難読漢字134

「所謂(イワユ)る其の意を誠にすとは、自ら欺くこと毋(ナ)きなり。悪臭を悪(ニク)むが如く、好色を好むが如し。此れを之れ自ら謙(=慊)(ココロヨ)くすと謂う。故に君子は必ずその独(ヒト)りを慎しむなり。」

第六章は、「誠意」を解釈するもので、第五章(格物補伝)と並んで最も重要な伝です。

前回、本文にミスがありまして「此之謂自嫌」は「此之謂自謙」が正しいのですが、この「謙」も本来は「慊」だろうということです。

自己を欺くというのは、善をなそうとする意においてどうしても純一になれず、意が分裂して悪を欲する意が生じることを言います。つまり自己欺瞞であり、それをなくするのが「其の意を誠にする」つまり誠意だということです。

今回も、島田虔次著「大学・中庸」(朝日新聞社)の「大学 伝第六章」からです。

「小人閑居為不善。無所不至。見君子而后厭然。?其不善。而著其善。人之視己。如見其肺肝然。則何益矣。此謂誠於中。形於外。故君子必慎其独也。」
「曽子曰。十目所視。十手所指。其厳乎。」
「富潤屋。徳潤身。心廣體胖。故君子必誠其意。」

 

やさしくない英語130

「博物館の場所で、考古学者たちは、今年、紀元前5世紀のアテネの人々が10年間の追放を願う人たちの名を書き殴った数百のオストラコン、すなわち陶片を発見した。その名の中に、テミストクレスやヒッポクラテス、アリスティデスの名があった。」

さて、今回は、アメリカ人が英語を間違えた例を挙げてみます。次のは某有名な新聞の社説(1960年代のもの)からですが、単語の取り違えがあると言うことです。内容は、ソ連が人類初の宇宙飛行士(ガガーリン)を誕生させた後に書かれたものです。

「The United States, having sent into space and safely recovered an anthropoid, and having successfully employed solid fuels in Polaris and Minuteman missiles, need not view this Soviet achievement with undue self-deprecation」

私などは言われないと、とても気づくものではありませんが、おわかりになる方いらっしゃいますか。

 

初等数学史115

7世紀のヒンドゥーの学者で傑出しているのは、ブラフマグプタ(Brahmagupta)です。彼が活動したのは、天文学的データや様々なヒンドゥーの著述家たちの証言から、628年頃で、ヒンドゥーの学問(天文学)の中心であったウジャイン(Ujjain)であったとされています。

彼はわずか30歳で、ブラフマシッダーンタ(Brahmasiddhanta)という21章に及ぶ天文学の著作を書きました。

算術に関しては、整数、分数、数列、比例、平面図形の計量や体積、影の計算(日時計に応用された原始的な平面三角法)の問題が含まれていますが、その計量は時々間違っているそうです。

彼はπの「実用的な値」として3を、「正確な値」として√10を用いています。

ブラーフマシッダーンタの中のクタカーディヤカ(Kutakhadyaka)という章では、天文学の計算に代数を応用しています。計算の章では、負の数の一般規則を述べたり、二次方程式の章があったりします。また、不定方程式の解法にも関心を示しています。

ブラフマグプタは、私たちの知っている限り、最初のインドの著述家で、代数を天文学に応用した人でした。

一方で、彼を偏狭な僧侶や無知な民衆を喜ばすために科学について虚偽を広めていると非難されたこともありました。そうすることで、ソクラテスにふりかかった運命を避けたのだろうということです。(Kaye,"Indian Math" p.16)

 

 

 

  
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