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CASSANDRA カッサンドラというのは、トロイアの王プリアモスの娘です。アポロンとカッサンドラは恋に陥り、アポロンはカッサンドラに予言の能力を与えますが、カッサンドラがアポロンを愛するという約束を守らなかったため、アポロンはたとえ彼女が真実を語ったとしても誰も信じないように命を下すのです。それで、カッサンドラは悲運の予言者となってしまいます。現在では、その名は、予言が信じられようと信じられまいと来るべき苦難の警告を発する人のことを意味します。 さて、今回はこれです。
CHIMERA
「詩に云う。「樂只(タノ)しき君子は、民の父母」と。民の好む所を好み、民の悪(ニク)む所を悪む。此れを之(コ)れ民の父母と謂う。」 楽しげに見える君子は人民にとって父母というべき人である。人民から瞻仰される人君は、謹慎でなければならない。「ケック」することができないで、天下と好悪を同じくすることができず、偏った自分一人の好悪に囚われると、我が身は弑せられ国は滅び、天下の笑い者になるということですね。 さて、今回も、島田虔次著「大学・中庸」(朝日新聞社)の「大学 伝第十章」から続きです。
「詩云。殷之未喪師。克配上帝。儀監于殷。峻命不易。道得衆則得國。失衆則失國。」
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ローマ市民で名高いアニキウス家の一人であり、政治家、哲学者、数学者、文学者、そして中世スコラ哲学の創始者であったのが、アニキウス・マンリウス・セウェリヌス・ボエティウス(Anicius Manlius Severinus Boethius)です。 真っ直ぐな性格のため迫害され、何者をも恐れぬ性格のため処刑されますが、教会によって殉教者として受け入れられ、その名声と学識とから、彼の数学に関する著作は、何世紀にもわたって修道院の学校で受け入れられ高い地位を得てきました。 最も有名で偉大な書は、獄中で書かれた「哲学の慰め(Consolation of Philosophy)」でしょう。数学に関する著作は、算術、幾何学、音楽に関するもので、当時、数学と見なされていたものです。 算術はニコマコスの著作に、幾何学はユークリッド(エウクレイデス)の「幾何学原論」に基づいていますが、いずれもオリジナリティは示していません。 しかし、数の理論や論証幾何学の課程が必要になっていた修道院の学校で、一般的に使用できるように内容を提示していることから、教科書としては十分に成功をしていたと言えるでしょう。
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