初等数学史141

 この時期のもう一人の偉大なユダヤ(ヘブライ)の学者は、アブラハム・ベン・エズラ(Abraham ben Ezra)です。彼は、数の理論、暦学、魔方陣、天文学、そしてアストロラーベについて著述しています。カバラに非常に興味があって、当時の最も学識のあるユダヤ人と評価されています。

 彼は広く旅行し、少なくとも東はエジプトまで、北はロンドンまで行っているようです。天文学、暦学に関する貢献に加えて、彼は数についてもいくつか著作を書いています。

 その中で、セフェル・ハ・ミスパル(Sefer ha-Mispar)だけが、唯一重要なものです。それは、ヒンドゥーの算術に基づいていて、数詞としてヘブライ文字を用いているのですが、計算法の中で0を使っているからです。

 彼の使った公式にこんなのがあります。
「ある一定の数まで連続する数の合計がいくらになるか知りたいと思う人は、その数にその数の半分を掛け、それにその数の 1/2を加えなさい。その結果が、その合計である。」

 お分かりですか。n*n/2+n*1/2=n(n+1)/2 になりますね。

 

漢文入門 2

「國破れて山河在り、城春にして草木深し」
「一将功成って萬骨枯る」
「長袖(チョウシュウ)善く舞い多銭善く賈(コ)す」
「倉廩(ソウリン)充つれば則ち禮節を知り、衣食足れば則ち栄辱(エイジョク)を知る」

 特に難しくはないでしょう。基本的に読み下していくことにします。
  一将功成 = 一将だけが功が成り
  長袖 = 長い袖の着物を着た人
  多銭 = 銭の多い人
  善賈 = 上手に商売をする
  倉廩 = 米ぐら

 大体意味は分かると思いますので、今回は「對異散同」について少し。

 商売人と言っても、行商するものと店を持つ坐商とがありますが、それを区別するときは行商を「商」、坐商を「賈」と言って区別をします。が、対立させずに用いると、どちらも商売人という意味になります。こうした意味上の変化のことを「對異散同(對すれば異なり散ずれば同じ)」と言います。

 で、次回はこれです。

「夫禮禁未然之前法施已然之後」
「良醫知病人之死生而聖主明於成敗之事」

やさしくない英語156

「ケルベロスにソップ」
  ケルベロスは、黄泉の国(死者の国)の入口を守る3つの頭を持つ犬のことで、新たに来る者に怒ってうなり声を上げ襲いかかる。ヘラクレスやテセウス、アイネイアスのような何人かの神話の英雄たちは、黄泉の国を訪れてそこから帰りたいと思った。彼らはケルベロスのそばを通らなければならなかった。アイネイアスは、ケルベロスを眠らせるように眠り薬の入った蜂蜜菓子を投げてそこを通ることができた。ケルベロスにソップを投げるというのは、厄介を引き起こすかも知れない人を懐柔するために賄賂のような物を与えるという意味である。」

 この説明から言うとソップ(sop)というのは、蜂蜜菓子になりますが、辞書などでは「飴」とか「賄賂」とかになっていますね。まあ、なんとなく分かる話です。

 で、今回はこれです。

「SOWING THE DRAGON'S TEEYH
  Cadmus went in search of his sister, Europa, who had been abducted by Zeus. In the course of his wanderings, he killed a dragon and at the advice of Athene planted the teeth. A fierce band of warriors arose from the teeth, and again at the advice of Athene, Cadmus hurled a stone among them. Each blamed his neighbor with the result that a free-for-all took place until almost all of them were killed. (The same episode occurs in the story of Jason.)Sowing the dragon's teeth means planting the seeds that lead to war.」

 

 

 

 

  
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