。

「6. 村のすべての畜牛(五頭)が、先の洪水で死んでしまいました。今は、以 前の半分の土地でしか耕作できません。新しい畜牛は、一頭あたり100クラウ ンします。」
「7. 市場へものを運ぶのに使う牛に引かせる荷車を買えば、100クラウンの 費用がかかります。もし、道具制作のコースへ一人派遣すれば、その人は荷車も 制作でき、一つ作るのに必要な材料費は50クラウンですむでしょう。

難読漢字88

「諷諫(フウカン)」「贅言(ムダゴト)」「啓培(ケイバイ)」「陋儒 (ロウジュ)」「渉猟(ショウリョウ)」「易姓革命(エキセイカクメイ)」

 今回も今井淳・小澤富夫編『日本思想論争史』(ぺりかん社)からです。

「各藩が鎬をけずった維新前夜の状況を、彼は心から憂え、危機感を抱いてい た。」
「凡そ国民たるの分限に越えざる事は忌諱を憚らずしてこれを行ひ、固く法を守 て正しく事を処し、或は政令信ならずして曲を被ることあらば、我地位を屈せず してこれを論じ、恰も政府の頂門に一針を加え、旧弊を除て民権を恢復」する心 がまえが緊要である。」

から、「鎬」「忌諱」「憚らず」「被る」「恰も」を取り上げます。

  
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