やさしくない英語138

「地理的なハンディキャップだけが、貧困、無知、病気といった問題の適切な解決に対してずっと( )してきた。」
「怠慢を非難した三人の警官の( )、バーガレットは、何らかの優れたところのある人物を数人選び出した。」

 前回の問題ですが、単語の意味さえ分かれば、それほど難しいものではないでしょう。

 militate = 作用する、影響する
 mitigate = 和らげる、なだめる、軽減する
 Beside = ... のそばに
 Besides = ... の他にも

です。

 と言うわけで、最初の問題は、militate againstで「を妨害するように作用する」。後の問題は、besides になります。

 さて、問題です。

「In this store you can buy pickled walnuts, chocolate-covered grasshoppers, rattlesnake meat, rose-petal preserves and other (exotic, esoteric) delicacies.」
「Obviously satisfied, he (lay, laid) down his welding torch.」

 

難読漢字142

「堯舜(ギョウシュン)天下を帥(ヒキイ)るに仁を以てして、民之に従い、桀紂(ケッチュウ)天下を帥(ヒキイ)るに暴(ボウ)を以てして、民之に従う。其の令(レイ)する所、其の好む所に反(ソム)けば、民従わず。是の故に君子は諸(コ)れを己に有して、而(シコウ)して后(ノチ)に諸(コ)れを人に求め、諸(コ)れを己に無くして、而して后(ノチ)に諸(コ)れを人に非(ソシ)る。身に蔵する所恕(ジョ)ならずして、能(ヨ)く諸(コ)れを人に喩(サト)す者は、未だ之(コ)れ有らざるなり。」

 ここでは、自分自身が善を有して初めて人に善を促すことができるし、自分自身悪がなくて初めて人の悪を正すことができる、即ち「恕」が大切だと説いています。

 では、今回も、島田虔次著「大学・中庸」(朝日新聞社)の「大学 伝第九章」から続きです。

「故治国在斉其家。」
「詩云。桃之夭夭。其葉蓁蓁。之子于帰。宜其家人。宜其家人。而后可以教国人。」

 

初等数学史123

 ハルン・アル・ラシド(ハールーン・アッラシード)の息子、アル・マームーン(al-Mamun)(809-833年統治)もまた、学問の偉大な擁護者でありました。というより、単なる擁護者以上でありました。というのは、彼はバグダードに天文観測所を建て、そこで自ら観測を行ったからです。彼の命により、ギリシア古典の翻訳は続けられました。プトレマイオスの「アルマゲスト」はアラビア語に訳され、ユークリッドの「幾何学原論」の翻訳は完成されます。

 アル・マームーンの宮廷で最も偉大な数学者は、モハンメド・イブン・ムーサ・アル・フワーリズミー(Mohammed ibn Musa al-Khowarizmi)です。彼は、天文学者で、いくつかの天文表、日時計、アストロラーベに関する著作を書いていますが、「代数(algebra)」という名のついた最初の著作を書いたことで最もよく知られています。

 この著作は、チェスターのロバート(Robert of Chester)、あるいはバスのアデラート(Adelard of Bath)によって、「アルゴリトミ・デ・ヌーメロ・インドールム(Algoritmi de numero Indorum)」というタイトルでラテン語に翻訳されています。アルゴリズム(Algorism)やオーグリム(augrim)という言葉が、アル・フワーリズミーに由来するというのは、そこからです。アラビア語の原題は「イルム・アルジャブル・ワル・ムカバラ(ilm al-jabr wa'l muqabalah)」と言います。

 アル・マームーンの死後も、バグダードは、およそ150年間繁栄を続けます。学問が奨励されることは、幾分少なくなりますが。

 

 

 

 

  
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