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CHIMERA
「キマイラ キマイラ(Chimera あるいは Chimaera)というのは、ライオンの頭、山羊の身体、蛇の尾を持つ、火を吹く怪物のことです。こうした組み合わせは、神話作家にも稀なことで、非現実的な考えや空しい幻想のことをキマイラと呼びます。 さて、今回はこれです。
HERMETICALLY SEALED
「詩に云う「殷の未だ師(モロモロ)を喪(ウシナ)わざるや、克(ヨ)く上帝に配(ハイ)す。儀(ヨロ)しく殷に監(カンガ)みるべし。峻命(シュンメイ)易(ヤス)からず」と。衆を得(ウ)れば則ち國を得(エ)、衆を失えば則ち國を失うを道(イ)うなり。」 殷は徳をおさめずみずから省みることを怠ったがために、天子は殺され国は亡ぶに至った。その殷を見習うべきである。 徳を慎めば民心がその人に悦服し、民心が悦服すれば国土が完全に掌握され、国が完全に掌握されれば税その他によって貨財が豊かになり、貨財が豊かになればそれが様々に用いられ、「利用厚生」(「書経」大禹謨)が盛んに行われると言うことですね。 以下財用論が展開されます。 さて、島田虔次著「大学・中庸」(朝日新聞社)の「大学 伝第十章」から続きです。
「徳者本也。財者末也。」
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初期のキリスト教学者たちの中に、数学や自然科学に何らかの関心を抱いた人はほとんどいないだろうと推測するのは当然です。彼らの宗教的信仰は、余りにも激烈で、その迫害は余りにも現実的、身に迫ったものであって、彼らの生活は、これらの分野で思索をするには不安定すぎたからです。 しかし、5世紀も終わる頃になりますと、キリスト教は十分強大になり、宗教的信仰以外にも興味を持つ知識階層が現れます。彼らは、ある程度の古典時代の数学の知識があることを示しています。 その人たちの中に、古代ローマの一族の末裔、マグヌス・アウレリウス・カッシオドルス(Magnus Aurelius Cassiodorus)がいました。彼は優れた政治家で、ローマ最後の支配者からも東ゴートの後継者からも尊敬を受けていました。 彼は「自由学芸の技法と訓練について(De artibus ac disciplinis liberalium literarum)」、七つの自由学芸--三学科(trivium)を構成する文法、修辞学、弁論法と四学科(quadrivium)を構成する算術、幾何学、天文学と音楽--の平凡な要約を書いています。 この著作は、中世の学校で広く用いられましたが、学問の分野でのこのわずかな試みは、当時の学問の水準が低い状態にあったことの証明と言えるでしょう。
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