やさしくない英語132

 前回は少々困ったことになってしまいました。

 今回は、enormityと enormousnessの違いでも取り扱おうかと思っていたのですが、これも紛らわしいので、考えを変えまして、次のような問題にします。これは意味が分かっていればそれほど紛らわしいことはないでしょう。

 次の英文の括弧の中にある三つの単語の中から適したものを選びなさい。

「Many people think the robots are still used only in a limited way and at such (esoteric, exoteric, exotic) places as M.I.T. and the Pentagon.」

 最近は、ペット用ロボットができて、別にこのような状況ではないのかも知れませんが、少し前の時代を頭において答えて下さい。

 参考に単語に意味を書いておきます。ただし英語で。そんなに厄介ではないでしょう。

 Esoteric: secret in the sense of being only for the initiated, for those in the inner circle. (eso=within; esoteris=inner)
 Exoteric: opposite of esoteric ; therefore, popular, easily understood, suitable for the general public.
 Exotic: foreign, strange (exo=outside); unusually colorful in appearance.

 

難読漢字136

「所謂(イワユ)る身を修るは其の心を正すに在りとは、心[身を心に改める]忿□(フンチ)する所有れば、則ち其の正を得ず、恐懼(キョウク)する所有れば、則ち其の正を得ず。好樂(コウゴウ)する所有れば、則ち其の正を得ず。憂患(ユウカン)する所有れば、則ち其の正を得ず。」

 この章は、正心(修身)を解釈します。

 忿□(フンチ)、恐懼(キョウク)、好樂(コウゴウ)、憂患(ユウカン) の四つは心の作用であって、人間においてなくすことはできません。しかし、それをただあるにまかせるだけであれば、情が勝ち欲が動き、心は中正(正常)を失わざるを得ないという意味です。

 さて、今回は上の続きです。島田虔次著「大学・中庸」(朝日新聞社)の「大学 伝第七章」からです。

「心不在焉。視而不見。聴而不聞。食而不知其味。」
「此謂修身在正其心」

 

初等数学史117

 今回も、マハーヴィーラについて続けましょう。

 負の乗法について述べられていますが、虚数は次のように処理されてい ます。
「物の性質において、負[の数]は平方[の量]ではないので平方根は持たない。」

 演算の中で特徴的なのは分数の除法の扱いです。その規則は次のように述べられています。
「除数の分母を分子に(そしてその逆を)した後、その時に行う演算は[分数の]乗法と同じように行う。」

 現在、日本では小学校5年生で習うと思うのですが、当時は、他の資料から東洋では用いられていたことは分かっているのですが、ヨーロッパでは16世紀に再び採用されるまで不思議なことに失われていた技術だと言うことです。

 最後に、二次方程式また無理方程式との関連として、一つ問題を挙げておきましょう。

「ラクダの群れの 1/4が森の中に見えた。[その群れの]平方根の数だけが二度山の斜面に向かった。そして三度5匹のラクダが川の土手にいる[のが発見された]。ラクダのその群れの[数の]合計はいくらか。」

 ついでに、もう一つ問題をいきましょう。バクシャーリー写本からのものです。

「一人の商人が三つの異なる場所で商品の税を支払う。一つ目の場所で、商品の 1/3を支払い、二つ目では[残りの] 1/4を、三番目では[残りの] 1/5を支払う。税は合計で24である。もとあった商品はいくらか。」

 

 

  
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